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人事ノウハウ

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採用におけるカスタマージャーニーの作り方と活用のポイントを解説

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求職者の体験を可視化し、最適な接点で効果的にアプローチするためには、カスタマージャーニーの導入が欠かせません。

ただし、カスタマージャーニーを設計し、その効果を最大化していくには、いくつかのポイントがあります。導入時には、副業社員の力を借りることも効率的な方法の一つです。

本記事では、カスタマージャーニーの考え方を採用に導入するメリットに加えて、カスタマージャーニーマップの作り方や活用のポイントについて詳しく解説します。

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採用におけるカスタマージャーニーとは

企業の採用活動において、候補者は顧客に相当します。候補者と企業の出会いから入社、そして定着に至る一連の流れを指して、採用におけるカスタマージャーニーと呼びます。

その目的は、企業側から適切な情報提供を行い、採用CX(候補者体験)を設計することにより、応募率や内定承諾率を高める点にあります。

採用におけるカスタマージャーニーマップの作り方

採用におけるカスタマージャーニーマップとは、候補者が自社の求人情報と出会い、応募を検討する段階から、実際の応募、内定、さらには入社後の定着に至るまでの体験や行動を可視化した図や表を指します。

以下では、採用におけるカスタマージャーニーマップで明確にすべき事項と、1~6までの作成手順を紹介します。

ターゲット人材(採用ペルソナ)を明確にする

カスタマージャーニーマップを作成する際に、まず重要なのはターゲット人材を明確にすることです。採用ペルソナ像が抽象的である場合、施策全体にズレが生じてしまいます。

1.候補者の体験プロセスをフェーズごとに整理する

採用活動は、自社求人情報の認知から始まり、興味喚起、応募、選考、内定、定着というフェーズに分かれます。候補者の体験プロセスを各フェーズごとに整理することで、候補者目線で一貫した設計が可能となります。

2.各フェーズでの候補者の行動・感情・課題を洗い出す

「応募数の減少」や「内定承諾率が低い」といった結果だけでは、原因を特定できません。各フェーズにおいて候補者がどのような行動を取り、どのような感情を抱いたのかを洗い出すことで、より具体的で実態に即した課題が明らかになるでしょう。

3.接点を整理する

候補者と企業の接点は、「求人媒体」「自社採用サイト」「SNS」「企業説明会」「面接」「内定者フォロー」など多岐にわたります。接点を整理することで、候補者が企業と関わる場面を明確にできるうえ、発信する情報の統一によって、各接点で一貫したブランド体験を実現できます。

4.候補者が求める情報・動機づけ要因を記載する

候補者が求める情報や動機づけは、フェーズごとに異なります。自社と初めて接点を持つ認知のフェーズでは、「自社の存在意義やビジョン」などを明確に示すことで、候補者がスムーズに意思決定できるようになるでしょう。

5.課題・ボトルネックとなっている部分を可視化する

採用活動全体を見直し、「応募数はあるが書類選考通過率が低い」といった、成果を阻害するボトルネックを可視化することで、改善効果が大きい部分から着手でき、効率的に成果につながるでしょう。

6. 図や表にしてチームで共有し、改善に活用する

採用活動はフェーズや候補者との接点、課題が多岐にわたり、文章のみでは情報が伝わりにくく、人によっては解釈にズレが生じる場合があります。カスタマージャーニーマップを図や表で可視化し共有することで、チーム全体が共通認識を持つことが可能になります。

カスタマージャーニーマップ作成のポイント

カスタマージャーニーマップを作成する際は、以下の5つのポイントに重点を置きましょう。

ペルソナ設定は現実的で具体的な内容にする

あいまい、あるいは理想像に偏りすぎた人物像では、候補者の行動や心理の把握が困難です。その結果、候補者は条件の乖離や欲しい情報の不足を理由に応募を断念する可能性があります。

