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トライアル雇用とは?メリットデメリットや助成金の申請手順まとめ

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求職者を一定期間試行雇用し、企業と求職者双方が本採用前に適性などを見極められるトライアル雇用は、就職困難者だけでなく副業を行う方のリスク軽減とスキルアピールの場にもなります。

また、企業側もトライアル雇用を行うと助成金が支給される場合があるため、非常にメリットのある制度といえるでしょう。

今回は、トライアル雇用を検討される企業に向けて、メリットやデメリットをはじめ、助成金申請に関する手順まで詳しく解説していきます。

トライアル雇用とは

トライアル雇用(※1)とは、職業経験の不足や長期間のブランクなどにより就職が困難な方を対象に、原則3ヶ月間の試行雇用を通じて業務適性や能力を判断し、無期雇用へ移行する制度です。

求職者と事業主がお互いを理解したうえで本採用へと進められるため、入社後のミスマッチが起こりにくい点がメリットといえるでしょう。

また、事業主にとっては、ハローワークや職業紹介事業者からの紹介でトライアル雇用を実施して一定の要件(※2)を満たした場合、トライアル雇用助成金(※3)が支給されます。

※出典1:厚生労働省HP トライアル雇用
※出典2:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)支給対象事業主要件票
※出典3:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内

トライアル雇用の種類

トライアル雇用には、「一般トライアルコース」(※1)「障害者トライアルコース」「障害者短時間トライアルコース」(※2)「若年・女性建設労働者トライアルコース」(※3)の4種類のコースがあります。

一般トライアルコース 職業経験や技能が不足している求職者が対象。一定期間試行雇用を行うことで早期就職を支援
障害者トライアルコース 障害者を対象にした試行雇用
障害者短時間トライアルコース 週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者を対象にした試行雇用
若年・女性建設労働者トライアルコース   若年者や女性の建設労働者を対象にした試行雇用

※出典1:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)のご案内
※出典2:厚生労働省HP 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
※出典3:厚生労働省HP 若年・女性建設労働者トライアルコース

トライアル雇用の対象者

トライアル雇用はすべての求職者が対象になるわけではありません。下記の表にあるとおり、4つのトライアル雇用それぞれに、年齢や就業状況などに関するさまざまな条件があります。

また、一般トライアルコース(※1)や障害者トライアルコース(※2)など、コースの種類によって、トライアル雇用実施計画書や結果報告書兼支給申請書の様式が異なるため注意しましょう。

一般トライアルコース ・紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している方
・紹介日の前日時点で、離職期間が1年を超えている方
・妊娠や出産・育児を理由に離職し紹介日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている方
・紹介日時点で、ニートやフリーター等で55歳未満の方
・紹介日時点で、就職の援助を行うにあたり、特別な配慮を要する以下の方
生活保護受給者/母子家庭の母等/父子家庭の父/日雇い労働者/季節労働者/中国残留邦人等永住帰国者/ホームレス/住居喪失不安定就労者/生活困窮者など
障害者トライアルコース 障害の原因・種類は不問。また重度知的障害者や精神障害者は下記の要件を満たさない場合でも対象となる
・紹介日時点で、就労経験のない職業への就業を希望
・紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返していること
・紹介日の前日時点で、離職期間が6ヶ月を超えていること
障害者短時間トライアル
コース
精神障害者または、発達障害者が対象
・ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介による雇い入れであること
・3ヶ月~12ヶ月間の短時間トライアル雇用をすること
若年・女性建設労働者
トライアルコース
・トライアル雇用の開始日時点で35歳未満の方、または女性
・主として建設工事現場での現場作業(左官、大工、鉄筋工、配管工など)に従事する方または施工管理を行う方(設計、測量、経理、営業などの従事者は非対象)

※出典1:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
※出典2:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請様式

