非常勤講師の副業とは?時給相場や案件例、注意点まとめ
現在、非常勤講師として学校などの講義を通じて活躍されている方の中にも、収入面や正規職員ではないという雇用の不安定さの面から、副業を検討される方も多いのではないでしょうか。
今回は非常勤講師のスキルを活かしつつ、同時に収入アップも目指せる副業について、「種類」や「具体的な案件例」「時給の相場」などのポイントと、副業をする際の注意点も交えて解説していきます。
非常勤講師は副業しても良い?
非常勤講師という立場にあって新たに副業を検討する際は、勤務先の属性が公立か、私立かなどによって、副業可能かどうかの判断は異なるものです。詳しく見ていきましょう。
公立の場合
公立学校に勤務している場合、地方公務員法第38条(※1)により常勤講師の副業は原則禁止されていますが、非常勤講師に関しては「会計年度任用職員」(※2)という立場になるため、この法律は適用されません。
同法律にあるような「信用を傷つける行為の禁止」や「地方公共団体の職務に専念する義務」「秘密を守る義務」などは公務員同様に適用されますが、非常勤講師の場合、副業に関してはほぼ規制がかかっていないと言えるでしょう。
ただし自治体によっては届け出が必要なケースがあります。副業をする際にはあらかじめ勤務先や自治体に確認を取ってから始めるとよいでしょう。
※1出典:e-Gov法令検索HP 地方公務員法
※2出典:総務省HP 会計年度任用職員制度について
私立の場合
私立学校での勤務は公務に当たらないため、副業が認められているケースも多くなっています。ただし、常勤・非常勤に関わらず勤務先の就業規則に従う必要があります。
非常勤講師であっても、就業規則により副業が禁止されているケースはゼロではありません。勤務先に黙って副業をして、バレてしまった場合は最悪解雇の対象にもなりかねないため、注意が必要です。
副業が認められたとしても、申請を必要とする場合もあるため、事前のチェックは怠らないようにして、手続きはきちんと取っておくことが肝心です。
非常勤講師の副業の主な種類
非常勤講師の方がスキルを活かせる副業について、以下に代表的なものといえる4種類を紹介していきます。
塾講師
非常勤講師としての経験や知識をそのまま活かしたいなら、塾講師ほどふさわしい副業はありません
副業先の塾の教育方針が何に特化しているかで若干異なるケースはあるものの、授業のスタイルは本業とほぼ変わらない形式で進められる点が何よりメリットといえるでしょう。
また、塾講師であれば生徒への学習指導だけに専念することができるため、教えるスキルをさらに磨くことが可能です。
家庭教師
家庭教師も塾講師と同様に、非常勤講師としてのスキルが存分に活かせる副業といえるでしょう。
指導も1対1で生徒とじっくり向き合え、自分の指導によって成績アップや志望校への合格につながるなど成果がダイレクトに感じられるため、やりがいもあります。
指導もひとコマ45~60分程度と時間的負担も少ないため週末だけでなく、勤務後の時間を有効利用することも可能です。
家庭教師では塾講師よりも高い水準の収入を得られる点が、副業として何よりメリットといえるかもしれません。
ライター
教育に関する問題が注目されている昨今、Webサイトや雑誌のコラムなどに掲載される記事は非常にニーズの高いコンテンツとなっています。
教育の現場を知る非常勤講師なら、ライターとしてもリアルで質の高い情報提供が可能なため、原稿料の単価も通常より高めに設定されているのが特徴です。
また、教育に関する内容の記事の執筆であれば勤務先の許可も得やすいため、おすすめの副業といえるでしょう。
これらの記事が注目を集めれば書籍化やメディアに進出できるケースもあり、教育評論家として活躍することも夢ではありません。
試験監督
試験時の見回りのほか、試験会場のセッティングや受験者の誘導、問題用紙の配布や答案用紙の回収などを担当する試験監督は、体力を消耗しない点で副業としておすすめといえるでしょう。
年間を通して案件があるうえに、土日のみなど単発で働けるのもメリットが大きいといえます。1日稼働すれば日給8,000~1万円程度の報酬が得られるため、非常に人気の高い仕事です。
非常勤講師という立場であれば、信頼性の高さから継続して仕事を依頼されるほか、採点業務も任せてもらえるなど、プラスアルファの収入が見込める可能性もあります。
非常勤講師の副業案件の例
非常勤講師のスキルが活かせる副業案件を「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に2例紹介していきます。
医学系予備校でのオンライン講師
稼働時間 | 平日夜間・土日祝(40時間程度/月) |
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単価 | 時給2,500~4,500円程度 |
条件 | ・医学部か薬学部の合格実績があること ・塾・予備校での指導経験が1年以上あること |
DX教育に関するコラムの監修
稼働時間 | 1ヶ月に1記事3,000文字の記事を5本監修(25時間程度/月) |
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単価 | 時給3,000~5,000円程度 |
条件 | ・執筆や校正経験があること ・DX教育に関する動向に高い知見があること |
非常勤講師の副業案件の時給相場
副業においても教育の現場で培った経験やスキルが活かせるため、時給や単価に換算すると、その相場は、以下のようにほかの仕事と比べて比較的高めの設定になっています。
- 塾講師(集団授業)/時給2,500~5,000円
- 執筆活動(雑誌のコラム)/1文字3~5円
非常勤講師が副業する際の注意点
非常勤講師の立場として副業をする場合、以下の2点に関しては特に注意するようにしましょう。
スケジュールや体調の管理
非常勤であっても副業を始めれば、今まで本業のみに投資していた“体力・気力・時間”を別に確保しなければなりません。
例えば、副業が教育に関する有意義なものであっても、副業をすることで疲労が溜まって授業に身が入らないなど、生徒への教育に影響が出てしまっては教育者としても失格です。
まずは本業第一という自覚をしっかり持ったうえで、余裕のあるスケジュールを組み、体力を過信しすぎないよう体調管理をうまく行っていきましょう。
確定申告の必要性
副業で得た年間の収入から、業務上掛かった必要経費(※1)を差し引いた所得が20万円を超えると、確定申告(※2)の義務が発生します。
このため、副業での所得を得た翌年の2月16日から3月15日までの期間には、所轄の税務署で忘れずに確定申告するようにしましょう。
副業での所得が20万円以下の場合でも、住民税(※3)に関しては別途住んでいる市区町村への届け出が必要になります。
副業は勤務先の許可を得ていることが前提ですが、もし何らかの事情で内緒にしている場合は、住民税の徴収方法を自分で納付する普通徴収(※4)にすることで、職場にバレる可能性は低くなります。
副業での確定申告に関するより詳細な情報を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※1出典:国税庁HP やさしい必要経費の知識
※2出典:国税庁HP 確定申告が必要な方
※3出典:総務省HP 個人住民税
※4出典:国税庁HP 住民税に関する事項を記入する
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今回は非常勤講師の副業について、役立つさまざまな情報をお伝えしました。
公立・私立など職場の属性により若干の制約はありますが、仕事内容をきちんと選んで、自治体や学校の許可さえ取れば活躍できる副業があることがお分かりいただけたかと思います。
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