人事ノウハウ

成功する採用活動において、適切な採用チャネルの選択は必要不可欠です。正社員採用だけでなく、優秀な副業人材の獲得においても、さまざまな採用チャネルが活用できるでしょう。

本記事では、採用チャネルの種類をはじめ、上手な選び方や活用時のコツを詳しく解説します。自社の状況やニーズを踏まえながら、ぜひ参考にしてください。

採用チャネルとは

採用チャネルとは、企業が採用活動を行う際に、潜在・顕在層を含めた採用候補者にアプローチする手段や方法を指します。

これまでの採用チャネルは、求人広告や人材紹介会社などが主流でした。ただし、採用活動の複雑化や高度化に伴い、「求人を出して応募者を待つ」というスタイルでは効果が出にくい状況です。

このため、企業がターゲットとする人材に直接アプローチする方法や、若年層の情報収集源ともいえるSNSを活用するなど、企業の採用チャネルも多様化しています。

主な採用チャネルの種類

採用チャネルの種類としては、以下に挙げる8つが一般的といえます。

自社の状況やニーズによって、それぞれ向き・不向きがあるため、取り組みやすい採用チャネルを複数併用することをおすすめします。

各種求人媒体

求人情報誌やWebの転職サイトといった各種求人媒体は、企業が求人を掲載するメディアとして最もポピュラーな採用チャネルといえるでしょう。

求人媒体も多様化が進み、Web媒体でも「求人サイト」「求人検索エンジン」「自社採用サイト」などに細分化されています。

なお、基本的に紙媒体・Web媒体のいずれも掲載費用がかかります。求人検索エンジンは無料で利用できますが、より高い効果を求める場合、クリック課金型に切り替える必要があります。

人材紹介

転職エージェントなどを利用すれば自社の希望に沿った人材を紹介してもらえるため、必要なポジションに必要な数の人材を補充することが可能です。また、候補者選定などを人材紹介企業側で実施してもらえるため、採用担当者の負担軽減にもつながります。

昨今では、業種や職種特化型の人材紹介会社も増えているため、ミスマッチの少ない採用チャネルといえるでしょう。

ただし、年収の30％程度の成功報酬がかかるため、採用コストに余裕のない企業の場合、予算を圧迫する可能性があります。

ハローワーク

従来型の採用チャネルとして知名度が高く、費用もかからないため、採用コストを抑えたい企業に適しているのがハローワークです。

地域に密着した採用活動を実現し、条件によっては助成金が支給されるメリットがある一方で、登録できる求人情報が必要最低限となるため、自社の魅力を十分にアピールすることが難しい場合もあります。

リファラル採用

リファラル採用は、自社従業員の知人などを紹介してもらうため、ミスマッチが少なく採用コストも削減できる採用チャネルといえるでしょう。

転職市場には出回らない優秀な人材を獲得できる可能性がある一方、紹介された人材が必ずしも採用に至るわけではないため、紹介者と候補者双方へのフォローが必要です。

リファラル採用については、以下の記事もご覧ください。

関連記事：
リファラル採用とは？メリットデメリットや注意点まとめ
リファラル採用の報酬相場はいくら？渡す時の注意点はある？

採用イベント

転職フェアなど、採用イベントへの参加も来場者と直接顔を合わせて自社の魅力を発信できるため、効果の高い採用チャネルといえるでしょう。

また、転職サイトでは出会えないような幅広い層とのマッチングも期待できます。ただし、採用イベントへ出展するには費用はもちろん、配布資料やブースの準備に加え、当日の運営など、採用担当者に大きな負担がかかることを念頭に置いて業務分担をしておきましょう。

企業オウンドメディア

自社サイトがある企業であれば、採用ページやブログなどを立ち上げ、採用したい層へ向けて情報発信することも有効です。

自社の魅力やメッセージなど、戦略的な情報発信が可能なため、転職潜在層へのアプローチも期待できます。

ただし、周知に至るには時間がかかり、質の高いコンテンツを提供し続けなければ効果が薄いため、長期的かつ、継続的な運用が必要です。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、従来のように求人を掲載して応募者からのアクションを待つ、というスタイルではありません。

企業が求めるスキルや経験を有する人材に直接アプローチする、いわば攻めの採用チャネルともいえるでしょう。

狙いを定めた層にピンポイントにアピールできるため、採用スピードが格段に向上するメリットがある一方、対象人材への個別のアプローチが必要となるため、採用担当者に負荷がかかる懸念点もあります。

ダイレクトリクルーティングについては、こちらの記事もご覧ください。

関連記事：ダイレクトリクルーティングとは？メリットデメリットや費用相場を解説

SNS

若年層の主な情報収集源がSNSとなった昨今、採用チャネルとして、X（旧Twitter）やInstagramを活用するのもおすすめです。

SNSを利用する若年層に広くアプローチできるため、近年効果的な採用手法として注目されています。

また、企業の投稿内容から人柄や社風を伝え合い、求職者との理解を深められる双方向性がSNSの最大の魅力ともいえるでしょう。

自社に合った採用チャネルの選び方

採用チャネルの選び方を誤ると、期待した成果が得られない可能性があります。採用チャネルを有効に活用していくには、自社の規模や状況、ニーズにマッチしたものを選ぶ必要があります。

