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新規事業を“構想止まり”で終わらせない――ロッテが3プロジェクトで実践する、副業人材活用のリアル

副業活用ポジション:

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今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、株式会社ロッテにおける副業人材活用事例です。同社では、2022年に社内新規事業開発制度「ミライノベーションプロジェクト」を立ち上げ、社員発のアイデアを起点とした新規事業創出に継続的に取り組んできました。累計250件近い応募が集まり、実際に事業化検討フェーズへ進む案件も生まれています。しかし、制度運営や事業推進を進める中で浮かび上がってきたのが、「社内リソースだけで事業を前に進めることの限界」でした。

そこでロッテが選択したのが、副業人材サービス「lotsful」を通じた副業人材の活用です。今回は、社内新規事業プログラムから生まれた3つの事業(健診ギフト事業、オーラルケア事業、親子向け体験コンテンツ事業)にフォーカス。それぞれに専門知識や経験を有する副業人材が参画することで、構想段階にあった事業が、一歩ずつ前進を見せています。

本記事では、「ミライノベーションプロジェクト」の事務局を務める佐藤氏と各事業責任者(宮阪氏・弘田氏・山田氏)へのインタビューを通じて、「新規事業×副業人材」という選択が、実際の現場でどのような価値を生んでいるのかを掘り下げていきます。

株式会社ロッテ
経営戦略部 事業開発課 
佐藤 崇晴氏

社内新規事業開発制度「ミライノベーションプロジェクト」の運営事務局として、制度設計から採択案件の伴走支援まで幅広く担当している。

株式会社ロッテ
経営戦略部 事業開発課 主査 
宮阪 亮氏

「健診ギフト事業」の責任者。
2名の副業人材と共に、メディカル領域の戦略構築とオペレーション設計を進める。

株式会社ロッテ
経営戦略部 事業開発課 主査 
弘田 裕介氏

「オーラルケア事業」の責任者。
歯科業界の専門知見を持つ副業人材が伴走しながら、お口の予防型ケアサービス事業を推進中。

株式会社ロッテ
中央研究所 チョコ・ビス研究部 チョコレート研究一課 
山田 麗氏

「親子向け体験コンテンツ事業」の責任者。
本業であるチョコレートの研究開発と兼務しながら、副業人材の力を借りて事業を推進している。

会社情報

株式会社ロッテ

菓子、アイスクリーム、健康食品、雑貨の製造および販売

設立年

1948年6月

社員数

2,299名(7,061名 ※海外拠点・グループ会社含む)

副業活用ポジション

プロダクト戦略アドバイザー、構想伴走パートナー、企画・制作ディレクター

新規事業開発制度「ミライノベーションプロジェクト」に取り組むロッテ

「ミライノベーションプロジェクト」に採択された3つの新規事業で、副業人材を活用されています。最初に、「ミライノベーションプロジェクト」を立ち上げた背景や狙いを教えてください。

佐藤氏

大きな背景は、「次世代を担う事業をどう育てるか」という経営課題です。ロッテは菓子・アイスといった事業を中心に成長してきましたが、人口構造の変化を考えると、既存事業の延長線だけでは限界があります。だからこそ、新たな事業の柱を継続的に生み出す仕組みが必要でした。

「ミライノベーションプロジェクト」は、社員公募型だと伺いました。その点も特徴的ですね。

佐藤氏

はい。社員自身が手を挙げることで、当事者意識の高い事業が生まれると考えました。4期で累計250件弱の応募があり、営業やマーケティング、研究、生産現場など、部署も年齢層も非常に幅広い。若手だけでなく、ベテラン社員からの応募もあります。

また、一過性のビジネスコンテストで終わらせないという点も特徴だと思います。約8カ月のプログラムを通じて検証まで行い、その後、選抜された案件は2年間の事業化検討フェーズへ進みます。ただ、このフェーズに入ると、社内の人材・知見だけではどうしても足りなくなる。その「次の壁」をどう乗り越えるかが、制度運営側としても大きな課題でした。

今回、3つの新規事業で副業人材を活用されました。事務局として、なぜこのタイミングで外部人材の導入を決めたのでしょうか?

佐藤氏

繰り返しになりますが、新規事業に取り組む際にボトルネックになるのが「専門知見」と「リソース」です。中途採用は時間がかかり、社内で仲間を募ろうとしても全員が本業を抱えている。この「今すぐ、プロの視点で、手を動かしてくれる仲間が欲しい」というニーズに対し、副業人材は非常に相性が良いと考えました。

特にlotsfulさんは、こちらの意図を汲み取った精度の高いマッチングをしてくださるので、初めての外部人材活用でも安心して任せることができました。

未踏の医療領域に踏み出すため、副業人材を“チームの一員”として迎えた

「ミライノベーションプロジェクト」から生まれた健診ギフト事業、オーラルケア事業、親子向け体験コンテンツ事業において、副業人材を活用されています。それぞれの事業内容や、副業人材にどのような業務をお任せしているのかお聞かせください。まずは宮阪さんの担当する「健診ギフト事業」について教えていただけますか。

宮阪氏

健康診断や人間ドックを「大切な人に贈るギフト」にできないか、という発想から始まった新規事業です。母の日や誕生日などのタイミングで、健診チケットや郵送検査キットを贈れるサービスを構想しています。ロッテは“贈る体験”を長年つくってきた会社なので、その強みをヘルスケア領域に応用できないかと考えました。

副業人材を募集した背景は?

