人事ノウハウ

ベンチャー企業は、新たなアイデアや技術に挑戦し、イノベーションの担い手ともいえる存在です。また、ベンチャー企業においては、即戦力となる副業人材が非常に活躍しやすい環境であるといえるでしょう。

本記事では、ベンチャー企業で活躍する人材の特徴を紹介するだけでなく、人材育成が重要とされる理由や、その具体的な方法についても詳しく解説いたします。

ベンチャー企業で活躍する人材の特徴

ベンチャー企業で活躍する人材の特徴として、以下に挙げる8つの共通点があります。

自ら考え、行動できる主体性がある

既存の枠組みにとらわれず、新たな事業やジャンルに挑戦することがベンチャー企業の特徴です。前例やマニュアルが整備されていない環境下では、受け身の姿勢ではビジネスとして成り立ちません。

そのため、ベンチャー企業では、「まず何をすれば成果に結びつくか」を自ら仮説を立てて考え、行動できる主体性のある人材が活躍することが期待されます。

変化や不確実性に柔軟に対応できる

ベンチャー企業は、日々移り変わるビジネス市場に対し、スピード感を持って対応していかなければなりません。

このため、ベンチャー企業では常に先回りして行動できる人材が求められており、思いがけない状況や変化にも柔軟に対応できるタイプであれば、強みを発揮して活躍できるでしょう。

新しいことに積極的に挑戦するチャレンジ精神がある

新規事業をはじめ、未知の市場に取り組むのがベンチャー企業にとって日常的な活動です。このため、変化を恐れず、新たなことに前向きにチャレンジできる人材であれば、企業の成長を牽引する存在として活躍できるでしょう。

また、常に積極的に行動し、前向きに挑戦をする人材は、失敗からも学びを得ることができるため、成長スピードが速い傾向にあります。

業務範囲にとらわれず、多様な役割を担える柔軟性がある

大企業では、業務が部署ごとに細分化されているのが一般的です。一方で、ベンチャー企業では、限られたリソースのなかでさまざまな業務を担う必要があります。

このため、業務範囲にとらわれず、マルチな役割を担える柔軟性を備えた人材は、状況に応じて自身の役割を変化させながら活躍することができるでしょう。また、幅広い業務経験を通じて視野が広がり、本質的な課題の発見や解決にもつながります。

学習意欲が高く、自己成長に積極的

ベンチャー企業では、必ずしも研修やマニュアルが整っているとは限りません。そのような環境においても、自ら積極的に学び、実践に活かす姿勢が求められます。

自ら積極的に学んでいく学習意欲の高い人材は、たとえ困難な状況に直面した際にも、「自己成長の機会」と捉え、前向きに取り組むことができるでしょう。

スピード感を持って意思決定・行動できる

ベンチャー企業が取り組む市場は、常に変化しています。このため、意思決定や行動にスピード感が欠けていると、ビジネスチャンスを逃しかねません。

また、良いアイデアがひらめいたとしても、いち早く実行に移さなければ、競合他社が先に着手してしまうケースも少なくありません。迅速に意思決定や行動ができる人材であれば、早期の成功をつかむことができるでしょう。

チームとの連携を大切にし、オープンなコミュニケーションができる

ベンチャー企業は、少人数の組織であることがほとんどです。このため、限られた人員での協力関係が成果に直結するといっても過言ではありません。

オープンなコミュニケーションができる人材であれば、チームとの連携を大切にしながら密なやりとりを行うことで、組織全体のパフォーマンス向上に貢献できるでしょう。

会社のビジョンやミッションに強く共感している

ベンチャー企業は、新規事業など未知のジャンルやサービスに挑戦するビジネスモデルであるため、安定した成果が出にくく、時には想定外のトラブルに見舞われる場合もあります。

こうした環境の中でも、企業のビジョンやミッションに強く共感している人材は、「自社ではたらく目的と果たすべき役割」を明確に理解しています。このため、根気強く困難な局面を乗り越えることが可能です。

ベンチャー企業で人材育成が重要な理由

ベンチャー企業にとって人材育成が重要な理由は、以下に挙げる5つの状況に起因しています。

一人ひとりの成長が事業成長に直結する

ベンチャー企業は、少人数の組織である場合が多く、各社員のパフォーマンスがそのまま事業成長に直結します。一人ひとりの成長は、すなわち組織全体の成長ともいえるでしょう。

さらに、大手企業に比べて採用力が高くない傾向があるため、社員の育成によって人材力の確保を補完し、組織の持続的な成長を支える必要があります。

即戦力採用だけでは限界がある

ベンチャー企業が求めるスキルセットや価値観を備えた即戦力人材は、採用市場でも非常にニーズが高く、獲得は容易ではありません。

仮にハイスキル人材の採用に成功したとしても、ベンチャー企業の風土と合わなければ、早期離職という結果を招きかねません。そのため、人材育成を前提とした採用活動を行うことで、組織や状況の変化に柔軟に対応しながら成長を促すことが可能です。

若手人材が多く、継続的なスキルアップ支援が定着率向上につながる

ベンチャー企業の主力を担うのは、比較的若手の人材であることが多く、業務を通じて成長した実感が得られない場合、離職の大きな要因となります。

適切な指導やフィードバックはもちろん、自社カルチャーの浸透を含む継続的なスキルアップ支援を行うことで、定着率の向上だけでなく、企業と社員の価値観の共創にもつながるでしょう。

