地方企業特有の課題を副業人材で解決!三重県の料理宅配ベンチャーが売上120%アップを達成できた秘訣とは?
今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、三重県津市に本社を置く料理宅配のベンチャー企業・寿美家和久(すみやわきゅう)の副業人材活用事例です。同社の母体は、明治創業の老舗料亭「料亭寿美家」。2008年にデリバリー事業「仕出し割烹しげよし」を開始し、伝統的な日本料理の味を全国に届けてきました。
これまではお祝いなどのハレの日に利用されてきた「仕出し割烹しげよし」ですが、コロナ禍により、人々が集まって食事をするようなイベントが激減。そうした課題を抱える中、同社では日常の食事でも料亭の味が楽しめる新商品の開発や、プロの料理人が扱う“料亭御用達”食材や各種資材を購入できるECサイト「はこよし」のリリースなど、複数名の副業人材の力を得ながら新たな事業に挑戦しています。
地方の企業がどのように副業人材を活用すれば、こうした新しい取り組みを進めていくことができるのか?――寿美家和久代表の小清水氏にお話を伺いました。
会社情報
株式会社寿美家和久 | 料理宅配事業 和食料理の宅配業 『仕出し割烹しげよし』提携事業 |
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設立年 | 2008年6月 |
社員数 | 127名 ※パート・アルバイト55名(2018.4月現在) |
副業活用ポジション | ブランディング・マーケティング |
株式会社寿美家和久 代表取締役 小清水丈久 氏
老舗料亭「料亭寿美家」を母体とする寿美家和久を2008年に創業。料理・和食料理の宅配業、「仕出し割烹しげよし」フランチャイズ事業の展開などを牽引する。また、フードDXを推進し、SNSメディア戦略、AIを活用した販促戦略にも着手。試行錯誤を繰り返しながら、デリバリー業界において確固たる地位を構築している。
地方企業特有の課題を、副業人材で解決
小清水氏
一番の理由は、地理的な問題です。当社は三重県にありますので、高度なスキルを持った専門人材を採用するのが、非常に難しい状態でした。それらを打破するために副業人材の活用を考え、lotsfulにサポートを依頼したのがきっかけです。
専門人材の採用を地方のベンチャー1社が頑張っても、なかなか良い結果が得られません。lotsfulさんに相談することによって、本当に必要な人材像が明確になり、副業人材の採用をスムーズに進めていくことができました。
小清水氏
ブランディング領域をお任せした、Yさんという方がいます。コロナ禍によって、ハレの日に人々が集まることができなくなり、当社のサービスが厳しい状態になっていました。そこで新たに、日常でも料亭の職人が作る料理を楽しめるサービスに、注力していくことに。しかし、新サービスの魅力的な見せ方、新しい切り口を企画することができないという課題がありました。
そこでlotsfulさん経由でライフスタイルブランドのマーケティング経験を持つYさんにジョインいただき、商品の名前やメニュー構成などブランディングを一手に担当いただきました。Yさんは今まで私たちが何となく考えていたことを、ロジカルにまとめてくれたのです。そして、「料亭熟成とんかつ しげ勝」や「料亭熟成海鮮 伊勢良し」という、バーチャルブランドを立ち上げることができました。現在はYさんに業務をお任せしていませんが、機会があればまたお手伝いいただきたいと考えています。
副業人材の活躍で、売上が前年比120%アップに
小清水氏
当社は約400のFC店舗に、食材・資材を卸しています。料亭が使うような、珍味と呼ばれる一般では売ってない特殊加工食品や、有田焼などの器も扱っています。こうした食材・資材を一般の店舗・ユーザーが購入できるECサイト「はこよし」の立ち上げのために、サイト制作を任せられる副業人材をlotsfulさんに相談したのです。
そこで、オフィス家具などを扱う企業でWebマーケティングを担当するAさんをご紹介してもらい、今年の6月にジョインしていただきました。「はこよし」は、その2ヵ月後の8月にローンチしたのですが、Aさんがいなかったら間に合わなかったでしょうね(笑)。
小清水氏
「はこよし」のプロジェクトマネージャーとして、必要な人材やセクションを整えていただきました。また、進捗管理とあわせて、管理ツールの導入も担当してもらいました。サイトが無事オープンしたので、これからはどのように販売していくかといった部分をお手伝いいただく予定です。
