UIデザイナーを業務委託に発注する際のメリットや注意点まとめ
UIデザイナーの採用は、自社で内製化するほか、制作会社、個人事業主、あるいは副業社員に外注で業務委託する方法もあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、プロジェクトの規模や予算、求めるクオリティなどを考慮して判断しなければなりません。
この記事では、UIデザイナーを外注で業務委託する際のメリットとデメリット、報酬相場や実際の案件例などを紹介します。
UIデザイナーは採用して内製化すべき?外注で業務委託すべき?
機械やソフトウェア、WebサイトのUI(User Interface:ユーザーインターフェイス)をデザインするUIデザイナー。UIデザイナーを採用して内製化すべきか、外注すべきかは、企業規模や予算、リソースなどにより異なります。例えば、スタートアップや中小企業で、UIデザイナーの育成に予算や人的リソースを割くのが難しい場合は、即戦力として活躍してもらえる社外のプロフェッショナルに外注するのも一つの方法です。
一方、社外の人材に長期的に頼ることは、社内にリソースやノウハウが貯まらないデメリットもあります。そのため、人的リソースや予算に比較的余裕がある企業は、社内でUIデザインのプロを育成し、中長期的に自社の資産となるような選択肢をとるのが理想的です。
UIデザイナーを外注で業務委託するメリット
ここからは、UIデザイナーを外注で業務委託するメリットを3点紹介します。
プロジェクトベースで契約できる
UIデザイナーを外注で業務委託する最大のメリットは、プロジェクトベースで契約できる点です。自社採用の場合、長期的な雇用が前提となり、雇用・育成などの人件費がかさみます。
一方、業務委託であればプロジェクトが発生したタイミングでのみ、必要な期間だけ契約できるため、人件費を大幅に抑えることが可能となります。
多様な視点が得られる
制作会社の担当者や個人事業主、副業社員のUIデザイナーをプロジェクトメンバーに採用すると、多様な視点が得られるのも魅力の1つです。
自社だけでなく、複数の企業のさまざまなプロジェクトに携わっているため、社内人材からは得られないような新たな視点から意見や提案がもらえます。他社事例を加味したアドバイスを得られることもあり、自社サービスの課題やよりよくするためのポイントが発見できるかもしれません。
最新のUIトレンドやプロの技術を利用できる
UIデザインは技術の進歩が早く、常に最新トレンドを押さえておく必要があります。実績が豊富なUIデザイナーに出会えれば、自社のリソースだけでは実現が難しい高度なデザインが叶う可能性があるでしょう。
コンセプト設計や企画、競合調査をはじめマーケティングの知見を併せ持つUIデザイナーもいるので、自社で不足している部分を補ってもらえるプロフェッショナルを探すと良いでしょう。
UIデザイナーを外注で業務委託するデメリット
ここからは逆に、UIデザイナーを社外の人材に外注するデメリットを見ていきましょう。
プロジェクト管理の難易度が上がる
外注の場合、社内のデザイナーと違って頻繁にコミュニケーションを取りづらく、進捗が見えにくくなる可能性があります。特にUIデザインの場合は、お互いの理解や認識の齟齬が生じやすいため、定例ミーティングの設定やチャットツールの活用など、コミュニケーション方法に工夫が必要です。
品質のばらつき
社内のお抱えUIデザイナーの場合、育成から社内で実施するため、成果物の品質についてある程度予測がつくケースが多いでしょう。一方、外注する場合は、デザイナーの持つスキルや経験にばらつきがあり、仕事の品質の予想がつかないことがあるかもしれません。契約前にポートフォリオなどで過去の作品を確認したり、レビューの機会を設けたりするなど、品質の担保に人員を割くことが求められます。
UIデザイナーの業務委託の契約形態
UIデザイナーを業務委託で依頼する際は、請負契約か準委任契約のいずれかを締結しなければなりません。いずれの契約形態でプロジェクトを進行するか、事前に合意しておく必要があります。
請負契約
請負契約とは、成果物の完成を約束する契約形態です。受注者が約束した期日までに成果物を完成させる義務を負い、納品物に対して報酬が発生する契約です。そのため、定められた期日までに成果物が納品されない場合は契約違反となり、損害賠償請求が可能です。
準委任契約
準委任契約は、作業の完了を約束する契約形態です。請負契約と違い、完成した成果物の引き渡し義務がなく、一定の業務を遂行することを約束する契約です。契約内容以外の業務は依頼できませんが、プロジェクト進行途中で当初の案から大幅に変更があった場合でも、柔軟に対応してもらえます。
UIデザイナーを外注する際の注意点
ここからは、外注UIデザイナーに業務を依頼する場合の注意点を3つ解説します。
期待する成果物を明確にする
