
タレント(人材)プールとは?作り方や活用ポイントを解説
将来的な採用ニーズに備え、自社にマッチした人材(タレント)をデータベースとして蓄積(プール)していくタレントプールは、効率的で質の高い採用活動につながるものとして、現在注目を集めています。
労働人口の減少により、優秀な人材の確保が困難になっている昨今、タレントプールは副業社員の獲得にも活用できます。
本記事では、タレントプールの目的や作り方、活用ポイントなどを踏まえながら、詳しく解説します。
タレント(人材)プールとは
タレントプールとは、自社の採用ニーズに合う優秀な候補者(タレント)の情報をあらかじめ蓄積し、人材データベースとしてシステム化したものを指します。その目的は、採用活動をスムーズかつ計画的に進めるための基盤を整えることにあります。
採用候補者データをリストに登録し、ストックしておくことで、採用ニーズが発生したタイミングで優秀な人材をスピーディーに確保することが可能になります。
また、タレントプールは「すぐに採用には至らない候補者」とも継続的に関係を構築していくため、将来的な採用を低コストかつ高い精度で実現できる点が、最大のメリットといえるでしょう。
タレントプールを作る目的
タレントプールを作る主な目的として、企業が採用活動において抱える2つの課題を改善することが挙げられます。
採用コストの削減
自社でタレントプールを構築しておけば、必要時にデータベースから候補者を選択できます。都度、求人媒体の利用や人材紹介会社への依頼をせずに済むため、採用コストの削減につながります。
また、人事や採用担当者は一から母集団を形成することなく、自社のニーズに合う候補者に対して、ピンポイントでアプローチすることができるため、時間と労力の面でも大幅なコスト削減が可能となるでしょう。
採用スピードの向上
採用活動には、さまざまなプロセスが存在します。採用候補者に関する情報が蓄積されていない場合、求める人物像の設定から検索・選定・アプローチといった手順を踏む必要があります。
タレントプールが構築されていれば、すでに採用候補者の履歴や職歴、志向性などの情報が蓄積されており、募集職種やポジションに見合った人材を選択することが可能です。
また、候補者はすでに自社に対して一定の関心を持ち、何らかの接点を持つ人材であるため、短期間で選考フェーズまで進められ、採用スピードが格段に向上します。
タレントプールのメリット
タレントプールを導入することで、企業は以下に挙げる4つのメリットを得ることができます。
長期的な関係構築による企業の魅力向上
タレントプールの目的は、単なる「採用候補者の情報収集と蓄積」ではありません。すぐに採用に至らない場合でも、採用候補者に対して自社の価値に関する継続的な情報発信は不可欠です。
定期的に採用候補者と接点を持ち続けることで、自社への理解が深まるでしょう。このため、採用候補者から魅力的な企業として認識されるだけでなく、信頼できるパートナーとなる可能性もあります。
突発的な採用ニーズにも柔軟に対応可能
タレントプールには、採用候補者の情報が事前にストックされており、一定の関係性も築かれています。これにより、突発的な採用ニーズにも迅速かつ柔軟に対応することができるでしょう。
また、内定辞退や急な退職者が発生した場合でも、慌てることなく、データベースにストックされた候補者へすぐアプローチできる点も大きなメリットです。
採用競争の激化に対するリスクヘッジ
企業間の採用競争が激化する中、将来的な採用候補者を確保しておくタレントプールは、非常に有効なリスクヘッジといえるでしょう。
タレントプールでは、すでに関係性が構築されている採用候補者に対して直接アプローチができます。このため、他社に先んじて採用の主導権を握ることが可能になります。
過去の応募者やリファラル人材の再活用ができる
自社の採用活動における過去の応募者や、リファラル採用で従業員から紹介されたものの入社に至らなかった人材を再活用できる点は、タレントプールならではのメリットです。
いずれの人材も既に自社と接点を持ち、業務内容や企業文化にも一定の理解や関心があるため、再度のアプローチに対するハードルが低い点も特徴といえます。
タレントプールを構築することで、自社と一時的に縁がなかった人材と再び接点を持ち、スムーズな採用機会につなげることが可能になります。
タレントプールの作り方
タレントプールの作り方としては、以下に挙げる5つの方法があります。
採用管理システム(ATS)を活用してデータを蓄積
タレントプールにおいて最も重要なのは、採用候補者のデータを一元管理し、蓄積していくことです。
採用管理システム(ATS)を活用すれば、将来的な採用ニーズに活かせる人材データベースとして構築できるうえ、情報の一元管理や社内共有が容易になるため、業務効率化にも貢献します。
また、採用候補者情報の登録漏れや重複といったヒューマンエラーを防ぐことが可能です。このため、精度の高いリスト作成と効率の良いタレントプールの運用が実現するでしょう。
過去の応募者や選考通過者をリスト化
タレントプールの作り方として効果的なのが、過去に自社へ応募した人材や、選考を通過した人材をリスト化しておくことです。
たとえ採用に至らなかった場合でも、過去の応募者や選考通過者は、自社に魅力を感じ、「この会社ではたらきたい!」という意欲を持っていた人材です。
