大田区商店街の副業人材活用、第二弾!商店街ではたらく人々が副業人材から得た「学び」とは

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今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、大田区の商店街で実施された3つのプロジェクトにおける副業人材活用事例です。

2021年に大田区支援のもと、大田区商店街連合会が主体となって”商店街のDX化プロジェクト”を、副業人材を活用しながら推進しました。今回は、2022年に大田区商店街における副業人材活用の第二弾として実施されたプロジェクトです。

「お歳暮、クリスマス、健康」の3つのテーマで、新商品・サービスを開発しプロモーションを実施するプロジェクトチームを組成。各プロジェクトチームには商店街の有志と、プロモーション計画策定支援をする副業人材が参加しました。それぞれの課題解決を副業人材と共にどのようにコミットしていったのでしょうか?――各プロジェクトに参加した大田区商店街の方々にインタビューしました。

さらに、大田区商店街の副業人材活用を牽引する大田区商店街連合会事務局長・河野氏にも登場いただき、本取り組みを実施した背景や得られた成果についても話を伺いました。

「お歳暮」プロジェクト:感謝を伝えるお歳暮ムービーの制作

最初にお話を聞いたのは、「お歳暮」をテーマにしたプロジェクトチーム。『北嶋屋酒店』の北嶋氏に、今回の取り組みがどのように進められたのか、そして副業人材と共に働くことで得た気付き・学びについて語ってもらいました。

「お歳暮」プロジェクトでは、副業人材からどのようなサポートを受けたのでしょうか。

北嶋氏

私たちのプロジェクトは、お歳暮文化を刷新しようというテーマのもと集まりました。テーマ自体が難しいものでしたので、どのようにすればこの文化を刷新できるのか、副業人材に相談していきました。オンラインギフトを立ち上げるなど、さまざまな案を検討しながら、一緒に考えていきました。

事業計画の立案やコンサル経験を持った副業人材の方でしたが、私たちに合わせて初歩的なスケジュールの組み立て方といった指導からサポートしてくれたのは助かりましたね。実業務にも使えるアドバイスをもらいながら「お歳暮は感謝を伝えるもの」という切り口を導き出してもらいました。

『北嶋屋酒店』 北嶋氏
「お歳暮は感謝も伝えるもの」という切り口は、どのようにできていったのでしょうか。

北嶋氏

お歳暮チームは私を合わせて4名メンバーがいたのですが、最初はそれぞれやりたいことが具体的に見えず、意見もまとまらない状態でした。そうしたタイミングで、「お歳暮って、感謝を伝えるのがテーマだよね」と副業人材の方から助言をもらいました。そこから誰がターゲットになるのか、SNSを使うのであればどんなやり方があるのか。情報を共有してもらいながら、方向性を徐々に定めていきました。

本プロジェクトでは、成果物として「感謝を伝えるお歳暮ムービー」を作成しています。議論の中からお歳暮ムービーを作ろうとなったのは、どのような流れからでしょうか。

北嶋氏

ECサイトを作ろうといった意見もありましたが、その後の運用やマネタイズも難しいとなり、何か形に残るものを作る取り組みへと話が進みました。そして、プロジェクトメンバーの中にカメラマンがいたので、ムービーを撮ろうという意見にまとまったのです。小売店はお歳暮を販売するものの、「購入したお客様が相手に渡す瞬間」は見ることがありません。そうした普段は見えない部分を、ムービーにしてみようと撮影を行いました。

お歳暮を贈るプロセスや想いを見える化した「感謝を伝えるお歳暮ムービー」。ムービーの詳細は、「OTAFULL」の特集ページに記載されている。
「感謝を伝えるお歳暮ムービー」の反響はいかがでしたか。

北嶋氏

インターネット広告の出稿は、商店街で働く人は苦手な分野だと思います。今回はそうしたことにもチャレンジしようと、ムービーの告知広告をさまざまなネットメディアに出稿しました。そのおかげで、これくらいの予算だと、これだけの人に見てもらえるといった、肌感覚を掴めました。

ホームページへの流入も増えたので、これからも継続して広告出稿はしていきたいと思っています。また、今回制作したムービーをイベントで流すこともできますし、撮影に関しても抵抗がなくなりました。これから、新しいムービー撮影にチャレンジしようと計画もしています。

副業人材と一緒にプロジェクトを進めて、学びになった部分はありますか。

北嶋氏

SNSを有効に使うための方法など、今まで知らなかったことを学べました。しかし、プロジェクトチーム内で具体的に何をやるのか、意見をまとめるのに時間がかかってしまったので、副業人材にはスキルを発揮するより、相談に乗ってもらう時間の方が多くなってしまいました。そうした点は、私たちが反省しなければならない部分ですね。やるべきテーマを絞り、副業人材にピンポイントで手伝ってもらう方が、効率的だと感じました

