
オンライン採用とは?メリットデメリットや成功のコツ
企業の採用活動は、コロナ禍およびITツールの進化と普及に伴い、ここ数年で大きな変化を遂げました。オンライン採用は、これらの変化を契機として急速に拡大し、採用手法の一つとして広く浸透しています。
企業と候補者の双方にとって利便性が高いオンライン採用は、副業人材の獲得においても効果的な採用手法といえるでしょう。
本記事では、オンライン採用のメリット・デメリットに加え、「使用ツール」や「成功のコツ」など、企業が知っておくべき情報をポイントを押さえてお届けします。
オンライン採用とは
候補者との面接や企業説明会を、Web会議ツールなどを活用して実施するのがオンライン採用です。候補者にとっては、直接オフィスに出向く必要がないため、コストおよび時間の両面で負担が軽減される点がメリットといえるでしょう。
オンライン採用は、企業側にとっても、地理的な制約を受けずに多様な人材へアプローチできるほか、採用担当者の移動や会場費用を削減でき、選考スピードも向上します。
コロナ禍の影響やITツールの進化・普及に加え、企業の業務効率化と候補者の利便性向上を両立できる点が、オンライン採用の普及を後押ししています。
オンライン採用のメリット
オンライン採用の利点は、候補者にとってだけでなく、企業側にも多くのメリットがあります。企業が得られる代表的なメリットとして、以下の5点が挙げられます。
地理的制約がなく、全国の優秀人材にもアプローチできる
従来の対面型面接では、遠方の候補者に来社を求める必要があり、交通費や時間的な負担が応募の障壁となっていました。
オンライン採用であれば、地方在住者はもとより、海外在住者といった優秀な人材に対しても、地理的な制約を受けずにアプローチが可能です。
面接調整がしやすく、選考スピードが向上する
オンライン採用により、候補者と企業がオフィスで直接対面する必要がなくなるため、双方の空き時間を活用した柔軟なスケジューリングが可能となります。
また、候補者の移動時間を考慮する必要がなくなるため、面接調整がスムーズに行えるでしょう。さらに、複数拠点や在宅勤務中の面接官も参加しやすく、選考スピードは格段に向上します。
移動や会場費用が不要で、コスト削減につながる
対面形式の面接では、自社オフィスの会議室が利用できない場合、貸し会議室の手配が必要となり、採用担当者が現地に出向く必要がありました。
一方、オンライン面接であれば場所代がかからず、固定費や変動費の双方を抑えることができます。そのうえ、担当者の移動に伴う交通費も削減可能です。
複数の面接官が同時参加しやすく、効率的な評価が可能
オンライン面接は、複数の面接官が同時に参加しやすい点が特徴です。別拠点に在籍している面接官や在宅勤務中の社員もアクセスしやすく、スムーズな対応が可能となります。
その結果、面接のスケジューリングが容易になるだけでなく、一度に複数の視点で候補者を評価できるため、判断の偏りや見落としを防ぎ、効率的な人材評価が実現できます。
候補者も気軽に参加しやすく、面接辞退リスクが下がる
オンライン面接であれば、遠方に居住している方や、現在就業中の候補者であっても、休憩時間や出勤前後などのスキマ時間を活用して参加できる点が魅力といえるでしょう。
また、候補者にとっては、服装や周囲の環境に対する心理的プレッシャーが軽減されるため、面接辞退というリスクの低減にもつながります。
オンライン採用のデメリット
企業と候補者の双方にとって多くのメリットがあるオンライン採用ですが、残念ながらいくつかのデメリットも存在します。以下に示す5つのデメリットを認識したうえで、適切な対応策を講じておくことが重要です。
企業の雰囲気やオフィス環境を伝えにくい
対面形式の面接であれば、オフィスの雰囲気や、はたらく社員の対応といった日常の空気感が、自然と候補者に伝わります。
一方で、オンライン面接では、視覚や体感で得られる情報が制限されるため、自社の雰囲気やオフィス環境が候補者に伝わりにくい点がデメリットといえるでしょう。
このような課題を補うためには、オンライン面接において自社の魅力を積極的に伝える工夫が求められます。
候補者の本音や微妙な表情・態度が把握しにくい
オンライン面接では、パソコン画面越しに候補者と対話するため、表情の変化や感情の機微、態度の細かな違いを把握しづらい点がデメリットといえるでしょう。
候補者の本音を引き出すためには、面接冒頭に雑談や面接官の自己紹介を行うなど、候補者がリラックスできる雰囲気づくりに努めましょう。
通信トラブルや機材不具合で面接が中断するリスクがある
オンライン採用では、インターネット回線の不安定さやWebカメラの不具合などにより、面接が突発的に中断されるリスクが常に伴います。
そのため、事前に通信テストを実施することはもちろん、バックアップツールの準備や代替手段・対応ルールの整備が欠かせません。あわせて、トラブル発生時に備え、面接官の緊急連絡先を事前に候補者へ共有し、安心して面接に臨んでもらえるような配慮が必要です。
面接官のスキル差で印象や評価にブレが生じやすい
オンライン面接では、対面形式よりも候補者の表情や雰囲気が伝わりづらくなるため、面接官には一層の観察力や質問力が求められます。
しかし、面接官のスキルに差がある場合、候補者に対する印象や評価にばらつきが生じやすく、結果としてミスマッチ採用につながるリスクが高まる可能性もあります。こうした事態を防ぐためにも、オンライン面接に特化したトレーニングを実施し、面接官ごとのスキルや評価基準の標準化を図る工夫が不可欠です。
候補者側の通信環境によって不公平が生じることがある
通信回線の遅延や不安定さにより、音声や映像が断続的になるケースでは、候補者の発言や表情、反応が正確に伝わらず、評価が困難となる可能性があります。
