転職エージェントの費用相場はいくら?企業が使うメリットデメリット
企業の中途採用において、転職エージェントの活用は重要な採用手法の一つです。とはいえ実際に利用する前に、転職エージェントの仕組みや費用相場などの情報はきちんと理解しておきたいところでしょう。
この記事では、転職エージェントの仕組みや利用する際の費用相場、企業が活用する際のメリットとデメリットを詳しく解説します。
なお、採用業務の効率化には副業人材を活用する選択肢もあります。詳しくは記事の最後をご覧ください。
転職エージェントの仕組み
転職エージェントは、求職者と人材を募集する企業をマッチングさせる人材紹介会社です。転職エージェントに所属する専門のキャリアアドバイザーが、求職者の経歴やスキル、希望する条件などを詳しくヒアリングし、転職をサポートします。同時に企業側の採用ニーズを把握し、条件に合った人材を厳選して紹介する役割を持ちます。
転職エージェントのマッチングプロセスは下記の通りです。
1. 企業から求人情報と採用条件をヒアリング
2. プラットフォームに登録している求職者のなかから条件にマッチする候補者を選定
3. 候補者に求人情報を紹介し、応募の意思を確認
4. 企業に候補者の情報を提供
5. 面接のセッティングと調整
6. 内定が出た場合は、条件交渉をサポート
7. 入社を決意した後、入社まで一貫したフォローアップを提供
また、転職エージェントには幅広い業界・業種の求人を扱う「総合型転職エージェント」と、クリエイティブ職に特化、ITエンジニアに特化など、一部の業界や職種に特化して転職をサポートする「特化型転職エージェント」の2種類があります。幅広い業界を見たい場合、そして一部の職種を狙って転職したい場合など、求職者のニーズによって使い分けられるのが一般的です。
転職エージェントの費用相場
転職エージェントを利用する場合の費用相場を求職者、企業それぞれの立場で見ていきましょう。
求職者の場合
求職者は、転職エージェントのサービスを無料で利用できます。キャリアアドバイザーへのキャリア相談や希望にマッチする求人情報の紹介、面接~入社までのフォローなど、一連の転職過程で料金が発生することはありません。
ただし、求職者の希望条件と求人企業の条件が合わない場合は紹介を受けられないこともあります。また、エージェントによって得意とする業界や職種が異なるため、登録時点で自身のキャリアプランに合わせて適切なエージェントを選択することが重要です。
企業の場合
求職者が転職エージェントを利用する分には無料ですが、転職エージェントを利用する企業側では費用が発生します。
企業側は、採用が成功した場合に支払う成功報酬型が一般的です。標準的な成果報酬は、その転職エージェントで転職が決まった人材の年収の20~35%程度です。たとえば、年収500万円の人材を採用した場合、100~175万円を成果報酬として転職エージェントに支払います。
ただし、専門性の高い職種やマネジメント層、役員クラスなど、採用難易度が高いポジションでは上記の相場よりも高くなることもあります。
転職エージェントを企業が活用するメリット
企業が成果報酬を支払ってでも、転職エージェントを利用するメリットは複数あります。
ここからは、その主要なメリットを3点紹介します。
時間の節約になる
転職エージェントを活用すれば、企業の採用担当者の業務負担を軽減し、時間が節約できるメリットがあります。
求人広告の作成・掲載作業から、応募者の一次スクリーニング、面接日程の調整、さらには入社時のフォローから不採用者のフォローまで、採用プロセスにおける多くの業務をエージェントに任せられます。空いた時間を活用して、採用担当者は自社の採用戦略の企画・立案や採用ブランディングを目的とした情報発信など、ほかの業務により多くの時間を割くことができるでしょう。
質の高い候補者が来る
転職エージェントを通じて紹介される候補者は、求人要件に合致した経験・スキルを持ち、転職に対する明確な意思を持っていることが多い傾向です。エージェントに事前にスクリーニングされるため、企業の採用基準に合わない候補者が除外され、企業・候補者双方の一次基準をクリアした状態で採用プロセスが進みます。そのため、社内ですべての採用プロセスを行うことを考えれば採用効率が向上するといえるでしょう。
また、転職エージェントに登録している求職者の多くが自身のキャリアに対する意識が高い傾向にあります。キャリアプランをすでに持っていたり、企業ではたらく目的を明確に語れたりする人材もいます。このように自分のキャリアを高めたり変えたりすることを望む意識の高い母集団にアプローチできるのも転職エージェントを企業が利用するメリットです。
マーケット情報を提供してくれる
転職エージェントは、人材市場の最新動向に精通しているため、貴重な情報源となります。現在の市場相場や求職者の動向、希望条件の傾向など、採用活動に不可欠な情報を提供してくれます。それらの情報を社内に持ち帰り、自社の採用戦略の見直しやアップデートに活かすことができるでしょう。
候補者との条件交渉においても、エージェントは重要な役割を果たします。候補者の希望条件を把握したうえで、候補者の能力・スキルや市場相場を加味したアドバイスが受けられます。適切な折衷案を提案したり、入社意欲を高めるための交渉戦略を提示したりと、円滑な条件交渉が期待できるでしょう。
転職エージェントを企業が活用するデメリット
転職エージェントの活用には、このようにさまざまなメリットがある一方で、注意すべき点や課題もあります。
最後に、企業が転職エージェントを活用する際の主なデメリット3点について説明します。
コストがかかる
転職エージェントを利用する際のデメリットは、ほかの採用手法と比較して費用が高額である点です。多くの場合は成果報酬型の料金体系を導入しているため人材の採用が決まるまで費用は発生しないものの、最終的に年収の20~35%を支払うのは、企業にとって大きな負担となり得ます。
とりわけ複数のポジションで複数名の採用を行う場合、総額は相当な金額になることを理解しておきましょう。採用予算の大部分を紹介手数料が占める可能性もあるため、現在の自社のフェーズや採用予算、そして採用課題に合わせて利用可否を検討することが求められます。
適切な候補者を紹介されない可能性がある
企業の求める人材像を十分に伝えきれていない場合や求人募集のタイミングによっては、適切な候補者を紹介してもらえないことがあります。
また全国にはさまざまな転職エージェントがあり、なかには質の低い転職エージェントも存在します。高額な成果報酬を支払うことを念頭に置き、過去の実績や取引先などを事前にリサーチしたうえで慎重に転職エージェントの選定を行いましょう。
候補者との直接的なコミュニケーション機会が減る
転職エージェントを介することで、候補者と直接コミュニケーションをとる機会が減少するのも一つのデメリットといえます。転職エージェントを利用すると、応募~選考中、そして入社までのコミュニケーションを任せることができるため、候補者との情報伝達に齟齬が生じることもあるでしょう。
入社後のミスマッチを減らすためにも、意識的に候補者と対話できる場を設けるなどの施策を検討する必要があります。
御社の採用業務を副業社員に任せてみませんか?
この記事では、転職エージェントの仕組みや利用する際の費用相場、企業が活用する際のメリットとデメリットを詳しく解説しました。自社のビジョンに共感する優秀な人材を採用することが年々難しくなるなか、中途採用の強化を検討している企業もあるかもしれません。
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