副業人材と関わるために大切なことなど、気づいた点があれば教えてください。

北嶋氏

Instagramで映える方法など、「その道のプロに聞けばわかることが多くある」という気づきを得ました。一方で、スケジュールの都合でプロジェクトの途中で副業人材が抜けてしまったので、最後までいてくれたら、もっと心強かったですね。今回は具体的に何をやるのか決めるのに、時間がかかってしまったので、それを早急に決めて、形にするフェーズでやり取りを多くした方がよいと感じました。

「クリスマス」プロジェクト:大人も楽しめるクリスマスを届ける

次に登場するのは「クリスマス」をテーマにしたプロジェクトチームから、『大人と子供の絵画造形教室 アトリエボンボン』の大瀧氏と『14COOKIES』の坂東氏です。本プロジェクトを通し、副業人材から得た学びとは?

「クリスマス」プロジェクトでは副業人材と関わりながら、どのようにプロジェクトを進めていきましたか。

大瀧氏

最初にみんなで話し合ったのが、クリスマスはどうしても子ども優先になってしまい、親は楽しめていないということ。そこで、大人も楽しめるクリスマスの企画を考えようと、プロジェクトを進めていきました。副業人材は本業で広報・プロモーションなどを担当している方だったので、その経験をもとに、お客様からの要望を集めてみることや、「敷居が高くないことをアピールするものが良いかもしれませんよ」と、具体的なアドバイスをもらいましたね。そのアドバイスをもとに、各店舗の良さが出るような商品を販売していく流れになりました。

『大人と子供の絵画造形教室 アトリエボンボン』 大瀧氏
各店舗ならではの商品を販売するにあたり、副業人材からはどのようなアドバイスがありましたか。

大瀧氏

私は絵画教室などを行うアトリエを開いているのですが、これまでサービスの提供だけで、モノを売るということはしていませんでした。これをきっかけに「物販にもチャレンジしたい」と副業人材に、いろいろと相談することができました。普段は一人で仕事をしているので、相談できる相手もいなく、とても貴重な存在でしたね。アドバイスを参考にしながら、初心者でも楽しめるアートキットを3タイプ販売することができました。

他にも印象的だったのが、「退屈なクリスマスはもうやめよう!!」というクリスマス企画のキャッチコピー。これも副業人材が、意外性のある言葉の方が印象に残るとアドバイスしてくれました。こういった言葉は真面目に考えがちですが、自分らしくやって大丈夫だという気づきになりました。

坂東氏

キャッチコピーに関しては、これだけ大胆でインパクトがある言葉でいいんだと、私も学ぶことができました。

クリスマスに向け、2022年11月から各店舗で商品の販売をスタートさせました。反響はいかがでしたか。

大瀧氏

目標額には届きませんでしたが、プロジェクトチームでイベントに参加し、クリスマス企画のチラシなどを配って、その場で予約してもらえたりと嬉しい出会いがありました。また、地元の友人がキットを予約してくれて、それも思い出に残っています。

坂東氏

私はジンジャーマンクッキーを購入者自身でデコレーションできるキットを販売したのですが、商品を通して新しいお客様ができました。普段はアイシングクッキーを専門に販売していますが、購入者がデコレーションするという発想が今までなかったので、新しい取り組みができてよかったです。

『14COOKIES』 坂東氏
副業人材と関わることで、学びになった部分を教えてください。

大瀧氏

クリスマス企画のキャッチコピーを含め、すでにあるものを真似する必要はないと学びました。私の作品は奇抜なものが多かったので、そういった部分は抑えるべきだと考えていましたが、どんどん出していくべきだと。今回はやったことがない取り組みにチャレンジしたので、やり切れただけで、大きな成果だと思っています。

坂東氏

私も一人で業務を抱えていたので、相談相手ができたのは本当に心強かったですね。SNSの更新に関しても効果的な時間帯や、広告を出す場合はこれだけの効果を見込めるといった、副業人材が持っている専門的な知識が吸収できたのは学びになりました

大瀧氏

SNSの更新タイミングは、私も意識するようになりました。平日の火曜から木曜の夜がオススメと言われたので、その時間帯に頑張って更新しています。そのおかげで、いいね数・フォロワー数ともに増えましたし、数字への意識も身につきました。闇雲にやるのではなく、根拠を持って取り組むのがやっぱり大切ですね。

「健康」プロジェクト:女性に向けた、健康にまつわる商品・サービス提供

「健康」をテーマにしたプロジェクトチームからは、『認知症と転倒予防教室フラミンゴ』の荻野氏が登場。クラウドファンディングに挑戦したという同チームは、副業人材からどのようなサポートを得たのか、話を聞きました。

