
デザイナー採用は難しい?成功ポイントや見極めのコツを解説
自社サービスや製品におけるユーザー体験の向上には、デザイナーの存在が欠かせません。
近年では、デザインを副業として収入を得る人材が増えつつあります。企業がデザイナーを採用する際には、自社の待遇や環境整備に加え、多角的な観点からスキルを見極めなければ、採用の成功は難しいといえるでしょう。
本記事ではデザイナー採用について、難しいとされる理由や成功のポイントに加え、新卒や中途で採用する場合のメリット・デメリットについても解説します。
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デザイナー採用が難しいと言われる理由
デザイナー採用が難しいとされる理由は、以下の5つの要因や状況によるものです。これらの理由を理解することが、効果的な採用戦略を立てる第一歩となります。
即戦力を求める企業が多く、競争が激化している
デザイナーには、入社直後からプロジェクトに参画できる即戦力が求められます。特にWebやUI/UXの分野においては、その傾向が顕著です。
しかし、デザイナーの需要は高い一方で、経験豊富な即戦力人材は限られているため、企業間の採用競争が激化しているのが現状です。
評価基準が属人的で、判断が分かれやすい
デザインは数値で明確に測定しにくい分野です。「良いデザイン」という評価基準は、採用担当者や経営層、現場デザイナーによって異なるため、判断が分かれやすいといえます。
さらに、デザイナーにはデザイン力のみならず、ユーザー理解やコミュニケーション能力といった多面的なスキルが求められるため、客観的な採用基準を設けることは容易ではありません。このため、採用における判断が関係者の主観や感覚に依存しやすい傾向にあります。
ポートフォリオや過去実績だけで適性を判断しづらい
提出されたポートフォリオの作品が、必ずしも応募者自身のスキルやアイデアによって完成されたものとは限りません。また、過去の実績に関しても、再現性のあるスキルかどうかを判断することは困難です。
さらに、デザイン業界は変化が速く、常に最新のトレンドを理解し、対応できる人材かどうかはポートフォリオや実績だけでは測りきれません。そのため、自社で今後活躍できる可能性や、チームへの適性までを十分に判断できない場合があります。
待遇・環境・成長機会へのこだわりが強い候補者が多い
デザイナーは需要が高く、複数の企業から引き合いがあるため、一定以上の待遇や勤務条件を求める傾向があります。
また、候補者は単なるデザイン業務にとどまらず、「はたらきやすさ」や「成長できる環境」に強くこだわる傾向があります。必要な環境が整備されていない企業の場合、デザイナー採用はさらに難しくなるでしょう。
リモートや副業との相性がよく、独立志向の人も多い
デザイナーは、PCとツールがあれば場所を問わず対応できる職種です。企業からの副業案件も豊富であり、一定のスキルを持つ人材であれば、副業のみで生計を立てられる場合もあります。
さらに、個人で仕事を獲得しやすいという特性上、将来的にフリーランスや起業など、独立を目指す人も少なくありません。このため、デザイナーに自社で長く活躍してもらうことは難しい側面があるといえるでしょう。
デザイナー採用の成功のポイント
自社のデザイナー採用を成功させるためには、以下の3つのポイントを実践することが重要です。
ポートフォリオで確認したい観点を整理する
ポートフォリオで確認すべき観点を明確にしておくことは、属人的な評価を避けるだけでなく、デザイナー採用の成功率を高めるうえで重要な取り組みといえるでしょう。
観点を整理する際に大切なのは、デザイン力に加えて「課題や役割への理解力」や「プロセスの可視化」など、業務に必要なスキル基準を定義しておくことです。
デザイナー自身が採用プロセスに関与する
デザイナーを採用する際は、採用担当者や経営層だけでなく、現場のデザイナーを必ず採用プロセスに参加させることが、成功のポイントとなります。
デザイナーが採用に関与することで、候補者の「デザイン力」「UX/UIに対する考え方」「使用ツールへの習熟度」などを、専門的な視点から見極めることが可能になるでしょう。
制作物だけでなく、思考プロセスを評価する質問を行う
候補者が提出するポートフォリオは、あくまで制作物の紹介に過ぎません。今後自社で活躍できる人材を見極めるには、制作に至るまでの過程、すなわち「課題をどのように捉え、どのように解決に導いたか」というプロセスを重視する必要があります。
デザインの本質は見た目の美しさではなく、いかにユーザーの課題を解決するかにあります。思考プロセスに関する質問を通じて、候補者のユーザー理解や情報整理力、論理的思考力を把握できるでしょう。
デザイナー採用は中途と新卒どちらがいい?
