
人材紹介とは?人材派遣との違いや活用のコツ、会社選定のポイントまで解説
人材獲得競争が激化するなか、近年ますます採用手法が多様化しています。その1つが、人材紹介サービスです。
この記事では、人材紹介とは何か、人材紹介の種類、利用するメリットやほかの手法との違い、さらに活用のコツや人材紹介会社の選定ポイント、利用する際の流れなどを詳しく解説します。
なお採用業務は、副業社員に任せる方法もあります。詳しくは、記事の最後をチェックしてくださいね。
人材紹介とは
人材紹介は『職業安定法』第4条で「有料の職業紹介」と定義されるもので、人材紹介会社に紹介料を支払うことで自社のニーズに合った人材を採用できるサービスです(※1)。
人材紹介会社は企業の求める人材要件をヒアリングし、データベースに登録された求職者から最適な人材を選定。経験やスキル、文化への適合性などを考慮して両者のマッチングを支援します。
※出典1:e-GOV 法令検索『職業安定法』
人材紹介の種類
人材紹介サービスには、「登録型」「サーチ型」「再就職支援型」の3つの種類があります。ここからは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
登録型
登録型は、求職者が人材紹介会社に登録し、その情報をもとに企業とのマッチングを図る最も一般的な形態です。基本的には成果報酬型で費用を支払うことが多く、初期費用無料で採用活動を始められるのが特徴です。
サーチ型
サーチ型は、企業が求める要件に合致する人材を、人材紹介会社が積極的に発掘して紹介する形態です。とくに経営層や専門的なポジションなど、高度な専門性や経験を持つ人材の採用を目的としています。「ヘッドハンティング型」とも呼ばれ、優秀な人材にアプローチできるメリットがあります。
再就職支援型
再就職支援型は、企業の構造改革などで離職を余儀なくされた従業員の再就職を支援する形態です。キャリアカウンセリングを通じて、スムーズな転職をサポートしながら、企業に対しては最適な人材を紹介します。
人材紹介のメリット
ここからは、人材紹介サービスを利用する企業側の主なメリットを解説します。
求める人物像を採用しやすい
人材紹介のメリットの1つは、人材紹介会社のコンサルタントが企業の要件を詳細にヒアリングし、それに合致した人材のみを紹介するため、自社が求める人材像により近い候補者と出会える点です。
業務負荷を削減できる
一口に採用活動といっても日ごろからの採用関連情報の発信、選考、入社前フォローとさまざまな業務があります。その一部を人材紹介会社に任せられるため、自社の人事担当者の負担軽減につながる点も人材紹介のメリットと言えるでしょう。
募集をすぐに始められる
人材紹介サービスでは、利用契約の締結が済み、自社求人情報がまとまり次第すぐに募集を開始できます。スピーディーに採用活動をスタートできるため、急な欠員補充などの際にとくに有効です。
成果報酬である
多くの人材紹介サービスは成功報酬型で、採用が決定した場合にのみ紹介料を支払う形態となっています。広告掲載費用や多額の初期費用が必要なく、採用達成時点で費用が発生するため、活用方法によっては無駄の少ない採用活動が実現できるでしょう。
非公開で募集できる
人材紹介サービスでは、非公開での求人募集が選択できる点もメリットです。急な欠員補充を目的としたスピーディーな採用、極秘プロジェクトや事業戦略に関わる重要なポジションの採用、あるいは求人を行っていることを公開したくない場合など、さまざまな事情があっても非公開で採用活動を進められます。
人材紹介と他採用手法との違い
ここで、人材紹介サービスとほかの採用手法の違いを見ていきましょう。
人材派遣との違い
人材紹介は、企業と求職者の間に直接の雇用関係が生まれます。一方、人材派遣の場合は人材派遣会社が雇用主となり、派遣先企業で就業する形態です。
また人材紹介は正社員採用を前提とすることが多く、長期的な人材確保を目指す企業に適している一方、人材派遣は一時的な人材不足を補ったり、一部業務を任せる目的で一時的に雇用したりするのが一般的です。
求人広告との違い
人材紹介では、人材紹介会社などの専門家が応募者と企業の間に入り、人材の選定から面接・入社までのサポートなどの一部業務を担うことが多いです。一方、求人広告は企業が直接求職者へアプローチしたり、やりとりをしたりします。人材紹介と比較すると安価であるものの、応募者の選考や面接日程の調整などすべての業務を自社で行うのが一般的です。
ダイレクトリクルーティングとの違い
ダイレクトリクルーティングの大きな特徴は、企業が採用したい人材を能動的に探し、実行する攻めの採用手法である点です。