その結果、候補者が本来のパフォーマンスを発揮できず、正当な評価を得られないという不公平が生じる場合もあります。こうしたリスクを前提に、事前の接続確認やトラブル対応のフローを設けておくようにしましょう。
不公平な結果を回避するためには、候補者に対して事前の接続テストを推奨し、通信トラブルが発生した場合の対応ルールをあらかじめ定めて共有しておきましょう。そのうえで、面接官には不具合発生時にも、通信環境の影響を加味した公平な評価を行うよう指導する必要があります。
オンライン採用の成功のコツ
オンライン採用を成功させるためには、いくつかのコツがあります。以下に挙げる6つのポイントに重点を置き、一つずつ着実に実践しましょう。
面接前に接続確認や事前説明を行い、候補者の不安を解消する
オンライン面接で候補者が抱きやすい最大の不安は、インターネット接続の不具合やツール操作のミスにあるといえるでしょう。これらが円滑に行えない場合、「採用されないのではないか」といったネガティブな心理状態に陥る可能性もあります。
そのため、候補者には「使用ツールのURL」「インストール方法」「ログイン手順」「接続確認の実施方法」などを、事前に案内しておくことが重要です。
特に、操作に不慣れな候補者にも対応できるよう、スクリーンショット付きの操作マニュアルなどを添付すれば、不安の解消に加え、企業に対する信頼感の向上にもつながります。
面接官もオンライン面接のトレーニングを受け、質問や進行を工夫する
オンライン面接は対面形式とは異なり、候補者の表情や感情の細かな変化を捉えにくくなります。そのため、面接官による質問や進行がスムーズでないと、かえって候補者の不安や緊張を高めてしまうおそれがあります。
面接官自身もトレーニングを通じて、使用ツールの操作を正確に習得し、カメラ目線を保ちながら話す練習や話し方のスピード・抑揚の工夫を行うことが望まれます。さらに、オンライン特有のタイムラグに対応するため、質問の後には数秒間の間を置くなど、進行上の配慮も必要です。
面接の冒頭で企業の魅力や雰囲気をしっかり説明する
オンライン採用では、候補者が実際に自社オフィスに足を運ぶ機会がないため、職場環境や社風をイメージしにくいという側面があります。
このような状況においては、面接の冒頭で自社の魅力や雰囲気について積極的に伝えることが、選考の成功を左右する重要な要素となるでしょう。自社カルチャーや組織の強みなどを最初に共有することで、面接全体の雰囲気が良くなり、候補者のモチベーションも高まるはずです。
質問やフィードバックは丁寧・具体的に行う
オンライン環境では、細かなニュアンスや非言語的な情報が伝わりづらく、企業の意図と候補者の受け取り方にズレが生じやすくなります。
このため、曖昧な質問や反応を避け、具体的な問いかけによって候補者が自然体で話せるよう配慮しましょう。
また、選考後のフィードバックにおいても、合否にかかわらず「評価すべき点」を伝えるとともに、不採用の場合には「自社の採用要件に対する経験の不足」といった具体的な理由を、感謝の意を込めて丁寧に伝えるよう心がけましょう。
通信トラブル時の対応ルールを決めておく
社内で通信テストを実施していても、オンラインにはトラブルがつきものです。通信トラブルは候補者にとって大きな不安要素となります。また、トラブル時の対応フローが明確に定められていないと、面接官側も混乱し、面接が失敗に終わる可能性もあるでしょう。
こうした場面で、トラブル発生時に迅速かつ冷静な対応ができれば、企業への印象が向上し、採用の成功率アップにもつながります。たとえば、「3分以上通信が途切れた場合は、面接日程を再調整する」といった対応ルールをあらかじめ定め、候補者にも事前に共有しておくことが重要です。
面接後の連絡やフィードバックを迅速に行う
面接後の連絡やフィードバックが遅れると、候補者の不安を煽るだけでなく、優秀な人材であれば他社からの引き合いも多いため、他社へ流れてしまう可能性もあります。
選考を受けた企業から迅速な対応があることは、候補者にとって誠実さや信頼性が伝わる、何よりの証となります。たとえ選考通過に至らなかった場合でも、丁寧なフィードバックを受けることで、貴重な候補者体験となり、企業に対してポジティブな印象を抱く結果へとつながるでしょう。
オンライン採用に役立つツール
オンライン採用に役立つ代表的なツールとしては、以下の2つが挙げられます。
Zoom
Zoomは、Zoomコミュニケーションズが提供するWeb会議サービスです。オンライン採用だけでなく、社内外の会議でも広く活用されています。
Zoomはオンライン採用において、以下のようなメリットを発揮します。
- 多人数での面接や長時間のやり取りにも耐えうる高い通信の安定性
- 説明資料などを共有できる画面共有機能
Google Meet
Google Workspaceの一部として提供されているのが、Google Meetです。GmailやGoogleカレンダーとの連携がスムーズで、非常に使い勝手の良いオンラインビデオ会議ツールといえるでしょう。
オンライン採用でのGoogle Meet活用における主なメリットは以下のとおりです。
- Googleならではの高い通信安定性と優れたセキュリティ
- PCで使用する場合、アプリのダウンロードが不要で、URLをクリックするだけで参加可能という手軽さ
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今回は、効率の良い採用手法の一つとして浸透しつつあるオンライン採用について、役立つ情報をお届けしました。
オンライン採用だけでなく、企業の採用活動は「社会」「技術」「経済」といった外部要因の影響を受けながら、求められるニーズや対応すべきことが日々変化していきます。
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