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備後圏域で15社のモデルケース創出に成功!福山市が挑む『副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト』、2023年度の成果とは

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lotsfulは2023年8月から広島県福山市と連携し、備後圏域(広島県福山市を含む6市2町)の企業を対象に、副業・兼業人材活用支援(備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト)を開始しました。そこで今回、本プロジェクトの企画・実行を担う行政側の主担当者である川嵜智仁氏にインタビューを行いました。

備後圏域において副業・兼業人材マッチングを推進する背景や目的、そしてプロジェクト推進をしていくために、福山市とlotsfulでどのような取り組みに着手し、どのような成果が生まれたのか話を伺いました。

福山市
企画財政局 企画政策部 企画政策課
川嵜智仁 氏

人材広告会社に新卒入社し、その後、福山市へ入職。現在は、備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクトに加え、福山市役所内における副業人材活用の推進を担当している。

地域企業の経営力強化や関係人口創出を目的に、副業・兼業人材を活用

はじめに、『備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト』を立ち上げた背景についてお聞かせください。

川嵜氏

福山市では2017年に地方自治体で初めて副業・兼業の戦略顧問(戦略推進マネージャー)を募集しました。福山市が抱える人口減少などの課題において、行政だけでは解決が難しいと考え、外部から新しい発想を得ようとこの取り組みをスタートしたのです。

このような取り組みを民間にも広げながら、地域企業の経営力強化と関係人口創出のため、副業・兼業人材のマッチングの支援を実施しています。現在はより多くの企業に副業・兼業人材を活用していただけるよう、モデルケースを作っていこうとしている最中です。

福山市では2021年度に自治体初となる「副業・民間人材登用のデータベース」を構築しています。その後、2022年度には福山市内企業を対象に副業・兼業人材活用支援を手がけ、2023年度からは備後圏域(広島県福山市を含む6市2町)に支援の範囲を広げています。福山市だけはなく、備後圏域に支援を広げたのは、どのような狙いがあるのでしょうか?

川嵜氏

もともと支援するエリアを段階的に広げていく計画でした。福山市だけで副業・兼業人材を活用しても、地域企業の経営力強化や関係人口創出という課題に対して大きなインパクトを生み出せません。そこで、支援の範囲を備後圏域に広げたのが2023年度になります。

2023年度の『備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト』から、lotsfulをパートナーに選んでいますが、その決め手はどこにあったのでしょうか。

川嵜氏

業務を実施する体制や副業人材のマッチング数、副業人材との面談におけるサポートなどの項目を精査し、lotsfulにお願いすることにしました。実際に企業と副業人材のマッチングを進めるときは、lotsfulさんとスケジュールなどの相談をしながら、どのようにすれば一番効果が出るのかという視点で動いてもらいました。

2022年度は福山市のみで実施していた本取り組みの対象を、2023年度は備後圏域の6市2町(広島県の三原市、尾道市、福山市、府中市、世羅町、神石高原町、岡山県の笠岡市、井原市)へと拡大。より多くの地域企業を対象に、副業人材活用支援を展開している。(https://lotsful.jp/news/223
副業・兼業人材を活用する備後圏内企業の選定はどのように行ったのですか。

川嵜氏

2023年度は、15社に副業人材を活用してもらうという目標を立てました。モデルケースを増やすという意味でも、業種や企業規模は絞らずに広く企業を選定しています。

企業の募集に関しては、商工会議所の協力を得ながら、リアル・オンラインの両方で備後圏内企業に向けて副業・兼業人材の活用方法や成果を紹介するセミナーを開催。そのほかにも、福山市のHPで本プロジェクトの情報を発信したり、地域の企業の集まりの場にlotsfulの担当者の方にも参加いただき、その場で副業人材活用の説明会も開きました。セミナーや説明会を開催後、lotsfulさんから企業に電話をかけて営業活動を行い、そこから数社プロジェクトの参加も決定しています。