試用期間との違い

トライアル雇用と試用期間の最大の違いは、本採用に関する義務と助成金の有無です。トライアル雇用には原則として3ヶ月の試行期間があります。

これは業務適性や能力を見極めるための制度であり、期間満了後に本採用の義務はありません。また、対象者は年齢や就業状況などの条件があるのも特徴です。

事業主はハローワークや民間の職業紹介事業所などから該当者の紹介を受けることをはじめ、一定の要件を満たせば、国から助成金が支給されます。

一方、試用期間は雇用条件として提示される学歴や所有資格などを除いて対象制限はなく、期間も1年以内であれば事業主が自由に設定できます。

試用期間は原則として無期雇用を前提としているため、期間満了後に適性や能力不足などの明確な理由がない限り、事業主には雇用継続の義務があります。

また、トライアル期間と同様、新たな従業員となる人材の業務適性や能力を見極める期間ではありますが、助成金の対象にはなりません。

トライアル雇用助成金とは

求職者の早期就職の実現や雇用機会の創出を目的に、職業経験不足をはじめとする就職困難者を一定期間試行雇用した事業主が受給できる助成金が、トライアル雇用助成金です。

ただし、事業主が助成金を受給するにはトライアル雇用求人であることが前提で、以下をはじめとするさまざまな要件(※1)をクリアしていなければなりません。

  • 事業主が雇用保険事業的要所であること
  • 求職者がハローワークや職業紹介事業者から紹介されること
  • 試行雇用期間中は無期雇用を前提とすること
  • 週30時間以上の所定労働時間を確保すること  など

※出典1:厚生労働省HP 助成金共通要件

支給額

トライアル雇用助成金は、いずれのコースも労働者1人あたり月額最大4万円が最長3ヶ月間支給されます。ただし、一定の条件(※1・2・3)により、増額や減額されるため、詳細は下記「増額条件」「減額条件」それぞれの項目を参考にしてください。

一般トライアルコース 月額最大4万円/人(最長3ヶ月間)
障害者トライアルコース 月額最大4万円/人(最長3ヶ月間)
※精神障害者を雇用する場合は月額最大8万円(最長12ヶ月間)
障害者短時間トライアルコース 月額最大4万円/人(最長3ヶ月間)
若年・女性建設労働者トライアルコース 月額最大4万円/人(最長3ヶ月間)

※出典1:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
※出典2:厚生労働省HP 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース
※出典3:厚生労働省愛知労働局HP トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)

増額条件

トライアル雇用助成金は、いずれのコースも以下の条件を満たした場合、通常の支給額より増額されます。

対象労働者が母子家庭の母
または父子家庭の父の場合
月額4万円支給のところ5万円に増額
就労日数に応じた増額 ・就労日数が予定の75%以上の場合
 月額4万円が5万円に増額
・就労日数が予定の50%以上75%未満の場合
 月額3万円が3万7,500円に増額
・就労日数が予定の25%以上50%未満の場合
 月額2万円が2万5,000円に増額
・就労日数が予定の25%未満の場合
 月額1万円が1万2,500円に増額

減額条件

トライアル雇用助成金は、いずれのコースも以下の条件に該当した場合に減額され、実際に就労した日数に基づいて支給されます。

  • トライアル雇用期間中に就労が1ヶ月に満たない月がある場合
  • 本人の都合による休暇または事業主の都合による休業があった場合

トライアル雇用助成金の申請手順

トライアル雇用助成金を受給するには、以下の8つのステップを踏んで申請する必要があります。

また、一般トライアルコース(※1)や障害者トライアルコース(※2)など、コースの種類によって、トライアル雇用実施計画書や結果報告書兼支給申請書の様式が異なるため注意しましょう。

