ブランドマーケティングを業務委託に発注する際のメリットや注意点まとめ
企業の中長期的成長に欠かせないブランドマーケティング。ただし、事業をグロースさせる段階の企業では社内リソースの関係でついつい後回しになりがちな領域でもあります。
この記事では、ブランドマーケティングに特化した人材を採用して内製化すべきか、あるいは外注で業務委託すべきか、さらに業務委託するメリットやデメリット、副業人材に外注する際の報酬相場、実際の案件例などを解説します。
ブランドマーケティングは採用して内製化すべき?外注で業務委託すべき?
ブランドマーケティングは、中長期的に企業やサービス、商品へのファンを増やす重要な取り組みです。しかしながら、成長段階の企業においては社内リソースの関係でブランドマーケティングの領域に人材や時間を割きにくく、後回しになりがちです。
そこで、ブランドマーケティングに特化した人材を自社で採用して内製化すべきか、外注で業務委託すべきか悩む企業もあるでしょう。内製化・外注それぞれにメリットとデメリットがあるため、よく検討したうえで自社に合った方法を選択すべきです。
内製化すると、自社の文化や商品・サービスを深く理解したメンバーがブランディングを担当し、社内に知見が蓄積していくメリットがあります。一方で専門的なスキルやノウハウを持つ人材の採用や育成にはコストと時間がかかるのも事実です。
ここからは、外注化するメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
ブランドマーケティングを外注で業務委託するメリット
まず、ブランドマーケティングを外注で業務委託するメリットを3点紹介します。
ハイクラスのブランドマーケターに依頼できる
外注でブランドマーケティングを委託する最大のメリットは、ハイクラスの専門家に依頼できることです。
高度な専門性や豊富な経験がある人材を自社で採用し、育成するのは容易ではありません。多様な業界や企業のブランディングに携わった経験を持つプロフェッショナルであれば、最新のトレンドやベストプラクティスに精通しており、自社のブランド価値を効果的に高め、市場での競争力を強化するのに貢献してもらえるでしょう。
採用コストを削減できる
ブランドマーケティング領域に知見がある人材を外注で業務委託する場合は、採用コストや固定費を大幅に削減できるのもメリットです。
正社員として採用する場合、求人広告費や人件費、さらに入社後の教育費など多くのコストがかかります。また高度なスキルを持つ人材ほど、相応の給与や福利厚生が必要です。業務委託の場合は、必要な期間や業務量に応じて柔軟に契約でき、プロジェクトベースでの支払いも可能です。
状況に応じて稼働を変えられる
外注で業務委託する場合は、自社の業務進捗やさまざまな状況に応じて業務委託内容や稼働時間を調整できる点もメリットでしょう。新事業や新サービスの発表前の繁忙期には依頼ボリュームを増やし、比較的落ち着いている時期には業務量を縮小するなど、状況に応じて最適なリソース配分が可能です。
ブランドマーケティングを外注で業務委託するデメリット
ここからは、ブランドマーケティングを外注で業務委託するデメリットを2点紹介します。
自社のブランド理解に時間がかかる
外部のブランドマーケターはブランドマーケティング領域に特化した高い専門性と豊富な知識がありますが、自社の文化やビジョン、サービス・商品を正確に理解してもらうには一定の時間がかかります。
そのため、詳細なブリーフィングの実施、定期的なコミュニケーション、社内キーパーソンとの面談、トライアル期間の設定など、外部のブランドマーケターと自社とのギャップを埋める工数が発生することは理解しておきましょう。
ブランドの毀損リスクがある
ブランドは企業の最も重要な資産の1つで、その管理には細心の注意を払わなければなりません。業務委託先に丸投げの状況になると、ブランドの一貫性や統一性が損なわれるリスクや不適切な表現や戦略によるブランドイメージの毀損リスクも否めません。
外部委託にあたっては、ブランドガイドラインの作成や承認プロセスの確立、機密保持契約の締結、定期的な監査などを検討しましょう。
業務委託できるブランドマーケティングの主な仕事
次に、業務委託が可能なブランドマーケティングの仕事を4つに分けて紹介します。
ブランドガイドライン作成
まずは、ブランドガイドラインやデザインガイドラインの作成です。ブランドガイドラインとは、企業のコーポレートアイデンティティを視覚的かつ言語的に定義するルールブックを指します。
成長段階の企業のなかには、まだガイドラインを整備できていないところもあるでしょう。ロゴの使用規定、コーポレートカラー、タイポグラフィ、画像スタイル、トーン&マナーなどをガイドラインとして定義しておくことで、今後のブランドマーケティングの指標になるため、この業務領域でプロの知見を借りるのも1つの方法です。
ブランド戦略の立案
ブランド戦略立案を外注することも可能です。ブランド戦略とは、企業が市場でどのように認知され、どのような価値を提供するかを定義する重要な計画を指します。
