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個人店が頭を悩ますSNS活用をサポート!大田区商店街の副業人材活用プロジェクト第3弾の成果とは?

副業活用ポジション:

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今回、「lotsful magazine」がお届けするのは、大田区商店街連合会の副業人材活用事例です。コロナ禍で打撃を受けた商店街を活性化するため、大田区の支援のもと大田区商店街連合会が主体となって副業人材を受け入れるプロジェクトを2021年に始動させました。

第1弾では、商店街運営のDX化のためのデジタルツール導入プロジェクトに副業人材を活用(※1)。さらに、2022年の第2弾では、大田区商店街の複数の店舗が副業人材とのチームを結成。SNS活用などのWebマーケティング領域で副業人材が各個店のカウンターパートとして活躍し、より現場に近い場所で区内の商業振興に貢献しました(※2)。

そして、2023年6月からは第3弾プロジェクトがスタート。商店街の日々の情報発信やマーケティング活動における戦略設計〜実行までを支援。具体的には、SNS活用に悩みを持つ店舗を募集し、副業人材が3ヶ月間SNS活用(Instagram、X(旧Twitter))をサポートしました。

今回は、副業人材の支援を受けた、無添加カレー専門店「昼飯屋」を経営している高瀬明子氏、副業人材としてSNS運用をサポートしたI氏、そして、大田区商店街連合会 事務局長である河野玄氏を取材。副業人材を活用する背景や、プロジェクトを進めることで得られた成果について聞きました。

※1)事例紹介記事:【自治体×副業人材】大田区商店街のDX推進!デジタルツール導入による、業務効率化に向けた副業活用

※2)事例紹介記事:大田区商店街の副業人材活用、第二弾!商店街ではたらく人々が副業人材から得た「学び」とは

大田区商店街連合会 事務局長 河野 玄 氏

2011年、コンサルティング業界から中途採用で大田区商店街連合会に入社。連合会事務局の体制見直しと、大田区への様々な施策提言を通して、商店街支援改革を推進する。近年は商業に留まらず、観光、福祉、健康等の様々な分野に活動領域を広げながら官民連携のコーディネート等の支援も行う。

昼飯屋 高瀬明子 氏

東京都大田区の大森町にて、無添加・無砂糖・グルテンフリーのカレー専門店「昼飯屋」を夫婦で経営。「おいしく食べて、健康に。」をテーマに、からだに優しい健康スパイスカレーを販売している。

副業人材 I氏

ITや広告業界などで、店頭やマス、デジタル、SNS、PRを含めたプランニングや社内研修など幅広く担当。現在は大手事業会社に勤務し、マーケティング部のデジタル・SNS専門職を担っている。個人としてもインフルエンサーとして情報発信をしており、SNSの合計フォロワー数は16万人以上。

SNS活用を支援するプロジェクトをはじめたきっかけとは

まずは、大田区商店街連合会の河野さんにお話を伺います。大田区商店街連合会では、どのような形で副業人材を活用しているのでしょうか。また、今回の第3弾プロジェクトは、どのような背景からスタートしたのか、お聞かせください。

河野氏

2021年から副業人材を受け入れるプロジェクトをスタートしています。副業人材の方には、商品開発やマーケティング活動などにおいて、商店街支援を行っていただいています。その中で、SNS活用の支援に関する反響が商店街の方々から多くありました。そこで今回、商店街の個人店でSNSを活用している方のサポートや情報発信の強化を進めるプロジェクトを立ち上げました。

参加店舗はどれくらい集まったのですか。

河野氏

今回は6店舗分の枠を用意していたのですが、応募を開始するとすぐにその枠が埋まってしまいました。大田区の商店街から、大きな期待が寄せられていると実感しましたね。2名の副業人材にそれぞれ3店舗を3ヶ月間サポートしていただきました。

プロジェクトを終えてみて、サポートを受けた店舗からの反応はいかがでしょうか。

河野氏

サポートを受けた店舗にアンケートをとったのですが、6店舗中5店舗が「お金を払ってでもこれからも副業人材を活用したい」と答えてくれて、非常に好評でした。来年度以降もできるだけ予算を確保しながら、副業人材の活用を進めていきたいと考えています。

大田区商店街連合会 事務局長 河野 玄 氏

何が目標か、何を発信するかを明確にする

ここから具体的に、副業人材受け入れプロジェクトについて聞いていきたいと思います。昼飯屋さんはどのような事業を展開し、今回はどのような目的があって副業人材のサポートを受けようと思ったのですか。

高瀬氏

昼飯屋は無添加のカレーの専門店として、2020年2月にオープンしました。事業としては、店舗でのカレーの提供をはじめ、通販やレトルトカレーの卸業なども展開しています。