宮阪氏

医療・健診という領域は、ロッテにとって完全に未踏でした。社内でどれだけ議論しても、「業界的に現実的か」「どんなリスクがあるか」は十分に把握できません。そこで、実際に医療・ヘルスケア領域で事業をつくってきた方と、保健師・看護師として現場経験を持つ方、2名の副業人材に参画いただきました。

具体的には、商品設計、販売戦略、医療施設との向き合い方など、事業全体の業務に関わってもらっています。特に大きかったのが、健診コンシェルジュ機能のPoCです。実際に受診者と医療機関の間に入り、予約調整や問い合わせ対応を担ってもらい、その経験をすべてマニュアル化してもらいました。

現時点での手応えは、いかがでしょうか。

宮阪氏

事業の加速度は明らかに上がっています。医療領域における「現場のリアル」を言語化した形で社内に残せている点は、将来の拡大フェーズに向けても大きな資産です。

「構想」から「検証を回すフェーズ」へ後押しした、副業人材の存在

それでは次に弘田さんが担当する「オーラルケア事業」について教えてください。

弘田氏

「15分から受けられるクイックオーラルケア」という構想で、歯科医院よりも気軽にプロのケアを受けられるサービスを検討しています。しかしながら新規事業を進めるあたり、実際の「歯科医院」の現場が抱えるリアルな悩みや、店舗運営の具体的なノウハウが不足しています。

今回ジョインいただいた副業人材は、歯科業界に精通しつつ、大手メーカーでのマーケティング経験もある方です。薬機法などの法規制がある中で、いかに消費者に価値を伝えるかというマーケティング視点のアドバイスは、自分一人では到底辿り着けないものでした。

現在、副業人材には事業全体の伴走をお願いしています。ユーザー検証の設計、有償PoCを見据えたロードマップ作成など、かなり具体的な部分まで一緒に考えてもらっています。

副業人材がジョインしたことによる変化は?

弘田氏

「次に何をすべきか」が明確になりました。業界構造や現場の事情を踏まえたうえで検証設計ができるようになり、構想段階から実際に検証を回す段階へ進めた実感があります。

山田さんが担当する「親子向け体験コンテンツ事業」についても伺います。

山田氏

ロッテが製造・販売するお菓子は、親も子どもも一緒に楽しむことができます。長年にわたってロッテが培ってきたその強みを活かし、親子向け体験型コンテンツや遊び場を事業として成立させたいと考えています。しかしながら、新規事業を進めるにあたって、リソース不足が最大の課題でした。本業の研究開発をこなしながら、親子向け体験コンテンツという全く新しい事業の仮説検証を一人で行うのは、物理的に限界があったのです。

そうした中でジョインしていただいた副業人材は、ご自身も新規事業の立ち上げ経験がある方。彼女に入っていただいて最初に行った「事業価値の言語化」によって、私の頭の中にあった抽象的なイメージが、具体的で説得力のある戦略に変わりました。これにより、社内への説明も非常にスムーズになりました。

副業人材が事業に参画したことで得られた手応えは?

山田氏

事業の軸が明確になり、意思決定がしやすくなりました。検証結果の解釈まで一緒に考えられるようになり、事業として一段階前に進んだ実感があります。

新規事業責任者が実感した、副業人材活用のメリットとは

改めて、新規事業における副業人材活用のメリットをどう感じていますか。

宮阪氏

一番大きいのは、自社だけでは絶対に届かない専門領域に、一気に手が届くことです。しかもアドバイザーではなく、実際に一緒に動いてくれる。これは事業の解像度を大きく引き上げてくれました。また、「事業戦略をどのように現場に落とすか」は、現場を知る人でないと出てこない。副業人材の方から得られる“肌感のある戦術”は非常に大きな価値です。

弘田氏

新規事業は、本当に細かいことで止まります。副業人材の方には、チャットベースでも細かい相談や壁打ちができる。この距離感とスピード感は、新規事業にとって非常にありがたいですね。

山田氏

フェーズごとに欲しい力をピンポイントで補える点も大きいです。新規事業は状況がどんどん変わるので、この柔軟性は非常に相性が良いと感じています。

佐藤氏

制度運営の立場から見ても、副業人材は非常に合理的です。2年間という限られた期間の中で、必要な知見をスピーディーに補える。今回の3事業を見ていても、非常にうまく機能していると感じています。

 

最後に、lotsfulというサービスを実際に使ってみての率直な感想をお聞かせください。

宮阪氏

「副業人材を紹介して終わり」ではないところが、すごく良いと感じました。lotsfulの担当者が事業内容や悩みを丁寧に聞いたうえで、「この事業ならこの人が合う」とピックアップしてもらえた。事業を理解した人が間に入ってくれたので、安心感がありました。

弘田氏

新規事業は最初から要件が固まっていないことが多々あります。その曖昧さを前提に、「このフェーズなら、こういう経験の人が合う」と一緒に考えてもらえたのがありがたかったです。

山田氏

副業人材が必要だと思ったタイミングですぐ相談できることが大きいですね。スピード感と相談のしやすさは、実際に使ってみてとても価値があると感じました。

佐藤氏

制度運営の立場から見ても、lotsfulは非常に使いやすいサービスです。期間やフェーズに応じて柔軟に人材をアサインできる点は、社内新規事業制度との親和性が非常に高いと感じています。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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