
転職エージェントの手数料相場はいくら?活用のポイントやメリットまで解説
効率的に求めるスキルや経験を有する人材を獲得するためには、転職エージェントによる手厚いサポートは欠かせないものといえるでしょう。また近年、副業社員を対象とする転職エージェントのサービスも登場しており、その手数料の相場や特徴も多様化しています。
本記事では、転職エージェントを利用する「メリット」「活用時のポイント」「手数料の相場」など、企業が知っておくべき情報を、分かりやすくお届けします。
転職エージェントの手数料とは
転職エージェントは、求人を掲載する企業が手数料を支払うビジネスモデルです。このため、求職者が転職エージェントを利用する場合、基本的に費用は発生しません。
企業が転職エージェントへ手数料を支払う主なパターンとして、以下の3つがあります。
- 成功報酬型:求職者との採用成立時に、成功報酬を一括して支払う
- 着手金+成功報酬型:主にヘッドハンティング等で、着手時に報酬の一部を支払う
- 定額制:採用人数にかかわらず、月額固定費を支払う
転職エージェントへの支払いパターンとして、成功報酬型が最も一般的であり、着手金型はハイスキル人材の採用に、定額制は大量採用を予定する大手企業に適しています。
また、手数料には、条件に合う候補者とのマッチング業務から求人票の作成支援、選考や内定に至るまでのフォローなど、幅広いサービス費用が含まれます。
転職エージェントの手数料の相場
転職エージェントの手数料は、求職者の「理論年収」に応じた一定の割合で算出されるのが一般的です。また、企業規模や職種(一般職・専門職)によっても差があります。
以下の表は、一般職を想定した年収別の手数料率および目安額をまとめたものです。
転職エージェントの年収別手数料率と相場金額
年収想定額300万円 | 手数料率 | 25~35% | 手数料の相場金額 | 75万〜105万円程度 |
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年収想定額400万円 | 25~35% | 100万〜140万円程度 | ||
年収想定額500万円 | 25~35% | 125万〜175万円程度 | ||
年収想定額600万円 | 25~35% | 150万〜210万円程度 | ||
年収想定額700万円 | 25~35% | 175万~245万円程度 | ||
年収想定額800万円 | 25~35% | 200万〜280万円程度 | ||
年収想定額1,000万円以上 | 30~40% | 300万〜400万円程度 |
転職エージェントを活用するメリット
転職エージェントを活用した採用活動には、企業にとって次の7つのメリットがあります。
即戦力人材を効率よく紹介してもらえる
転職エージェントは、候補者の経験や特性を見極め、企業にとって即戦力となる人材を効率的に紹介することが可能です。
また、募集開始から短期間で複数の候補者を紹介することもできるため、自社単独での採用活動に比べ、はるかに効率的に人材を確保できます。
応募者のスキル・経験を事前にスクリーニングしてもらえる
転職エージェントは、事前に応募者との面談を実施し、「転職理由」「職歴」「保有スキル」「志向性」などを詳細に把握しています。
このように、応募者があらかじめスクリーニングされていることで、条件にマッチした人材のみが紹介され、企業側で一人ひとりの履歴書や職務経歴書を確認する手間が削減されます。その結果、採用担当者はより重要な業務に集中できるでしょう。
自社に合う候補者をプロの視点でマッチングしてくれる
転職のプロであるエージェントなら、企業が提示した条件に見合った候補者を、スキル面はもとよりカルチャーフィットや将来性なども踏まえて、マッチングしてくれます。
企業と候補者双方の希望条件を十分に理解したうえで最適なマッチングを行うため、ミスマッチの少ない採用が実現しやすく、これこそがプロならではの強みといえるでしょう。
採用要件の整理や求人票作成の支援が受けられる
採用のノウハウや社内リソースが不足している企業では、ターゲット像が曖昧となり、効果的な求人票の作成が難しい場合があります。
転職エージェントから支援を受けることで、募集ポジションに応じた採用要件や、優先すべき条件を明確に整理することが可能となります。 その結果、求職者に訴求力のある求人票の作成が実現するでしょう。
非公開求人市場にもアクセスできる
新規事業や経営戦略に関わる重要なポジションなどは、競合他社に情報を知られないよう非公開で募集されることが多くあります。 こうした非公開求人にアクセスできる点は、優秀な人材を先んじて獲得するうえで企業にとって大きな強みとなるでしょう。
また、転職エージェントが保有する非公開求人は、高待遇・好条件であるケースが多く、スキルの高い候補者にとっても魅力的です。
採用にかかる工数を大幅に削減できる
転職エージェントは、企業に代わってさまざまな採用プロセスを代行・支援を行うため、これまで採用担当者や現場が担っていた業務の工数を大幅に削減し、負担も軽減できます。
