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副業ノウハウ

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再雇用制度とは?導入のメリットや流れ、注意点を解説

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定年や退職後も再びはたらき続けたい人材に対して、雇用の機会を提供する再雇用制度。定年退職者の生活を安定させるだけでなく、次世代への知識継承が可能なため、自社技術やノウハウも維持されます。

また、再雇用制度と副業の両立により社会参加の場を見出して、より豊かで充実した日々を送る方も増えるなど、労働者と企業双方にメリットのある制度といえるでしょう。

今回は、定年退職者に対する再雇用制度導入を検討される企業に向けて、導入の流れや注意点などを詳しく解説していきます。

再雇用制度とは

再雇用制度とは勤務延長制度と並ぶ、継続雇用制度の1つです。この制度には以下の通り大きく分けて2種類あり、対象となる人材に違いがあります。

定年後再雇用制度 定年を迎えた従業員と再び雇用契約を結び、継続してはたらいてもらう
再雇用制度 妊娠や出産、育児などによる退職者を在籍していた企業が改めて雇用する

いずれも、対象となる人材へ新たな労働条件などを提示して、再び会社に雇い入れます。今回は以下の項目でも、定年後再雇用制度にフォーカスして解説していきます。

再雇用制度と勤務延長制度の違い

再雇用制度と勤務延長制度の最大の違いは、新たな条件で雇用契約が結ばれるかどうかにあります。

定年で一旦退職を迎えた人材に対して、ポジションや給与などを新たに定めて雇用契約を結ぶのが再雇用制度です。

一方、勤務延長制度は、定年後もそのままのポジションや給与で雇用されます。このため、定年の延長と捉えてもよいでしょう。

再雇用制度導入のメリット

企業が再雇用制度を導入した場合、以下に挙げる3つのメリットが得られます。

人手不足の解消

労働人口の減少により、さまざまな業界や業種で人手不足が深刻化しています。企業が再雇用制度を導入することで、定年後も引き続き優秀な人材を活用できるため、人手不足の解消につながるでしょう。

また、熟練の技術を要する仕事の場合、経験値の高い人材が継続して業務にあたるため、自社に技術とノウハウが継承されるメリットがあります。

給与水準を下げられる

再雇用制度は、定年を迎えた従業員に新しい労働条件を提示して雇用契約を結び直すため、定年前の給与より水準を下げることが可能になります。

また、企業にとっては新たな人材の獲得や育成をする必要がなく、採用や人材教育面でのコストが大幅に削減できる点もメリットといえるでしょう。

企業価値が向上する

再雇用制度を導入している企業は、若年層だけでなく、多様な年齢層の人材が活躍できる環境が整備されているという何よりの証拠となります。

これより企業のイメージアップだけでなく、「年齢関係なく人を大切にする会社」という印象を与えることで優秀な人材が集まりやすくなり、企業価値の向上も期待できるでしょう。

再雇用制度導入の流れ

再雇用制度を導入するには、以下に挙げる4つのステップを踏む必要があります。

継続雇用の意思確認

再雇用制度の対象者は、原則として定年退職を迎える従業員のうち、再雇用を希望する旨を回答した方全員です。

この際、再雇用を希望しなかったり、再雇用の条件が希望条件と合わなかったりするなどの理由で、再雇用に至らなかった方には、退職手続きを進めて定年退職の扱いになります。

対象者との面談

対象者との意思確認が完了した後は、再雇用希望者との個別面談を行いましょう。その際、再雇用に関する以下の条件を提示して、内容を説明します。

  • 雇用形態
  • 仕事内容
  • 契約期間
  • 給与・賞与・各種手当
  • 有給休暇

定年前の条件と変更がある場合は、とくに丁寧に説明を行い、お互いの認識にズレが生じないようにすることが肝心です。

各内容の詳細については、下記「再雇用制度導入時に確認しておくべきポイント・注意点」を参照してください。

雇用条件の確定

再雇用の条件に双方が合意して再雇用が確定したら、企業側は雇用契約書の準備をはじめ、雇用契約の手続きを開始します。

再雇用者は一旦退職扱いとなるため、退職届を提出してもらいましょう。また、自社に退職金制度がある場合は、支給の手続きも同時に着手します。

社会保険等の手続き

定年後の再雇用は、退職後から1日も空くことなくそのまま継続雇用されることがほとんどです。この場合、健康保険や厚生年金などの社会保険の資格を一旦喪失して脱退する同日得喪(※1)の手続きが必要になります。

