備後圏域の老舗企業が抱える「集客」と「採用」の課題――副業・兼業人材が取り組んだ成果とは?
lotsfulは2023年8月から広島県福山市と連携し、備後圏域(広島県福山市を含む6市2町)の企業を対象に、副業・兼業人材活用支援(備後圏域副業・兼業人材マッチング支援プロジェクト)を開始しました。今回、そのプロジェクト事例として、株式会社三原三共アメニティの副業・兼業人材活用事例をご紹介していきます。
三原三共アメニティは、シロアリ・害虫駆除や床下施工を専門に行う1965年創業の地域密着型の企業です。そんな同社では、自社HPへの集客を促進させるSNSなどのマーケティング活動や、人材不足を解消するための採用戦略に注力するため、副業・兼業人材を活用しました。2023年12月から3ヶ月というプロジェクト期間内にどのような成果が得られたのか、三原三共アメニティの代表取締役社長である沖迫氏と副業・兼業人材である河野氏のお二人に話を伺いました。
会社情報
株式会社三原三共アメニティ | シロアリ駆除・予防、床下調湿剤敷設、床下換気扇設置、ハチ・一般害虫駆除 |
---|---|
設立年 | 1965年4月 |
社員数 | 36人 |
副業活用ポジション | マーケティング、採用戦略 |
株式会社三原三共アメニティ
代表取締役社長
沖迫義樹 氏
創業59年目を迎える三原三共アメニティの四代目社長として、経営を行う。今回、副業・兼業人材を活用したマーケティングや採用戦略プロジェクトを牽引した。
副業・兼業人材(lotsfulタレント)
河野敏弓 氏
学生時代からインターンシップでマーケティング領域に関わる。その後、大手コンサル会社や大手デジタル広告会社などで、業務改善や新規事業、デジタル広告周りを経験。現在は複数の企業で活動しながら、地方企業活性化のためのサポートも行う。https://www.musubu-wa.com/
自社HPへの集客や人材採用のために、副業・兼業人材を活用
沖迫氏
私一人で新しいことに着手しようとしたときに、リソースが足りないことが一番の課題でした。そんな中、とあるビジネス誌で、副業・兼業人材を活用した鹿児島の企業の記事を読んだのです。そこで、思い切って鹿児島まで、その話を聞きに行きました。話を聞くうちに、副業・兼業人材がリソース不足解消の一助となると強く感じて、今回、活用することを決めました。
沖迫氏
マーケティングや採用戦略について壁打ちもできる相手が欲しかったというのが、理由です。壁打ちをしながらアドバイスをいただき、柔軟にやり取りができる副業・兼業人材を選びました。
沖迫氏
当社は協同組合やハウスメーカー、工務店などの依頼を受けて害虫駆除を行うので、「B to B to C」が基本的なビジネスモデルです。しかし、このビジネスモデルのみだと、経営がどんどん厳しくなっていくでしょう。そこで、直接依頼が来るように、企業サイトの集客を目指してSNSなどを活用するため、マーケティングの知識を必要としていました。また、採用戦略に関しては、人材不足が深刻なのですが、採用エージェントなどに依頼してもなかなか母集団形成ができない現状があり、その改善をお願いしようと考えていました。
河野氏
私には4歳になる子どもがいるのですが、彼らが成長したときの日本はますます厳しい環境に置かれていると思っており、その解決の起爆剤になるのが「地方」だと考えています。近年は観光などで地方が注目を集めていますが、それだけでなく地域の人のパッションも大きな資源になるでしょう。それらを最大化して、次の世代にどう継承していくか。そのためには地域経済の活性化が必要不可欠です。――このような思いを実現していくために、今回のプロジェクトに参加することにしました。
業務を自走できる体制づくりを目指した
沖迫氏
マーケティングに関しては、Instagramを中心としたSNSマーケティングをお任せしました。定期的に情報をアップして、自社のHPに集客する。それらを内製化するためのアドバイスや施策の実行などを、私を含めた4名の社員と行いました。採用戦略に関しても、社内でしっかりと採用活動を進めるためのサポートをいただきました。
河野氏