自社でデザイナーを採用する際、「中途」か「新卒」のどちらが適しているかは、募集ポジションや求める役割によって異なります。
以下では、デザイナー採用時における「中途」と「新卒」それぞれのメリット・デメリットを示します。
中途採用のメリットデメリット
中途を対象にデザイナー採用を行う場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | ・即戦力としての活躍が期待できるため、育成コストや現場の負担が少ない ・最新トレンドや他社のノウハウを取り入れやすい |
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デメリット | ・スキルの高い人材は企業間での競争が激しい ・価値観やこだわりなどの違いにより、自社文化や業務プロセスに適合できない可能性がある |
新卒採用のメリットデメリット
新卒を対象にデザイナー採用を行う場合、次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | ・実務経験がないため、前職のやり方に固執しない ・柔軟性が高く、自社のスタイルを吸収しやすいため、長期的な育成が可能である |
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デメリット | ・入社直後の段階では活躍を見込めない ・育成コストがかかり、現場の負担が大きい |
デザイナーのスキルの見極めポイント
デザイナーのスキルを見極めるためには、以下に挙げる6つのポイントに注目することが重要です。
ツール使用スキル
デザイナーは業務上、さまざまなツールを扱います。ツールの使用スキルは、実務での効率や生産性に直結し、制作スピードや成果物の質に大きく影響します。
最新ツールやトレンドへの理解に加えて、「ツールごとの使用経験年数や習熟度」「実務での使用事例」「効率的な作業方法への理解」などを確認しましょう。また、再現性の高い成果物を安定して制作できるかどうかを見極めることも重要です。
UI設計・UX改善の実務経験
UI設計やUX改善に関する実務経験は、ユーザーが抱える課題を把握し、解決に導く設計を行える能力の証左となります。
これらの経験については、ポートフォリオや実績の提示だけでなく、過去のプロジェクトにおいて候補者がどのような役割を担い、どのようなプロセスを経て成果に至ったのかを確認することが必要です。
課題に対する提案力・柔軟な対応力
デザイナーは、デザイン性に優れた設計ができるだけでは務まりません。ユーザーの課題やプロジェクトの目的を踏まえ、自ら最善策を提案する力が求められます。
さらに、プロジェクトでは頻繁に要件や制約の変更が発生します。そのたびにチームや他職種と柔軟に調整を行い、ユーザー体験やブランドに影響を与えないよう、デザインを最適化することも重要です。
デザインに対するフィードバック耐性と受け止め方
デザインはクライアントだけでなく、チーム内の意見によっても変更を余儀なくされる場合があります。
フィードバックには否定的な意見も含まれるため、耐性がなければ修正や改善に時間がかかり、プロジェクト全体の効率が低下してしまいます。
自分の考えに固執せず、フィードバックを前向きかつ柔軟に受け止められる人材は、短期間で成果を上げられるうえ、プロジェクトの質を高めることができるでしょう。
開発チームやPMとの連携経験・ワークフロー理解
プロジェクトは、デザイナー単独の作業で完結するものではありません。エンジニアやPMとの協働が前提となるため、候補者に連携経験があるかどうかは重要な確認項目です。
デザイナーが開発チームやPMとの連携を通じて、プロセスや技術的制約を理解していれば、再現性の高い効率的なデザイン提案が可能です。また、ワークフローやタスク管理に関する理解も、チーム内での円滑な作業に直結します。
ブランドへの理解とビジュアル面の一貫性意識
デザインにおいて、ロゴやカラー、フォントなどのトーンやマナーに統一性が欠けると、ユーザーに違和感を与えるおそれがあります。
ビジュアル面の統一は、UXの質を向上させるために欠かせない要素です。ブランドに対する正しい理解と、一貫性のあるUI、サイト広告、アプリの設計は、ユーザーからの信頼性や認知度の向上に直結します。
御社の業務に副業社員を検討してみませんか?
本記事では、難しいとされるデザイナー採用について、理由や成功のポイントに加え、新卒や中途で採用する場合のメリット・デメリットなどを解説しました。
デザイナー採用だけでなく、リソースやノウハウが不足する業務に対し、副業社員の力を活用して効率化を図ることも有効な方法といえるでしょう。
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