Aさんのプロジェクトや仕事の進め方が非常に参考になり、他部署でも導入いただいた管理ツールを使用するようになりました。わからないことがあれば、Aさんに質問しているくらいですから。
小清水氏
副業経験の実績を、まずは見させてもらいました。当社は地方にある企業です。そのため、副業人材には100%リモートで、仕事を進めてもらう予定でした。そうしたスタイルに慣れているかは、大前提でしたね。それらをベースに、計画的にプロジェクトも進められるスキルを持ったAさんを選びました。
小清水氏
食品宅配事業などを手がけるベンチャーでマーケティングを担当するSさんには、「仕出し割烹しげよし」のサイトのテコ入れを行なってもらっています。
実は、コロナ禍の影響で「しげよし」の売上が横ばいになり、サイトのPV数も昨年を下回る状況になっていたのです。そうした危機感から、lotsfulさんに相談しました。そこで、サービスのブランディング経験者がいると提案を受けて、紹介してもらったのがSさんです。
小清水氏
ユーザーアンケート・インタビューによって、サービスの強みと弱みを明確にしてもらいました。ユーザーアンケートでは「配達や配膳があって便利」という回答が一番多いコメントで、料理の見栄えや味は、上位にはありませんでした。
しかし、「配達や配膳があって便利」という回答は、他でも同じようなサービスがあり、当社の本当の魅力なのか疑問に感じたのです。そこで、ユーザーインタビューを行なってみると、「高級料亭の料理が食べられる上に、配達や配膳があって便利」という部分が見えてきたのです。そこで、当社のブランド力を高めながら、配達や配膳があるという強みを訴求できるように打ち手を変えていきました。
また、料理の味については、インタビューから「これくらいのクオリティは当たり前」と思われていることが判明。料亭の職人集団として、期待を上回る味が提供できるように、材料から見直しを行なっていきました。――このような数々の取り組みの結果、8月のお盆シーズンは前年比120%の売上となりました。
地方の企業こそ、副業人材を活用するべき
小清水氏
私たちの常識の中に、「世間にとっての非常識」があることに気がつけたことです。外部の方がいるからこそ、内部から見えにくいところも指摘してもらえます。ミーティングに関しても、社員だけだと緊張感に欠けてしまうところに副業人材が入ると、ビシッと締まりますね。
さらに、副業人材の場合、契約に沿って業務を行うプロフェッショナル人材なので、なんでもシビアに取り組んでくれます。その姿を見て触発される社員が出てきており、組織がリフレッシュしていると感じています。
小清水氏
実は以前、別の領域でも副業人材を活用したのですが、関係各所とのやり取りでトラブルが発生してしまったことがありました。副業人材にどこまで裁量を与えるのか。解像度を高くしながら、要所要所で適切な線引きをしていく必要があると実感しました。また、お互いの価値観に共感できたり、信頼できないと、上手くいかないことがわかりましたね。
小清水氏
業務を依頼する際に、どんな成果を求めているのか、精度を高くしておく必要があると思います。リモートでコミュニケーションする場合は、特に業務内容を明確にしておくことをオススメします。漠然とした依頼ですと、副業人材も業務に迷いが出てしまいますから。
また、依頼する企業側もブレないことが大切です。右往左往していると、副業人材もそれに巻き込まれて、成果を出しにくい状況になってしまいます。これは社員と仕事をするときも一緒で、年間目標から逆算して取り組みを考えていかないと、毎日なんとなく過ごしてしまいますよね。そうした曖昧さを、なくしていく必要があります。
小清水氏
もちろんあると思っています。地方のベンチャーだと、情報発信力も採用力もそこまで強くないので、他の企業と一緒に埋もれてしまいます。そうした企業は、質の高い人材とマッチング力を持つlotsfulさんに相談するだけで、新たな可能性が生まれるのではないでしょうか。
小清水氏
lotsfulさんは本当にちゃんとしているサービスですよね(笑)。副業サービスは多くありますが、登録者の質やマインドも圧倒的に高い。それは、人材を紹介してくれるlotsfulの担当者も同じです。他のサービスも利用しましたが、これからも相談していきたいのはlotsfulさんですね。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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