ATS(採用管理システム)とは?主な機能や導入の比較ポイント
ATSとは、応募者である「Applicant」、管理の「Tracking」、そしてシステム(System)の頭文字を取り、採用に関するさまざまな業務と情報を一元管理する採用管理システムのことです。
このシステムは、応募者の受付から内定までまかなえるため、社員だけでなく副業人材の採用にも活用でき、業務効率化だけでなくコスト削減にも役立ちます。
今回はATS(採用管理システム)を検討する企業に向けて、主な機能から導入時の比較ポイントやメリットを、気になる注意点も踏まえながら詳しく解説していきます。
ATS(採用管理システムとは)
ATS(採用管理システム)は、応募者の履歴書・職務経歴書の管理やスクリーニング、面接の日程調整など採用プロセス全般の業務をソフトウエアで管理していきます。
企業におけるATS(採用管理システム)の導入は、採用業務の効率化をはじめ、採用フローの可視化・分析が可能になるため、人事担当者の負担軽減も期待して取り入れる企業が増えています。
ATS導入のメリット
企業がATSを導入することで、以下に挙げる5つのメリットが得られます。
応募者管理が楽になる
ATSを導入する最大のメリットは、履歴書や職務経歴書などの応募者情報をひとつのプラットフォームで管理できるようになるため、情報検索や比較がスムーズになる点です。
今まで応募者管理をエクセルなどで処理していた企業でも、ATSの導入によって、システム上での可視化ができます。このため、効率のよい採用業務が実現できるでしょう。
応募者とのコミュニケーションが改善される
ATSには、応募者からの応募や問い合わせに対して、自動でメールを返信する機能があります。
今までは、採用担当者が一つひとつ確認して返信しなければならなかった工数が一気に軽減される点は、何よりの魅力といえるでしょう。
応募者にとっても返信がスピーディーなため、不安を感じることもありません。また、面接などの日程調整も自動化できるため、応募者が自身の都合に合わせて面接日を選択することが可能です。
ATSを導入することで、応募者と企業間のコミュニケーションがスムーズに進み、双方の信頼感も強まります。
採用手法ごとの効果を分析できる
求人サイトやSNS、あるいはリファラㇽ採用など、複数の採用手法を用いて採用活動を行う場合、ATSを用いれば、各々から経由される情報を一元管理できます。
このため、どの手法が最も効果的かそれぞれ比較することが可能になります。特定の採用手法の効果を詳しく分析できれば、採用戦略の最適化にもつながるでしょう。
採用プロセスを効率化できる
採用には、さまざまな業務が発生します。それぞれの業務を採用担当者にすべて委ねた場合、膨大な時間と労力を割かなければなりません。
多岐にわたる採用業務に関するデータを一元管理できるATSであれば、手作業による手間が大幅に減るため、採用プロセスの効率化につながります。
コスト削減につながる
ATSは、いままで採用担当者が手作業で担っていた業務を自動化することが可能です。
企業はATSを活用することによって、人件費の削減だけでなく、時間や労力の面においてもコストを抑えられます。
ATSの主な機能
採用活動に関するさまざまな業務がデジタル化されることで、一元管理が可能になるのがATSの最大のメリットといえるでしょう。
ATSに備わる機能は、以下に挙げる5つが主なものになります。
求人管理
企業が人材を獲得するために、求人情報の登録や更新などの求人管理は欠かせません。これらもATSに備えられた機能ですが、システムによっては求人票の作成ができる場合もあります。
また、作成した求人広告を外部の求人サイトや、各種転職エージェントに連携できる機能もあるため、自社のニーズに応じたシステムを選ぶとよいでしょう。
応募者情報管理
ATSには、応募者のプロフィールをはじめ、履歴書や職務経歴書などの情報を一元管理できる機能があります。
また、システムによっては、外部の求人サイトや転職エージェントを通じ、応募者情報を自動で取り込む機能を備えているものもあります。
選考管理
選考管理は、応募者の面接スケジュールの調整から、面接での評価登録、社内共有といった選考状況を一元管理できる機能です。
外部システムにあるカレンダーや、チャットツールとの連携が可能なATSもあります。このため、応募者とのやりとりにとどまらず、採用担当者などへのスケジュール共有や依頼もスムーズに進めることが可能です。
内定者管理
内定者管理は、選考に関する合否通知の送信や、内定未承諾者へのリマインドをはじめ、研修日程の連絡など、内定者への連絡から入社までに必要な業務をフォローする機能です。
この機能は、内定者が入社して企業の採用活動が完了するまで活用できるため、採用担当者にとっては時間と労力の節約につながる、非常に便利な機能といえるでしょう。
採用分析
企業の採用業務において、ATSは以下に挙げる3つの採用データ分析が可能な点も大きな特徴といえるでしょう。
- 応募経路ごとの通過率・面接設定率・内定率
- 各選考段階における通過率
- 面接担当者ごとの選考通過率
上記のデータ分析結果を元にして自社の採用活動を振り返り、次回の採用戦略に活かすことができます。
ATSの比較ポイント
ATSの特徴や機能構成は製品によってさまざまです。また、導入すべきATSも企業によって異なります。どのようなATSが自社に合うか、以下で10の比較ポイントを解説していきます。
どの領域の採用に注力するか
採用活動とひと言でいっても、新卒あるいは中途採用、または正社員でなく、パートやアルバイトというふうに、自社がどの領域の採用に注力するかで必要な機能は異なってきます。
規模の大きい企業で新卒者を採用する場合は、膨大な数の応募者に対応できるシステムが必要でしょう。