リスト化された人材のデータを再活用することで、採用候補者へのアプローチがしやすくなります。また、過去の書類選考や面接時の評価を活かすことで、ミスマッチの少ない採用が実現するでしょう。
リファラル採用を活用し、社員のネットワークから人材を確保
より充実したタレントプールを構築するには、リファラル採用の活用も有効です。リファラル採用であれば、社員の友人や知人など、ネットワークを活かした人材確保が可能となります。
社員から紹介される人材は、自社の業務や文化に対して一定の理解や興味を持っていることが多く、ミスマッチが少ないうえ、コストを抑えた採用活動が実現します。
また、紹介であれば転職潜在層にも声をかけやすいため、たとえ採用に至らなくても、将来的に有望な採用候補者として情報をストックしておくことができます。
インターンシップやイベント参加者の情報を整理
インターンシップやイベントの参加者は、すでに自社に対して一定の理解と関心を持っている人材です。自社にとって有望な採用候補者となり得るため、ぜひリストを作成しておきましょう。
参加者の情報としては、「何に、いつ参加したのか」「出身校や専攻学科」「意欲や志向性などの簡単な評価」を収集し、データベースに検索しやすい形で登録・管理しておくことが重要です。
参加者情報の整理には、採用管理システム(ATS)を活用すると非常に効率良くリストが完成し、管理もしやすくなるためおすすめです。
ダイレクトリクルーティングやSNSを活用し候補者と接点を持つ
タレントプールの構築においては、企業から採用候補者に対して積極的に接点を持つ、ダイレクトリクルーティングやSNSの活用も非常に有効です。
ダイレクトリクルーティングによって、自社の希望にマッチした人材へ直接アプローチをかけ、転職潜在層も将来の採用候補者としてリスト化していきます。
また、SNS上にアカウントを開設し、自社の魅力はもちろん、人事や先輩社員からのメッセージを継続的に発信し、フォロワーを獲得することが重要です。
そのうえで、DM(ダイレクトメッセージ)などを通じて接点を持った人材を、将来的な採用候補者としてデータベースにストックしていきましょう。
タレントプールの活用ポイント
タレントプールの効果を最大化するには、以下に挙げる4つの活用ポイントにフォーカスすることが大切です。
適切なセグメント分け(スキル、経験、関心分野など)
タレントプールを効果的に活用するためには、採用候補者のセグメント分けが非常に重要です。適切なセグメント分けをすることによって、採用活動のスピードと精度が大きく向上します。
また、採用候補者ごとに保有するスキルや経験、関心のある分野は異なります。セグメントごとに情報を整理しておけば、採用ニーズが発生したタイミングで、最適な人材へ迅速にアプローチできるでしょう。情報を事前に整理・管理することが、タレントプール活用の本来の目的です。
定期的なコミュニケーション(メルマガ、イベント招待など)
タレントプールにストックされた採用候補者には、転職潜在層も多く含まれています。このため、メルマガ配信や自社イベントへの招待など、定期的にコミュニケーションの機会を設けて、関係性の維持に努めることが重要です。
企業が採用候補者へ積極的にはたらきかけることで、「自分のことを思ってくれている」という親しみや信頼感が生まれるはずです。
このような取り組みにより、採用候補者が転職を考える際に、「はたらいてみたい企業」として真っ先に選ばれ、アクションを起こしてもらえる可能性が高まります。
候補者の最新状況を把握し、適切なタイミングでアプローチ
充実したタレントプールを構築しても、候補者の最新状況を把握し、適切なタイミングでアプローチできていなければ、有望な人材を逃す結果につながりかねません。
採用ニーズが発生した際に、「今、どの候補者が応募につながるか」「募集するポジションに対して候補者の状況が適しているか」といった近況の把握と、最適なタイミングでのアプローチが成功のカギを握ります。
採用のチャンスを逃さないよう、候補者にはメールなどで定期的なフォローを行い、転職意向やライフステージの変化なども含めて、状況を把握しておくことが望ましいでしょう。
採用計画と連携し、優先すべき人材を明確化
タレントプールの効果を最大化するには、自社の採用計画と連携し、どのような人材を優先すべきかという目的を明確にしておくことが肝心です。
タレントプールに優秀な人材がストックされていても、現時点での採用ニーズにマッチしていなければ、十分な効果は発揮できないでしょう。
募集職種やポジションごとの採用計画に沿って、現場社員との意識合わせを行いながら、求める人物像を具体的に設定していきましょう。また、採用計画に基づいて、優先スカウトリストを作成するのもおすすめです。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか?
今回は、タレントプールの導入を検討される企業に向けて、役立つさまざまな情報をお届けしました。
企業間の採用競争を勝ち抜き、優秀な人材を確保するには、自社の採用業務を経験・スキルともに豊富な副業社員へ任せてみることも賢明な選択肢です。
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