休職中に副業はできる?難しいケースや注意点とは
思いがけない病気やケガ、あるいは個人や家庭の事情で休職しなければならない状況になった時、少しでも生活費の足しになるような副業を検討するのは当然の流れといえるでしょう。
ただし、会社が副業を禁止している場合など、条件によっては副業が難しいケースがあります。
本記事では、休職中の副業について、どのような状況ならOKなのか、注意点を踏まえながら詳しく解説していきます。
休職中に副業はできる?
休職とは、労働者の自己都合によって勤務先との雇用関係を継続したまま長期の休暇を取得することで、以下のような種類があります。
いわゆる育休・産休をはじめ、介護に関しては休職ではなく法律が適用される「休業」(※1)に該当するため、休職には含まれません。
私傷病休職 | 業務や通勤に起因しない病気やケガによるもの |
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事故欠勤休職 | 本人が事件などを起こし、逮捕・拘留された場合に会社が命じるもの |
起訴休職 | 刑事事件で起訴された労働者に対して会社が命じるもの |
自己都合休職 | 留学などの際に労働者より申請されるもの |
組合専従休職 | 労働組合の役員に専従する組合専従者を対象としたもの |
出向休職 | 労働者が子会社などに出向する場合、出向元において休職扱いとするもの |
公職就任休職 | 労働者が国会・地方議員・自治体の首長になり就業が困難になった場合 |
私傷病休職の場合、病気やケガなどであれば労務ができない状況に陥ったことにより休業しているため、勤め先の会社が副業をOKとしているか否か以前に、まず心身のケアに専念するのが望ましいといえるでしょう。
勤務先が副業を認めていて、自宅で安静にした状態かつ、1日1~2時間程度で作業単価の安い内職レベルのものなら認められるケースも少なくありません。
トラブルを未然に防ぐためにも、必ず事前に勤務先と健康保険組合に相談しておきましょう。
※1出典:厚生労働省HP 育児・介護休業法について
休職中に副業が難しいケース
休職中の副業が困難、あるいはできない理由は、以下の3つのようなケースが代表的といえるでしょう。
会社が禁止している場合
副業自体は会社の就業規則で認める旨の記載があれば問題ありません。ただし、休職中の副業に関して容認するかどうかの基準は会社によってさまざまといえるでしょう。
まず自分がその基準を満たしているかを必ず直属の上司か人事部などにきちんと確認したうえで、申請が必要であれば嘘のないよう書類を記載し、必ず許可を取ってから始めることをおすすめします。
許可を取ることを怠ったり、虚偽の申請をしたりした結果、副業が会社に発覚した場合は、休職の解除はおろか減給・解雇など処分の対象にもなりかねません。
傷病手当金を受給している場合
傷病手当金(※1)は、健康保険の被保険者が業務外の病気やケガなどにより働くことができなくなった場合に、生活を支援する目的で支給されます。特性上、その間の副業は基本的にNGです。
もし、傷病手当金の受給中に副業で収入を得ていることが発覚すると不正受給とみなされ、傷病手当金の打ち切りや返納、悪質なケースと判断されれば、詐欺罪として刑事罰を受ける可能性もあります。
※1出典:厚生労働省HP 傷病手当金について
うつや適応障害などで休職している場合
職場での人間関係や仕事に対するプレッシャーなどが要因となり、うつや適応障害で休職を余儀なくされる方は、残念ながら増加傾向にあります。
これらの病気による休職は私傷病休職に該当し、健康保険に加入していれば傷病手当金を受け取ることが可能です。
上記の「傷病手当金を受給している場合」で述べている通り、受給期間中の副業は原則としてできません。
またうつ病の再発などで傷病手当金の支給対象にならず療養している場合でも、職場への復帰や金銭面など、不安からくるあせりによって副業を考えるのも無理はないでしょう。
気分や体調の浮き沈みがある以上、無理やり副業に取組んでも良い結果は得られません。症状が悪化すれば職場復帰も難しくなり、会社自体を辞めざるを得なくなります。
まずは療養に専念して心身の健康を取り戻すのが第一です。
休職中に副業したら会社にバレる?
休職中の副業は勤務先が認めていることが前提ですが、もし副業をしている場合に所得が増えれば、所得金額を基に算出される所得割(※1)および住民税額も増えてしまいます。
ほとんどの会社員は住民税が月々の給与から天引きされ、代わりに企業が特別徴収(※2)をして税金を納めています。
このため勤務先の経理担当者が住民税を納付する際に、社員の住民税の増額=所得の増額に気付けば、副業がバレるリスクはゼロではありません。
また副業でバイトなどを行い、1週間の所定労働時間が原則20時間以上かつ、諸条件を満たすと社会保険の加入対象(※3)となり、副業先の会社で手続きをして給与額に応じた社会保険料を負担する必要があります。
この社会保険料を本業での年末調整時に合わせて申告してしまうと、住民税と同様に副業がバレてしまうので注意しましょう。
手間がかかっても、副業で得た収入は自分で確定申告を行い、社会保険料に関しては本業での収入のみ年末調整をするようにすれば大丈夫です。
※1・2出典:総務省HP 個人住民税
※3出典:日本年金機構HP 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内
休職中に副業する場合の注意点
休職中に副業をする場合に、特に注意しなければならない3点を紹介します。
会社の規定を守る
休職中であるかどうかの前に、まず勤務先が副業をOKとしていなければ服務規定違反になります。あらかじめ就業規則はチェックしておくのが大前提ですが、傷病手当金を受給する立場で副業を検討するのであれば、改めて上司や人事部などに確認しておくのがベターです。
そのうえで、所属する健康保険組合に対して傷病手当金を受給できる範囲内で、内職レベルの仕事をする旨の相談や申請をしておけば、問題なくできるでしょう。
健康に気を付ける
休職に至った理由が病気やケガ、あるいは介護などの事情によるものでも、副業を始めれば療養やケアに使うべき時間を削らなければなりません。
お金に対する不安のあまり心身に負担をかけてしまうと、職場復帰という本来の目標から遠ざかってしまいます。
本末転倒な結果にならないよう、あくまで副業は自身のコンディションをよく把握しながら、時間や業務量など負担をかけない程度のものにとどめておきましょう。
確定申告の対応
休職中の副業で得た収入から必要経費(※1)を差し引いた所得が年間20万円を超えた場合は、翌年の2月16日~3月15日の間に税務署へ確定申告(※2)をしなければなりません。
また年間の所得が20万円以下なら確定申告自体は不要ですが、住民税は市区町村の役所・役場へ申告する必要があります。この場合、副業を内緒にしている方は、住民税の納付方法は自分で納める普通徴収(※3)にしておかないと、本業の勤務先に請求が行く可能性があるため注意しましょう。
確定申告に関するより詳細な情報を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※1出典:国税庁HP やさしい必要経費の知識
※2出典:国税庁HP 給与所得者で確定申告が必要な人
※3出典:総務省HP 個人住民税
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