副業YouTuberになるには?始め方やメリットデメリットの解説
今やテレビに変わるメディアとして人気のYouTube。専業YouTuberの中には億単位の収益を稼ぎだす方もいますが、副業で始めるにはメリットだけでなくデメリットもあります。
今回は副業でYouTuberを目指す方に向けて、チャンネルを開設するために必要な準備や主な収益源、会社にバレないようにする方法までわかりやすく解説していきます。
Youtuberは副業になる?
趣味と実益を兼ねた副業として注目を浴びるYouTuber。自分のチャンネルで、好きなことや得意なジャンルの動画を投稿して楽しみながら稼げる点が最大のメリットといえるでしょう。
YouTubeはノウハウにのっとって始めれば大きな収益もあげられるため、立派な副業といえます。ただし、副業OKの会社に勤めていても、YouTubeの副業をしていることが会社にバレることを躊躇(ちゅうちょ)する方は多いかもしれません。
また公務員の場合、YouTubeの動画配信は収入を得ていなくても副業に該当します。動画の内容によっては「信用失墜行為」や「秘密漏えい」にあたるため、懲戒処分の対象になる場合もあります。
副業Youtuberになるための準備
「YouTuberになろう!」と思い立ったら、何を準備すればよいのでしょうか。必要なものとやるべき作業について、順を追って説明していきます。
撮影機材の準備
動画を配信するには、撮影する機材を用意しなければなりません。とはいえプロ用のデジタルカメラなど、高価な機材の購入は必要ありません。
スマホがあれば、十分クオリティの高い動画を撮ることが可能です。スマホを使わない場合はアクションカメラとよばれる「GoPro」など、手のひらサイズで高画質な映像の撮影ができるカメラがおすすめです。
頑丈なうえに防水機能もあり、モデルによっては価格が3万円程度とお手頃な点も特徴といえます。
ほかに準備する撮影機材は以下の3つがあれば大丈夫でしょう。
- カメラを固定する三脚
- スマホ撮影の場合、三脚に固定する雲台
- マイク(スマホ用・ピンマイクなど)
撮影機材にはカメラやズームレンズのほかにドローンなどもあり、こだわりだすときりがありません。
これらには1日から気軽に試せるレンタルサービスもあるため、購入に迷った場合や急きょ必要になった場合に非常に便利です。
動画編集ソフトの準備
動画はただ撮影しておしまいではなく、不要な箇所の削除といったカット割りや、BGM・音声の挿入をすることでテンポの良い動画になります。
テロップを入れたり、エフェクトをかけたりして魅力的な動画に仕上げる編集ソフトも欠かせません。
編集ソフトには有料と無料のものがあります。有料のソフトは細かい編集に役立つ機能が多い一方、操作が複雑です。最初は無料のソフトで使い勝手を試してみるのもよいでしょう。
撮影場所の準備
自分の部屋だけでなく、必要に応じてスタジオや屋外などで撮影をする場合は、あらかじめ予約や許可取りなどの準備が必要です。
また屋外であれば、周囲の騒音や環境などを考慮して下調べをしておかなければなりません。
とくに商業施設や歴史的建造物のある観光地・河川・公園などは、許可の有無を必ず確認しておきましょう。
単なる個人だけで楽しむ撮影なら問題ありませんが、YouTubeに投稿して収益を得ることは商用利用に該当するためです。
場所によっては使用料が発生することもあります。不要なトラブルを避けるためにも、事前のリサーチは怠らないようにしましょう。
Youtubeチャンネルの開設
例えば料理やゲームの実況など、自分の好きなことや得意なジャンルがあればチャンネルの開設に活かせるでしょう。YouTubeでチャンネルを開設(※1)するには、以下の6つの手順を踏みます。
- Googleアカウントを作成する
- YouTubeにログインしてブランドアカウント(チャンネル名)(※2)の作成をする
- チャンネルアイコン(画像)の設定などカスタマイズをする
- チャンネル概要欄の設定
- チャンネルアート(YouTubeチャンネルのバナー)の設定
- 電話番号かSMSでのアカウント確認により制限解除を行う
※1出典:YouTubeヘルプ YouTube チャンネルの作成
※2出典:Googleアカウントヘルプ ブランド アカウントを管理する
Youtubeの主な収益源
YouTubeでの動画配信が、どのようにして収益につながるのでしょうか。以下に主な収益源をまとめます。
広告収入
YouTubeにおける主な収益源として、視聴者が動画を見ることで1再生あたり約0.05~0.1円の収益が得られる広告収入があります。
動画の再生数や再生時間に応じて収益が増える仕組みで、以下の3種類が代表的なものといえるでしょう。
ディスプレイ広告 | おすすめ動画一覧の上部に表示される広告 |
---|---|
オーバーレイ広告 | 動画の再生途中にバナー画像などで画面下部に表示される広告 |
動画広告 | 動画再生前に流れる広告 |
ただし、YouTubeパートナーとして広告収益を得るためには5つの条件(2023年4月時点)をクリアしなければなりません。
- 18歳以上であること
- 広告掲載にふさわしいコンテンツであること