組織の成長フェーズに応じて、役割やスキルが常に変化する

ベンチャー企業は、組織の立ち上げに始まり、事業拡大から成熟期へと、成長フェーズが急速に移り変わっていきます。

そのため、フェーズごとに求められる役割やスキルも変わっていくことから、変化に応じて柔軟に対応できる人材育成の仕組みとマインドセットが欠かせません。

教育文化が育つことで、社内にノウハウや価値観が蓄積される

ベンチャー企業では、社員一人ひとりの現場経験や成功体験が、成果に大きな影響を与えます。ただし、個々の経験だけに依存するのではなく、人材育成などの仕組みを整えることで、社内にノウハウと価値観を着実に蓄積することができます。

教育文化が根付くことにより、スキルの向上だけでなく、自社が大切にしたい価値観や姿勢も共有・継承されます。こうした蓄積により「人を育てる環境」が整うため、継続的な人材育成が可能となるでしょう。

ベンチャー企業における人材育成の方法・ポイント

ベンチャー企業における人材育成の方法は、以下に挙げる7つのポイントに注力することで、効果的かつスムーズに進めることができます。

実務を通じた学びの機会を提供する

スピード感と高い現場適応力が求められるベンチャー企業においては、実務を通じた学びが最も効果的です。状況判断や調整力、突発的なトラブルへの対応などは、マニュアルだけでは習得できません。

このような学びを効果的に提供するには、現状の任務よりもやや難易度の高い業務を任せてみるのが有効です。社員の当事者意識が高まり、主体的な学びにつながるだけでなく、成長スピードの加速も期待できます。

フィードバックの頻度を高め、日常的に成長を促す文化をつくる

ベンチャー企業のように、成果へ向けたスピード感が求められる環境では、社員が成長するタイミングを逃さず、都度フィードバックを行うことが重要です。

フィードバックの頻度が高まることで、社員自身が改善すべき点を迅速に把握でき、すぐに行動へ移せるようになります。その結果、成長スピードが向上し、自走力（自ら考え動く力）を養うことが可能になります。

自主学習を支援する仕組みを整える

ベンチャー企業においては、会社主導の教育体制だけでは限界があります。このため、社員一人ひとりが自主的に学び続けられる環境の整備が求められます。

たとえば、学習費用や書籍購入への補助制度、業務時間内の学習時間の確保など、社員の自主学習を支援する制度を導入することで、自然と学びのきっかけが生まれるでしょう。

キャリア意識や課題を明確化する

ベンチャー企業を取り巻く環境は、目まぐるしく変化します。そうした変化に対応しながら成長できる社員を育てるには、「どのようなキャリアを築き、そのためにどう行動するか」といった意識や課題を明確化することが重要です。

このため、キャリアに焦点を当てた1on1や、キャリアの棚卸しワークなどを定期的に実施しましょう。自身のキャリア意識や課題が明確になれば、方向性が定まり、目的のある行動や学びにつながります。

役職や年次に関わらず、挑戦の機会を与える

ベンチャー企業では、社員の役職や年次に関わらず、早い段階で裁量を与えることが大切です。挑戦できる機会が多いほど、成長スピードも加速していきます。

多少難易度の高い業務でも、実際に挑戦することで、知識はもちろん、思考力や判断力も身につくでしょう。また、成功体験に限らず、失敗も貴重な成長の糧となります。

組織のバリューや行動指針を明文化し、育成の軸を共有する

ベンチャー企業に限らず、「どのような価値観を持って、どう人を育てていくか」に関する明確な基準がなければ、人材育成はうまく機能しません。

育てる人物像が明確に統一されていることで、人材育成における評価のばらつきや属人化を防ぐことができます。また、一貫性のある育成体制により、社員の定着率向上にもつながります。

ロールモデルとなる社員の育成とナレッジ共有を推進する

ベンチャー企業においては、身近な人や実体験から学びを得る文化づくりが有効です。ロールモデルとなる社員を育成することで、制度やマニュアル以上に具体的でリアルな「目指すべき社員像」を提示できます。

さらに、ロールモデルの行動や価値観をナレッジとして共有することで、自社文化の明文化と継承が容易になります。あわせて、ロールモデルにトレーナーとしての役割を与えることで、教える側と学ぶ側の双方の成長も促進することができます。

御社の業務に副業社員を検討してみませんか？

今回は、ベンチャー企業で活躍が期待できる人材の特徴や、人材育成が重要な理由など、役立つ情報をお届けしました。

また、企業間での採用競争が激化する昨今、ベンチャー企業でも副業社員を活用したハイブリッド型組織への関心が高まっており、副業マッチングプラットフォームへの注目も集まっています。

御社の業務において即戦力となる優秀な副業社員をお探しなら、副業人材マッチングサービスの「lotsful」のご利用をぜひご検討ください。

「lotsful」なら、コストと工数を抑えながら、ご希望に合った人材とのマッチングがスムーズに実現できます。リソースやノウハウ不足のお悩みを解決するなら、ぜひ一度「lotsful」へご相談ください！