人材紹介ではサービスに登録している求職者の中からアプローチすることが前提となりますが、ダイレクトリクルーティングでは自社企画の採用イベントやスカウトなどを通して、転職活動中でない人材もターゲットとし、積極的なアプローチをすることが可能です。
人材紹介の活用のコツ
ここからは、人材紹介サービスを効果的に活用するためのポイントを6つ紹介します。
採用条件を明確に伝える
求める人材像、業務内容、待遇などの採用条件を明確にし、人材紹介会社に詳細に伝えることが重要です。要件定義をしたうえで採用活動を進めることで、双方のミスマッチを防げるでしょう。
長期的な関係構築
人材紹介会社との信頼関係を築き、長期的なパートナーシップを構築しましょう。採用活動を任せきりにせず、定期的なコミュニケーションを通じて自社の状況や課題を共有するなど、採用活動の精度を高める姿勢が求められます。
面接前のスクリーニングを重視
面接前のスクリーニングを重視することで採用活動がさらに効率化できるでしょう。面接前に人材紹介会社から候補者の情報を共有してもらい、職務経験や社風・文化への適合性について判断します。
フィードバックをしっかりと伝える
人材紹介会社から共有してもらった候補者の評価については、具体的なフィードバックを伝えることでスクリーニング精度が高まります。自社で採用したい人材像の解像度を高めてもらえるようにはたらきかけましょう。
自社の魅力を伝える
優秀な人材を獲得するためには、そもそも自社の魅力を人材紹介会社に十分理解してもらうことが大切です。企業理念や職場環境、ポジションの魅力などの情報を積極的に共有しましょう。
合否理由をすり合わせる
選考過程では候補者の合否理由を共有することも重要です。どのような理由で採用したいと思ったか、あるいはそのポジションに適さないと感じたのかについてその都度共有し、より効率的な採用活動につなげましょう。
人材紹介会社選定のポイント
次に、数ある人材紹介会社の中から自社に合った会社を選定する際のポイントを紹介します。
過去の実績
まずは人材紹介会社の紹介実績や成約率など過去の実績を調査します。とくに、自社と似た規模の企業での事例や同じ業界における採用実績の豊富さなどが重要な判断材料となるでしょう。
マッチングの精度
過去のマッチング精度や紹介後の定着率も、人材紹介会社のサービスの質を判断する指標になります。あくまで所属するコンサルタントの経験や力量で左右される部分でもあるため、担当者の実績や経験なども見ておくと安心です。
採用したい分野への知見
求める人材の職種や業界に関する深い知見を持っているかどうかも確認しましょう。業界特有の専門性や市場動向を理解していることで、より適切な人材紹介が期待できるためです。
人材紹介の流れ
最後に、人材紹介サービスを利用する際の一般的な流れを解説します。
求人要件のヒアリング
まず人材紹介会社が、採用したい職種や人材要件、待遇などについて詳しくヒアリングを行います。この段階で具体的な情報を開示できるように、事前に社内で求める人材像についてまとめておきましょう。
求人票作成
次に、ヒアリング内容をもとに人材紹介会社が求人票を作成します。候補者目線で魅力的な求人票になっているかを検討し、必要に応じて修正や追記の対応を行いましょう。
人材のマッチング
続いて、人材紹介会社の登録者のなかから採用要件に合う候補者を選定、紹介してもらいます。
書類選考
ここからは、採用選考のプロセスに移ります。紹介された候補者の履歴書や職務経歴書などから次のステップへと進んでもらうかどうかを判断します。
面談・面接
次に候補者との面談や面接の場を設けます。その際、人材紹介会社から得た情報を参考にしつつ、自社の求める人材像と照らし合わせながら候補者とのコミュニケーションを通じて理解を深めます。
採用条件の確認
採用を決定したら具体的な条件を確認し、調整するプロセスに進みます。この段階も人材紹介会社に仲介役として支援してもらえます。
内定・入社
候補者との間で条件面の合意が得られれば、内定、入社に向けた準備を進めましょう。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか?
この記事では、人材紹介とは何か、人材紹介の種類、利用するメリットやほかの手法との違い、さらに活用のコツや人材紹介会社の選定ポイント、利用する際の流れなどを詳しく解説しました。人材紹介サービスを利用するにも自社の十分なリソースが欠かせません。
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