デザインは感覚的な要素が大きく、ニュアンスや捉え方次第でイメージと異なる成果物が仕上がることがあります。そのため、デザインのイメージをできる限り具体的に伝え、最終的な成果物の内容を明確にしましょう。デザインカンプの段階で、詳細な仕様書を作成し、デザイナーと共有しておくと安心です。
また、必要な情報やリソースをデザイナーに提供することも重要です。自社のブランドガイドラインをはじめ、既存のデザインデータやロゴデータ、デザインの参考となる資料などは、事前にまとめておきましょう。
過去のポートフォリオを確認する
外注デザイナーに依頼する場合、成果物の品質を不安に思う人もいるでしょう。
また、デザイナーによって得意領域も異なるため、契約を締結する前にデザイナーの過去の作品や実績を確認し、自社の求めるクオリティを満たしてもらえそうか確認しておくことが大切です。
コミュニケーションの方法を決めておく
外注の場合、社内デザイナーとは異なり、コミュニケーションの融通が利きづらい側面があります。
連絡方法や頻度、使用したいコミュニケーションツールは、事前に取り決めておくなど、希望を伝えてすり合わせしておきましょう。定期的なミーティングを設けたり、チャットツールを活用したりすることで、円滑なコミュニケーションが可能になります。
UIデザイナーを外注する場合のパターン
UIデザイナーの外注先を3パターン紹介します。
制作会社に発注する
まず、UIデザイナーやUXデザイナーを抱える制作会社・デザイン会社に委託するのが一つの方法です。専門的なスキルを持つデザイナーが在籍し、プロジェクト管理を含めて丸ごと任せられることが多く、大規模プロジェクトの外注に適しています。なお、制作会社ごとに得意なデザインが異なるため、発注前に自社の要望を満たしてもらえそうな外注先を探すと良いでしょう。
一方、個人事業主や副業社員と比較すると発注コストが高くなる傾向にあります。予算・信頼度を照らし合わせて判断しましょう。
個人事業主に発注する
UIデザインの事業を手掛ける個人事業主に外注することも可能です。コミュニケーションの融通がきき、柔軟に対応してもらえるケースも多く、小規模なプロジェクトが進めやすいでしょう。あるいは、UIデザインの「デザイン部分のみを外注したい」など、プロジェクトの一部分をサポートしてもらうといった、自社に不足している箇所だけを発注できる点もメリットです。個人事業主のなかには、チーム体制で受注している人もいるので、場合によってはプロジェクト進行管理も含めて依頼できることもあるでしょう。
一方、成果物の品質にばらつきがある側面もあります。発注前に過去の作品や経験をチェックしておくと安心です。
副業社員を採用する
副業人材を採用して、UIデザインを任せる方法もあります。デザイン会社や制作会社のバックグラウンドを持つ優秀なデザイナーに仕事やプロジェクトを任せられ、自社の社員だけでは出てこなかったアイデアや新たな視点が得られるのが大きなメリットです。
一方、副業人材の場合、本業を抱えながら自社の業務にもコミットするため、対応可能時間に制限があることがほとんどです。事前にプロジェクトの進行やスケジュールについて合意しておくようにしましょう。
UIデザイナーの外注・業務委託の報酬相場
UIデザイナーへの報酬相場は以下の通りです。
・制作会社:50万円~600万円程度
・個人事業主:30万円~300万円程度
・副業社員:1,500円~25,000円程度/時給
このように、デザイナーのスキルや実績、デザインのみの依頼、あるいはプロジェクトの進行管理や競合分析などを含めての依頼なのかなど、依頼内容によって金額に幅があります。
UIデザイナーの副業案件の例
モバイルサービス系サイトのUI/UXデザイン
稼働時間 | 120〜150時間稼働(40時間/月) |
---|---|
単価 | 135万円 |
条件 | ・UI/ UXデザイナー経験が3年以上の人 ・完全リモートワーク |
コンシューマー向けUIデザイン
稼働時間 | 120〜150時間稼働(40時間/月) |
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単価 | 60万円 |
条件 | ・PhotoshopでのUIデザイン作成 ・Unreal Engineを使用したUI実装経験、知識 ・UMGでマテリアルやテクスチャを使用してレイアウトを組んだ経験 |
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この記事では、UIデザイナーを外注で業務委託する際のメリットとデメリット、報酬相場や実際の案件例などを紹介しました。
UIデザイナーの外注には、制作会社、個人事業主、副業社員などのパターンがあります。それぞれに特徴があり、発注先によって得意分野があるので、プロジェクトの内容に合わせて最適な方法を選びましょう。
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