採用とは?意味や目的、種類や代表的な手法を解説
企業にとって採用は、組織の活性化だけでなく、優秀な人材の獲得により全体のスキルが向上します。このため、企業としての競争力がより高まるでしょう。
また、人手やノウハウ不足に悩む企業において、即戦力として活躍する副業人材の獲得にも、さまざまな採用方法が導入されています。
今回は、企業における採用について、その意味や目的、種類だけでなく、代表的な手法も踏まえながら詳しく解説していきます。
そもそも「採用」の意味とは
採用という言葉自体は、“適切な人物や意見、方法などを、数ある選択肢の中からとりあげること”を指します。
これを企業に置き換えると、「自社が必要とする対象を明確にして、多くの候補者の中からふさわしい人材を選んでいくこと」になるでしょう。
企業が優秀な人材を獲得すれば、業務効率化が図れるだけでなく、競争力も向上します。適切で質の高い採用活動は、企業運営を支える要といえます。
採用の目的
企業が人材採用を行う目的は、自社の売り上げなどを支える人材獲得のみにとどまりません。企業の採用における具体的な目的としては、以下の3つが代表的といえるでしょう。
成長に向けての増員
自社新製品やサービスのリリース時、海外など新たな市場への進出を目前にした場合、人材を補充し、対応していかなければ成功につながらないでしょう。
事業拡大には、何よりマンパワーが必要です。人材を増員すれば、既存の従業員の負担も減り、生産性が向上します。
また、企業文化を継承する担い手を育成していくことで、自社の持続的な成長も期待できます。
人手不足・欠員の補充
企業が目標とする売り上げなどの事業計画を達成するには、各部署への適切な人材配置は欠かせません。
人材が不足したまま企業運営を行っても、思うような成果は得られないでしょう。そのうえ、従業員に大きな負担がかかり、モチベーションの低下につながってしまいます。
このため企業が健全な企業運営を継続していくうえで、定期的な人材補充はなくてはならないものです。新たな人材を採用することで、企業は人的パワーを維持し、規模を保つことが可能になります。
新規リーダー候補の発見
企業にとって採用活動を行う目的として、組織の成長と発展を促進する新規リーダー候補の発見も重要といえるでしょう。
次世代を担うリーダーを採用して育成することで、企業の新陳代謝を促し、組織全体のパフォーマンスが向上します。
リーダー候補となる人材を採用するには、適切な採用プロセスと評価基準の設定が重要です。この採用活動を成功させるために、戦略的なアプローチに取り組んでいきましょう。
採用の主な種類
企業が人材を採用する場合に対象としては、以下に挙げる5つのパターンが考えられます。各々の種類について、簡単に解説していきます。
新卒採用
新卒とは、高校や専門学校、大学などを3月末で卒業する見込みがあり、就職活動を行っている人材を指します。
上記の学校を卒業後に、時間を置くことなく内定した企業に就職する点が、第二新卒との最大の違いです。
企業が新卒採用を行うメリットは、一括採用することで、社員を入社年度や勤続年数で一律に処遇できる点に尽きるでしょう。
ただし、企業の中には若者雇用促進法(※1)に基づき、卒業後3年間職に就かなかった人材も “新卒”と定義している場合もあります。
※出典1:厚生労働省HP 青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について
第二新卒採用
第二新卒とは、学校卒業後に企業へ就職したものの、1~3年程度で退職し、転職活動を行っている人材を指します。
企業が第二新卒を採用するメリットは、正規雇用での就労経験があるため、基本的なビジネスマナーなどを改めて教育することなく、即戦力としての活躍が期待できる点です。
また、第二新卒と混同しやすい既卒との違いは、正社員・職員としての就労経験の有無にあるといえるでしょう。
既卒も第二新卒者と同様のポテンシャルが期待できますが、既卒者の場合、アルバイトや留学経験などで一定期間が経過しているため、入社後の研修や教育が必要になるケースがあります。
中途採用
中途採用とは、企業などで数年以上の正社員・職員としての経験がある人材を採用することを指します。対象者は、即戦力となる中堅層から、第二新卒などの若年層まで多岐にわたるのが特徴です。