再雇用では定年前と勤務条件が変更になり、給与も減額されるケースがほとんどです。このため、手続きを行わないと、賃金に応じた社会保険料を給与が変わってから3ヶ月後の随時改定の時期まで払い続けなければなりません。

事業主が再雇用者の「厚生年金保険等の被保険者資格喪失届」(※2)と「被保険者資格取得届」(※3)を同時に年金事務所へ提出すると、再雇用の月から再雇用後の給与に応じた標準報酬月額の決定が可能になります。

※出典1:日本年金機構HP 60歳以上の厚生年金の被保険者が退職し、継続して再雇用される場合、どのような手続きが必要ですか。
※出典2:日本年金機構HP 厚生年金保険等の被保険者資格喪失届
※出典3:日本年金機構HP 被保険者資格取得届

再雇用制度導入時に確認しておくべきポイント・注意点

企業が再雇用制度を導入する場合、以下に挙げる6つのポイントや注意点があることを理解して、きちんと対応しておきましょう。

雇用形態

従業員が定年前に正社員であった場合、再雇用時には嘱託社員や契約社員など、正社員以外の雇用形態で雇い入れるケースが多くなります。

ただし、雇用形態が変更になったとしても、再雇用前の労働条件と大きな差異がないよう配慮することが重要です。

仕事内容

再雇用の場合、定年前に従業員が従事していた仕事内容を引き続き任せることがほとんどです。
これは、再雇用制度が定年までに築き上げた従業員の経験や、知識を継続して活かしてもらう趣旨によるものです。

定年前は事務職に従事していた労働者に再雇用後は清掃職を担当させるなど、過去に慰謝料が認められた事案(※1)もあります。

このため、労働者の定年後と再雇用後において、あまりにかけ離れた業務を担当させることは避けておきましょう。

※出典1:名古屋高等裁判所判決言渡 乙事件(被控訴人【A】に対する請求(名古屋高判平成28年9月28日労判1146-22))

契約期間

再雇用されて嘱託社員や契約社員になった従業員の場合、更新は1年ごとに行われるケースがほとんどです。

有期労働契約者の雇用が通算5年を超えた場合、期間の定めのない無期転換ルール(※1)が発生するため、注意しなければなりません。

原則として無期転換ルールは、上記の条件をクリアした労働者が雇用される企業に無期転換を申し込んだ場合、企業側はその申し込みを受け入れる義務があります。

ただし、定年退職後に継続雇用された労働者に関しては、特例(※2)として無期転換申し込みの権利が発生しない場合もあり、特例を適用するには都道府県の労働局長の認定が必要です。

※出典1:厚生労働省HP 有期契約労働者の無期転換サイト
※出典2:厚生労働省HP 無期転換ルールの継続雇用の高齢者に関する特例について

給与や賞与

再雇用となる従業員の給与や賞与については、以下のポイントに基づき再設定する必要があります。

  • 給与体系:年俸制や月給制、時給制など、雇用体系に応じて設定
  • 給与水準:定年前より下がることが一般的だが、業務内容などを考慮して設定
  • 賞与:支給する場合は支給時期や算定基準を明確にする

各種手当

給与や賞与と同様に、業務内容やポジションに合わせて変更します。役職や通勤地が変更になった場合は、役職手当や通勤手当などの支給額を改めて設定しなければなりません。

ただし、従業員のモチベーションを維持するためにも、再雇用後の業務内容や職責などに合わせた公平で柔軟な設定の見直しをしましょう。

有給休暇

有給休暇の付与日数は、労働基準法により定められていますが、定年時に残っていた再雇用者の有給休暇はそのまま引き継がれます。

これは、労働基準法第115条(※1)の有給休暇の時効によるもので、定年前に付与された有給休暇の場合でも、付与から2年間は取得可能なためです。

※出典1:厚生労働省HP 【リーフレットシリーズ労基法39条】年次有給休暇に関するQ&A

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