- チャンネル登録数が1000人以上であること
- 直近12ヶ月の総再生数が4000時間以上であること
- チャンネルにリンクする有効な AdSense アカウントを1つ持っていること
詳細は「YouTubeパートナープログラムの概要と利用資格」(※1)に記載されているため、参考にしてみてください。
※1出典:YouTubeヘルプ YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格
チャンネルメンバーシップ
YouTubeには、自分のチャンネルに対して有料会員を募るシステムがあります。有料会員の登録が増えれば、それだけで毎月固定の収益を得られることが可能です。
視聴者もチャンネルメンバーになることで、バッジや絵文字などメンバー限定のアイテムが特典として利用できるメリットがあります。
ただし、チャンネルメンバーシップ(※1)の適用には、以下をはじめとする条件をクリアしなければなりません。
- 18歳以上であること
- 子ども向け動画でないこと
- チャンネル登録者数が1000人以上であること
※1出典:YouTubeヘルプ チャンネル メンバーシップの利用資格、ポリシー、ガイドライン
スーパーチャット
通称「スパチャ」や「投げ銭」ともよばれ、視聴者がチャット機能を使って動画投稿者へお金を送る機能のことです。
1回あたり100~5万円(上限5万円/日)の送金が可能で、動画投稿者にとっては収益になるのはもちろん、自分のファンを見つけられる場所となり、モチベーションUPにもつながるでしょう。
また視聴者は熱心なファンとして動画投稿者を応援でき、自分のメッセージを優先的に読んでもらえるため、双方にとってメリットがあります。
企業タイアップ
YouTubeのシステムではありませんが、再生数や登録者数が増えることで世間の注目度が高まれば、企業から商品やサービスなどのタイアップ動画の依頼が来る場合もあります。
いわゆる「企業案件」ともよばれ、その影響力を利用して書籍やコラボグッズなどを販売することもあるため、当たれば膨大な収益を得られるチャンスともいえるでしょう。
ショッピング
ショッピングとは、動画投稿者が自分のチャンネル上で商品や公式ブランドグッズを紹介し、視聴者が購入できる機能のことです。
通常の動画だけでなく、ライブ配信中の動画内に商品のタグ付けをして、視聴者がそのまま商品を購入できるライブコマースも行えます。
このショッピング機能(※1)は誰でも利用できるわけではありません。紹介する商品がオリジナルか他のブランドかによって利用条件が異なりますが、現在日本においてはオリジナル商品の紹介のみ可能です。
- YouTubeパートナープログラムが利用可能な国や地域に拠点を置いていること
- チャンネルの収益化が承認されていること
- チャンネル登録者数が1000人以上または公式アーティストチャンネルであること
- チャンネル対象視聴者が子ども向けに設定されていないこと
- 動画がチャンネル収益化ポリシーに違反していないこと
- ヘイトスピーチに関するコミュニティガイドラインの違反警告を受けていないこと
※1出典:YouTubeヘルプ YouTube のショッピング機能を利用する
副業でYoutubeをやるメリット
本業をしながら副業YouTuberになると、収益をあげることのほかに以下のようなメリットが得られます。
自分の好きなことや得意なことで発信できる
YouTubeで公開されている動画にはさまざまなジャンルがあります。
自分にとって興味のあるものを動画にして、再生数や登録者数が増える楽しみと収益につながる楽しみを味わえる。これほどおもしろいものはありません。
また、納期もなく、自分のペースで動画を配信できる点においてはストレスとも無縁といえるでしょう。
何より好きなことや得意なことを発信して、国内だけに留まらない多くの視聴者とコミュニケーションを取れるのも、YouTubeならではの魅力といえます。
クリエイティブな活動ができるため、やりがいを感じられる
台本を考えて動画の撮影をしたり、一人でも多くの視聴者の興味をひくように編集を工夫したり、
YouTubeに配信者として関わることはクリエイティビィにあふれています。
またこれらの活動を通して、新たなスキルを身に付けることもできます。本業とは違った面でのやりがいを感じられる点もメリットといえるでしょう。
個人のブランドを確立することができる
YouTubeは単なる自己表現の場だけに留まりません。例えばイラストを描くのが好きで、今まで発表の場がなかった方が、そのキャラクターを元にした動画の配信をスタートしたとします。
地道に続けるうちに、再生数や登録者数が増えて世間の注目が集まるようになれば、企業からのPR案件やコラボグッズの販売などによって、個人ブランドが確立できることも夢ではありません。
副業でYoutubeをやるデメリット
副業でYouTubeをするにはメリットもある一方、お金や時間・技術的な面によるデメリットもあります。以下にまとめたことを踏まえて始めるようにしましょう。
初期投資が必要
YouTubeを始めるにはパソコンと撮影用の機材、そして動画編集ソフトが最低限必要です。機材はカメラならスマホで代用し、ほかの機材はレンタルで済ませることも可能です。
