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日本郵政の財務業務の質向上を目指す―日本郵政グループの『戦略的副業』プロジェクトに迫る【1】

副業活用ポジション:

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日本郵政グループは、グループ内外で人事交流を行い、新たな企業価値とサービスの創造に着手。外部の副業人材を積極的に受け入れることで社内にイノベーションを起こし、組織風土を改革していくため、2022年度から『戦略的副業』を開始しています。

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lotsfulでは日本郵政グループが取り組む『戦略的副業』を支援しており、2期目となる2023年度では日本郵政・日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険という4社・計19件の副業プロジェクトをサポートしてきました。そこで今回、4社のプロジェクト事例を取材し、その内容を紹介していきます。本記事では、日本郵政株式会社の副業・兼業人材活用事例を取り上げます。

グループの経営戦略策定を手がける同社では、資本収益性をはじめとした財務業務全般のクオリティ向上のため、「財務業務の支援」を副業・兼業人材に依頼しました。プロジェクト期間内に、どのような成果が得られたのでしょうか。日本郵政株式会社 経理・財務部の柴田氏からお話を伺いました。

会社情報

日本郵政株式会社 日本郵政グループの経営戦略策定など
設立年 2006年1月23日
社員数 1,485名(2023年3月末)
副業活用ポジション 財務業務の支援

日本郵政株式会社
経理・財務部
柴田大雅 氏

日本郵政グループの経営戦略策定を手がける日本郵政株式会社の経理・財務部に所属し、財務業務を担当。主に財務企画に関わっている。

財務業務に磨きをかけるため副業・兼業人材を活用

今回、「財務業務の支援」のポジションにおいて副業・兼業人材を活用されました。同ポジションにおいて、どのような課題感があったのでしょうか。

柴田氏

2023年3月に株式会社東京証券取引所が公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(※)を始めとする内外の意識の高まりに伴い、当社を含む各上場企業はこれまで以上に資本収益性の向上に対する取り組みを進めています。

しかし、資本収益性と言っても、その指標はさまざまであり、より深く検討するために、資本収益性をはじめとした財務業務全般のサポートを副業・兼業人材にお願いすることにしました

※「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」(株式会社東京証券取引所/2023年3月31日) https://www.jpx.co.jp/news/1020/20230331-01.html

副業・兼業人材として、大手事業会社の経理・財務部に所属し、エキスパートとして経験を積んでいる方を採用しました。採用するにあたり、経験や専門性も重視されたと思いますが、そのほかに決め手となったポイントはありましたか。

柴田氏

おっしゃる通り、専門性や実務経験を持った方を中心に検討をしました。lotsfulからご紹介いただいた候補者の皆さまは、専門性はもちろん、コミュニケーション力も理想的な方々でした。そこからさらに、当社のカルチャーを理解しながら、柔軟に対応することが期待できる方に絞り、採用しました。

大企業のルールやカルチャーを理解できる方を選んだわけですね。実際の業務についてはどのように進めていったのでしょうか。

柴田氏

週に2回、各1時間ほどオンラインでミーティングを行いました。ミーティングを週2回設定することで、密にコミュニケーションが取れましたね。

業務はどのように分担していったのでしょうか。

柴田氏

副業・兼業人材はアドバイザーとして入り、方法や考え方などをインプットしていただきました。それらをもとに社内のデータを使いつつ、私たちが数値の計算・検証作業を行いました。その結果を踏まえ、更にアドバイスをいただくというサイクルを繰り返していきました。

プロジェクトを進めるにあたって、最初に目標などは設定しましたか。

柴田氏

資本収益性をはじめとした財務業務全般に関するアドバイスなどを求めていましたので、面談においてそれらの業務をプロジェクト期間内にどこまで進めていくか目標を設定しました。さらに、毎月目標に対する進捗を確認し必要に応じて軌道修正を図っていきました。

日本郵政株式会社は、日本郵便株式会社・株式会社ゆうちょ銀行・株式会社かんぽ生命保険などからなる日本郵政グループの持株会社だ。

副業・兼業人材との関わりは、若手社員にとっても「学び」となった

今回、4ヶ月間という短期間のプロジェクトにはなりましたが、副業・兼業人材の活用を通して、実感されたことなどはありますか。

柴田氏

資本収益性をはじめとした財務業務全般の専門知識や実務経験を持った方と関わることができたことは、とてもいい経験になりました。また、当部の若手社員も数名、本プロジェクトに参加したのですが、社外のかつ今回ご紹介いただいたような優れた人材と関わることができたことは、彼ら自身のさまざまな学びにつながったと感じています。

若手社員の学びとは具体的にどのようなことでしょうか。

柴田氏

「優秀な外部人材の力をいかに活用していくのか」という点において、今回のプロジェクトは若手社員の学びかつ成長にもつながったと考えています。世の中の流れとして、自社のリソースだけではビジネスが難しくなってきたように感じており、これからは副業・兼業人材も含め、社外の力を活かしていく必要があります。

柴田さん自身も副業・兼業人材と関わることで、気づきや学びなどありましたか。

柴田氏

机上の知識だけでは、実務に対応できない部分が必ず出てきます。外部の知見を取り入れつつ、プロジェクトを進められたことは貴重な経験となりましたし、これからますますその重要性が増してくるものと考えています。

外部人材と組むことで「ケミストリー」を起こす

大企業における副業・兼業人材活用のメリットはどこにあると考えていますか。

柴田氏

当社と直接の関わりがない外部人材とつながることで「思わぬケミストリーを起こせること」が大きなメリットだと思います。同じ会社の人間だけで取り組むのではなく、バックグラウンドが違う人材と組むからこそ、お互い良い影響を与えながら業務を進めていくことができます。

これからも副業・兼業人材の活用は、課題を解決するための選択肢になりますか。

柴田氏

それは大いにあり得ますね。社内だけでなく外部の人材とも意見交換することで、より良いアウトプットができると思っています。また、外部の人材と関わること自体が刺激となり、それが自分自身を磨くことにもつながっていくように考えています。

最後にlotsfulを活用した感想をお願いします。

柴田氏

今回は財務面での経験豊富な人材を求めていましたが、そこにマッチする人材をご紹介いただき非常に満足しています。これからもさまざまな課題が出てくると思うので、そういったときにlotsfulのようなサービスがあると、とてもありがたいですね。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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