【対談】インパクトサークルCEO×兼業人材――”人物面でのマッチング”が成否を分ける!新規事業の立ち上げに成功した理由とは?
今回、「lotsful magazine」がお届けするのは、社会インパクト投資プラットフォームや社会インパクト可視化型ファイナンスサービスを展開する、インパクトサークル株式会社の副業・兼業人材活用事例です。
同社ではlotsful経由で、「知財戦略」、「データサイエンティスト」、「新規事業開発」の3ポジションで副業・兼業人材を採用し、事業を加速させてきました。この中でも新規事業開発は、兼業人材である佐久間俊輔氏の活躍により、オートリース事業を創出することに成功しています。
そこで本記事では新規事業の立ち上げを担当した佐久間氏をお招きし、インパクトサークルの代表取締役社長CEOである高橋智志氏と対談を実施。副業・兼業をする個人側と、仕事を任せる企業側の双方からお話を伺いました。
インパクトサークル株式会社
代表取締役社長CEO
高橋智志氏
金融包摂型FinTechスタートアップであるGlobal Mobility Service株式会社 創業メンバー。
取締役事業本部長/管理本部長として、各国事業開発/エクイティ資金調達を統括。
創業から社員数300名に至るまでの拡大期における経営実務全般を担当した後、インパクトサークルを創業。
副業・兼業人材
佐久間 俊輔氏
金融業界や商社などを経て、大手メーカーで複数の新規事業開発統括、経営企画全般を担当。
リース、サブスク、シェアリングなどアセットビジネス全般に精通している。
2022年11月に兼業人材としてインパクトサークルにジョイン。
インパクトサークルでは、新規事業開発を担当している。
スキルだけでなく、人柄も重視して採用を判断
高橋氏
現在、日本と海外合わせて40名ほどのメンバーがいて、日本国内だと20名弱が働いています。その中でもフルコミットの方もいれば、副業や兼業として働いている方もいる。そんな状態ですね。私たちは海外事業から始まったスタートアップなので、リモートワークも当たり前の環境です。副業・兼業人材の活用に関しては最初から抵抗がありませんでした。
高橋氏
lotsfulには優秀な人材が多く登録されていますし、担当営業の方が当社の事業を理解しながら、マッチする人材を提案してくれたからです。シード期、アーリー期のスタートアップは、とにかくやることが多くあります。
そうした業務のサポートを副業・兼業人材の方々に担ってもらっており、「知財戦略」のポジションでは知財やオープンイノベーションの経験を持つKさんに、「データサイエンティスト」のポジションでは大手企業でデータマイニングなどの経験を持つMさんにジョインしてもらいました。
高橋氏
私たちは、雇用形態にはこだわっていません。それよりも当社の価値観を理解いただき、事業を安心して任せられる人を探していました。その中で、社会課題解決の実現に向け、ソーシャルインパクトを創出する事業に共感いただいた佐久間さんが適任だと考え、採用したんです。これまでの経験やスキルはもちろんのこと、マインド面までマッチしたことが一番の決め手だと言えます。
佐久間氏
lotsfulから案件の紹介があり、オートリースの新規事業ということで今まで培ってきた経験やスキルが活かせると思ったことが応募のきっかけのひとつです。高橋さんと面談をしてみて、ソーシャルインパクトという考え方を世の中に浸透させていくというビジョンに共感し、ジョインすることを決めました。
高橋氏
業務を切り出して任せたのではなく、一緒に新規事業を推進していった形になります。事業を0→1で立ち上げたので、事業戦略の部分から佐久間さんと議論して、二人三脚で歩んできました。
高橋氏
無事に新規事業であるオートリース事業が立ち上がりました。ラストワンマイル配送を担う運送事業者や業務委託ドライバーを支援するため、車両を提供するという事業内容なのですが、メディアにも取り上げられるなど反響も大きく、顧客も着実に増えています。こうした成果がすでに出ていますね。佐久間さんが持つオートリース事業の経験が、とても役に立ちました。さらに、私と同じ目線に立って、経営者目線で新規事業をリードしてくれたことも大きな助けになりましたね。
信頼感のある人材だからこそ、コミュニケーションコストも抑えられる
佐久間氏
それはありましたね。一般的な副業・兼業だと、業務を切り出されて、そこに対するアウトプットや時間に対価が支払われると思います。しかし、新規事業の場合はゼロからスタートさせるので、切り出される業務自体を自分で作っていく必要があるので、その難しさはありましたね。また、私の場合は兼業で他の仕事もありますので、そちらとのバランスを取るのも大変でした。一方が忙しいと一方が後手になってしまい、罪悪感を感じることもありました。