戦略立案にあたっては市場分析、自社の強みと弱みの分析、ブランドポジショニングの決定、ブランドストーリーやコミュニケーション戦略の立案、ブランド指標の設定など多くのプロセスがあるため、外部パートナーに協力を依頼すると効果的かつ効率的に進められるでしょう。
SNS運用
自社公式のSNSを運用する企業が増えてきています。SNSの特性上、フォロワーとのコミュニケーションや頻度の高い更新など、運用を継続するにはかなりの工数がかかります。そこで、SNS運用を丸ごと外部パートナーに依頼するのも1つの方法です。
運用方針の策定、コンテンツカレンダーの作成、投稿の企画と制作、エンゲージメント管理、効果測定と改善提案などを含め、ビジュアルやテキストの両面でブランディングを考慮したSNS運用が期待できます。
ロイヤリティプログラム運用
事業内容によっては、商品の購入金額やサービスの利用回数が多い優良顧客に特典を与えるロイヤリティプログラムの運用を検討している企業もあると思います。その分野も、外部委託が可能です。
例えば、プログラム設計、コミュニケーション戦略、パートナーシップ構築、データ分析やコンプライアンス管理など、自社ブランドを念頭に置いたステークホルダーへの関わり方を提案してもらえるでしょう。
ブランドマーケティングを外注する場合のパターン
ブランドマーケティングの外注先を3パターンに分けて紹介します。
ブランディング会社に発注する
まずは、ブランディング会社に発注する方法です。豊富な実績と専門知識を持つチームによる包括的なサポートが期待でき、戦略立案から実行までのワンストップのサービスが魅力です。一方で、委託コストが高い傾向にあり、小規模なプロジェクトには適さない場合もあります。
個人事業主に発注する
次に、フリーランスのブランドマーケターや個人事業主に発注する方法です。特定の専門分野に特化したスキルの活用や案件・プロジェクトベースでの発注ができるなど柔軟な対応と密なコミュニケーションが魅力といえるでしょう。ただし、個人の能力や経験に依存するため、委託先選定は慎重に行う必要があります。
副業社員を採用する
また、副業社員を採用して業務委託することも可能です。他社で活躍中の人材を採用できるので、新鮮で豊富な経験と知識を持つ人材を正社員採用と比較すると安価に確保できるでしょう。一方で、本業との兼ね合いや機密情報の管理には注意が必要です。
ブランドマーケティングの外注・業務委託の報酬相場
ブランドマーケティングの外注・業務委託の報酬相場は、依頼内容や規模、期間によって大きく異なります。現状分析からブランド構築・運用サポートまで包括的に依頼する場合は、1プロジェクトあたり500~800万円の相場が目安ですが、中小企業向けに月額10万円~30万円程度のコンサルパッケージを提供する会社も見られます。
また、ブランドを配慮したキャッチコピーの制作は1~10万円程度、ロゴや商品パッケージの制作が数万円~50万円程度など、制作物の作成依頼を単発で発注することもできます。
ブランドマーケティングの副業案件の例
ここからは、ブランドマーケティングを副業人材に依頼する場合の実際の案件事例を2つ見ていきましょう。
マインドフルネスアプリのブランドマーケティング担当
稼働時間 | 20時間/月 ※面談時に相談して最終決定 |
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単価 | 9万円/月〜 ※能力や経験により最終決定 |
条件 | ・瞑想、マインドフルネスの習慣や知見がある人 ・事業のブランド戦略立案、実行経験がある人 ・ブランドマーケティング、広報経験がある人 |
業務内容 | ウェルビーイング・メンタルヘルス領域で事業展開する企業で、マインドフルネスアプリのブランドマーケティングを担当する ・ブランド戦略の立案・実行 ・コンテンツマーケティング ・データ分析 |
メディア事業・アパレル事業でブランドマーケティングを担当
稼働時間 | 25〜30時間/月 ※面談時に相談して最終決定 |
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単価 | 10万円/月〜 ※能力や経験により最終決定 |
条件 | ・ブランディング戦略立案〜実行経験がある人 ・複数のブランドをまたがり、ブランド価値向上のための横ぐしの企画設計〜実行経験がある人 |
業務内容 | Z世代をターゲットとしたメディア事業やアパレル事業でブランドマーケティングを担当する ・自社で展開する複数のファッションブランドを横断したブランド戦略立案・実行 ・Z世代に向けた認知獲得を最大化するための戦略立案・実行 |
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この記事では、ブランドマーケティングに特化した人材を採用して内製化すべきか、あるいは外注で業務委託すべきか、さらに業務委託する際のメリットやデメリット、副業人材に外注する場合の報酬相場、実際の案件例などを解説してきました。
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