自社が求める人物像として「具体的な年齢」「職種経験」「価値観」など、現実的かつ具体的なペルソナ設定を行うことで、候補者の行動予測が可能になります。

実際の応募者や面接経験者の声を取り入れる

実際に応募した人材や面接を受けた経験者の声を反映することで、候補者がどの情報に注目し、どの段階で不安を感じやすいかを把握できます。

これにより候補者視点のカスタマージャーニーマップが完成し、共感や説得力が増すでしょう。また、候補者に「企業が自身を理解している」という印象を与えられるため、応募意欲や内定承諾率の向上にもつながります。

社内の関係者(採用、現場、広報など)を巻き込んで作成する

カスタマージャーニーマップ作成時には、「採用」「現場」「広報」といった社内関係者を巻き込むことをおすすめします。

採用担当は候補者との接点から得られる情報を把握し、現場のマネージャーは活躍できる人材のスキルや特性を理解しています。

広報は外部への情報発信やブランドイメージに関する知見を提供できます。これらの多角的な視点を反映することで、現実的かつ実効性の高いカスタマージャーニーマップの作成が可能となるでしょう。

デザイン性よりも「見やすさ」「共有しやすさ」を重視する

カスタマージャーニーマップは、採用担当や現場だけでなく、広報や経営層など、さまざまな部署の関係者と共有するため、直感的に理解できることが第一の前提です。

デザイン性だけが強調されてしまうと、人によっては理解しづらくなり、社内での活用が進まない可能性があります。シンプルで見やすい形式にしておくことで、会議やチャット、紙の資料など、使い勝手の良いカスタマージャーニーマップとなります。

一度作って終わりにせず、定期的にアップデートする

採用トレンドや市場は日々変化しています。また、候補者の価値観も移り変わるため、古いカスタマージャーニーマップのままでは実態とのズレが生じ、施策の効果が失われるおそれがあります。

さらに、自社の事業フェーズによっても、求める人物像は異なります。このため、カスタマージャーニーマップは、時流や自社の状況に合わせた定期的なアップデートが求められます。

採用におけるカスタマージャーニー導入のメリット

採用にカスタマージャーニーを導入した場合、企業には以下の6つのメリットがもたらされます。

候補者視点で採用体験(CX)を見直すことができる

企業と候補者の視点にはギャップが存在します。企業側は候補者を考慮して情報を提供しているつもりでも、候補者には響かない内容であることは少なくありません。

候補者視点による採用体験(CX)の改善は、応募率や内定承諾率、定着率の向上に直結します。

カスタマージャーニーマップを作成して候補者の行動や感情を可視化することで、ギャップの発見と解消が実現するでしょう。

採用プロセスの課題や改善ポイントが明確になる

カスタマージャーニーの考え方を採用に導入することで、候補者が採用プロセスのどの時点で離脱しているのかを把握できます。

たとえば、応募率が極端に低い場合には「フォーム入力が煩雑」「エントリー導線の設計が分かりづらい」といった要因が潜んでいることがあります。

採用プロセスにおける課題や仕組みは、客観的なカスタマージャーニーの導入によって改善ポイントが明確になる点が、大きなメリットといえるでしょう。

採用広報やメッセージ内容を最適化しやすくなる

カスタマージャーニーにより、候補者が自社に関心を持つ段階や応募を検討する段階など、発信すべきメッセージが異なることが明らかになります。

候補者の心象や行動に合わせて適切な採用広報や情報発信を行うことで、各段階において効果的な施策とメッセージを展開でき、内容の最適化が容易になるでしょう。

面接・フォローなど各フェーズでの対応品質を高められる

面接やフォローといったフェーズは、候補者と企業が接点を持つ貴重な場です。この段階で企業が質の高い対応を提供できれば、候補者からの信頼性を高め、モチベーション維持にもつながるでしょう。

カスタマージャーニーに基づき候補者の心理を理解しておけば、面接前後の案内や選考後のフォローにおいて適切な対応が可能です。対応品質を高めることで候補者の不安を解消できるうえ、内定辞退率を下げることも期待できます。

