九州電力のアート新規事業にNFT・ブロックチェーンの専門家が副業でジョイン!その成果は?
今回ご紹介するのは、九州電力株式会社の新規事業における副業人材活用事例です。九州エリアを中心に電気事業などを展開する同社では、「i-PROJECT」という新規事業の創出を目指す取り組みを推進しています。
その中で、キュレーション機能つきのNFTアート販売プラットフォーム『デジがろ』という新規事業を採択。プラットフォームのローンチに向けて事業開発を進めているものの、『デジがろ』の核となる技術、NFTやブロックチェーンに関する十分な知見がないといった課題を抱えていました。
そこで、lotsful経由で副業人材・M氏を採用。NFT・ブロックチェーンの”専門家”とも言える豊富な経験を持つM氏がプロジェクトにジョインしたことで、どのような成果が生まれたのでしょうか?――『デジがろ』を立ち上げた、九州電力株式会社の大浦彩音氏と中村康平氏、そして、副業人材のM氏の3名に話を伺いました。
会社情報
九州電力株式会社 | 発電事業、小売事業(電気・ガス販売)、その他事業 |
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設立年 | 1951年5月1日 |
社員数 | 4668名(グループ全体21092名) |
副業活用ポジション | NFT売買・NFTプラットフォーム構築に関するアドバイザリー業務 |
九州電力株式会社
大浦彩音 氏
新卒で九州電力に入社。大学時代に美術を学んでいたこともあり、『デジがろ』というキュレーション機能つきのNFTアート販売プラットフォームを構想。九州電力内の新規事業創出の取り組みである「i-PROJECT」で、『デジがろ』が採択される。現在、他部署と兼務をしながら新規事業である『デジがろ』を推進している
九州電力株式会社
中村康平 氏
新卒で九州電力に入社。
大浦氏と共に新規事業である『デジがろ』を起案し、「i-PROJECT」に採択される。
他部署と兼務しながら、『デジがろ』の事業化に取り組んでいる。
副業人材
M氏
2017年からNFTやブロックチェーン領域に携わる。
現在は大手事業会社に勤務し、ブロックチェーン技術を活用した金融系プロジェクトに関わっている。
NFTやブロックチェーンに関する専門知識を求め、副業人材を活用
大浦氏
『デジがろ』は、九州電力の新規事業プロジェクトとして立ち上げようとしているプラットフォームで、2025年1月にローンチを予定しています。私自身、大学時代に美術を学んでいる中で、学芸員の活躍の場が少ないことに課題を感じていました。また一方で、数年前にNFTアートが高値で売れたり、逆に0円になってしまったりと、価格が乱高下していることを知ったのです。
そこで、学芸員が美術的な価値を説明してアートの価格を安定させる「キュレーション」と、「NFTアート」をマッチングさせることで、価値を保った取引ができるのではないかと考えました。アーティストたちの作品を学芸員がキュレーションし、その価値を安定させ、欲しい人が購入できる。それが、『デジがろ』というプラットフォームです。
中村氏
九州電力はインフラ企業ですので、NFTやブロックチェーンに関するナレッジがありません。私たちは『デジがろ』の立ち上げに際して、独学でNFTやブロックチェーンについて勉強してはいたのですが、インプットした知識を事業開発の現場でどう活かしていけば良いのか、技術・ビジネスにおける論点が曖昧でした。そうした中で、社内のICT部門とコミュニケーションをしても、何を相談するべきかわからない状態だったのです。そのような部分を整理していくためにも、一緒に伴走してくれる人材が必要でした。そこで、lotsfulを通して私たちが求める専門人材をマッチングしてもらったのです。
M氏
『デジがろ』の案件があると、lotsfulに紹介してもらったのがきっかけです。私も2017年からNFTやブロックチェーンに関わっていたので、2021年のNFTアートバブルも目の当たりにしていました。こうした流れの中で、『デジがろ』はNFTアートと学芸員をマッチングさせることで、アートの二次流通まで考えられたプラットフォームです。とても魅力を感じ、応募することにしました。
副業人材がロードマップを描くことで、ローンチまでのスケジュールが明確に
中村氏