動画編集ソフトも無料のものがあるため、最初はお試しとして利用するのもおすすめですが、副業として長く続けていくなら、スペックが高く作業しやすいものを購入した方がよいでしょう。
パソコン:CPU性能Core i5・Core i7/メモリ16~32GB程度 | 13万~20万円程度 |
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カメラ(GoProなど) | 3万~6万円程度 |
マイク(ピンマイク・ヘッドセットマイク・ガンマイクなど) | 1300~3万円程度 |
時間や労力がかかる
YouTubeで収益化を狙うには、ただ動画を撮影して投稿するだけではいけません。
より多くの視聴者や登録者を獲得するために、まず動画のコンセプトを練ったうえで撮った動画にテロップやBGM・効果音を入れるなどの編集をする必要があります。
副業YouTuberなら本業の合間にこれらの作業をやらなければいけないため、動画の編集スキルはもとより、時間の余裕もないと難しいかもしれません。
競争が激しい
子どもが将来なりたい職業にランクインするほど、YouTuberの人気は高まっています。
登録者数が数百万人、動画を配信すれば再生数も桁違いで年収数億といったYouTuberがメディアでもてはやされている現状、「YouTubeで稼ぎたい!」と思う人が多くなるのも無理はないでしょう。
今や一般人だけでなく、さまざまな業界の著名人や芸能人もYouTubeに参入しているため、ますます競争が激化しています。
オリジナリティにあふれ魅力的な動画の配信がコンスタントにできなければ、再生数や登録者数も伸びず、収益化につなげることは難しいといえるでしょう。
誹謗中傷などのリスクがある
YouTubeとは不特定多数の方に向けて発信するものです。開設したチャンネルがどんなジャンルのものであれ、ある程度再生数が増えれば好意的な視聴者だけでなく、アンチとよばれる層も出てくるでしょう。
「おもしろくない」「マンネリ」といったマイナスコメントだけでなく、差別的な発言や嫌がらせなど配信者個人を攻撃してくるケースもあります。
このような誹謗中傷を受けた際は、反応や返信は一切しないなど、スルーするのが一番です。
アンチコメントを防ぐには、投稿者のブロックや悪いコメントを排除する特定のキーワード設定、またコメントは承認制にするなど、YouTubeのシステムを有効に使うことがおすすめです。
あまりに悪質な場合は、発信者情報開示請求など法的手段を取ることも考えなければなりません。
会社にバレずにYoutubeで副業するには
YouTubeを副業にする際、会社にバレないようにするにはどのような方法があるでしょうか。以下に2つのポイントをまとめています。
顔出し・声出しをしない
勤めている会社にバレずにYouTubeの副業をするには、動画内で自分の顔や声を出さないことが一番です。マンションなどの自室から配信する場合も、個人を特定される可能性があるため注意しましょう。
どうしても自分が出なければならない場合はマスクを付けたり、ボイスチェンジャーを使ったりすることをおすすめします。
また、以下のような動画内容にすれば、顔出し・声出しが必要ありません。BGMを効果的に使って編集するとよいでしょう。
- 料理など手元だけ撮影する動画
- ペットを主人公にする動画
- アニメや文字テロップのみにする動画
確定申告を自分で行う
YouTubeの配信で得た所得が年間20万円を超えた場合は、翌年の2月16日~3月15日の間に税務署へ確定申告をしなければなりません。
年間所得が20万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税は市区町村の役所・役場へ申告しなければならないため注意が必要です。
この場合、住民税の納付方法は自分で納める普通徴収(※1)にしておけば、副業が会社にバレるリスクは少なくなります。
年間所得は以下のように算出します。経費(※2)の割合が大きく、年間の所得が赤字になった場合は、青色申告(※3)で確定申告をすると翌年以降3年間赤字分を繰り越せる(※4)のもメリットといえるでしょう。
●副業でYouTubeの動画配信をした場合の所得とは |
【動画配信で得た収入(利益)】-【経費】=【所得】 |
また、YouTuberとして経費にできるものに関しては以下のようなものがあります。
- パソコン・カメラ・マイクなどの動画撮影用の機材
- 撮影時に使用した商品や備品
- 動画編集ソフトなどのツール
- プロバイダ費用の一部
- 家賃・光熱費の一部
- 書籍などの資料代
- セミナー参加費
- セミナー参加や撮影関連のロケなどに掛かった宿泊交通費
確定申告に関するより詳細な情報を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※1出典:総務省HP 個人住民税
※2出典:国税庁HP やさしい必要経費の知識
※3出典:国税庁HP 青色申告制度
※4出典:国税庁HP 青色申告の純損失の繰越控除
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