
ポリコレとは?具体例や注目される背景、現状の課題を解説
ポリコレが注目されるようになった背景には、多様性の尊重があります。具体的には、異なる人種や社会的マイノリティ、文化、価値観などを受け入れる姿勢です。
企業においても、公平な職場環境を整備するためには、性別に加え、正社員や副業社員といった雇用形態による差別や軽視をなくすことが求められます。
本記事では、「ポリコレとは何か」という基本的な意味だけでなく、注目されるに至った背景や具体例、さらに今後取り組むべき課題について詳しく解説します。
ポリコレとは
ポリコレとは、ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)の略称です。「人種」「性別」「障がいの有無」「宗教」「性的志向」などに関する差別や偏見を避け、公正かつ相手を尊重した言葉づかいや行動を指します。
ポリコレが広がった背景としては、グローバル化やX(旧Twitter)などのSNSの発展により、人々の多様な価値観や立場を尊重する意識が高まったことが挙げられます。
企業においても、ポリコレは多様な人材の確保やイノベーションの促進、さらに社員だけでなく顧客や社会から信頼される組織づくりを行ううえで、欠かせない行動様式といえるでしょう。
ポリコレの具体例
それでは、ポリコレが示す具体的な尊重や配慮の例を見ていきます。代表的なものとして、以下の4つがあります。
職業名・表現の変更
ポリコレの広がりを受け、職業名や呼称が変更された例は以下のとおりです。
| 変更前 | 変更後 |
|---|---|
| 看護婦/看護士 | 看護師 |
| 保母 | 保育士 |
| スチュワーデス/スチュワード | CA(客室乗務員) |
| ビジネスマン | ビジネスパーソン |
| 障害者 | 障がい者/障碍者 |
| お年寄り/老人 | 高齢者/シニア |
| 外人 | 外国人/海外の方 |
職業名は性別を問わず同じ業務を担うことから統一表記へ変更されました。表現の変更は、社会的障壁や年齢、人種の違いなどで差別が生じないよう、敬意を込めた言葉へと改められています。
人種・肌の色に関する表現の配慮
「黒人」「白人」といった人種や肌の色を強調する表現は、本人の努力や人格と関係のない属性で判断をゆがめるおそれがあるため、避けられるようになっています。
肌の色に基づく呼称は歴史的に差別と結びついてきた背景があり、無意識のうちに上下関係を想起させやすいためです。
現在では「欧米系の方」「アフリカにルーツを持つ人」など、中立的で文化的背景を示す表現を用いることが推奨されています。
宗教に関する表現の配慮
信仰は個人の自由であり、人の尊厳にも深く関わるものです。国ごとに宗教はさまざまで、それぞれに儀式や戒律があり、食事、衣服、生活様式などに独自のタブーが存在します。
特定の宗教や信仰心を軽んじたり排除したりする表現は、個人の人格や価値観そのものを否定することにつながります。
このため、メディアや教育の場だけでなく、企業という組織においても、誤解や差別を生じさせないよう、中立的かつ客観的な表現を心がける必要があります。
多様な性的指向への配慮
すべての人が自分らしく生きられる社会を実現するためには、LGBTQ+など多様な性的指向への配慮が不可欠です。性的指向や性自認は、生まれつき、あるいは個人の特性として形成されるものであり、これを理由とする差別や否定的な言葉の使用は許されません。
また、会社で昇進の機会が奪われることも同様に不当です。企業が社会的信頼を得るためにも、配慮ある表現や積極的な取り組みは欠かせないものとなっています。
ポリコレが重視される背景
ポリコレが重視される背景として、主に次の2つの流れが大きく影響しています。
多様性の尊重
ポリコレが重視される背景には、多様性(ダイバーシティ)の尊重が深く関与しているといえるでしょう。社会全体でグローバル化が進み、企業をはじめとする組織でも文化や言語、宗教の異なる多様な人々が一緒にはたらく場面が増えています。
このような状況において、偏見や差別的な思考や表現は誤解を生みやすく、対立の要因となりかねません。スムーズな協働に向け、互いの立場や価値観を尊重する姿勢は必要不可欠なものになっています。
SDGsへの意識の高まり
持続可能な開発目標(SDGs)は、多様性と平等を国際的な基準の価値観として位置づけています。SDGsでは「ジェンダー平等」「不平等の撤廃」など、世界的な格差をなくすための目標が掲げられています。このSDGsへの意識の高まりが、ポリコレを重視する流れを後押ししているといえるでしょう。
企業もまた、SDGsへの取り組みの一環として、自社広告、商品開発、採用活動において包括的な表現を意識するようになっています。
ポリコレの課題
ポリコレを企業で推進するためには、次の3つの課題を乗り越える必要があります。
表現の自由との兼ね合い
ポリコレの目的は「尊重と配慮」にあるといえるでしょう。ただし、行き過ぎたポリコレは、社員一人ひとりの自由な発言や創造性に制約を与える可能性があります。
意見や本音を交わせる場がなくなると、組織のイノベーションや課題解決に悪影響を及ぼすおそれがあります。
そのため、企業は尊重と配慮すべきラインを守りつつ、自由に意見を表現できる余地をバランスよく設計することが求められます。
行き過ぎた配慮による弊害
ポリコレは多様性を尊重するうえで欠かせないものです。ただし、あまりに配慮が行き過ぎると、表現や創造性の制限、本質の形骸化など、組織に悪影響を及ぼす可能性があります。
企業が取るべき対応は、単なる表現の禁止ではなく、「なぜこれが問題になるのか」という点について背景の理解や共有を促し、建設的な対話の場を設けることです。
そのうえで、配慮と創造性の両立を目指し、表現ガイドラインを柔軟に運用することにより、健全な多様性尊重の文化を築けるでしょう。
文化的・歴史的背景の違いを無視する危険
ポリコレの基準は、主に欧米文化や人権意識に由来して発展したものです。しかし、文化や歴史的背景は国ごとに異なります。他国で一律に適用した場合、地域独自の伝統や慣習を軽視してしまうおそれがあります。
文化や歴史的背景の違いを不適切として一方的に無視すると、表現や文化の多様性そのものを損なう危険があります。企業が広告展開や商品開発を行う際には、対象地域の「宗教」「歴史」「言語」「ジェンダー観」について十分に調査し、理解することが重要です。
御社の業務に副業社員を検討してみませんか?
今回は、ポリコレが重視されるようになった背景や、取り組むべき課題を具体例とともにご紹介しました。
企業におけるポリコレは、「誰もが尊重され、社員はもちろん、顧客や社会からも信頼される組織づくり」に直結する取り組みといえるでしょう。
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