副業ノウハウ

個人の収入をはじめ、納税などに関する情報を行政が把握しやすくすることを目的に、2015年から国民一人ひとりへ割り当てられたマイナンバー。

副業を検討されている方の中には、マイナンバーの提出を求められることで会社に副業がバレてしまうのでは…と不安な方も多いのではないでしょうか。

今回は副業でのマイナンバーの提出が「必要な場合」と「不必要な場合」、それぞれについて詳しく解説していきます。

マイナンバーで副業は会社にバレる？

マイナンバーによって、会社に内緒でしている副業がバレてしまう可能性はあるでしょうか？

その答えは直接的には“NO”です。 マイナンバーは、「社会保障」「税」「災害対策」の各分野において情報を一元化することで、事務処理の効率化を目的としています。

日本の住民票を有していれば、外国籍の方でも12桁の個人番号が割り当てられ、この番号は紛失を除いて一生涯変わりません。

本業のほかに副業で収入を得れば、「社会保障」と「税」に関して避けて通ることは不可能です。ただし行政側が個人の副業を把握したとしても、勤め先の企業などに開示することはありません。

また、デジタル庁によるマイナンバー制度についてのQ&A（※1）でも、「マイナンバー制度により地方税関係手続に変更は生じず、副業を行っている事実が新たに判明するものではない」と述べられています。

※1出典：デジタル庁HPよくある質問：マイナンバー制度について（総論）Q1-6

副業でマイナンバーの提出が必要なケース

副業をする場合でも、下記3つのケースに該当するとマイナンバーの提出が必要になります。

副業先に雇用されている場合

副業でもアルバイトやパートなどで雇用されている場合は、勤務先の企業などに源泉徴収票を発行する義務が発生します。源泉徴収票は給与の支払いを受ける本人に渡されるだけでなく、管轄の税務署にも提出（※1）しなければなりません。

その際にマイナンバーの記載が必要となるため、勤務先からはマイナンバーの提出が求められるわけです。

※1出典：国税庁HP 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等

発注者から求められている場合

フリーランスとしてライターやWebデザインなどの副業をしている方は、アルバイトと違って雇用関係にないため、源泉徴収票は発行されません。

ただし仕事を依頼する発注者は、原稿料など報酬の支払いに関して支払調書（※1）を作成し、税務署へ報告をしなければなりません。支払調書によって税務署は納税者の正確な支払いを把握でき、税金の徴収漏れを未然に防ぐことが可能になります。

このため発注者からマイナンバーの提出を求められれば、フリーランスや個人であっても従う必要があります。

※1出典：国税庁HP 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

確定申告をする場合

副業で得た年間の収入から必要経費を引いた所得が20万円を超えると、翌年の2月16日～3月15日の期間内に所轄の税務署へ確定申告（※1）を行わなければなりません。

さらに2013年5月の番号整備法（※2）や政省令改正によって、2016年から確定申告書にマイナンバーの記載が義務付けられました。

またマイナンバーカードがあれば、e-Tax（※3）とマイナポータル（※4・5）のアプリを連携することで、税務署に行かずにスマホを使って、いつでもどこでも確定申告を行うことが可能です。

マイナンバーカードによる確定申告は、控除証明書などをオンラインで一括取得できるため、手続きに関する負担が一気に軽減できるほか、還付金の付与も早い点もメリットといえるでしょう。

※1出典：国税庁HP 確定申告が必要な方
※2出典：e-Gov法令検索 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
※3出典：国税庁HP スマホとマイナンバーカードでe-Tax！
※4出典：国税庁HP マイナポータルと連携した所得税確定申告手続
※5出典：マイナポータルHP 確定申告の事前準備について

副業でマイナンバーの提出が不要なケース

副業でも雇用先や発注者から求められれば、提出しなければならないマイナンバー。

例外として、発注者から求められない場合と、副業による年間の収入が必要経費を差し引いて20万円以下であれば確定申告が不要なため、提出の必要はありません。

ただし副業収入が上記金額以下でも、住民税に関しては住んでいる市区町村へ申告する必要があります。

その際、納付方法を納税者自身が納付する「普通徴収」（※1）にしておけば、本業の勤務先に副業がバレる可能性が少なくなるといえるでしょう。

※1出典：総務省HP 地方税制度｜個人住民税

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今回は副業におけるマイナンバーについて、役立つさまざまな情報をお届けしました。

税金や社会保障に関する手続きの簡素化というメリットだけではない分、個人情報の流出などの面で不安に感じる方も多いのも現状といえるでしょう。

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