プロジェクトの管理については、いつまでに何をやるかを、バッファを持ちつつ決めていきました。アドバイスをするのは簡単ですが、いざ実行に移すと難しい局面が多くあります。ですので、実際に手を動かす社員さんの負荷がかかりすぎないように注意しました。「Instagramは毎日アップした方がいい、ストーリーズの機能を使って動画も流すべき、YouTubeとの連携もしよう」と、あるべき論は誰でも言えます。しかし、それを実行する社員さんが、どの順番で何をやるのか混乱しないように、まずは内製化というゴールに向けて、どこまでやるかのバランスは常に意識していました。
河野氏
採用戦略についてはやることが決まっていて、まずは社員さんにヒアリングを行って、どんな方が働いているのかを理解しました。このようにN1分析をした後に、採用する人材のペルソナを作ります。そのペルソナをもとに訴求したい情報を考え、ターゲットが集まっていそうな求人媒体を選定していきます。
最近では「Indeed」や「求人ボックス」など、無料で求人を掲載できるサイトもありますので、予算が限られている場合はそれらを最大限活用していきます。このようなことを社員さんに理解いただきながら、継続して採用活動ができるようにサポートしました。
沖迫氏
本プロジェクトを進める中で、負荷がかからないように意識してもらったおかげで、社員も楽しみながら作業ができました。SNSの投稿に関しても、この日までに文面を作ると期間を決めながら取り組んでいましたね。Instagramのフォロワーも増えて、自社HPへの集客も徐々にできるようになっています。
河野氏
マーケティングと採用戦略について、三原三共アメニティさんの社内に自走できる体制を作られたことですね。また、私のアドバイスで動くとしても、社員さんが楽しくできなければ、SNSの情報発信などは続けることが難しく、持続的な取り組みになりません。そういった業務も楽しんで取り組んでいたと、先ほど沖迫さんからお話しいただいて嬉しかったですね。
河野氏
InstagramなどのSNSの発信は、以前から行われており、既存のアカウントがありました。社員の方が考えて発信していたものですが、私が目指すところとはちがう部分がありましたので、前任の方の努力を否定しないように、話し方やアドバイスの仕方は気を配りました。やはり、現場の方に受け入れてもらえるように、新しいことを始めるのは難易度が高いですね。
副業・兼業人材の活用はコスト面でも大きなメリットがある
沖迫氏
自分たちだけで考えていたら、マーケティングも採用戦略もここまではできなかったというのが感想ですね。社員が納得して、楽しんで業務に取り組めるように導いていただいて感謝しています。今回参加した社員は事務方だったので、普段は縁の下の力持ち的なポジションですが、今回の取り組みを社内に発信した際は誇らしげでしたね(笑)。
河野氏
今回のプロジェクトを通して、地方企業のポテンシャルの高さを改めて認識できました。SNSマーケティングを専門の企業に外注するなら、コンサルだけでも数十万円、実行まで依頼するとなると40〜50万円以上かかる場合があります。しかし、これを内製化できればそのコストを抑えることができ、経営面でも大きなメリットがあります。私としては今回、そういったことに貢献できた実感がありますので、これからも地方企業に対して適切な情報を共有しながら、活動を続けていきたいと思っています。
沖迫氏
昨年の11月に鹿児島の企業に副業・兼業人材に関する話を聞きに行って、すぐにlotsfulに相談したのですが、翌日には返信がきて1週間後には人材の紹介がありました。迅速かつ的確に求める人材をご紹介いただいて、とても助かりました。
河野氏
lotsfulは案件が多岐に亘るので、自分の可能性を模索できるサービスだと思っています。担当営業も案件の説明のために、わざわざ電話までしてくれて30分くらい話すこともありました。案件アサイン後も「その後どうですか?」と連絡のフォローもしていただき、あたたかいサービスだと感じています。はじめての副業で進め方に迷ったり、企業とどう連携したらいいかわからない方にとっては、こうして伴走してくれる存在がいるだけで安心ですし、キャリアの新しい扉を開く可能性も広げられるのではないでしょうか。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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