1.トライアル雇用求人の申込み ハローワークにトライアル雇用求人の申込みを行う
※助成金の受給希望の旨も伝えること
2.応募者との面接 ハローワークから紹介される条件に合致した人材と面接を実施
※面接による採用可否のため、書類選考は不可
3.雇用条件の決定 採用決定後に、該当者と賃金や勤務時間などを決定
4.有期雇用契約の締結 労働条件を明記した雇用契約書を作成のうえ、締結
5.トライアル雇用開始 原則3ヶ月として雇い入れ
6.トライアル雇用実施計画書の提出 トライアル雇用開始2週間以内に、紹介のあったハローワークへ「トライアル雇用実施計画書」と雇用契約書など労働条件が確認できる書類を提出
7.トライアル雇用期間終了 常勤雇用するかどうかを判断し、常勤雇用の場合は該当者と新たに雇用契約を締結
※常勤雇用しない場合は、トライアル雇用終了予定日の30日以上前までに「雇止め予告通知書」を労働者に手渡すこと
8. 結果報告書兼支給申請書の提出 トライアル雇用終了後、2ヶ月以内に管轄のハローワークまたは労働局へ「結果報告書兼支給申請書」を提出

※出典1:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
※出典2:厚生労働省HP トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の申請様式

トライアル雇用のメリット

トライアル雇用は事業主にとって、以下に挙げる3つのメリットが得られます。

採用のミスマッチを減らせる

トライアル雇用には原則として3ヶ月の試行雇用期間が設けられます。この期間内に企業と求職者双方が業務に対する適性などを見極めることが可能です。

本採用前に向き不向きが総合的に判断できるため、入社後にお互い「こんなはずではなかった…」というミスマッチを減らせるでしょう。

助成金活用できる

企業がトライアル雇用を導入し、さまざまな要件を満たしていれば、国から助成金を受け取ることができます。

また、助成金により、採用コストが抑えられるだけなく人件費もカバーできるため、企業経営をスムーズに進めることができるでしょう。

契約解除がしやすい

トライアル雇用は本採用を義務としていないため、トライアル期間終了後に契約継続を行わなくても、契約期間満了の扱いになります。

解雇は法的リスクもあり、企業にとっては評判に悪影響を及ぼす可能性もあります。トライアル雇用における契約解除の柔軟性の高さは、企業側のデメリット軽減にもつながるでしょう。

トライアル雇用のデメリット

事業主にとって多くのメリットがある一方、トライアル雇用には、以下に挙げる3つのデメリットもあります。

助成金受給の手間がかかる

助成金を受給するには、一定の要件を満たすことに始まり、ハローワークへのトライアル雇用求人の申込みからさまざまな対応まで、いくつものステップを踏まなければなりません。

また、雇用に関する契約だけでなく、トライアル雇用開始後や期間完了後にそれぞれ書類提出の必要があり、採用担当者は時間と労力を割かねばならず、負担が増えてしまいます。

助成金受給のスケジュール管理

トライアル雇用求人の事前準備から申込み、求職者の紹介後に原則として3ヶ月間の試行雇用がスタートします。

試行雇用開始後2週間以内にトライアル雇用実施計画書や、雇用終了後の2ヶ月以内に結果報告書兼支給申請書を管轄のハローワークまたは労働局に提出しなければなりません。

それぞれ期間が決まっているため、スケジュール管理が甘く助成金が受給できなかったということにならないよう注意しましょう。

人材の教育コストがかかる

トライアル雇用に挑戦する人材は職業経験が乏しい場合も多く、通常の中途採用における即戦力人材の獲得は困難といえるでしょう。

このため、人材教育に時間と労力両面のコストをかけていかなければならず、教育担当者の負担がかなり大きくなり、本来の業務を圧迫しかねません。

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今回は、トライアル雇用を検討されている企業に向けて役立つ、さまざまな情報をお届けしました。企業と求職者双方にメリットのある制度を活用することで、企業の繁栄にもつながります。

また、トライアル雇用だけでなく、ポテンシャルのある人材の獲得に欠かせない採用業務を優秀な副業社員に任せることも、有効な手段といえるでしょう。

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