企業における中途採用の目的は、自社にない知識やノウハウ導入や欠員補充、事業拡大を目指した人員増強など、さまざまです。
また、中途採用は入社時期を調整しながら即戦力となる人材の確保ができます。そのうえ、人材教育にかける時間や費用を抑えられるため、コスト削減にもつながるでしょう。
アルバイト・パート採用
企業にとってアルバイトやパートを採用するメリットは、正社員に比べて人件費を抑えられる点に尽きるでしょう。
また、アルバイトやパートであれば、繁忙期をはじめ、特定の時間帯など短期間や短時間のシフトが組めるため、急な欠員があった場合でも、必要な箇所に適切な人数を投入することができます。
学生や主婦(夫)、高年齢者などさまざまな人材を集めやすい分、定着率は低い傾向にあり、メンバーの入れ替わりが激しくなります。このため、長期的な人材育成がしづらくなり、採用の都度、教育や研修を行わなければなりません。
派遣採用
人材派遣会社が雇用する派遣社員を活用するのも、企業にとって有効な採用手法といえます。正社員採用よりコストが抑えられるうえ、自社の条件に合った人材が派遣されるため、即戦力としての活躍が期待できるでしょう。
何より、自社における業務量の変動に応じて、必要時に希望数の人材が確保できる点は、非常にメリットが大きいといえます。
また、派遣社員の給与計算や社会保険の手続きなどは、人材派遣会社が行うため、自社担当者の負担を減らすことが可能です。
ただし派遣の場合、雇用できる期間は最大3年と決まっているため、長期的なプロジェクトの人材補充には向いていません。
優秀な派遣社員を多く雇用している人材派遣会社と取引がある場合、紹介予定派遣として派遣社員の適性確認後に、正社員で雇用することもおすすめです。
代表的な採用手法
自社のニーズに合った人材を獲得するには、採用手法の選択が重要です。以下では、代表的な8つの採用手法について、解説していきます。
求人媒体
求人媒体へ自社の求人広告を掲載する採用手法は、最もポピュラーかつ、広く利用されているといえるでしょう。
求人媒体には、新聞や雑誌などの紙媒体からWEBサイトまで、さまざまな種類があります。どの求人媒体を利用する場合でも、1回の掲載で広範囲の求職者へアプローチできる点は大きなメリットといえるでしょう。
求人媒体ごとに年齢層や業種別に特化しているケースもあるため、自社が希望するターゲットやポジションに合わせた媒体選びをおすすめします。
また、求人広告は自社のニーズに合った人材を採用する手段だけでなく、企業の魅力を発信する場にもなります。
ただし、宣伝性に優れているため、自社とマッチしない人材の応募が多くなる場合があります。このため、狙う層に訴求する求人広告の内容にできるようターゲット設定を明確化しておきましょう。
人材紹介会社
人材を採用したい企業と求職者双方のニーズを理解し、最適なマッチングを行う人材紹介会社の活用も、有効な採用手法の1つです。
人材紹介に関するノウハウと実績が豊富なため、自社が求める人材の採用が比較的容易に叶えられ、採用後もアフターフォローがある点が、最大のメリットといえるでしょう。
ただし、人材紹介会社から紹介された求職者が採用に至った場合、想定年収の30%~40%程度の手数料が発生します。
また、紹介される求職者は、人材紹介会社に登録されている会員に限定されるため、必ずしも自社の希望とすべてマッチする人材とは限りません。
人材紹介会社を利用する場合は、自社業界や業種での紹介実績が豊富な会社を選び、担当者とは紹介に関する認識のズレがないよう、よく話し合っておきましょう。
自社サイト
自社の公式サイト内に求人情報ページを掲載するか、新たに自社の採用専門サイトを作成する手法もおすすめです。
募集職種に関する情報はもちろん、実際に同職種に就いている従業員のはたらく姿やインタビューなどを掲載することで、求職者にアプローチできます。
掲載内容を調整していけば、正社員募集のページだけでなく、同時にアルバイト・パート募集や、他職種の募集もかけられるなど、幅広く活用できます。
ただし、自社内にサイト作成を担える人材がいない場合、WEBサイト制作会社などへ外注しなければなりません。
