
内定者フォローの目的・流れ・ポイントのまとめ
時間と労力をかけて採用した候補者に対して内定者フォローを実施することは、非常に重要な役割を果たします。
また、内定者フォローの一環として、内定者の早期戦力化を目指し、入社までに副業的な位置づけで一部業務を体験させる企業も存在しています。
本記事では、内定者フォローの目的について解説するとともに、実施の流れや押さえるべきポイントまで、詳しくご紹介します。
内定者フォローとは
内定者フォローとは、内定に至った候補者に対して、入社日までの期間に企業が提供する各種サポートやコミュニケーションを含めた施策を指します。
具体的には、メールや電話による定期的な情報提供や状況確認に加え、入社までの流れを説明するオリエンテーション、配属予定先の社員との交流を目的とした懇親会なども、内定者フォローに該当します。
内定者フォローを実施することで、内定者のさまざまな不安を解消し、新たな環境ではたらく意欲やモチベーションアップにもつながります。
内定者フォローの目的
企業が内定者フォローを行う目的は、以下に挙げる5つの効果を得るためといえます。
内定辞退を防ぎ、入社意欲を維持・向上させるため
労働者人口の不足により企業間の採用競争は激しさを増しており、苦労して獲得した候補者であっても、内定辞退に至るケースは少なくありません。
内定後に企業側からの積極的なアプローチがない場合、「自分は期待されていないのではないか?」といった迷いや不安が生じ、内定辞退という結果を招くおそれがあります。
内定者フォローを実施することにより、内定辞退の防止だけでなく、入社意欲の維持や向上にも大きく貢献します。
入社後の不安や疑問を解消し、スムーズな入社準備を促すため
内定者は、新たな職場や業務に対して多くの不安や疑問を抱えているものです。これらが解消されないままでは、自信を喪失し、入社への意欲が低下する可能性があります。
入社までのスケジュール提示やオリエンテーションの実施などを通じて、内定者が入社後の姿を具体的にイメージできるようにフォローすることが重要です。不安や疑問点を事前に解消することで、内定者が安心してスタートを切れるようになるでしょう。
企業への理解を深め、早期戦力化や定着につなげるため
内定者を早期に戦力化し、定着率を向上させるためには、企業に対する情報のギャップを埋めるためのサポートが不可欠です。
詳細な事業内容はもとより、企業が掲げるビジョンや経営戦略といった将来的な方向性を共有することによって、内定者の理解を深めることができるでしょう。
さらに、業務内容や業務フローを説明会などで事前に理解してもらうことで、早期に戦力として活躍する可能性が高まります。
他社との比較による迷いを減らし、自社への帰属意識を高めるため
売り手市場の昨今、候補者は複数社から内定を得ていることも多く、「どの企業が最も自分にとって有利な環境か」という視点で他社と比較しています。
このような状況下で、内定後に企業からのフォローがない、あるいは対応が遅い場合、他社への志望度が高まり、競合へ流れてしまう要因になり得ます。
一方で、適切かつ丁寧な内定者フォローを実施することで、内定者は迷うことなく自社を選ぶことができ、帰属意識の醸成にもつながるでしょう。
入社後のギャップを減らし、ミスマッチを防ぐため
内定者が得ている企業情報は、求人票や面談など限られた場面で収集されたものであることが多く、そのまま入社するとギャップを感じる原因になります。
「想定していた業務内容と違う」「社風や既存社員との価値観が合わない」といった入社後のギャップは、モチベーションの低下を招くだけでなく、早期離職につながるおそれもあります。
実際の業務スケジュールの提示や、現場社員との座談会などの内定者フォローを行うことで、ギャップを軽減し、ミスマッチ防止の効果が期待できるでしょう。
内定者フォローの流れ
内定者フォローは、以下に挙げる7つの流れに沿って実施されるのが一般的です。
1. 内定通知後の初回連絡(お祝い・歓迎メッセージ)
内定通知後の初回連絡は、内定者との信頼関係を築くうえで欠かせない重要なステップといえるでしょう。特に、内定者に対してお祝いや歓迎のメッセージを送ることは、非常に効果的です。
これから入社する企業から丁寧で温かいメッセージが届けば、「自分は歓迎されている存在なのだ」という認識が生まれ、「この会社でがんばっていこう!」という前向きな気持ちにつながります。
2. 内定受諾の確認と必要書類の案内
内定受諾の確認と必要書類の案内は、原則として内定通知から3~5営業日以内を目安に送付するようにしましょう。
対応が遅れると、内定者に不安を抱かせるだけでなく、タイミングによっては他社の内定を先に承諾される可能性もあります。
3. 定期的な連絡・状況確認(メールや電話、1on1面談など)
内定者に対しては、入社日までの間、メールや電話による定期的な連絡に加え、1on1面談なども実施して、きめ細やかなフォローを心がけましょう。
連絡の頻度は、入社まで3ヶ月以上ある場合は月1回程度、入社直前には週1回を目安に連絡を取り、入社準備がスムーズに進むよう支援するのが理想的です。1on1面談の実施も、本人の不安払拭に役立つためおすすめです。
4. 内定者向けイベントや懇親会の実施
内定者に早期に社内環境へ馴染んでもらうためには、職場見学などのイベントや同期との交流会、配属先社員との懇親会の実施が効果的です。