『デジがろ』を通して、自分たちが何をしたいのかを明確にしてもらい、それをビジネスに実装するための論点を洗い出してもらいました。さらにMさんは『デジがろ』を今後どうしていくべきかといった、選択肢まで提案してくれて。私たちの想定の百歩先を示してくれましたね。
大浦氏
Mさんは、NFTをビジネスに落とし込むには何をするべきかといった基礎的な質問にも丁寧に答えてくれました。法的に押さえた方がいいポイントなどの専門的なアドバイスもいただき、先々まで整備してくれたのです。それらをベースにして社内への提案も行っていきました。Mさんからのアドバイスがなかったら、2025年1月のローンチ自体も考えられませんでしたね。
水先案内人として、『デジがろ』のローンチまでの工程を設計してもらえたことで、具体的な計画を立てられるようになりました。いつまでに何をしたらいいのか、継続的にアドバイスをもらいながら、伴走してもらえたのも非常に助かりましたね。
大浦氏
課題に合わせて週に1〜2回Zoomで打ち合わせをして、次回までにやることを決めました。対面でお会いしたことはありませんが、普段はSlackかメールでやり取りをしていましたね。コミュニケーションについてストレスを感じることはありませんでした。
M氏
案件に入る前に、『デジがろ』という新規事業を通して何を実現したいのかをヒアリングしました。その中からやるべきことを明確にし、NFTやブロックチェーンに関する私の知見を提供したのです。お二人とも理解度が高く、私としてもスムーズにプロジェクトを進めていけたと思っています。また、お二人が他部門との兼務で本当にお忙しそうだったので、次の打ち合わせまでにお互いに何をするのか、宿題を設定してやり切るようにも意識していました。オンラインでも、大浦さんと中村さんの『デジがろ』への強い思いが伝わってくるので、打ち合わせをするといつも元気をいただいていましたね。
大浦氏
先ほどお話ししたようにMさんは基本的な質問でもしっかりと答えてくれますし、聞きやすい雰囲気を出していただいて、とても助かりました。NTFやブロックチェーンの技術に関しても丁寧に教えてもらえて、学びになったことがたくさんありました。
中村氏
学びという点ですと、プロジェクトをアジャイルで進めていく部分は非常に参考になりました。当社の場合だと、一つずつ積み上げて業務を行っていくイメージなのですが、そうではないやり方を見られたのはいい経験になりましたね。
大企業ならでの承認プロセスをふまえたアドバイスを実施
大浦氏
NFT・ブロックチェーンの専門家であるMさんにお墨付きをもらうことで、社内の決裁がスムーズになりました。「専門家が言っているのであれば大丈夫だ」と、社内の人たちも安心しますから。そういったことが、新規事業を進める後押しになってくれました。
M氏
お二人とも新規事業は兼務で行っていますので、本来の仕事と並行して進めていくのは大変だろうなと思っていました。また、社内の承認プロセスも複雑だろうと想像していましたので、そういった業務がスムーズになるように、ローンチまでの工程を順序立てて設計するなど意識的にサポートしました。
大浦氏
利用して本当によかったです!副業人材の採用にあたっては、NFTという候補者も少ないであろう領域で15名くらいの人材をすぐにご提案いただき、そこから3名と面談を実施することができました。私たちだけではここまで探すことができなかったでしょう。どの方もNFTやブロックチェーンに関する知見が豊富でしたし、とてもやる気のある方々ばかりで。面談の時間だけでも勉強になりましたし、収穫があったと思います。その中からMさんに出会えて、本当に感謝しています。
中村氏
期待以上の驚くような成果が出たと思っています。ローンチまで辿り着いたのは、Mさんのおかげです。人材で困っている部署があったら、lotsfulのことを紹介しています(笑)
M氏
自分でプロジェクトを動かせる案件に挑戦したかったので、希望する仕事に携わることができ、とてもいい経験になりました。今回はオンラインでプロジェクトに参画しましたが、今後は企業のニーズに合わせてオンライン・オフラインを組み合わせながらサポートできればと思います。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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