人事ノウハウ

企業の採用戦略において、就業経験が豊富な人材を確保すべくキャリア採用を取り入れる企業が増えています。また、ハイスキルな副業人材の獲得にも、キャリア採用は有効だと言えるでしょう。

今回は、キャリア採用について、中途採用との違いやキャリア採用のメリット、デメリット、成功するコツを詳しく解説していきます。

キャリア採用とは

キャリア採用とは、これまでに就業経験があり、自社と同業界または同職種での豊富な経験と知識をもつ人材を採用する手法です。

キャリア採用の最大の目的は、自社にとって即戦力となる人材を迎え入れられる点にあるでしょう。

このため、応募条件に「自社と同業界・同職種での経験〇年以上」「管理職経験者」などの具体的な職務経験やスキルを設定するケースが多くなります。

さまざまな業界・職種において人手不足が問題となっている昨今、豊富な経験とスキルを活かして主体的に行動できる人材をキャリア採用で獲得し、自社の持続的な成長を目指す企業が増えています。

キャリア採用と中途採用の違い

キャリア採用と中途採用の最大の違いは、“即戦力採用であるか否か”にあるでしょう。キャリア採用は業界経験または職種経験が必須ですが、中途採用は社会人経験が重視されます。

キャリア採用で獲得する人材は、業界や職種における数年程度の経験を持ち、新たな環境でも即戦力として活動することが求められます。

一方、中途採用は、正社員としての経験があれば自社と同じ業界や職種での経験は問われません。

中途採用の側面からみたキャリア採用との違いを知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事：中途採用の目的とは？メリットデメリットや成功のポイントまで解説

キャリア採用のメリット

企業がキャリア採用を取り入れるメリットには、主に以下の3点が挙げられます。

即戦力人材を採用できる

キャリア採用は、自社と同じ業界や業務に関する経験や知識、スキルがある人材をターゲットにしているため、即戦力としての活躍が期待できる人材を採用できます。

また、採用された人材も期待に応えて、自社の業務において高い能力を発揮するでしょう。このため、組織の生産性が大幅にアップします。

教育コストを抑えられる

キャリア採用で獲得した人材は、すでに自社が属する業界や業務に関しての経験や知識があるため、入社後すぐに活躍してもらえます。

このため、未経験者を採用する場合と異なり、研修実施の時間や費用、指導にあたる社員の人件費といった教育コストが抑えられます。

自社にない知見を取り込める

キャリア採用で獲得した人材は、「豊富な経験や専門性の高い知識」「業務の効率的な進め方」などのスキルを所有しています。

また、これまで自社と同業界で築き上げてきたノウハウや人脈などもあるでしょう。このため、自社に不足している知見を、キャリア採用者を通じて取り込むことが可能です。

キャリア採用のデメリット

メリットがある一方、キャリア採用には以下に挙げる2つのデメリットがあることも認識しておきましょう。

採用コストが高くなりやすい

キャリア採用を行う場合は、自社が求める条件に沿った人材をピンポイントで見つけなければなりません。

採用時には求人広告だけでなく、ハイクラスや専門職を対象にした人材紹介サービスやダイレクトリクルーティングなどの活用が必要です。

このため、中途採用などに比べると、一人当たりの採用コストが高くなる傾向にあります。

人材獲得の難易度が高い

キャリア採用の対象となる人材は、経験だけでなく高い専門性を有しているため、企業間での獲得競争が激しくなります。

とくにIT関連やグローバル人材など特定のスキルをもつ人材は獲得が難しい傾向にあるでしょう。このため、他社より高い給与水準や待遇を設定する必要があります。

キャリア採用成功のコツ

自社のキャリア採用を成功させるには、以下に挙げる4つのポイントを押さえることが重要です。

求める人材像を明確にする

キャリア採用で即戦力となる人材を採用したいと考えたとき、あらかじめ具体的な人材像を設定しておかないと、採用のミスマッチにつながりかねません。

求める人材像が明確であれば、採用プロセス全体が効率よく進むでしょう。このため、採用要件や基準も具体的に設定しておくことをおすすめします。

キャリア採用であっても教育は必要

入社後すぐに即戦力としての活躍が期待できる点が、キャリア採用の魅力です。ただし、教育が一切不要というわけではありません。

企業にはそれぞれ社風や文化があります。それらに適応していくことも、長くはたらいてもらうモチベーションになります。

また、法令遵守や企業倫理に関する教育は企業の信頼性維持の観点からも重要です。教育を通じて企業のポリシーや規範を理解してもらいましょう。

オンボーディングを怠らない

オンボーディングによって、キャリア採用で獲得した人材がより早く職場に馴染めます。このため、早期離職を回避でき、定着率が向上します。

また、企業文化や価値観を共有することで組織全体の一体感も高まるため、チームワークやエンゲージメントもアップするでしょう。

スキルや経験だけを見ない

キャリア採用は、対象となる人材のスキルや経験だけにフォーカスしがちです。ただし、スキルと経験は申し分がなくても、自社の社風や文化にマッチする人材とは限りません。

社内環境や雰囲気に馴染めなかった場合、十分な能力を発揮してもらえないうえに、早期退職の原因にもなるでしょう。

面接時には応募者のスキルや経験だけでなく、自社との相性も含めた人柄等を判断できるような質問を心がけることが肝心です。

御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか？

今回は、キャリア採用の導入を検討する企業に向けて、役立つさまざまな情報をお届けしました。

この機会に、御社の採用業務を即戦力として活躍可能な副業社員に任せてみることも、よい方法といえるでしょう。

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