人事ノウハウ

売り手市場が続き、多くの企業が人材獲得に苦戦している中、採用広報は重要な役割を果たすといえるでしょう。

採用広報を強化することで、優秀な正社員のみならず、即戦力となる副業社員の確保も可能となります。

本記事では、採用広報に取り組むメリットに加え、主な手法や成功につながるポイントも踏まえながら、詳しく解説いたします。

採用広報とは

採用広報とは、企業が求める人材の獲得に向けて実施する広報活動を指します。自社の魅力を求職者へ訴求するため、「Webサイト」「SNS」「各種採用媒体」「パンフレット」「イベント」などを活用し、情報発信を行います。

採用広報が注目されている背景として、労働人口の減少により求職者側に優位性がある売り手市場が続き、従来の採用活動では人材の確保が困難になっている点が挙げられるでしょう。

このような状況を踏まえ、各企業においては、定めたターゲット像に基づいた計画的な採用広報の推進に注目が集まっています。

採用広報のメリット

企業が採用広報に注力することで、以下の3つのメリットが期待できます。

認知拡大

企業が公式サイトやSNS、メディアなどを活用し、自社の魅力や強みを効果的に発信することで、求職者からの認知度向上が期待できます。

認知が拡大することで、企業に対する理解や関心も深まります。その結果、「この会社ではたらいてみたい！」という意欲につながり、これがエントリーを後押しする要因となるでしょう。

採用コスト低下

従来の採用手法では、求人情報の掲載費用や人材紹介会社の利用に伴う紹介手数料など、一定の採用コストが発生していました。

一方、採用広報を戦略的に活用することで、自社の認知度が高まり、効率的に応募者を集めることが可能となるため、結果として採用コストを抑える効果が期待できます。

特に近年では、情報収集の手段がデジタルに移行していることから、インターネットやSNSを活用した採用広報は、企業と求職者の双方にとって親和性の高い手法といえるでしょう。

ミスマッチ率の低下

たとえ優秀な人材の採用に成功したとしても、企業文化の不一致により早期離職に至るケースは少なくありません。このようなミスマッチは、多くの場合、企業が提供する情報の不足によって生じます。

企業が採用広報に取り組むことで、自社の魅力だけでなく経営理念や将来的なビジョンなども包括的に発信することが可能になります。

応募者は企業に対する幅広い情報を得ることで理解を深め、入社後にギャップを感じにくくなるため、結果としてミスマッチ率の低減にもつながると考えられます。

採用広報の主な手法

採用広報の主な手法としては、以下に挙げる3つが代表的です。これらの手法は、総称して「トリプルメディア戦略」と呼ばれることもあります。

オウンドメディア

自社が運営するホームページやブログ、採用サイトなどの「オウンドメディア」を活用する手法です。自社のミッションやオフィス風景、社員インタビューなど、企業情報を自由に発信することが可能です。

オウンドメディアの開設により、求職者は特定のキーワード検索を通じて、自身が希望する求人情報にリーチできるようになります。

コンテンツの充実や定期的な更新は必要となるものの、オウンドメディアを活用すれば、認知度がそれほど高くない企業でも、多くの求職者に知ってもらえる可能性があります。

ペイドメディア

新聞・雑誌、Web上の求人広告をはじめ、電車の中吊り広告や採用イベントなど、企業が掲載料を負担して発信するのが「ペイドメディア」です。

ペイドメディアは、一度に広範囲の求職者にアピールできる点が大きなメリットといえるでしょう。また、地域や属性を絞り込み、ターゲットとする層に対して効果的に情報発信を行うことも可能です。

スピーディーに採用効果が得られやすい一方で、オウンドメディアやアーンドメディアと比較して、コストが高くなる傾向があります。

アーンドメディア

SNSや口コミサイトなど、掲載に費用が発生しないチャネルを活用するのが「アーンドメディア」です。求職者からの信頼を獲得し、応募を促すことを目的として、自社の魅力や強みを発信していきます。

