リファラル採用とは？メリットデメリットや注意点まとめ
企業の採用手法が多様化する中、注目を集めているのが「リファラル採用」です。リファラル採用は、社員の紹介による採用方法で、質の高い人材の獲得に効果を発揮する可能性があります。
この記事では、リファラル採用のメリット、デメリット、注意点を詳しく解説し、効果的な促進方法や進め方についてご紹介します。
リファラル採用は、副業社員に任せる方法もあります。詳しくは、ぜひ記事の最後をチェックしてください！
リファラル採用とは
リファラル採用は「社員紹介制度」とも呼ばれ、自社の社員が自社の採用条件にマッチする知人や友人を候補者として紹介する採用手法です。
もともとアメリカではメジャーな採用手法でしたが、企業とのマッチ度や入社後の就業継続率が高まる傾向が見られることが認知され、徐々に日本市場でも広がってきています。
縁故採用との違い
リファラル採用は、同じく社員のコネクションを活用する縁故採用としばしば混同されますが、両者には大きな違いがあります。
リファラル採用では、社員からの紹介を受けた後は従来の採用プロセスを経て実力で内定・入社へと進みます。そのため、採用基準に満たない場合には内定を見送ることもあります。
一方縁故採用は、社員と血縁関係のある人材や関係者を、内定を前提に選考する手法を指します。
リファラル採用では通常、明確な採用基準や選考プロセスが設けられており、縁故採用よりも公平性が高いのが特徴です。
リファラル採用のインセンティブ制度
リファラル採用を促進するため、多くの企業がインセンティブ制度を導入しています。
インセンティブ制度とは、リファラル採用で人材を紹介してくれた社員に紹介報酬を支払うというものです。
インセンティブ制度で社員からの積極的な参加を動機づけすることで、質の高い人材の紹介につながる可能性があります。
リファラル採用のメリット
ここからは、リファラル採用を導入するメリットを3つ紹介します。
採用コストを下げられる
リファラル採用は、新卒採用や中途採用と比べると採用コストを削減できる傾向にあります。
自社社員の残業代はかかるものの人材紹介会社への手数料支払いが不要であるため、人材紹介会社を経由した採用コストと比べると採用にかかる費用を抑えることができるでしょう。
採用のミスマッチを減らせる
社員が紹介する人材は、その社員を通じて企業文化や業務内容をあらかじめリアルに伝えられるため、入社前に自社への理解が進んでケースが多くあります。そのため、入社前後のギャップを感じづらく、ミスマッチが起こりにくくなります。
さらに、紹介者が候補者の性格や仕事ぶりをよく知っていることが多いため、企業文化との適合性も事前に判断しやすくなります。これは、長期的な人材定着にもつながる重要な要素です。
即戦力人材に出会える
リファラル採用では、社員が自身の人脈の中から職場での活躍ぶりや周囲から信頼されている様子などで判断し、適切な人材を選んで紹介します。
そのため、優秀な人材や即戦力として活躍できる人材かつ自社と同じ志や価値観を持った人材と出会える可能性が高まる傾向にあります。
リファラル採用のデメリット
リファラル採用には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。これらを理解し、適切に対処することが重要です。
社員が協力してくれるとは限らない
リファラル採用の成功は、社員の積極的な参加に大きく依存します。しかし、全ての社員が協力的であるとは限りません。適切な人材を知らない、自社の評判を気にして紹介をためらう、紹介した人材が不採用になった場合の人間関係への影響を懸念する、業務が忙しく紹介する時間がないなど、さまざまな理由が考えられます。
これらの懸念を払拭し、社員の協力を得るためには、適切な情報提供やインセンティブ設計、社内コミュニケーションの充実が必要です。例えば、定期的に社内で採用ニーズや成功事例を共有したり、リファラル採用の重要性について啓発セッションを行ったりすることが効果的かもしれません。
また、リファラル採用の成功事例を社内で積極的に共有することで、社員の参加意欲を高めることができます。成功した紹介者の体験談や、リファラル採用で入社した社員の活躍事例などを紹介することで、制度の有効性を実感してもらうことができるでしょう。
内定承諾まで時間がかかる場合がある
リファラル採用では、紹介される人材が現在別の仕事に就いている場合が多いため、内定を出してから実際に入社するまでの期間が長くなる傾向があります。これは、候補者が現在の職場での引き継ぎや退職手続きに時間を要するためです。
