副業・兼業人材のジョインにより、「守り」から「攻め」の営業へ!福山市の老舗ニッチトップ企業に起きた変化とは?

副業活用ポジション:

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lotsfulは2023年8月から広島県福山市と連携し、備後圏域(広島県福山市を含む6市2町)の企業を対象に、副業・兼業人材活用支援(備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト)を開始しました。今回、そのプロジェクト事例の第一弾として、福山市に拠点を構える株式会社オーザックの副業・兼業人材活用事例をご紹介していきます。

オーザックは1945年に創業し、船、橋梁、大型クレーンやエレベーターなどに使用されるワイヤーロープ端末金具の設計・製造事業を展開。そのシェアは、国内トップクラスを誇ります。その他にも吊り具(天秤、フック、ハッカーなど)のオーダーメイド設計・製造も手掛けていますが、事業のさらなる拡大を目指し本プロジェクトに参画。事業開発・営業戦略支援のポジションにおいて、副業・兼業人材を活用しました。

実際に副業・兼業人材と共にどのような業務に着手し、どのような成果を得たのでしょうか。株式会社オーザック代表取締役社長の西山基次氏と、コンサルティング会社に勤務する副業・兼業人材の東谷翔平氏から話を伺いました。

会社情報

株式会社オーザック

・ワイヤーロープ用ロープ端末金具、調整及び連結金具
・産業機械用吊り具等の設計及び製造販

設立年 1945年10月
社員数 42名(2024年2月時点)
副業活用ポジション 事業開発/営業戦略設計

株式会社オーザック 代表取締役社長 
西山 基次 氏

大学で物理学を専攻。ITベンダー、中間支援NPOを経て、2017年9月に株式会社オーザックに入社。2022年4月より3代目の代表取締役に就任。

副業・兼業人材  東谷 翔平 氏

人材業界での経験を経て、2022年3月より大手国内コンサルティング会社にてデジタル戦略策定やビジネス企画のコンサルティングに従事。首都圏・地方企業の新規事業開発プロジェクトや、行政と提携した地方創生プロジェクトを主導した経験を持つ。2023年10月から株式会社オーザックに副業で参画中。

「受け身」の営業スタイルからの脱却を図る

今回、副業・兼業人材を活用しようと思ったきっかけを教えてください。

西山氏

これまでに外部の協力会社さんと製品を作るといったことはしてきたのですが、副業・兼業人材を活用した経験はありませんでした。しかし、社内だけで新しいことを考えるのは限界で、外から力を借りるというのは必要だと考えていたんです。そうした中で、副業・兼業人材の採用の一部費用を補助するという今回の福山市の取り組みを知り、副業・兼業人材の活用に挑戦することにしました。

「事業開発・営業戦略支援」というポジションで、副業・兼業人材を活用しました。どんな課題を抱えていたのでしょうか。

西山氏

当社はワイヤーロープの端末金具の設計・製造を手掛ける、BtoBビジネスの企業です。積極的に営業活動をするというよりは、これまでにつながりのあるお客様からお仕事を発注いただくスタイルでした。しかし、このままの状態が続く保証もありません。何かアクションを起こすべきだと思っていました。その取り組みのひとつとして、吊り具のオーダーメイド設計と製造をスタート。そうした新しい事業開発をより一層進めていくために、知見を求めていました。

株式会社オーザックは、大型クレーンやエレベーターなどに使用されるワイヤーロープ端末金具の設計・製造事業を展開。国内トップクラスのシェアを誇る。
では、副業・兼業人材の東谷さんにもお話を伺います。人材業界やコンサルティング業界などで企業を支援してきた経験を持つ東谷さんが、今回のプロジェクトに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

東谷氏

支援する企業を選ぶ軸として、「やりがい」という部分を大切にしています。私の地元は広島なので、このプロジェクトは地元にも貢献できると思った点が理由のひとつです。それに加え、オーザックさんの事業を拝見した際に、新規事業開発だけでなく、既存事業でも支援できる余地があると感じ、応募しました。

東谷さんにはどのような業務を任せたのでしょうか。

西山氏

最初は幅広く、当社だったらどんなことができるかを相談していました。そこから主力事業のワイヤーロープの端末金具における新たな事業の可能性や市場開拓について模索していこうという話になり、東谷さんと一緒に考えていきました。

西山さんは、東谷さんとのコミュニケーションで気をつけた点などはありますか。

西山氏

業務については、東谷さんに任せっぱなしでしたね(笑)。というのも、副業・兼業人材を活用しようと思ったときに、どういったことをするべきか漠然としていたので、リードしていただける方を希望していたんです。その希望通り東谷さんがリードしてくれたので、非常に助かりましたね。

また、気を付けた点と言いますか、受け入れ側のスタンスとして「副業・兼業人材からしっかりと新しい知見を学んで、自分たちが成長していこう」という意識は持つようにしていました。この学ぶ姿勢は、社員にも大事にするように伝えましたね。

東谷さんがジョインしたことにより、どのような成果がありましたか。

西山氏

年始の挨拶のタイミングで、東谷さんと一緒にお客様である東京の企業を訪問しました。事前に作成した資料をもとにプレゼンテーションを行い、要望をヒアリングするという一連の営業アクションを初めて行うことができたのです。これまではお客様に対して、「何か困ったことありますか?」といった御用聞きのような営業スタイルだったため、ニーズを探りながら攻めるという動きをどうやったらできるのか、社内に知っている人間がいなかったのです。東谷さんのおかげで、攻めの営業を実行することができました。

