薬剤師の副業とは?時給相場や案件例、注意点まとめ
不景気に強く、信頼性の高い国家資格職として根強い人気を誇る薬剤師。
現在、病院や街の薬局などで薬剤師として活躍するなか「自分のスキルを有効に活かして副業をしてみたい!」と考える方も多いのではないでしょうか。
本記事では、薬剤師の資格やスキルが活かせるおすすめの副業について「種類」「具体的な案件例」「時給の相場」などのポイントと、副業をする際の注意点まで詳しく解説していきます。
薬剤師は副業しても良い?
薬剤師は医薬品医療機器等法(薬機法)7条(※1)により、以下の2種に該当していると、副業をすることはできません。
- 厚生労働省や公立病院などで働く公務員薬剤師
- 勤務する薬局の設備・従業員を含む管理義務のある管理薬剤師
公務員の薬剤師は、地方公務員法第38条(※2)、国家公務員法第103条・第104条(※3)により他の職種での兼業が認められていないことが事由です。
管理薬剤師の場合、薬局の所在地である都道府県知事の許可を受けた場合は、地域医療への貢献を目的とした事由で副業が認められます。
この許可は地域によって多少の差はありますが、大体以下のような例に該当している場合のみです。
- 学校薬剤師(雇用形態は非常勤で担当校数の制限がある場合が多い)
- 休日または夜間における他の医療提供施設での調剤業務等
- 地方公共団体等の休日夜間診療所等に付随する調剤所または薬局における薬剤師業務
- へき地や人員不足などにより管理者の確保が困難な場合
許可を得ないで副業をした場合、減給や解雇などの処分はもとより、状況によっては業務停止措置や免許の取り消しに至る可能性もあるため、注意しなければなりません。
また一般薬剤師であっても、勤務先の就労規則によっては副業が禁止されているケースもあるため、直属の上司か担当部署にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
※1出典:e-Gov法令検索HP 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
※2出典:e-Gov法令検索HP 地方公務員法
※3出典:e-Gov法令検索HP 国家公務員法
薬剤師の副業の主な種類
薬剤師の方が活躍できる副業にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に主なものといえる5種類を紹介します。
医療関連のライター
薬剤師の経験やスキルがあれば、医療系のWebコンテンツをはじめ、雑誌のコラム・製薬会社のインタビューフォームやパンフレットの作成などでメディカルライターとして、医療や薬剤に関する知識を活かした記事を書くことができます。
記事の執筆は基本的に在宅でできるため、空いた時間を有効に使えるのもメリットといえます。
また、メディカルライターは近年ニーズもあり、高い専門性が求められることも相まって他のWebライターよりも文字単価がかなり高い点でも副業としておすすめといえるでしょう。
訪問薬剤師
病院に通えない患者さんのお宅へ週に1度~月に1回程度定期的に訪問し、調剤や薬歴管理・服薬指導を行う訪問薬剤師も、高齢化社会に伴いニーズが高まっている仕事です。
訪問薬剤師は、訪問する患者さんの状態によっては医師に代わって医療サポートを行うケースもあり、認知症を伴う患者さんの場合はケアマネージャーや介護スタッフとの連携も必要になってきます。
今後ますますその必要性が高まる在宅訪問医療に関わることで、報酬を得ながら地域医療に貢献し、キャリアUPも果たせる意義ある副業といえるでしょう。
夜勤専従薬剤師
夜遅くまで開いているクリニックと提携している薬局や、24時間営業の調剤併設ドラッグストアなどでパートやバイト・派遣スタッフとして働く夜勤専従薬剤師も、夜間の時間を有効に使える副業といえます。
特に都心の繁華街にある調剤併設ドラッグストアでは、24時までなど深夜帯の勤務がある場合が多く、夜間は時給も割増になるため、条件が合えばかなり効率よく稼ぐことが可能です。
病院でのパートやバイトの夜勤専従薬剤師の求人は、正規の薬剤師が担当しているケースが多いためほぼありませんが、まれに当直のみ週1回などの単発案件もあり、日給も2万円程度からとかなり条件がよいため、検討する余地はあるでしょう。
調剤薬局・ドラッグストア
病院やクリニックと提携している調剤薬局や、チェーン展開されている大手のドラッグストアも副業先としてはおすすめです。調剤薬局なら本業での業務と変わらずに即戦力として活躍できます。
特にドラッグストアは土日や夜遅くまで営業していることから、本業とうまくバランスを取って働ける職場といえるでしょう。
ドラッグストアの仕事は、POPの作成や登録販売者の指導、商品の品出し・陳列まで担当する場合がありますが、メインの仕事はOTC医薬品(頭痛薬などの一般薬)のカウンセリング販売です。
調剤薬局で扱う医療用医薬品と比べて安全性は高いものの、副作用はゼロではないため、OTC医薬品の勉強もしておかなければなりません。