この課題に対処するには、柔軟な入社時期の設定や、段階的な業務開始など、候補者の状況に応じた対応が必要になるでしょう。また、内定から入社までの期間を活用して、オンボーディングプロセスを充実させることで、入社後のスムーズな立ち上がりを促進することもできます。
例えば、入社前に会社の情報や業務に関する資料を提供したり、オンラインでの事前研修を実施したりすることで、入社後の適応をサポートすることができます。これにより、入社までの時間を有効活用し、入社後の生産性向上につなげることができるでしょう。
リファラル採用の注意点
ここからは、リファラル採用を成功させるための注意点を3つ紹介します。
他の採用手法も併用する
リファラル採用は効果的な手法ですが、多様な人材を獲得するためには他の採用手法と併用することを検討しましょう。
新卒採用、中途採用、ヘッドハンティングなど、各採用チャネルの特性を理解したうえでさまざまな手法と組み合わせ、求める人材像や職種に応じた適切な手法を選択することが重要です。
インセンティブが違法にならないようにする
リファラル採用のインセンティブ制度を設計する際は、法的な問題が生じないよう注意が必要です。
職業安定法（※1）第40条によると、①企業が厚生労働大臣の許可を受けている場合と、②賃金・給料またはこれに準じるものでインセンティブを支払う場合のみ、例外的にインセンティブを支払うことが認められているようです。
また、就業規則の見直しや改定も必要です。労働基準法（※2）第15条によると「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。そのため、リファラル採用が業務の1つであることと、インセンティブの支払い時期や支給額、支払い条件などを就業規則で明記するようにしましょう。
※1出典：e-Gov法令検索HP『職安安定法』
※2出典：e-Gov法令検索HP『労働基準法』
採用基準を明確にして周知しておく
リファラル採用を行う際は、通常の採用と同様に、明確な採用基準を設けておくことが重要です。これにより、社員が適切な人材を紹介しやすくなり、採用プロセスの公平性も担保されます。
採用基準には、必要なスキルや経験、求める人物像、職種ごとの具体的な要件などを含めると良いでしょう。
リファラル採用を促進するポイント
リファラル採用を成功させるためには、単に制度を導入するだけでなく、社員に積極的に参加してもらえるような取り組みが必要です。ここからは、リファラル採用を促進するためのポイントを2点紹介します。
社員のエンゲージメント強化に努める
リファラル採用の成功は、社員の会社に対する満足度や愛着心と密接に関連しています。
社員が自社を「紹介したい会社」だと感じられるよう、透明性の高い経営方針の共有やキャリア開発支援の充実、ワークライフバランスの改善、社内コミュニケーションの活性化などの取り組みがあると良いでしょう。定期的な社員満足度調査を実施し、その結果に基づいて職場環境の改善に取り組むのも効果的です。
魅力的なインセンティブ設計にする
効果的なリファラル採用を実現するためには、魅力的なインセンティブ設計が欠かせません。
その際、金銭的報酬のみならず、特別休暇の付与や社内イベントでの表彰、キャリア開発機会の提供など、非金銭的なインセンティブを考慮すると良いでしょう。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか？
この記事では、リファラル採用のメリット、デメリット、注意点を詳しく解説し、効果的な促進方法や進め方について解説しました。
リファラル採用を含む採用活動全般の管理や運営には、採用領域の専門知識やスキルが必要です。一方で知見の豊富な人材がいなかったり、そもそも十分なリソースを割くのが難しかったりする企業もあるのではないでしょうか。
そのような企業さまでは、採用業務の一部を副業人材に任せるのも1つの方法です。『lotsful』は、初期費用0円で即戦力となる副業人材とマッチングできるプラットフォームです。
即戦力ビジネス系職種に特化したデータベースを保有しており、洗練されたノウハウを持つ人材が登録しています。経験豊富なコンサルタントがオンボーディングや受け入れ後の体制構築まで伴走します。
採用に関する課題をお持ちの企業さまは、ぜひ『lotsful』の活用をご検討ください。
