副業ノウハウ

経営層に一番近い存在として、企業全体のビジョンや中長期的な経営戦略を立てることで、経営課題の解決に取り組む経営企画。

今回は、経営企画を採用に頼らず業務委託として外注する際のメリットやデメリット、副業における具体的な案件例を、報酬相場を踏まえながら詳しく解説していきます。

経営企画は採用して内製化すべき？外注で業務委託すべき？

経営者直下に所属し、組織における意思決定のさまざまなサポートを行うプロフェッショナル集団である経営企画。

企業の心臓部ともいえる業務を担える人材は、ごく一部のハイスキルなエリートともいえるでしょう。自社に担当部署があり、ノウハウが蓄積された環境であれば、新たな人材を採用し、育成していくのが一番です。

ただし、経営の数値管理だけにとどまらず、企業の未来を見据えて、さらに成長していく手段や価値の最大化を考えられる人材へ育てるには、膨大な時間というコストがかかってしまいます。

この重要な業務を優秀な人材が多く在籍するコンサルティング会社や、経験豊富な個人に外注することは、外部の人間ならではの新鮮な視野と相まって、有為な結果へ迅速に繋がりやすいでしょう。

経営企画を外注で業務委託するメリット

経営企画の業務を外注で業務委託した場合に得られるメリットは、以下の3つが挙げられます。

新たな戦略的視点や分析手法を得られる

経営企画を担う人材の内製化は、実践的な知識やノウハウの蓄積が可能です。内部人材としてセキュリティ面での理解が深く安心感もありますが、同じメンバー間でのやりとりに終始するため発展性に乏しいというデメリットがあります。

一方、これらの業務を外注した場合、外部人材ならではの新たな視点で、企業が直面する複雑な課題を解決する戦略や分析手法の提供が可能になります。そのため事業成長を促進させる重要な役割を任せることができるでしょう。

