
新卒向けダイレクトリクルーティングとは?メリットデメリットや成功のポイント
ダイレクトリクルーティングは、狙ったターゲット層に直接アプローチできる、効果的な採用手法です。
近年では、中途採用者や副業社員の獲得にとどまらず、新卒向けダイレクトリクルーティングを導入する企業が増加しています。
本記事では、新卒向けダイレクトリクルーティングについて、注目される背景や導入によるメリット・デメリット、さらに成功のポイントまで詳しく解説します。
新卒向けダイレクトリクルーティングとは
これまでの新卒採用は、学生からのエントリーを待つ「受け身型」の手法が主流でした。
しかし、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、従来の採用方法では新卒者の確保が難しくなっています。
このため、求める人物像にマッチする学生に対して直接アプローチし、自社の魅力や強みを訴求できる新卒向けダイレクトリクルーティングは、効果的な採用手法として注目されています。
新卒向けダイレクトリクルーティングが注目される背景
新卒向けダイレクトリクルーティングが注目を集める背景には、以下の3つの要素があります。
学生の就職活動の多様化(早期化・分散化)
経団連による就職活動ルールの廃止(※)や、ジョブ型採用の拡大などにより、現在の新卒採用市場は学生優位の状況にあり、時期の早期化や分散化など、これまでにない多様化が進んでいます。
このため、企業は従来の新卒採用スケジュールを見直すとともに、学生に対して積極的にアピールする必要があります。
学生に自社の求人を認知してもらい、エントリーへと導くには、タイミングを逃さない積極的な行動が求められます。
※出典:一般社団法人日本経済団体連合会 採用選考に関する指針
従来の求人サイトやナビ媒体の効果低下
これまで多くの企業が行ってきた人材採用は、求人サイトやナビといった媒体を通じて求人情報を提供し、応募者からのエントリーを待つスタイルが一般的でした。
しかし、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、従来の求人サイトやナビ媒体といった受動的な採用手法では、新卒採用市場において思うような効果を発揮できなくなってきました。
このため、企業が自社の希望とマッチする学生に対して積極的にアプローチする、「攻めの採用スタイル」ともいえるダイレクトリクルーティングを導入する企業が増加しています。
採用市場の競争激化
急速に進行する少子高齢化により若年層が減少し、新卒採用市場にも大きな影響が及んでいます。
企業が採用市場から選択できる新卒者数が減少するなかで、自社のニーズにマッチした人材を見つけることが難しくなり、企業間での優秀な学生の獲得競争が激化しています。
このような状況を受け、企業は新卒者を獲得するために、ダイレクトリクルーティングのような能動的な採用アプローチを講じる必要があるのです。
新卒向けダイレクトリクルーティングのメリット
新卒採用においても、ダイレクトリクルーティングを導入することで、以下の5つのメリットが得られます。
優秀な学生にピンポイントでアプローチできる
新卒採用でダイレクトリクルーティングを活用する場合、データベースから自社の採用要件にマッチした学生を検索し、ピンポイントでアプローチすることが可能です。
データベースは、所属大学や専攻学部はもちろん、スキルや志向性といった詳細な条件でも絞り込めるため、自社の理想に極めて近い学生にコンタクトを取ることができるでしょう。
企業の魅力を直接伝え、志望度を高められる
求人広告とは異なり、学生一人ひとりに対してカスタマイズしたメッセージを送れる点は、新卒向けダイレクトリクルーティングならではの特徴です。
候補者へダイレクトにメッセージを送ることにより、他社情報に埋もれることなく、自社の魅力を効果的に伝えることができます。
企業側の熱意が伝わりやすく、「自分のためにメッセージを送ってくれた」と感じられるため、学生の志望度向上にもつながります。
早期に関係を構築し、採用の確度を高められる
新卒採用のスケジュールが多様化している現在、候補となる学生とは早い段階で関係を築くことで信頼を得やすく、採用に向けた一歩をスムーズに進めることができるでしょう。
本選考に至る前に、インターンシップや面談などを実施することにより、継続的な関係構築が可能となります。
また、他社より先に学生と信頼関係を結んでおくことで、自社が第一志望となる可能性が高くなるでしょう。
採用コストを抑えながら効率的に母集団を形成できる
新卒向けダイレクトリクルーティングでは、人材データベースの利用料と成功報酬費が発生するのが一般的です。
成功報酬も比較的低めに設定されているため、継続的に活用して安定した新卒採用が実現すれば、求人媒体や人材紹介を利用するよりも採用コストを抑えることが可能です。
また、自社の採用要件に合う学生に直接アプローチできるため、ミスマッチが少なく、効率的に母集団を形成することができるでしょう。
従来のナビ媒体ではリーチできない層へアプローチ可能
従来のナビ媒体を活用した場合、どうしても知名度の高い企業に注目が集まる傾向があります。掲載企業数も多いため、たとえ条件が良くても中小企業などは他社情報に埋もれがちです。
ダイレクトリクルーティングであれば、企業から条件に合致する学生に直接アプローチできるため、ナビ媒体ではリーチできなかった層と接点を持つことが可能になります。
新卒向けダイレクトリクルーティングのデメリット
多くのメリットがある一方で、新卒向けダイレクトリクルーティングには以下の5つのデメリットがあることも認識しておく必要があります。
学生側が受け身になりやすく、応募意欲が低い場合がある
ダイレクトリクルーティングは、従来型の採用手法とは異なり、企業から狙った学生へ直接アプローチしていくため、「攻めの採用」ともいわれます。