ただしこの2つは求人数も多く、働き方も短時間のアルバイトや単発の派遣など選択肢も豊富なうえに薬剤師としてのスキルが活かせるため、通常の仕事よりも時給が高い点が何より魅力といえます。
オンライン服薬指導
かつて服薬指導は、薬機法や薬剤師法によって薬剤師の対面による指導が義務付けられていました。
医療体制が整っていない場所に住む方や、通院・来局が困難な患者さんに対するオンライン服薬指導(※1)は、電話を用いた診療/服薬指導等の診療報酬上の特例措置である2020年の“0410対応”(※2)の発出を経て、早期に制度化されています。
また、2022年3月の規制緩和、さらに同年9月30日厚生労働省による「オンライン服薬指導の実施要領について」(※3)発出により、患者さんの要求かつ、異議がない場合に薬剤師は薬局外からもパソコンやスマホを使ってのオンライン服薬指導ができるようになりました。
移動時間や待ち時間の軽減・感染リスクが避けられる側面のほかに、患者さんが周囲を気にせず薬の相談ができる点においてもメリットのあるオンライン服薬指導は、ますます注目度が高まっています。
患者さんだけでなく、薬剤師も在宅で服薬指導を行える利点があるため、副業にはまさにうってつけといえるでしょう。
※1出典:日本薬剤師会HP オンライン服薬指導について
※2出典:厚生労働省医政局医事課文書 新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の 時限的・特例的な取扱いについて
※3出典:厚生労働省HP オンライン服薬指導の実施要領について
薬剤師の副業案件の例
薬剤師としての資格やスキルが活かせる副業案件を「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に3例紹介していきます。
製薬会社資材の校閲・構成案の作成
稼働時間 | 5~10ページ程度の資材を1ヶ月に1~2案件納品(30時間程度/月) |
---|---|
単価 | 時給2500~3000円程度 |
条件 | ・医学・薬学の専門知識や薬機法を分かりやすくまとめる文章力 ・添付文書の更新、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の副作用情報など最新の医療情報に関する高い収集力 |
薬剤師国家試験対策のオンライン家庭教師
稼働時間 | 土日/1コマ60分×3コマ(24時間程度/月) |
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単価 | 時給1800~3000円程度 |
条件 | ・薬学部専門予備校などでの講師または医療機関での指導経験があること |
夜間休日診療所での調剤業務
稼働時間 | 土日祝の夜間のみ5時間程度(40時間程度/月) |
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単価 | 時給3000~3500円程度 |
条件 | ・薬剤師として医療機関での実務経験があること |
薬剤師の副業案件の時給相場
副業においても医療の現場で培った経験やスキルが幅広く活かせるのが、薬剤師のメリットといえるでしょう。副業をした場合、時給や単価に換算すると、その相場は以下のようにほかの仕事と比べてかなり高めの設定になっています。
- ドラッグストアでのOTC医薬品のカウンセリング販売/時給2000~3000円
- 執筆活動(雑誌のコラム)/1文字3~5円
薬剤師が副業する際の注意点
薬剤師が副業をする際に注意しなければならない点について、特に大事な2点を以下で解説していきます。
資格や経験を活かせる仕事を選ぶ
薬剤師はほかの仕事に比べてニーズが高く、単発や夜間のみなどさまざまな勤務形態で働くことが可能なため、副業へのハードルは高くありません。
また求人数も多いのがメリットですが、その分自分の資格や経験をきちんと活かせる仕事を多数の選択肢の中から吟味する必要があるでしょう。
効率よく収入UPを目指すなら単価の高い夜間勤務や、在宅でできるオンライン服薬指導はおすすめです。
スキルを活かしつつ、さらにキャリアUPも図りたい場合は、高齢化社会や地域貢献度の高い訪問薬剤師を選ぶとよいでしょう。
体調管理に注意
薬剤師は薬の専門家として、時に患者さんの命を左右することもある非常に責任の重い仕事です。
副業を始めるということは、単純に労働時間が増えるだけでなく、副業先での仕事の方法を覚えたり、新たな人間関係の構築をしたりしなければなりません。
肉体的・精神的な疲れから本業の業務に支障が出れば、患者さんの命に関わる重大なミスを起こす可能性もゼロではありません。
副業においても体調管理は仕事のうちと心得て、無理のないペースで本業とのバランスをうまく取っていくことがコツといえるでしょう。
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