今回サポートしてもらったのは、Instagramの活用です。開業当初から店舗事業と通販事業の認知と売上拡大を目的に、独学でInstagramを運用していました。しかし、運用戦略やアカウントの設計といった部分で、行き詰まりを感じていたのです。また、投稿へのモチベーションをどうやって保つのかにも悩んでいましたので、今回のプロジェクトに応募しました。

夫婦で経営するカレー専門店「昼飯屋」。Instagramのアカウントは「@hirumeshiya1」。
次に、副業人材のIさんにお聞きしますが、今回のプロジェクトに参加したきっかけを教えてください。

I氏

これまでITや広告業界、そして現在勤務する事業会社でずっとSNS領域を担当していたので、その経験を活かせると思い参加しました。あとは、大田区が好きだったのも理由の一つです。毎週、蒲田などに飲みに行っていたので愛着もありましたね(笑)。

どのような流れでプロジェクトを進めたのでしょうか。

高瀬氏

基本的には毎週ミーティングを行い、アカウントの設計とInstagramを運用していく上でのKPIを決めていきました。それらを達成するための運用戦略も立てながら、「そもそもInstagramはどういうツールなのか」という、根本的な部分も教えていただきました。そういったサポートが、非常にありがたかったですね。

Iさんがサポートに入ってくれたのが2023年の夏で、リーチ数がそれまでは2,000程度だったのが最大13,000まで伸びました。あとは運用戦略といった土台部分もできたので、どのように情報発信すればいいのかも見えてきて、「どんなことを投稿しようか」と苦労することも減りました。Iさんからこのようなサポートを受けて、継続的に情報発信できるようになったのが、一番の成果かなと感じています。

どのようなアドバイスによって、投稿に関する苦労が減ったのでしょうか。

高瀬氏

「昼飯屋の価値は何か」という部分を再確認してくれました。その中で、「食と健康」、「地域密着」という部分が明確になったのです。それらを軸に情報発信するようになりました。

Iさんがサポートする中で意識したこと、工夫した点などはありますでしょうか。

I氏

まずはInstagramをなぜやるのかを明確にし、KPIを決めてブレないようにしました。Instagramにも指標がたくさんあるので、どの数字を追えば良いのかわからなくなる場合があります。そこで、リーチ数とフォロワー数と保存数に絞りこむことに。あとは何を発信して、誰に届けるかですね。見てほしい人に向けた投稿の内容だったり、ハッシュタグだったりを、細かくチェックしていきました。数字に関しては集計できるようなフォーマット、投稿カレンダーも作って、私のサポートがなくなってもSNSを運用できるようにツールを準備しました。本業のほうでInstagramのアルゴリズムのアップデートなどの最新情報に触れる機会も多いので、そうした知識はすぐに活かせるように意識していましたね。

KPIを設定する、投稿内容の見直しは役に立ちましたか。

高瀬氏

ものすごく役立っています。数字に関しても、どれが重要かといったこともわからない状態でしたので、それが整理できました。どの数字を伸ばしていくかといったことを相談しながら運用できたのは、今後につながる経験でしたね。ツール類に関しても、これから活用できればと考えています。

地域密着型の無添加カレー専門店として、大田区大森町で注目を集めている「昼飯屋」。

SNSの知識が地域活性化につながっていく

副業人材を活用してみて良かったなと思った点はどこにありますか。

高瀬氏

良かった点は数え切れないくらいありますが、まずはInstagramというツールがどういうものであるかを教えてもらえた点ですね。あとは運用に向けて土台になる部分、アカウント設計や運用戦略といったことを、一緒に作り上げていけたところでしょうか。

運用していくと色々な課題が見えてくるので、そこで解決策をアドバイスしてもらえたのも助かりました。Iさんとはコミュニケーションもスムーズでしたし、週に1回のミーティングがとても楽しみで。ウェブ会議中に隣にいた夫が「すごく楽しそうだね」と言っていましたから(笑)。

最後に副業人材を活用した感想をお願いします。

高瀬

私たちのように夫婦で経営している個人店では、人材がたくさんいるわけではありませんので、SNS活用で悩んでいることも珍しくないと思います。そうした中で、副業人材の方にサポートしてもらえたのは貴重な経験になりました。今回の経験を同じようにSNS活用で悩んでいる店舗にも伝えていきたいと思っていますし、すでに相談も受けているので、できる範囲で行動していきたいですね。

Iさんもプロジェクトに参加した感想をお願いします。

I氏

SNSのコンサル的な役割で副業を経験したことはあるのですが、今回のような地域に貢献できるプロジェクトははじめてでした。高瀬さんからもお話いただいた通り、私が伝えたことを他の店舗にも伝えて、それが地域の活性化につながっていくと思うと、意味のあるプロジェクトに参加できたと改めて感じています。3ヶ月の間に他に2店舗サポートしたのですが、どこも悩んでいるポイントが違うこともわかりました。その他にもSNS活用について、悩みを抱えた店舗があると思うので、機会があればまたお手伝いしたいと思っています。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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