一方、企業規模がさほど大きくなく、複数の求人媒体を活用して募集するパートやアルバイトであれば、連携できる媒体の多いシステムが適しています。
サポートは手厚いか
ATS利用時に、システムダウンをはじめデータ漏えいや不正アクセスなどのトラブルに見舞われた場合、迅速なケアが必要です。
このため、ATSを導入する際はシステムの機能面だけでなく、サポートの手厚さに関しても注目しましょう。
万が一トラブルが起こった場合でも、システムの定期的なバックアップやセキュリティチェック、必要に応じてメンテナンスが行われるシステムであれば、大事に至らずに済みます。
欲しい採用コンテンツを作れるか
ATSには、画像や動画を組み込んだ質の高いサイトを作成できる機能があります。自社のニーズに合うよう柔軟にカスタマイズすることができれば、応募者の目を惹くコンテンツの作成が可能になります。
また、多様なテンプレートがあるため、技術がさほど高くない方でも魅力的なコンテンツが容易に作成できるシステムを選ぶとよいでしょう。
費用はどれくらいか
ATS導入にかかる費用は「システムの種類」「機能」「導入規模」などによって異なります。一般的に、月額で数万円~数十万円程度を見積もっておくとよいでしょう。また、初期導入費用やカスタマイズ費用も必要な場合があります。
ATSは、採用情報を一元管理するシステムであり、採用規模が大きいほど効果を発揮する点が特徴といえます。このため少人数の採用では、費用対効果が合わないかもしれません。
この場合、ダイレクトリクルーティングなどを選択したほうが、採用計画が成功する可能性が高くなります。
登録数は多いか
ATSに多くの求職者データが登録されていれば、より多くの選択肢から自社にふさわしい人材を効率よくみつけることができるため、採用成功率も高まります。
また、採用市場のトレンドや求職者動向の分析もしやすくなります。このため、より効果的な採用戦略を立てることが可能です。
操作性は良いか
ATSを導入するうえで機能面と共に重要なのが使い勝手の良さです。いくら高機能なシステムであっても操作性が優れないと、本来の効果を発揮しません。
操作性の良いATSは、求人情報の入力から候補者との連絡、選考の進捗管理といった業務をスピーディーに処理できます。
とくに候補者管理や進捗管理は、採用管理システムのメイン機能であり、もっとも使用頻度が高いといえるでしょう。導入する際は、この2つの機能の操作性を重視したATSを選ぶことが肝心です。
応募者とコミュニケーションは取りやすいか
応募者とのコミュニケーションに関する機能も重要なチェックポイントです。スムーズにコミュニケーションが取れないと、企業に対する不信感にもつながります。
まず、メールやLINEなど、応募者への連絡にどのツールを使えるか確認しておきましょう。応募の受付から面接、内定者フォローまで、ATSを用いてスムーズかつ、効率的なやりとりができるものであれば安心です。
データ集計・分析はどれほどできるか
自社にマッチした人材を採用していくには、採用活動のブラッシュアップが欠かせません。これまでの採用活動を振り返ってデータを集め、問題点の可視化や分析をすることが重要になってきます。
このため、「求人媒体別の応募者数」「面接率」「採用率」といった、各採用フローでの通過率を自動計算できるシステムを選ぶことが肝心です。
この機能があれば、効果的なデータ集計や分析ができるうえ、採用担当者の負担を減らせるでしょう。
どの媒体・紹介会社と連携できるか
効果の高い求人媒体や、人材紹介会社との連携ができるかどうかも、ATSを選ぶ際の重要なポイントといえるでしょう。
ただし、ATSによって対応できる求人媒体や人材紹介会社は異なります。自社が利用する求人媒体や人材紹介会社がある場合は、検討するATSが対応しているかについてもチェックしましょう。
社内の情報共有のしやすさ
優秀な人材を採用するには、現場で活躍する人材との連携は欠かせません。ATSを導入することで、外部のチャットツールなどを活用した応募者情報や評価などの情報共有が容易にできます。
ただし、ATSによって連携できる外部のシステムやツールは異なります。このため社内の情報共有がスムーズに行えるか、しっかり確認しておきましょう。
ATS導入の注意点
企業における採用活動に多くのメリットをもたらす一方、ATSを導入する際は以下に挙げる2つの注意点があることも理解しておきましょう。
解決したい課題を明確にしておく
ATSを導入する際は自社の現状を洗い出し、解決すべき課題を明確にしておきましょう。解決課題が明確になることで、システムを選ぶ際に必要な機能やサービスの正確な把握が可能です。
また、解決課題に対する最適なソリューションを選ぶことができれば、導入や運用に関するコストを抑えることもできます。
導入後の運用イメージを持つ
ATS導入後は、運用状況を定期的に評価して、不都合があった場合は操作性や機能に対する改善策を練らなければなりません。
このため、ATS導入前には社内関係者との調整を行って、運用イメージが理解できるようにしておきましょう。
また、関わる全員が足並みを揃えて運用し、システムの効果を最大限に活用できるよう、トレーニングやマニュアルを整備しておくことも肝心です。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか?
今回は、ATS導入を検討される企業に向けて役立つ、さまざまな情報をお届けしました。便利なシステムを取り入れることで、御社の採用活動の効率も格段に向上するでしょう。
また、優秀な人材獲得に貴重な社内リソースを割く前に、即戦力となる副業社員の力を借りて効率化を図るのも有効な手段です。
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