コストはかかりますが、外注するとプロならではのクオリティの高いサイトになるため、求職者の注目も集めやすくなるでしょう。
ハローワーク
ハローワークに自社の求人情報を依頼して、採用活動を行う最大のメリットは、掲載料金が無料であるうえ、地元の求職者が多く利用するため、地域密着型の採用が行える点でしょう。
また、一定の条件を満たすことで、企業が各種の雇用関係助成金(※1)を受け取れる点も魅力です。
ただし、ハローワークを利用した採用活動の場合、ほかの求人媒体より情報の視認性が低くなってしまいます。このため、必ずしも自社が求めるスキルや経験を所有する人材を獲得できるとは限りません。
※出典1:厚生労働省HP 雇用関係助成金一覧
SNS
SNSを活用した採用は、ソーシャルリクルーティングとも呼ばれています。今やSNSは若年層にとって、重要な情報収集ツールといえるでしょう。
このSNSの影響力を活かして、自社の認知度アップだけでなく、求人やスカウトなどの情報発信を行う企業も増えています。
SNSを活用した採用活動のメリットは、拡散力が高い点にあります。1回の発信で、就職・転職希望者だけでなく、転職サイトに未登録の潜在層にまでアプローチすることが可能です。
自社のアカウントを作成すれば無料で運営できますが、即人材採用につながるわけではありません。またSNSの特性上、メッセージによっては“炎上”という状況を招く可能性もあります。
フォロワーの獲得や、発信するメッセージの工夫など、まずユーザーに興味を持ってもらえるコンテンツにして、長期的な運用を行っていきましょう。
イベント・会社説明会
新卒や転職希望者などに向けたイベントや会社説明会の開催は、企業における人材募集を広くアピールする採用広報として、非常に効果的です。
企業がイベントの参加や会社説明会を開催するメリットは、応募者の母集団を増やしながら、自社に合った人材と多く接触できる点といえるでしょう。
求職者にとっても、気になる企業担当者と直接やりとりができるため、エントリーの意思を決定する重要な場となります。
ただし、イベントや会社説明会を開くには、企画はもちろん会場のレンタル代をはじめ、資料の準備や印刷、スタッフの人件費など、さまざまなコストと労力がかかります。
自社単独での開催が難しい場合は、合同のイベントや会社説明会への参加を視野に入れましょう。合同であれば、より多くの求職者との接触が可能なうえ、他社の状況を知る場にもできます。
大学・専門学校
大学や専門学校には、専攻によって自社の業務に役立つ特定の知識やスキルを身に付けた学生が多く在籍しています。
企業が各種学校で採用活動を行うことで、即戦力となる優秀かつ、若年層の人材を確保しやすくなるでしょう。
また、学校との関係を深めておくことで、継続的に優秀な学生を獲得できるルートを確立することもできます。
ただし、多くの企業も同じ学校で採用活動を行います。他社と比較されやすくなるため、必ずしも学生の応募につながるとは限りません。
このため、配布資料などは自社の魅力が学生に伝わり、興味を持ってもらえるような内容にして、他社と差別化を図る工夫が必要です。
ダイレクトリクルーティング
企業が求める人材を獲得するために、積極的に採用活動を行う手法が、ダイレクトリクルーティングです。
求職者からの応募を待つのではなく、ビジネスSNSやダイレクトリクルーティングサービスなどを活用していきます。
自社のニーズに合う人材を探し出して、直接アプローチできるため、採用プロセスが減らせる点もメリットといえるでしょう。
ただし、スカウトメールなどを送った求職者が、必ずしも自社に興味を持つとは限りません。このため、他社との差別化や自社ならではのメリットを打ち出すことで興味を促し、応募につながるような内容にする必要があります。
ダイレクトリクルーティングについて、ほかの採用方法との違い、メリットやデメリット、費用相場などを詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:ダイレクトリクルーティングとは?メリットデメリットや費用相場を解説
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