特に、若年層の情報収集手段としてSNSが主流となっている昨今、アーンドメディアは自社の認知度向上にも非常に有効な手法といえるでしょう。さらに、SNSや口コミサイトを通じて、オウンドメディアへの誘導も期待できます。

ただし、アーンドメディアは即時的な採用効果を得にくく、中長期的な視点での採用活動に適しています。このため、オウンドメディアやペイドメディアとの併用をおすすめします。

採用広報を成功させるポイント

自社の採用広報を成功させるためには、以下の7つのポイントに焦点を当て、戦略的に実践することが重要です。

明確な企業ブランドの構築

採用広報に取り組むことで、企業の認知度が向上するだけでなく、魅力的な企業ブランドの構築にもつながります。

求人広告だけでは伝えきれない、自社の理念やビジョン、企業風土、社員の成長などを効果的に発信することができ、企業ブランドの強化とともに、企業への好感度向上にもつながります。

候補者像の明確化

自社が求める人材像（候補者像）を明確にしておくことも、採用広報の成功における重要なポイントです。自社の事業や組織の現状によって、求める候補者像は異なります。

具体的なペルソナを設定したうえで、自社の採用課題に沿った候補者像を明確にし、絞り込むことが重要です。

また、過去の採用活動を振り返り、応募者数が伸び悩んでいる場合は、設定した候補者像に応じて、適切な採用チャネルを選択することをおすすめします。

複数のチャネルを活用

採用広報で重要なのは、採用チャネルを一つに絞り込まず、複数のチャネルを組み合わせて運用することです。

求人広告や求人サイトなどの「公募型」をはじめ、「人材紹介」や、欲しい人材にピンポイントでアプローチできる「ダイレクトリクルーティング」、さらに自社従業員からの紹介による「リファラル採用」など、様々な手法があります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況やニーズ、予算に応じて複数の採用チャネルを活用することで、相互に補完し合いながら、より効率的な採用活動が実現します。

社員の協力

自社の魅力や強み、ビジョンなどを発信して、多くの求職者の興味を引きつけるためには、人事部門だけでなく、様々な部署やポジションに就く社員の協力が欠かせません。

たとえば、新入社員からベテラン社員までを網羅したインタビュー記事などは、幅広い層に対して自社のリアルな情報を提供する手法となります。

イベントへの積極参加

合同企業説明会や転職フェアといったイベントへの参加は、求人サイトでは出会えない求職者層と直接やり取りができるため、ぜひ積極的に参加しましょう。

求職者と対面でアプローチできることにより、自社の存在や魅力を効果的に伝えることができます。また、求職者の自社に対する理解が深まることで、ミスマッチの少ない採用にもつながります。

透明性のある情報提供

自社が発信する情報と、口コミサイトに寄せられている内容に矛盾があると、求職者からの信頼を損なう恐れがあります。

このため、企業が提供する情報は、常に「正確かつ透明性のあるもの」でなければなりません。求職者がどのように検索しても内容に乖離がない情報提供をすることで、高い信頼と理解を得ることができるでしょう。

効果測定と分析

採用広報の効果を最大化するためには、データに基づく効果測定と分析が不可欠です。採用広報における各施策の成果を詳細に分析・評価しましょう。

また、採用候補者からのフィードバックも、貴重な情報源となります。寄せられたデータに基づき、常に広報戦略を見直し、改善を重ねていくことが求められます。

御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか？

今回は、採用広報に関して役立つ様々な情報をお届けしました。効果的な採用広報を通じて求める人材を獲得できることは、多くの企業にとって理想的な結果といえるでしょう。

また、この機会に、御社の採用業務を優秀な副業人材に任せてみるのも選択肢の一つです。知識と経験を活かして、御社の採用業務をスムーズに進める副業社員をお探しであれば、ぜひ「lotsful」へご相談ください。

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