「健康」プロジェクトでは、具体的にどのようなテーマでプロジェクトを進めていったのでしょうか。

荻野氏

健康をテーマに20〜30代女性をターゲットにした新商品・サービスを、共同プロモーションするというプロジェクトになります。集まった6名のメンバーはそれぞれ業種がちがうので、一緒に何ができるのか非常に悩みました。

そうした中で、副業人材からメンバー全員で一緒にやるのではなく、共同プロモーションの形はどうかと提案があったのです。提供する商品・サービスは別々にして、自店舗の強みをいかしたものを販売していこうと。外資の大手企業に勤務し、以前は商品企画も担当されていた副業人材だったので、そうした経験をもとにサポートしていただきました。

『認知症と転倒予防教室フラミンゴ』 荻野氏
商品・サービスを作るにあたり、副業人材からどのようなアドバイスがありましたか。

荻野氏

最初は健康に対して、どのようなアプローチができるのか漠然としていたんです。そこで、副業人材に話を聞いてもらいながら、「今の20〜30代女性にはこんなブームがある、こんな傾向がある」といった情報を教えてもらいました。それからターゲットを、子育てママさんに絞ることに。子育てで忙しく、疲れている女性に対して「子ども連れOKなフットエステ」を提供することにしました。また、「20〜30代女性は忙しくて栄養バランスも崩れてしまうことが多い」とアドバイスを頂き、メンバーの多くは食べ物から健康にアプローチ出来るように新商品を開発しました。

今回、6つの商品・サービスをMakuakeのクラウドファンディングを使ってリリースしました。これも副業人材からの提案でしょうか。

荻野氏

そうですね。一つにまとめてプロモーションしていく方法をいくつか考える中で、Makuakeのクラウドファンディングを選択肢の一つとしてアドバイスしてもらいました。私たちだけでは、絶対にこのようなプロモーションは考えつかなかったですね。他にもメルマガやスタンプラリーといった案もあったのですが、メンバー全員の商品・サービスを紹介できて、全国に情報が発信できるので、全会一致でMakuakeのクラウドファンディングを採用しました。

Makuakeに掲載したページ。目標金額を大幅に超えて終了した。
副業人材と関わってみて、学びや気がついた点があれば教えてください。

荻野氏

まず、「自分の考えが具体的ではなかった」と実感しました。サービスを立ち上げるにあたり、ターゲットは誰で、どんな戦略を持って進めていくのか。サービスの競合はあるのか。そうしたことを、あまり考えていなかったのです。そういった視点で考えると、「これは無謀だな」、「逆にこれならいける」といったことが見えてきました。何より、専門家からのアドバイスやサポートがあれば、新しい取り組みでも実現できることがわかりましたね。

副業人材から得た専門知識を、各店舗でも活用してほしい

それでは最後に、大田区商店街連合会の河野さんにお聞きします。2021年に大田区商店街のDX推進において副業人材を活用されました。今回の取り組みはその第二弾となります。大田区商店街において、継続して副業人材を活用しようと思ったきっかけを教えてください。

河野氏

前回は、大田区商店街連合会の課題に対して、DX推進という文脈で副業人材を活用しました(※)。第二弾となる今回は、もっと現場に近い場所で副業人材を活用し、区内の産業振興に貢献したい――そのように考え、企画しました。

そこで、大田区商店街連合会から複数の店舗に集まっていただき、各プロジェクトでチームを結成。前回と同じくlotsfulを活用して副業人材に入ってもらいました。今回の取り組みを通して、副業人材がどのように活躍できるか、またその課題感も確認できればと考えていました。

※参考記事:【自治体×副業人材】大田区商店街のDX推進!デジタルツール導入による、業務効率化に向けた副業活用

今回の副業人材を活用した3つのプロジェクトを通して、どのような成果があったと感じていますか?

河野氏

商店街で働く人たちにとって、体系的なマーケティング活動などが未経験の方も多くいます。そうした中で、各領域のスペシャリストである副業人材から専門知識を得られた点は、確かな成果だと思います。特に、SNSの活用などWebマーケティング領域でのノウハウを得られたことは、今回プロジェクトに参加したみなさんにとって大きな収穫になったと聞いています。その知識をぜひ自店舗でも使ってほしいですね。また、彼らの中から数名でもいいので、商店街活動の中心になって、身につけたノウハウを商店街に還元してくれることを期待しています。

一方、商店街の方々は、一人で試行錯誤しながら店舗経営されていることがほとんどです。多様な経験をお持ちの副業人材が、そうした各個店のカウンターパートになり得ると気づけた点も今回のプロジェクトの成果だと思います。

大田区商店街連合会 事務局長 河野玄 氏

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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