副業・兼業人材がデータを収集し、営業戦略を策定

東谷さん自身は、業務をどのように進めていったのでしょうか。

東谷氏

オーザックさまのポジショニングを把握し、戦略立案を行うため、市場を把握することから始めました。オーザックさまは、ワイヤーロープの端末金具において国内トップシェアだと伺っていましたが、ワイヤーロープ端末金具の市場規模の中で、どのくらいの市場シェアを占めているかは不明瞭でした。

しかし、ワイヤーロープの端末金具の市場規模は、デスクトップリサーチで調べても情報は出てこないので、ワイヤーロープの製造量・出荷量などの経済産業省が公開している統計情報や、国内大手のワイヤーロープ製造会社のIRとオーザックさまの経営データを参照しながら、概算で市場規模を算出し、オーザックさまの市場シェア率を計算しました。

その数字を見た際に、市場開拓の余地は十分にあると考え、新規事業開発と並行し、既存顧客の開拓も進めていくべきという考えに至りました。オーザックさまの個社ごとの取引先を分析し、業界や業種、企業規模などから、どこに営業するか優先順位をつけて、新しく開拓すべき市場をデータに基づき設計しました。

ただ、あくまでもデータだけでは、顧客ニーズを把握するのは限界があるため、ヒアリングに向けた討議資料を作成し、お客様との会話で、顧客ニーズの解像度を高くし、戦略方針を策定しました。

東谷さんは東京にいるため、普段のやり取りはリモートだと思いますが、業務を進める上で工夫した点などはありますか。

東谷氏

「教えてもらう」というスタンスを大切にしました。大前提として、プロダクトの知識・知見はオーザックさんの方が持っています。一方で、私は新規事業開発や、営業戦略立案などに関する経験はあるため、自分の知識・経験を上から伝えるのではなく、オーザックさまの長年培われたワイヤーロープ市場に対するご知見をお借りながら、「自分はこのように考えていますが、どうですか?」と二人三脚で進むように意識しました。リモート会議が中心だったため、討議資料をもとに、画面上の会話で、調査内容のすり合わせを行い、共通認識を持って議論できるように行動していました。

そうした取り組みの中で、印象に残った出来事などはありましたか。

東谷氏

オーザックさんの営業部の方々からも、協力いただけるようになったのは嬉しかったです。おそらく、最初は私のような外部人材がきて、「何者なんだ?」というところからスタートしたと思います。最終報告会では、成長戦略に向けたKSF(重要成功要因)とKSFに基づいたアクションプランを提示させていただきましたが、報告内容に対して、前向きなコメントをいただけたことは非常に嬉しかったです。

行政によって、外部人材を活用するメリットを広めてほしい

副業人材の活用を検討している地方企業に向けて、アドバイスなどあればお願いします。

西山氏

中小企業の場合、「トップがYESと言わないと前に進まない」、「自前で何とかしようとする」といった文化があるかもしれません。いい部分もあるとは思いますが、自分たちの知らない世界を柔軟に受け入れていくという意味では、副業・兼業人材の力を借りるのはすごく意味のあることだと思います。また、個人で頑張る副業・兼業人材が持つ熱量は、組織の中にいる会社員と一緒に仕事をするのとは違った刺激がありますね。

副業・兼業人材の東谷さんから見て、行政や企業に期待することはありますか。

東谷氏

行政においては、今回の「備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト」のように補助金を使った企業と外部人材をマッチングさせる取り組みは、非常に重要だと考えます。一部の行政は財政が苦しいところも少なくないと思います。その解決策として、地方活性化が求められてくると考え、地方活性化に向けた一つの選択肢として、地元企業の経営力の向上・雇用の活性化があると考えます。そのためには、優秀な外部人材の活用も、選択肢として検討できるかと思います。

一方、地元企業では、外部人材を受け入れる体制がないことや、メリットや活用方法についての認知度が、まだまだ低いと感じます。そのためにも、行政が外部人材活用の意義を伝えつつ、補助金の活用を提示し、外部人材を活用した成功体験を積んでいくサポートを進めていく必要があると考えます。

企業側には、「課題解決のために知見がある外部人材を、能力・スキルに応じて、適切なコストで活用していくべきだ」という考えが広がっていくことに期待しています。その選択肢のひとつとして、副業・兼業人材の活用の認知も広がればよいです。

これから副業・兼業にチャレンジしようと考えている人に、アドバイスなどあればぜひ。

東谷氏

副業・兼業は、自分で考えなければならない部分が多くあります。その分、報酬だけではない魅力もあります。また、副業・兼業をするにあたり、本業にどんなシナジーがあるかという観点もあるかと。自分と本業、副業・兼業先、この三者が幸せになれるような、関わり方を選んで欲しいと考えます。

最後に、lotsfulを使ってみた感想をお願いします。

西山氏

今回は福山市の補助金もあり、このような機会をいただけたことに感謝しています。また、lotsfulには副業人材を採用する面談に同席いただき、その後の調整やサポートにも尽力してもらい、とても助かりました。

東谷氏

lotsfulはマッチングして終わりではなく、定期的にフォローがあったことが安心でした。外部人材を活用したことがない企業は特に、コミュニケーションの壁ができてしまう場合があります。そういった場面でも、lotsfulが中立的な立場から相談に乗ってくれるので、頼りになる存在だと思っています。

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