候補者満足度や内定承諾率の向上につながる

候補者体験は、企業選びの重要な決め手となります。近年の候補者は、給与や勤務条件だけでなく、選考プロセスにおける満足度も重視する傾向があります。

企業側の丁寧かつスムーズな対応は、候補者に「人を大切にする企業」という印象を与えます。競合他社の給与や勤務条件が自社と同等であっても、選考体験の心地よさが内定承諾を後押しする可能性は高いでしょう。

チーム間で共通認識が持て、施策の方向性が揃う

採用活動に関わる人材は、人事部や経営層にとどまらず、現場も含めて多岐にわたります。各チーム間で共通認識が欠けていると、候補者に一貫性のない企業という印象を与えてしまいます。

カスタマージャーニーマップを作成して共有することで、「候補者がどのフェーズで、何をどう感じるか」をチーム全体で理解できます。

全員が共通認識を持つことで、メッセージなどの情報発信から対面やメールでの対応まで、トーンを統一できるため、候補者に安心感を与えることが可能です。

カスタマージャーニー活用のポイント

カスタマージャーニーは、以下の6つのポイントを実践することで、活用効果を最大化できます。

ジャーニーの各フェーズごとに改善施策を立案・実行する

候補者の体験や心理は採用フェーズごとに異なるため、各段階に応じた最適なアプローチが必要です。

フェーズごとに改善施策を設計し実行することで、候補者体験の最適化だけでなく、採用効率や内定承諾率の向上も期待できるでしょう。

スカウト文・求人票・説明会などの内容を見直す材料にする

カスタマージャーニーでは、フェーズごとに候補者が知りたい情報や抱える不安が整理されています。その情報に基づきスカウト文や求人票を見直すことで、「今、候補者が知りたいこと」を的確に伝えることができます。

また、企業説明会の振り返りをカスタマージャーニーを見直す材料とすれば、候補者体験の質をさらに高められます。

タッチポイントごとの対応品質をチェックする

候補者と企業の接点は、求人票やSNS、面接など多岐にわたります。いずれのタッチポイントにおいても候補者に違和感を与えると、応募意欲の低下だけでなく、企業への不信感につながるおそれがあります。

そのため、タッチポイントごとに情報の充実度や正確性、対応の丁寧さを確認しましょう。それぞれの対応品質を見直すことで、候補者に好印象を与えることができます。

内定辞退や歩留まりの原因分析に活用する

「競合に流れた」「自社の条件と合わない」といった内定辞退や歩留まりの原因追及が、表面的かつ感覚的なものである場合、本質的な改善にはつながりません。

カスタマージャーニーの考え方を活用すれば、候補者がどのフェーズで不安や不満を抱いたのかを整理でき、隠れた原因を特定することが可能です。

採用CX向上のKPIを設定し、効果を検証する

カスタマージャーニーを採用CXの向上に結びつけるには、KPIを設定し、定量的に効果を検証することが不可欠です。

KPIを設定することで、どのフェーズで離脱や不満が発生しているのかを数値で把握でき、課題を可視化できます。また、効果検証に基づきPDCAを回すことで、継続的な改善が実現するでしょう。

新たな採用手法・チャネル導入時の検討材料とする

カスタマージャーニーの設計を通じて、既存の採用手法やチャネルでは補えない部分を明確にできます。これにより、現状の課題整理や新たな採用手法・チャネルの優先順位付けにも役立ちます。

さらに、効果予測や検証の観点からも、新たな採用手法やチャネル導入時の重要な検討材料となるでしょう。

御社の業務に副業社員を検討してみませんか?

今回は、採用にカスタマージャーニーを導入するメリットやカスタマージャーニーマップの作り方、活用のポイントなど、企業が知っておきたい情報をまとめてお届けしました。

御社の採用活動に役立つカスタマージャーニー設計において、スキルの高い副業社員を活用することは、非常に効率的な方法といえます。

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