人事ノウハウ

採用コンテンツは、企業にとって自社の魅力を伝え、適した人材とつながるために欠かせない戦略的な情報発信手段といえるでしょう。優れた採用コンテンツは、正社員だけでなく、副業人材の獲得にも大いに役立ちます。

本記事では、採用コンテンツの種類や作成時のポイントなど、企業が知っておくべき情報を分かりやすくまとめています。

採用コンテンツとは

採用コンテンツとは、企業の採用活動における募集要項だけでなく、「自社の魅力や強み」「はたらき方や環境」などを求職者へ発信するための情報や素材の総称です。

求職者にとって採用コンテンツは、求人票だけでは得られないさまざまな情報を視覚や感覚を通じて得られるため、応募への強い後押しとなります。

さらに、「仕事内容やキャリアパス」「カルチャー」「社員の声」が採用コンテンツを通じて伝わることで、採用のミスマッチを回避できるでしょう。

採用コンテンツの種類

採用コンテンツには、以下に示す10種類が含まれます。

社員インタビュー記事・動画

採用コンテンツの代表的な種類として、自社社員へのインタビュー記事や動画が挙げられます。実際にはたらく社員の声を届けることで、求人票だけでは伝わりにくい“自社のリアルな雰囲気”を求職者に示すことができます。

特に動画の場合は、社員の表情や声のトーンが臨場感を与え、求職者がはたらく姿をより具体的にイメージできるでしょう。また、業務上で大変なことや成長機会も社員の声を通じて伝わるため、入社後のギャップ解消につながります。

会社紹介動画・採用ムービー

会社紹介動画や採用ムービーは、テキストや画像だけでは伝わりにくい社内の雰囲気や社員のはたらく様子を、映像や音声を通じて表現できる手段です。

映像や音声は文字よりも記憶に残りやすく、自社の個性や強みを効果的に示すことができます。その結果、求職者の応募意欲を高められるでしょう。

1日の仕事スケジュール紹介

募集職種やポジションの業務内容に加えて、1日の仕事スケジュール例を紹介すると、求職者が自らのはたらく姿をイメージしやすくなります。

また、「資料作成や電話応対など内勤業務の比重」「外出の頻度」といった具体的な点を理解しやすくなるため、応募への後押しとなるでしょう。

オフィス紹介

自社オフィスの紹介は、広さや設備環境だけでなく、清潔感なども伝えることができます。求職者にとって“実際にはたらく姿”をイメージしやすくなるため、有効な採用コンテンツです。

また、オフィスの様子を紹介することで、自社の透明性や誠実さ、さらにはオープンな印象を求職者に与えられます。同時に、開放的なオフィス環境など、自社ならではのカルチャーをアピールすることも可能です。

内定者・新入社員の声

経営層や先輩社員の声は、求職者にとって有益な採用コンテンツです。ただし、より効果的なのは、自分と同じ立場にある内定者や新入社員の声だといえるでしょう。

新たな環境に挑戦するうえで抱く期待や不安は、多くの場合共通しています。不安があっても、入社後に活躍できる環境であることが示されれば、求職者にとって大きな安心材料となります。

社内イベント・制度紹介

忘年会やサークル活動、資格取得支援や表彰制度などを紹介することで、求職者は自社のカルチャーを直感的に理解できるようになります。

社内イベントが多い会社であれば、フラットで風通しが良く、チームワークを重視する組織という印象を与えられるでしょう。また、多様な制度の紹介は、はたらきやすさや安心感を伝えることにつながります。

経営者・人事からのメッセージ

採用コンテンツとして、経営者や人事からのメッセージを発信することで、自社の方向性や信頼性、さらには社員に対する姿勢を効果的にアピールできます。

企業の上層部による「どのような人材を求めているか」「社員へどのように接し、支援していくか」という人材観は、求職者へダイレクトに伝わるため、自身の価値観とのすり合わせもしやすくなるでしょう。

Q&A・よくある質問（FAQ）

自社の採用サイトやパンフレットに、Q&Aやよくある質問を採用コンテンツとして掲載すれば、求職者は事前に疑問点や不安を解消できます。

たとえば、自社の募集職種やポジションについて、経験や卒業学部に関するQ&Aを網羅することで、応募へのハードルを下げる効果が期待できます。

募集職種ごとの業務内容紹介

募集職種名だけでなく、具体的な業務内容を紹介することは、採用コンテンツにおいてミスマッチの回避や応募意欲の向上に大いに役立ちます。

1日の流れに加えて、たとえば資料作成であれば「資料の種類」「使用フォーマット」「業務上の比重」などを明記すると、求職者が自身のスキルレベルと照らし合わせて理解しやすくなります。

カルチャー紹介（ミッション・バリュー等）

自社のミッションやバリューといったカルチャー紹介を通じて、求職者は自身の価値観や希望するはたらき方とのマッチング度を確認できるでしょう。

自社カルチャーの紹介は、共感層の獲得だけでなく、企業ブランディングの強化にも貢献します。また、カルチャーフィットする求職者は、採用後もモチベーションを維持しやすく、定着率の向上につながります。

採用コンテンツ作成のポイント

採用コンテンツは、以下に挙げる4つのポイントを意識して作成することで、より効果を発揮します。

実際の社員や職場環境をリアルに伝える

採用コンテンツにおいて、実際に活躍する社員や職場環境を具体的に伝えることは、求職者の不安を解消し、入社後のギャップ回避において有効です。

より効果的に伝えるには、写真や動画は演出を控え、普段通りのオフィス風景や打ち合わせの様子を撮影すると良いでしょう。社員インタビューにおいては、入社のきっかけや乗り越えた困難など、具体的なエピソードを盛り込むことをおすすめします。

ビジュアル（写真・動画）を活用して臨場感を出す

採用コンテンツでは、文字だけでなく写真や動画を活用することで、臨場感を与えられます。

重要なのは、“過度に作り込み過ぎない”ことです。日常の職場の空気感や社員の雰囲気が自然に伝わるよう工夫しましょう。あえて編集を加えない動画などは、かえってリアルで親しみやすい印象を与えます。

求職者の不安や疑問に先回りして応える

求職者の不安や疑問を放置すると、応募意欲の低下に直結します。採用サイトやパンフレットにQ＆Aを盛り込んでおけば、不安解消とともに入社後のギャップ防止にもつながるでしょう。

さらに、求職者の不安や疑問に企業が誠実に答える姿勢は、自社の透明性や信頼性をアピールする要素となり、企業ブランディングの向上にも寄与します。

エンゲージメントを意識したストーリーテリングを取り入れる

自社の実績や制度を数値化して示すことは効果的ですが、さらにエンゲージメントを高めるには、感情に訴えるストーリーテリングが有効です。

実績紹介においては、単なる結果の説明ではなく「どのような背景があり、社員がどのように行動して成果を得たのか」といった流れをストーリー仕立てにしましょう。求職者が自身と重ね合わせやすい人物像を設定することで、共感を得やすくなります。

御社の業務に副業社員を検討してみませんか？

今回は、採用コンテンツについて、種類はもちろん、より効果を高められる作成時のポイントなど、実務に役立つ情報をお伝えしました。

もし御社が効果的な採用コンテンツの作成に課題を抱えている場合は、その一連の業務を経験豊富な副業社員に任せてみることも、賢明な選択となるでしょう。

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