内部リソースを日常業務に集中させることができる

経営企画を専門とする部門を有さない企業では、内部リソースで業務を担わなければならないため負担が大きくなり、ノウハウがなければ課題解決にも繋がっていきません。

経営企画の業務を外注することにより、効率的な計画の立案や知識をはじめ、ノウハウの共有が可能になるうえ、社内の人材が日常業務に集中でき、業務効率化にも繋がります。

固定の人件費用を削減できる

経営企画は、社内でも生え抜きの社員を所属させるため、他部署よりも高めの給与設定をしていることがほとんどです。

これらの業務を担う人材を採用して内製化した場合、月々の給与や社会保険料をはじめ、人材育成にかかる固定費を支払い続けなければなりません。

一方、外注として業務委託にした場合、支払うのは依頼した業務に対する外注費のみで済むため、人件費の大幅な削減が可能です。

経営企画を外注で業務委託するデメリット

企業経営に関するさまざまな課題を解決に導く経営企画を外注で業務委託にした場合、得られるのはメリットだけではありません。

外部の人材に業務を一任することで、以下に挙げる2つのデメリットがあることも心得たうえで、あらかじめトラブルを防ぐ手段を取っておくことが肝心です。

情報漏洩のリスク

経営企画は経営者に近いポジションとして活躍するため、企業経営に関するさまざまな機密事項を知り得たうえで稼働することになります。

外部の人材に業務を任せる際は、重要な社内情報を共有しなければならず、内製化よりも一層情報漏洩のリスクは高くなるでしょう。

情報管理の安全性を外注先に求めることはもちろん、秘密保持契約書（NDA）を取り交わしておけば、情報漏洩や不正利用への最も効果的な抑止力となるはずです。

従業員が抵抗を感じる場合がある

企業において経営企画に属する人材は、さまざまな部署で経験を積み多数の実績を上げるなど、社内でも選りすぐりのメンバーが集められているといえるでしょう。

手腕を発揮すれば経営陣の右腕として、将来的に管理職や執行役員などへの昇進につながりやすいため、従業員にとっては魅力的な職種といえます。

この業務を外注した場合、企業全体の経営課題に取り組むかじ取り役のポジションを外部の人材に任せることになります。

外部の人材に重要なポジションを奪われるだけでなく、さまざまな指示を命じられて動かなければならないことに抵抗がある従業員は少なくありません。

経営企画に関するすべての業務を外注するのではなく、従業員を育成しながら協働していく環境を作っていけば、社内にノウハウも蓄積されていくためおすすめです。

経営企画を外注する際の注意点

経営企画を外注する場合、以下で挙げる3点に注意を払っておくと成果に繋がりやすいうえ、トラブルも回避することが可能です。

提案された戦略が企業の方向性と一致しているか

経営企画を外注する際に一番注意しなければならないのは、外注先の担当者から定期的に提案される戦略が自社の方向性と一致しているか、逐一チェックすることです。

提示された企画や施策が具体的かつ実現可能なものでない場合は、何度でも修正依頼をし、改善がみられない場合は担当者の変更を検討するのもよいでしょう。

また、経営会議などでは経営陣だけでなく管理者層にも参加してもらい、複数の部署からの意見を聞くなど、企業全体の総意として、提案された戦略への判断ができる環境作りをしておくことも重要です。

短期的な利益と長期的な持続可能性が考慮できているか

企業の利益向上において大切なのは、「短期的な利益」と「長期的な持続可能性」、この2つの視点を持ち合わせることです。

短期的な視点だけで営業を仕掛けて一時的に利益を上げ、目標を達成したとしても、持続していくとは限りません。

長期的な持続可能性に繋げていくには、営業の仕掛けという目標達成に直結する行動を習慣に変えて、それらを担う人材を自立させていく必要があるでしょう。

外注先の担当者から提示される戦略に、これらを叶える事項が考慮できているかどうかを確認することは、経営企画の業務を外注するうえで欠かせないアクションといえます。

リスク管理とコンプライアンスは適切か

経営企画に関わらず、業務を外部委託する際にリスク管理が不足していると、大きなトラブルに繋がり、自社に大きな損害を及ぼす可能性があります。

経営企画はまさに企業の心臓部を左右するポジションのため、ことさらリスク管理とコンプライアンスが適切かどうかの事前対策が必要です。

自社の経営に関する機密情報の漏洩防止対策はもちろん、情報セキュリティに関しても、外注先との基準統一化などを図り、業務プロセスに関するリスクの洗い出しを徹底しておきましょう。

経営企画を外注する場合のパターン

経営企画の業務を外注した場合、依頼先は以下に挙げる3つのパターンが一般的といえるでしょう。

経営企画コンサルティング会社に発注する

企業が目指すビジョンを確実な形にするには、ノウハウの蓄積があり、経営企画の専門家が多数在籍する経営企画コンサルティング会社への発注が、最も効果を得やすいといえるでしょう。

経営企画のプロフェッショナルともいえる人材に依頼でき、迅速に成果へ繋がりやすい分、報酬は高額な傾向です。しかしながら、柔軟な対応はしてもらえないなど小回りが利かない点はデメリットといえます。

個人事業主に発注する

個人事業主として経営企画に関する豊富な経験と専門スキルを兼ね備えた人材に発注するメリットは、細かい指示や管理を必要とせず、業務をこなしてもらえる点に尽きるでしょう。

しかも、経営企画コンサルティング会社に依頼するよりコストが抑えられ、業務の範囲も幅広いなど、個人ならではの融通の利きやすさにおいても活用価値が大いにあるといえます。

副業社員を採用する

本業でも現役の経営企画担当として稼働する副業社員の採用は、即戦力としての活躍が期待できるため、おすすめです。

ただし、本業と兼務することとなり、業務内容をはじめ時間的な制約が増えることも予想されます。本業とは若干距離のあるフィールドでスポット的に依頼できる案件であれば、スキルを発揮してもらいやすいでしょう。

経営企画の外注・業務委託の報酬相場

経営企画を担う人材を外注で業務委託した場合、支払う報酬は外注先によってどの程度の額になるかまとめました。

以下で、顧問契約として月に1～2回程度開催される経営会議等への参加を「経営企画コンサルティング会社」「個人事業主」「副業社員」それぞれに依頼した場合の報酬相場を紹介していきます。

経営企画の副業案件の例

経営企画を副業とするには、どのようなものがあるでしょうか。「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に2例紹介していきます。

ITスタートアップを財務面から支援する経営企画業務

大手メーカーの中期経営戦略策定アドバイザリー

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