広報を業務委託に発注する際のメリットや注意点まとめ
社内外のステークホルダーに企業のブランドや取り組みを発信する広報部門。リスクマネジメントや緊急時の対応など、企業イメージを左右する責任の大きい仕事で、適切な知識を持った人材を配置することが求められます。
この記事では、広報業務を採用して内製化すべきかどうかや外注する際のメリット・デメリット、業務委託で依頼する際の注意点や報酬相場と実際の副業案件例などを紹介します。
広報は採用して内製化すべき?外注で業務委託すべき?
広報部門のメインミッションは、お客さまや取引先、株主のほか、企業に勤める従業員を含め、社内外のさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションを通じて良好な関係を築くことです。そのため、まずは自社のことを誰よりも熟知し、社内外に情報発信したり、ブランディングに即した企業文化を醸成したりすることが求められます。
中長期的に見ると企業における広報部門の活動は非常に重要ですが、立ち上げ期の企業においては直接的にプロダクトやサービスに影響する部門でないため、どうしても広報人材の採用や育成が後回しになりがちです。
広報部門で人材を採用して内製化すれば、知識や仕組みが会社に蓄積できるため企業成長にとってメリットがあります。一方、企業のフェーズや状況によっては、プロフェッショナル人材に外注する方法もあります。即戦力としての活躍が期待でき、採用コストや固定費が削減できる点が魅力でしょう。
広報を外注で業務委託するメリット
ここからは、広報業務を外注して業務委託するメリットを3点紹介します。
メディアのプロの知見を活用できる
社外への情報発信に欠かせないのがテレビやウェブ、SNSなどさまざまなメディアです。メディアとの豊富な人脈やメディアからの取材対応、効果的なプレスリリース作成、SNS運用経験など、社外発信に関するさまざまな業務で、プロのノウハウや知見を活用できる点は、最大のメリットといえるでしょう。
必要に応じて発注できる
広報部門を社内で抱えると、採用コストや教育費、固定費などが常にかかります。一方で外注する場合には、事業フェーズや新商品発表タイミングのみなど、必要に応じて都度依頼でき、広報に関わる費用を抑えられるのもメリットです。
既存の戦略やメッセージに新たな視点を入れられる
社外の人材に広報業務を外注することは、これまでになかった新たな視点で戦略が打てる可能性があります。外部の人材が持つ有効な広報戦略や他社事例を一部参考にしながら、自社サービスを改めて客観的に見つめ直し、既存の広報戦略や活動をアップデートしたり、修正・改善したりすることもできるでしょう。
広報を外注で業務委託するデメリット
一方で、広報業務を外注するデメリットも事前に知っておきたいところです。ここでは2点紹介します。
社内文化や製品への理解を深める時間が必要
社外人材は、広報分野に特化しており、豊富な知見を持っています。一方で自社の文化やブランディング、サービス・製品についての理解は徐々に深めてもらわなければなりません。その際の情報提供やコミュニケーションの工数が発生することは、事前に心積もりをしておきましょう。
コストがかかりすぎる可能性もある
広報業務は、売り上げが上がったり、企業の認知度が上がったりとすぐに結果を得られる職種ではありません。そのため、わかりやすい結果が見えないままに、年単位でそれなりのコストがかかることは想定しておきましょう。中長期的な企業成長や企業イメージ向上のための活動であることを理解し、広報活動にかけられる年間の予算を立てておく必要があります。
業務委託できる広報の主な仕事
では、具体的にどのような広報業務を外部に委託できるのでしょうか。代表的なものを4種類紹介します。
メディア対応
取材対応や記者会見の設定といったメディアとのコミュニケーションは、広報業務の1つです。プレスリリース掲載や新商品発表のタイミングなどで特に業務が増える傾向があり、企業の取り組みやアピールポイントを正確かつ迅速に発信することが求められます。
プレスリリース作成
経営情報、商品・サービスに関するアップデート情報、社内での新たな取り組みなどを社会やマスコミに発信する文書、プレスリリースの作成も広報業務の1つです。企業としての正式な情報発信の手段として、正確に頻度良く配信します。
イベント関連業務
自社ブランドや新製品発表のプロモーションにまつわるイベントの企画・運営や、各種展示会への出展など、イベント関連の業務も広報の仕事です。マスコミへのイベント情報発信や招待から当日までの準備、当日の運営まで、スポットで発生する仕事とはいえ重要度が高くかつ工数のかかる業務です。