その結果、各担当部署が本来注力すべきコア業務への専念が可能になり、採用活動全体の質とスピードの向上が期待できるでしょう。
紹介後の早期離職時に返金保証があるケースもある
転職エージェントを活用して人材採用に至った場合、成功報酬として手数料を支払うのが一般的です。ただし、転職エージェントの中には、紹介した人材が早期離職した場合に備え、返金保証を設けているケースもあります。
返金保証とは、一定期間内に紹介者が退職した際に、紹介手数料の一部または全額を返金する制度です。この制度があることで、企業は採用失敗によるコスト損失のリスクをおそれずに、安心して採用活動を行うことができます。
転職エージェントを活用するポイント
転職エージェントを活用した採用活動を成功させるためには、以下に挙げる7つのポイントに重点を置くようにしましょう。
採用したい人材像を具体的にエージェントに共有する
転職エージェントには、自社が求める具体的な人材像を必ず共有しておきましょう。人材像を明確に共有することで、紹介される候補者の質やマッチング精度が格段に向上します。
ターゲット像が不明瞭なままだと、転職のプロであるエージェントであっても適切な人材紹介が困難になります。
また、求める人材像が明確であれば、候補者の絞り込みが迅速に行えるため、採用スピードの向上にもつながります。
複数社を比較し、自社に合うエージェントを選定する
転職エージェントを最大限に活用するためのポイントは、1社に絞らず複数社を比較検討することです。転職エージェントといっても、得意とする分野や対応スピード、フォロー体制などに違いがあります。
たとえば技術職を採用したい場合、専門性の高い職種特化型エージェントに加えて、幅広い業種をカバーする総合型エージェントを併用するのも有効です。
対応の質やコストパフォーマンスも含めて比較し、自社に最適なエージェントを選定することで、採用失敗のリスクを大幅に軽減できます。
候補者へのフィードバックを迅速・丁寧に行い、選考の質を高める
転職エージェントに採用業務を支援してもらう場合でも、候補者へのフィードバックは迅速かつ丁寧に行うことが重要です。
企業側からのフィードバックがない、あるいは遅い場合、候補者のモチベーションに影響し、志望度の低下につながるおそれがあります。
的確かつタイムリーなフィードバックは、選考の質を高めるだけでなく、企業ブランドの向上にも寄与します。
紹介数だけでなく、質を重視して評価する
転職エージェントを活用する際に注意したいのは、紹介数の多さだけに着目しないことです。 多くの候補者が紹介されたとしても、自社の採用要件や企業文化にマッチするとは限りません。
紹介される候補者の「数」だけでなく「質」を見極めることが、採用成功率の向上や不要な選考コストの削減につながります。
定期的にエージェントと情報共有し、ターゲットや進捗を調整する
採用活動を進めるうちに、ターゲット像が変化することは珍しくありません。進捗状況も含めて転職エージェントとの情報共有の機会がないと、認識にずれが生じたまま採用活動が進んでしまうおそれがあります。
このような状況を回避するには、転職エージェントとの定期的なミーティングの実施をおすすめします。見直しや調整が必要な箇所について都度対応することで、採用成功に向けた戦略的な連携が実現できるでしょう。
契約条件(手数料・返金規定など)を事前に明確に確認しておく
転職エージェントを活用する際は、事前に手数料や返金規定などの契約条件を明確に確認しておくことが重要です。これを怠ると、トラブルや想定外のコスト発生により、予算を超過してしまうリスクがあります。
採用活動では、コストとリスクを適切に把握することが非常に重要です。適切な判断を下すためにも、転職エージェントから提示された契約内容は必ず確認し、不明瞭な点があれば事前にクリアにしておきましょう。
エージェント任せにせず、採用活動の主導権を自社で持つ
エージェントは転職のプロとして、自社の採用業務の質と効率を高めてくれる存在です。ただし、転職エージェントに任せきりにしてしまうと、スキル面ではマッチしていても、自社のカルチャーに合わない人材を紹介される可能性もあります。
採用活動は、企業が主導権を持ち、積極的に関わってこそ成果につながります。また、自社が主導権を握ることで採用に関するノウハウが社内に蓄積され、将来的な内製化も目指せるようになります。
御社の業務に副業社員を検討してみませんか?
今回は、自社の採用活動において転職エージェントを活用するメリットや手数料の相場、知っておくと役立つポイントなどをご紹介しました。
採用市場や企業ニーズの変化により、転職エージェントも業種や職種など、専門性の高いものをはじめ、第二新卒向けやポテンシャル採用に特化したサービスなど、幅広い展開を見せています。
自社の採用活動を成功させるには、求める人物像に見合った転職エージェントや採用チャネルの選定がカギとなります。さらに、即戦力人材として副業社員を導入することも、有効な選択肢のひとつです。
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