以下に挙げる6つのチェックポイントを参考にして、自社の採用活動に見合った採用チャネルを選びましょう。

ターゲット人材が集まるチャネルを選ぶ

採用チャネルの効果的な選び方は、自社がターゲットとする人材が多く利用するチャネルに絞ることです。

地域に密着した人材採用を行いたい場合は、エリアに特化した求人媒体やハローワークの活用をおすすめします。また、若年層を狙うなら、SNSや転職フェアなどの選択が有効です。

業界に特化したチャネルを選ぶ

自社業界に特化した採用チャネルの選択も、求めるスキルや経験のある人材にリーチしやすくなるため、おすすめです。

総合型の採用チャネルと比べて、ターゲット像にマッチした人材が集まりやすく、応募者のスクリーニングや選考プロセスが効率化されるため、さまざまな面においてコスト削減につながります。

企業文化に合ったチャネルを選ぶ

企業規模や業界、スタートアップやベンチャーなど、各企業によって独自の文化が存在しています。このため、企業文化に合った採用チャネルの選択は、効率的な採用活動につながります。

自社文化に合う採用チャネルを活用することで、ミスマッチの少ない採用が実現するため、早期離職などのリスクも回避できるでしょう。

予算に合ったチャネルを選ぶ

採用チャネルには無料で利用できるものから、成功報酬型や掲載課金型、出展料などのコストがかかるものまでさまざまです。

また、自社の状況やニーズによっても、効果を発揮する採用チャネルは異なるため、予算をかければ必ず成果につながるわけではありません。

このため、予算を考慮したうえで、無料で活用できるものと、ある程度の出費を要する採用チャネルをうまく組み合わせていくことをおすすめします。

過去の実績を参考にする

採用チャネルを活用する際は、これまでの採用活動における実績を参考にすることが重要です。特に新たな採用チャネルを導入する際には、欠かせないでしょう。

過去の実績を分析することで、どのチャネルが最も効果的に優秀な人材を引き寄せたのかを把握することができます。その結果に基づき、最も効果的なチャネルへリソースを注ぐことが可能になります。

口コミを参考にする

採用チャネルの導入について、実際に活用した企業や転職者などの口コミを積極的に参考にすることは非常に有効な方法です。

特に競合関係にある企業や人材の成功例だけでなく、成果が出なかった点を重点的にチェックしましょう。企業と転職者双方の口コミを参照することで、自社が取るべき行動も明確になります。

採用チャネル活用のコツ

選択した採用チャネルをさらにうまく活用するコツは、以下に挙げる5つを実践していくことです。

チャネルごとに適したメッセージを作成する

採用チャネルには、それぞれ特徴があります。ダイレクトリクルーティングでは、高いスキルや経験値を持つ人材にアプローチするため、個別にカスタマイズしたメッセージを作成します。

また、SNSや自社のオウンドメディアなら、画像や動画などを活用して自社のカルチャーや日常の雰囲気をアピールできるため、ある程度フランクなメッセージを用いて親しみやすさを出せるでしょう。

定期的に更新する

求職者は常に最新の求人情報を求めています。このため、どの採用チャネルを活用するにしろ、提供する情報の更新は定期的に行うことが重要です。

採用市場は常に変化しているため、定期的な情報更新により競争力を維持できます。また、更新した情報を提供し続ける企業は、信頼を得やすいという大きなメリットがあります。

応募者データを分析する

利用した採用チャネルごとに応募者データの分析を実施することで、自社が抱える採用課題の解決につながります。

採用効果がある場合はもちろん、思うような効果が出ていない場合は原因を洗い出したうえで、活用チャネルの見直しを実施する必要があるでしょう。

応募者とのコミュニケーションを迅速に行う

どの採用チャネルを活用するにしても、応募者とのコミュニケーションは採用プロセスごとで速やかに行う必要があります。

問い合わせに対する返答や、合否に関する連絡が遅れた場合、応募者に不安を抱かせるだけでなく、企業に対する信頼を脅かしかねません。

多様なチャネルを組み合わせる

採用チャネルは一つに絞らず、各採用チャネルの特徴やメリットを踏まえて多様なチャネルを組み合わせることで、より効果が高まります。

たとえば自社の認知度が低い場合、企業オウンドメディアとSNSを組み合わせれば、自社の事業展開や採用活動に対する熱意を多くの求職者にアピールできるでしょう。

御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか？

今回は、採用活動に欠かせない採用チャネルについて、役立つさまざまな情報をお届けしました。

効果の高い採用チャネルの活用はもちろん、この機会に御社の採用業務を、即戦力となる副業社員に一任してみるのも有効な方法です。

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