備後圏内企業に参加いただく中で苦労した点などはありましたか。

川嵜氏

副業・兼業人材を活用した経験のある企業がほとんどなく、活用するイメージが持てないという声が多くありました。ですので、副業・兼業人材の活用について一から説明していくのは工数がかかり、大変でしたね。lotsfulさんがセミナーや説明会を行う際は、「副業・兼業に関する知識がゼロの人に話す前提で進めてほしい」と要望していました。また、副業・兼業人材の活用事例を多く紹介して、少しでもイメージを持ってもらえるように意識してもらいました。

前年比500%アップのマッチングを実現

2023年度については、現状でどのような成果が出ていますか。

川嵜氏

現在、詳細な部分まで全て把握できていないのですが、「備後圏内企業15社に副業・兼業人材を活用してもらう」という目標は達成できました。前年度の副業・兼業人材を活用した企業が3社だったので、500%アップという結果になっています。

副業・兼業人材との契約も、企業が直接締結するのではなくlotsfulさんを経由して締結するという形だったので、トラブルの発生もなく安心しました。また、lotsfulさんのデータベースに優秀な副業人材が多く登録されていたので、企業とのマッチングも非常にスムーズだったと実感しています。

プロジェクトを牽引する川嵜さんから見て、「地域の中小企業が副業・兼業人材を活用するメリット」はどこにあると思いますか。

川嵜氏

メリットはたくさんあります。やはり、都市圏ではたらく優秀な人材と一緒に、事業やサービスの課題解決に向けて取り組めるのは大きなメリットだと思います。また、副業・兼業人材は報酬だけでなく、その地域や企業に貢献したいという情熱を持った方が多くいるので、そうした方と仕事ができるのも大きな魅力です。そのような人材を採用したり、つながりを持とうとすると、時間もお金もかかります。副業・兼業ならそうしたコストを抑えられるという点もメリットだと言えるでしょう。

本プロジェクトを通し、川嵜さんご自身で感じることはありますか。

川嵜氏

今回lotsfulさんと一緒にプロジェクトに取り組んでみて、最近では便利なツールやアプリが数多くありますが、結局最後は「情熱が大切だ」と気がつきました。人材とつながったり、企業を動かすためには、lotsfulさんのように情熱がないとやはり難しいですね。

副業・兼業人材の活用は「意識改革」にもつながる

備後圏域に広げた副業・兼業人材マッチングの支援について、今後の展望を教えてください。

川嵜氏

着実に副業・兼業人材を活用する企業が増えていますが、全体から見るとまだまだ少数です。まずはモデルケースをさらに増やしていくことが必要だと思います。副業・兼業人材を活用するとメリットがあるのだと、備後圏内企業が理解できるように取り組んでいきます。

副業・兼業人材の受け入れを検討している自治体や地方企業に向けてアドバイスなどがあれば、お聞かせください。

川嵜氏

福山市でも副業・兼業人材を活用していますが、そこから新しいネットワークが増えて、さらに人材を集めることができるようになりました。一方で、その道のプロと一緒に仕事をすることで、福山市職員の意識改革にもつながっています。ぜひ多くの自治体や地方企業で副業・兼業人材を積極的に活用して、その取り組みを広めていってほしいですね。

副業人材を活用することで、福山市の職員にもいい影響が出ていると。

川嵜氏

はい。副業・兼業人材と一緒に仕事をした職員にアンケートを取りましたが、モチベーションが上がり、仕事に対するスピード感も変わったというコメントが多くありました。また、民間の視点を取り入れることにより、今まで見えなかった課題に気がつくことができたという意見もありましたね。福山市でもさまざまな課題がありますので、その解決策としてDX化や業務効率化を副業・兼業人材と進めていきます。

最後にlotsfulを活用した感想をお願いします。

川嵜氏

lotsfulさんは熱意とスピード感が本当にすごいですね。自分たちで備後圏域の企業を開拓し、副業・兼業人材の活用について丁寧に説明もしてくれました。そうした行動のおかげで、副業・兼業人材と圏内企業のマッチングもスムーズでした。当初はもっと時間がかかると思っていたので、とても驚きましたね。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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