高橋氏
佐久間さんは兼業で当社も含めて2つのプロジェクトを抱えているので、そこでの大変さがありました。出張をお願いしたいときに、物理的な制約があってフルコミットできない。また、新規事業の場合ですと何気ない会話から物事が進んでいくことがあるので、そうした細かいコミュニケーションがしにくいのも、難しい部分ではありましたね。
高橋氏
一番は佐久間さんの人間性だと思います。私と馬が合いますし、信頼もしていますので、コミュニケーションコストを抑えることができました。また、幹部メンバーとして佐久間さんと関わってきたので、今後当社がどのような経営戦略をとっていくのかといった、重要な会議にも参加してもらい相談をしていました。そうした関わり方によって、しっかりと意思疎通ができたのではないでしょうか。
佐久間氏
それを全部話したら、1時間くらいかかりますね(笑)。本当に多くのことを学びました。兼業という業務スタイルで、スタートアップの新規事業立ち上げ、しかも戦略などを検討する上流部分に関われて、とても感謝しています。今まで大企業で働いてきたので、スタートアップの人たちと関わりながら、業務を進めていくこと全てが学びになりました。
特にスタートアップでは、能動的に働くと言いますか、そういったマインドが大企業と大きく違います。このようなマインドは、どんな場所で働いても持ち続けなければいけないなと実感しましたね。また、今回は物流のラストワンマイルの領域に関わり、その課題感やドライバーの悩みといったことも直に聞くことができたので、現場での深い知見を得ることもできました。
高橋氏
先ほどもお伝えした通り、物理的な時間の制約については現在進行形の課題ですね。事業が進んでいくと顧客やアライアンスパートナーが増えて、キャパがどんどん取られていきます。私自身、海外でも事業を展開していますので、オートリース事業だけにリソースを割くこともできない。うれしい悲鳴ではありますが、業務を回しきれないときが出てくる。こういったことは、改善を続けないといけません。現状としては有能なスタッフを増員したり、アライアンスパートナーに任せる部分を増やしながら対応しています。
佐久間氏
時間もリソースも有限ですので、試行錯誤しながらも優先順位をつけて、それでも対応しきれないリスクがあることを認識しておく必要があります。ですので、高橋さんや顧客などとミスコミュニケーションがないようにしていかなくてはなりません。それが今できる対策だと思っています。
オーナーシップを持った人材を求めている
高橋氏
どんなポジションでも求められるのは、オーナーシップを持って仕事することだと思います。仕事を切り出して、業務の一部分だけをお願いするといった副業・兼業人材の活用方法もあると思います。しかし、当社のようなアーリー期のスタートアップの場合、私たちが仕事を依頼するまで副業・兼業人材に待たれてしまうと非常に辛いんですね。切り出す仕事自体を自身で作っていく、さらにその先の仕事も見据えて動ける人材を求めていますし、そういった方であれば、安心してプロジェクトを任せられます。仕事に対するオーナーシップがあれば、事業のフェーズが変わっても、ミッションをアップデートしながら中長期で関わっていくことができるでしょう。
佐久間氏
ポジションや業務内容によりますが、今回のプロジェクトに当てはめてみると、事業の立ち上げは完了しましたので、これからは機能の拡充や体制の強化が必要になります。立ち上げまでは企画して、自走できる人材が求められましたが、今後は専門性を持った人材が活躍できるフェーズになると思います。つまり、企業側が用意したジョブディスクリプションに対応できる人材ですね。
高橋氏
リファラル採用だけでは限界があったので、新しい人材と仕事ができる機会を創出してもらえてとても助かりました。スタートアップとして、事業ステージが変わっていきます。これからもそこに合わせた人材をご提案いただきながら、一緒に当社の事業を成長させていってもらいたいですね。
佐久間氏
スタートアップの新規事業立ち上げという貴重な機会をもらえたのも、lotsfulのおかげだと思っています。副業・兼業という枠の中で、インパクトサークルに出会えて感謝しています。転職は検討していなかったので、副業・兼業だからこそ出会えたのかなと。「転職は考えてないけど、自分の力を他で発揮してみたい」、「空いた時間で違う仕事にチャレンジしたい」と考えている人は多いはずなので、lotsfulのようなサービスはこれからも求められるだろうなと感じています。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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