ターゲットとする学生にコンタクトしやすいというメリットがある一方で、学生側は企業からのスカウトメールを待つ「受け身」の姿勢になりがちです。
このため、必ずしも自社に対して応募意欲を持っている学生と接点を持てるとは限りません。
運用に時間と手間がかかる(スカウトメール作成・管理など)
新卒向けダイレクトリクルーティングでは、自社の採用要件にマッチした学生を選定するために、データベースで検索し、管理していく必要があります。
そのうえで、候補となる学生にスカウトメールを作成し、送信していきます。返信率を高めるためにはテンプレートを使用せず、個別に内容を工夫する必要があります。
このため、運用には時間と手間がかかる点がネックといえるでしょう。自社のリソースで対応が難しい場合は、外部の新卒向けダイレクトリクルーティングサービスを活用するのもおすすめです。
企業のブランディングが弱いと、返信率が低くなる
業界では実績を上げている企業であっても、学生からの認知度が低い場合や、ブランディングが弱い企業では、スカウトメールを送っても返信につながらないことがあります。
こうした場合には、送信するメール内容を工夫し、候補者に寄り添った表現や特別感のある文面とすることが求められます。
適切なターゲティングができないと効果が薄い
ダイレクトリクルーティングを活用して新卒採用を成功させるには、自社が求める学生像を明確にしておくことが重要です。
ターゲティングがあいまいなままダイレクトリクルーティングを開始すると、自社との相性が合わない学生にまでアプローチをかけてしまう結果につながりかねません。
採用率の向上を図るためにも、あらかじめ具体的なペルソナを設定してから取り組むことが肝心です。
学生との個別対応が増え、人事部の負担が大きくなる
ダイレクトリクルーティングは、他の採用手法と比べて多くの工数が必要となります。学生の選定、スカウトメールの作成・送信、対象者との日程調整など、個別対応が増えるため、人事部への負担はどうしても大きくなります。
また、初めてダイレクトリクルーティングに取り組む企業の場合、ノウハウの蓄積がされていないため、採用成功までに時間を要する傾向があります。
一部の採用担当者に業務が集中しないよう、あらかじめ体制を整備しておくことが求められます。
新卒向けダイレクトリクルーティングを成功させるポイント
新卒向けダイレクトリクルーティングを成功に導くには、以下の5つのポイントが重要なカギとなります。
ターゲット学生を明確にし、適切なスカウトリストを作成する
自社が求める学生像を明確にすることが、ダイレクトリクルーティングにおける成功のポイントといえます。
「どのような大学で何を学んできたか」「どのような志向や価値観を持つ人物か」といった具体的な内容に基づいて、ペルソナを設定しましょう。
そのうえで、ダイレクトリクルーティングサービスに登録されたデータベースから、自社の採用要件にマッチした学生を検索すれば、効率的に適切なスカウトリストを作成することが可能になります。
学生の関心を引く魅力的なスカウトメッセージを作成する
認知度が低い企業でも、スカウトメッセージの内容が魅力的であれば、学生の興味を引きやすく、他社との差別化も図ることができます。
志望度の向上につながるよう、自社の魅力や将来のキャリアパスはもちろん、学生一人ひとりに寄り添い、熱意のこもったメッセージを作成しましょう。
企業の強みや社風を伝えるコンテンツを充実させる
ダイレクトリクルーティングでは、学生の心に響く魅力的なスカウトメールの作成・送信はもとより、自社の採用サイトやSNSなども含め、統一したメッセージを発信することが非常に効果的です。
自社の強みや社風はもちろん、ミッションや将来的なビジョン、自社の業務に就くことで得られるやりがいなどを、各コンテンツで発信しましょう。
これにより、自社の魅力が学生に伝わるだけでなく、企業ブランディングの強化にもつながるはずです。
定期的なフォローアップを行い、関係構築を強化する
新卒者は、就職活動に関してさまざまな不安を抱えています。そのため、各選考プロセスにおいて適切なフォローアップを行うことが重要です。
定期的なフォローアップを実施することで、新卒者が抱える不安を解消できるほか、「自分に対して興味を持ってもらえている」という特別感が生まれ、企業に対する愛着も高まります。これにより、良好な関係が築けるでしょう。
データを活用し、効果的なアプローチ手法を継続的に改善する
ダイレクトリクルーティングでは、ターゲットとなる学生の興味や志向といった採用データの蓄積が可能です。
たとえば、スカウトメールなどを通じて得られた反応の高い事例や、逆に効果が薄かったケースを分析することで、学生の傾向を把握することができます。
このように蓄積されたデータを継続的に活用することで、採用戦略やアプローチ手法の見直しが可能となり、運用における改善点が明確になります。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか?
今回は、昨今注目を集めている新卒向けダイレクトリクルーティングに関して、成功のポイントのほか、有益な情報をお届けしました。
新卒採用に限らず、売り手市場が続く背景がある中、企業は採用業務においてさまざまな工夫を凝らす必要があります。
この機会に、御社の採用業務を経験豊富な副業社員に委ねるという選択も、賢明な方法の一つといえるでしょう。
副業人材マッチングサービス「lotsful」なら、初期費用0円で優秀な副業人材と出会える点が、何よりの魅力です。
採用コストやリソース不足に課題がある場合でも、専属エージェントによる手厚いサポートにより、採用業務がスムーズに進むはずです。ぜひ御社の採用業務に「lotsful」をご活用ください。