司法書士の副業とは?時給相場や案件例、注意点まとめ
国家資格であり、不動産や商業登記の申請をはじめ、供託・訴訟など法律事務の専門家として活躍する司法書士。
弁護士や税理士などに並ぶ8士業のうちの一つで、その資格がなければできない独占業務でもあり、国民の権利の擁護と公正な社会の実現を使命とする社会的役割の高い職業です。
今回は、司法書士の資格やスキルが活かせる副業の種類と、副業を始める際の注意点を具体的な案件例と時給の相場も踏まえながら、詳しく紹介していきます。
司法書士は副業は可能?
司法書士の資格を持つ方が副業すること自体、司法書士法上でもNGとされていませんが、以下の3つの制約があることはあらかじめ知っておくとよいでしょう。
また、本業において司法書士法人で司法書士として働いている方が、他の司法書士法人で副業することは司法書士法第42条「社員の競業の禁止」(※4)に基づき禁止されています。
※出典1~4:e-Gov法令検索 司法書士法
司法書士の副業の主な種類
司法書士として活躍されている方はどのような副業ができるでしょうか。スキルを活かしながら稼げる、代表的な5種類の副業を以下で紹介していきます。
執筆活動
文章を書くことが得意な方であれば、専門知識を活かした執筆活動は司法書士の副業としてもまさにうってつけといえるでしょう。
法律系ライターはニーズがあるうえに、文字単価も通常のライターよりかなり高めの設定になっているのが特徴です。
人によっては1文字10円を超えるケースもあり、本業と同レベルの年収を稼ぐことも可能です。また執筆した記事の注目度が高まれば、企業の専属ライターや書籍化の道も夢ではありません。
契約書作成
口約束などによるトラブルを未然に防ぐために威力を発揮する契約書。契約書の作成は、弁護士または行政書士に依頼するイメージが強いですが、司法書士でも対応可能です。
また、平成14年(2002年)の司法書士法改正により、司法書士へ簡易裁判所における訴訟代理権が付与されています。
これにより民事訴訟額が140万円以下と制限が付いたものの、裁判所に提出する契約書などを含む書類作成や手続きも弁護士と同様に代理ができることとなりました。
法律相談
所定の特別研修を受講し、法務大臣の認定を受けた認定司法書士に限り、一部の案件(簡易裁判所において訴訟手続の対象となる民事に関する紛争、かつ、紛争の目的の価額が140万円を超えない案件)に関して法律相談を受けることができるため、副業にするのもよいでしょう。
ただし、金銭請求のない離婚に関するものと養育費・財産分与についての請求は、民事訴訟額が140万円以下の場合でも手続きは地方裁判所や家庭裁判所の管轄になるため、法律相談を受けることはできません 。
基本的には、日本司法書士会連合会が全国各地に設置している相談窓口での無料相談や、Webサイト経由で来る相談に対応していきます。
専門知識がダイレクトに活かせるうえ、対面の相談であればコミュニケーション能力が磨かれるため、スキルUPにはもってこいの副業といえるでしょう。
商業登記
法務局で商号(社名)や資本金額・役員情報など、会社情報の登録手続きを行う商業登記。司法書士の資格があれば、これらの登記申請代行を副業にすることが可能です。
起業する人が増えている中、商業登記は非常にニーズのある副業といえ、以下の通り1件あたりの報酬も高めのため、おすすめの副業といえます。
- 会社設立登記…10万円前後/件
- 本店移転…4万円前後/件
- 役員変更…3万円前後/件
相続登記
相続登記は戸籍などの資料収集と相続の内容の確認が大半のため、不動産売買の移転登記などと比べて時間に縛られることが少なく、副業におすすめといえるでしょう。
空いた時間をうまく活かして資料の収集と確認を行えば、6~8万円の報酬が見込めるので非常に魅力的な副業といえます。
司法書士の副業案件の例
司法書士の資格や経験がある方にピッタリな副業案件について、「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に2例紹介していきます。
会社設立登記の登録申請代行業務
稼働時間 | 平日夜間・土日のみ(20時間程度/月) |
---|---|
単価 | 時給4,000~5,000円程度 |
条件 | 会社設立登記に関する書類作成・オンライン含む登録申請経験があること |
法律問題のコンテンツの記事執筆・監修
稼働時間 | 土日祝のみ(30時間程度/月) |
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単価 | 時給2,000~5,000円程度 |
条件 | ・3,000文字程度の記事の執筆や監修を月10本程度対応できること ・ファクトチェックの経験が豊富なこと |
司法書士の副業案件の時給相場
副業市場においても非常にニーズがある司法書士。法の専門家としての知識が活かせるため、時給や単価に換算すると、その相場は以下のようにほかの仕事と比べて比較的高めの設定になっています。
- 記事執筆/1記事(3,000文字)4,000~2万5,000円程度
- 法律相談/時給5,000~6,000円程度
司法書士の副業のデメリットや注意点
ニーズがあり、高報酬も狙える司法書士の副業ですが、メリットばかりではありません。特に以下の2点はあらかじめクリアしておき、トラブルとならないように注意しましょう。
試験に合格しなければならない
司法書士は法律に関する高度かつ、専門的な知識を持つことを証明する国家資格のため、まず法務省が実施する試験に合格しなければなりません。
受験で学歴・実務経験は問われませんが、その難易度は司法試験に次いで高く、合格率は4~5%程度といわれています。
ただし、この狭き門を突破しただけでは司法書士として活躍はできないため、下記の「日本司法書士会連合会への登録が必要」の項目を参照して、対応していきましょう。
日本司法書士会連合会への登録が必要
試験に合格しても司法書士として仕事をするには以下1~6の手順を踏んで、日本司法書士会連合会および管轄の司法書士会に登録をしなければなりません。
- 新人研修
- 管轄の司法書士会での登録申請書の発行
- 管轄の司法書士会への登録申請書や入会届、合格証明書など必要書類の提出
- 司法書士会の役員面談
- 日本司法書士会連合会での登録審査
- 登録証の交付
また、登録には登録手数料や登録免除税をはじめ、入会金や月会費などさまざまな費用(※1)がかかり、地域によって異なるものの年間を通して最低20万円程の費用が発生します。
※出典1:日本司法書士会連合会HP 司法書士登録手数料について
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