SNS運用
SNSを活用した日々の情報発信も広報の仕事です。自社のファンを増やし、より近い距離でステークホルダーと交流できるツールですが、発信方針の策定や日々の投稿作成などかなりの工数がかかります。情報発信の視点だけでなくマーケティングの知見も必要なことから、専任の担当者を置く企業もあります。
広報を外注する際の注意点
ここからは、広報業務を外部委託する際の注意点を3つ紹介します。
目標を明確にする
広報活動の目的や目標、ゴールを明確化し、外部パートナーと認識を擦り合わせておくことが大切です。企業課題を解決するためにどのようなKPIを設定するのが適切か検討し、必要な施策検討に活かしましょう。
過去実績を参照する
外注先により、力量やスキルはさまざまです。事前の情報収集は妥協せず、時間をかけるようにしましょう。その際、過去の実績は参考になります。
継続的なコミュニケーションを取る
広報業務は、外注したからといってすべてを丸投げするのは危険です。週次や月次の定例会議を設定するなど、活動状況の共有や課題の議論を欠かさず、継続的にコミュニケーションを取りましょう。
広報を外注する場合のパターン
ここからは、広報業務の主な外注先を3パターン紹介します。
PR会社に発注する
まずは、企業の広報担当者に代わって広報業務を代行してもらえるPR会社に発注する方法です。PR戦略立案、イベント企画、メディアリレーションなど、幅広いサービスを提供しているため、トータルでサポートしてもらえる点が魅力です。
個人事業主に発注する
広報分野で活躍する個人事業主に外注することも可能です。融通が利きやすく、SNS運用のみ任せたい、プレスリリースの作成だけお願いしたいなど、スポットで発注しやすいのがメリットといえるでしょう。
副業社員を採用する
副業人材を活用するのも選択肢の1つです。他企業の広報領域において現役で活躍する人材に社内プロジェクトへ入ってもらえるため、新たな視点から意見やアドバイスを得られ、自社の広報活動に活かせる可能性があります。
広報の外注・業務委託の報酬相場
広報業務の外注費用は、依頼内容や発注先によってかなり幅があります。
PR会社にメディア対応やリリース配信、調査・分析などを含めたパッケージで依頼する場合の費用は、月に百万円前後~数百万円以上になることもあります。
個人事業主や副業人材に業務委託する際の報酬は、スキルや経験、稼働時間によって変動します。平均的なレンジとしては、時給3,000円から8,000円前後で、多くの案件が月10万円から20万円程度で設定されているようです。
なお、プレスリリースの作成、社外発信用の社員インタビュー記事作成1件など単発の依頼も可能で、その場合は1件あたり数万円からの依頼も見受けられます。
広報の副業案件の例
広報業務の副業案件例を2件紹介します。
セールステック企業の広報責任者
稼働時間 | 25〜40時間/月 ※面談時に相談して最終決定 |
---|---|
単価 | 10万円/月〜 ※能力や経験により最終決定 |
条件 | 広報部門立ち上げ経験者歓迎 |
業務内容 | セールステック企業での広報責任者および広報チームの立ち上げ・マネジメントを担当 ・広報業務のオペレーション設計・運用 ・広報チームマネジメント ・PR戦略の策定、施策企画、実行 ・メディアリレーション ・プレスリリース・コーポレートPR発信 |
コンサルティングファームの広報担当者
稼働時間 | 25時間〜/月 ※面談時に相談して最終決定 |
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単価 | 10万円/月〜 ※能力や経験により最終決定 |
条件 | スタートアップ企業でのブランディング・広報戦略立ち上げ経験者 |
業務内容 | コンサルティングファームのブランディングや情報発信、ブランディングを強化するための後方ポジションを担当 ・広報・PR戦略策定 ・プレスリリース作成 ・メディア選定・対応 ・メディアリレーション |
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この記事では、広報業務を外部委託する際のメリット・デメリット、外注する際の注意点や報酬相場などについて解説してきました。広報に特化した外部人材を活用することで、事業の中長期的な成長に貢献してもらえる可能性は十分にあります。
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