内定者は、「自分がどのような環境で、どのような人たちとはたらくのか?」について、不安と期待の両方を抱いています。こうした交流の場を通じて、社内の雰囲気や人との相性を事前に確認できるようにしておくことが大切です。
5. 業務に関する情報提供・事前学習の案内
内定者にとって、自身が携わる業務の概要が分からない状態では、不安なままスタートを切ることになってしまいます。業務に関する情報提供と事前学習の案内があれば、安心して入社日に備えることができるでしょう。
また、こうした情報提供や事前学習によって、業務に対する不安や疑問点の解消だけでなく、自ら学ぶ姿勢の育成にもつながり、早期段階での戦力化が期待できます。
6. 入社直前の最終確認(持ち物、初日の案内など)
初出勤に必要な情報が得られない場合、内定者は不安を抱えたまま、スムーズに準備を進めることができません。持ち物や初日の案内などを明確に伝えることで、落ち着いて準備を行えるようになります。
最終確認の内容としては、「出社日時・場所」「当日の持ち物」「当日のスケジュール」「トラブル発生時の緊急連絡先」などを、漏れなく記載するようにしましょう。
7. 入社初日のサポートとオンボーディングへの連携
内定者フォローの最終ステップは、入社初日のサポートとオンボーディングへのスムーズな連携です。入社初日のサポートは内定者フォローのゴールであると同時に、早期の戦力化や定着を目的とするオンボーディングのスタートでもあります。
初日のきめ細やかなサポートにより新入社員の不安を和らげることで、オンボーディングへスムーズに移行できます。継続的かつ一貫した支援を通じて、新入社員の信頼とモチベーションを高めましょう。
内定者フォローのポイント
内定者フォローを実施するうえで重要なポイントは、以下に挙げる7点を実践することです。
入社後のイメージが具体化できる情報を提供する
職場の雰囲気や担当業務に関する情報が不明確であると、内定者は不安を抱きやすくなります。入社後のイメージがしやすいよう、配属先のメンバーや業務スケジュールなどを、可能であれば画像や資料などを用いて提供しましょう。
メンバーの簡単なプロフィール紹介や、職場見学を兼ねたカジュアルなランチ会の開催なども、内定者の安心感を高めるうえでもおすすめです。
定期的なコミュニケーションを継続し、安心感を与える
企業からの連絡が長期間ない場合、内定者は「自分は放置されているのでは?」というネガティブな感情に陥ってしまいます。しかし、定期的にコミュニケーションを取り続けることで、内定者に安心感を与え、信頼関係を築くことができます。
さらに、入社前からこまめにやりとりできる関係性を築いておけば、入社後にギャップを感じた際にもすぐに相談しやすくなり、結果として定着率の向上にもつながります。
先輩社員や同期との交流機会を設け、つながりを作る
内定者にとって、一緒にはたらく社員との関係構築は非常に重要なテーマです。内定者フォローとして、先輩社員や同期との交流の場を設けることで、内定者が入社前から社内に「知っている人」がいる状態をつくれます。
先輩社員から職場や業務に関する実情を知ることができるためギャップの軽減につながります。加えて、入社前からつながりがあることで、不安のないスタートを切ることができるでしょう。
キャリアパスや成長支援制度を伝え、将来像を描けるようにする
キャリアパスや成長支援制度を伝えることで、内定者は自身の3年後や5年後といった将来像を描けるようになります。成長への道筋が見えることで不安が和らぎ、意欲の向上にもつながるでしょう。
具体的なキャリアパスのモデルケースを提示したり、希望に応じたキャリアチェンジの可能性などを資料や動画などで分かりやすく伝えることをおすすめします。
個々の状況や不安に寄り添った対応を心がける
内定者の状況や不安は一人ひとり異なります。このため、個々に寄り添ったきめ細やかな対応を行うことで、内定辞退を防止するだけでなく、企業への信頼感やエンゲージメントの向上が期待できるでしょう。
1on1面談や定期的なヒアリングの場を設けるだけでなく、LINEなど内定者と気軽にやりとりできるカジュアルなツールの活用もおすすめです。
SNSや社内報などを通じて企業の近況や文化を伝える
SNSや社内報は、内定者にとって企業の最新情報や雰囲気を知ることができる有効なツールです。入社前に「どのような人がいて、どのような文化があるのか」が可視化されることで、内定者の意欲はより高まります。
特に若手世代にとってはSNSが非常に身近な存在であるため、自然と自社の近況や文化に触れてもらうことができるでしょう。
内定期間の取り組み状況を記録し、入社後の育成に活かす
内定期間に「誰が」「何に対して」「どのようなこと」に取り組んでいたかを詳細に記録しておくことで、入社後の育成計画を最適化することが可能になります。
内定者それぞれの特性に応じた育成計画を立てられるため、スムーズなスタートと早期定着が実現できるでしょう。また、企業に支えられているという安心感は、内定者のエンゲージメント向上にもつながります。
御社の業務に副業社員を検討してみませんか?
今回は、内定者フォローについて、実施する目的や流れなど、企業が押さえておきたいポイントをまとめてお届けしました。
内定者フォローに限らず、御社の採用業務を経験豊富な副業社員へ任せることで、業務の効率化と質の向上に大きく寄与するでしょう。
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