郵便局員でもできる副業とは?注意点も合わせて解説
2007年10月1日に、郵便・貯金・保険という郵政三事業の民営化により誕生した日本郵政グループ。
働き方の多様化により、現在郵便局員として活躍されている方の中でも、副業を検討されている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は郵便局に勤めていてもできる副業について、おすすめの仕事の例と、あらかじめ知っておくべき注意点まで、詳しく解説していきます。
郵便局員は副業ができる?
民営化はされたものの、副業が解禁されている一部の企業と違って、郵便局員すべての副業が認められている状況ではありません。
国家資格である郵便認証司(※1)の所有者はみなし公務員となるため、郵便法第63条第2項(※2)の規定に基づき、総務大臣の承認を得ずに副業・兼業することが禁止されています。
郵便認証司、本社勤務以外の郵便局員には、基本的に兼業・副業は認められていないため 、所属長の許可を得ずに副業をすることは難しいといえるでしょう。
※出典1:総務省HP 郵便認証司の未承認兼業等に関する日本郵便株式会社への行政指導等
※出典2:e-Gov法令検索 郵便法
郵便局員でもできる副業の例
郵便局員の方でも問題なくできる副業について、特におすすめの5例を以下で紹介していきます。
不動産投資
不動産投資は、一般的に副業に該当しないケースがほとんどのため、郵便局員の方でも挑戦しやすい副業といえます。
マンションやアパートなどを所有していれば、第三者に貸して家賃収入を得られ、毎月安定した収入が見込めるため、おすすめです。
不動産を所有していない場合は、初期費用はかかるものの、住みたい街ランキングや単身者が多く住むなど、賃貸需要の高い街の物件をリサーチして購入すれば、入居者不足に悩むことも回避できるかもしれません。
株式投資・FX・仮想通貨取引
不動産投資と同様に、株式投資やFX・ビットコインなどの仮想通貨取引も副業とみなされないため、副業としてはおすすめといえるでしょう。
うまく運用すれば本業以上の月収や年収を稼ぐことも可能なため、金融や経済のジャンルに明るい方にはぴったりです。
ただし、株価の暴落や投資先企業の倒産、レバレッジなどの知識があまりないまま取引を行い、資金の元本割れどころか大損するケースも珍しくありません。
資産運用の目的をはっきり定めたうえで、市場の動向を常にチェックしながら、投資資金はあくまで余剰資金を活用するなど、無理をしないように続けていくのがコツといえます。
執筆活動
執筆活動も、あくまで表現や個人の趣味の範囲と捉えられるため、文章を書くのが得意な方であればおすすめの副業です。
初心者の方でも、グルメ情報の提供やネット記事のまとめ、テレビドラマの感想などの執筆は文字単価が低いものの、趣味と実益を兼ねて収入を得ることができます。
自分のブログを立ち上げて、本格的に記事を書くこともよいでしょう。その場合、内容が業務上の守秘義務に抵触するようなものは、バレた場合規律違反として処分を受ける可能性があるため、注意しなければなりません。
フリマアプリ
洋服や不要なものなどを出品し、断捨離も兼ねながらお金が得られるフリマアプリ。アプリに登録して出品すれば、あとは買い手がつくのを待つだけという気軽さも魅力といえるでしょう。
人気の高いジャンルの書籍やゲームソフト、または入手困難品でプレミアの付いた商品が手元にあれば、高値での取り引きも可能です。
趣味のハンドメイドや自分で作ったフィギュアなども一定数のニーズがあるため、出品することをおすすめします。
ポイントサイト
ポイ活とも呼ばれ、スマホがあれば、時間も場所も選ばず気軽にできる副業のポイントサイト。さまざまなサイトやアプリを利用すれば、貯めたポイントを現金や電子マネーに交換することができます。
誰でも簡単にできる分、大きく稼ぐことは難しいかもしれませんが、毎日ポイントがもらえるミッションをクリアするなど、ゲーム感覚で楽しめる副業ともいえるでしょう。
クレジットカードや保険の申し込みなどをすれば、高額なポイントをもらえるポイントサイトも少なくありません。
いろいろなサイトのキャンペーンをうまく利用して、効率よくポイントを稼ぐとよいでしょう。
郵便局員が副業する場合の注意点
郵便局員が副業をするなら、特に以下の3点については注意するようにしましょう。
申請をしっかり行う
「郵便局員は副業ができる?」で述べたように、郵便承認司の資格所有者は郵便法により、総務大臣の許可を得なければ、副業・兼業を行うことはできません。
また、郵便承認司以外の一般の郵便局員でも副業をする場合は、所属長への申請が必要になります。
許可を得ないまま副業をして、組織に不利益をもたらすトラブルを起こした場合、郵便認証司のように戒告や懲戒処分といった重いものではないにしろ、何らかの処分を受ける可能性があります。
日々の業務に支障が出ないようにする
郵便局員の仕事は郵便物だけでなく、お金も扱います。副業に熱を入れるあまり睡眠不足になったり、体調を崩したりして集中力を欠くような状態になれば、重大なミスにも繋がりかねません。
また、株式やFX投資など就業中に取引をすることはもちろん、株価などの動向が気になるからといって、スマホやパソコンで頻繁にチェックすることは絶対に止めましょう。
郵便物や顧客から預かったお金の紛失や、就業中の株取引などによって業務に支障が出た場合、就業規則違反で懲戒処分の対象になる可能性があります。
収入が20万を超えたら確定申告する
副業で得た収入が原則として20万円を超えたら、翌年の2月16日から3月15日の間に管轄する税務署で確定申告(※1)をする必要があるため、忘れずに対応しておきましょう。
この場合の収入とは、副業するうえで必要な経費(※2)を差し引いた額(所得)を指します。
申告は帳簿付けが簡単な分、税制上のメリットが少ない「白色申告」(※3)か、複式簿記など若干の知識は要するものの、特別控除額が最大65万円ある「青色申告」(※4)いずれかの方法で行わなければなりません。
また、副業で得た所得が20万円以下で確定申告が不要でも、住民税は居住する市区町村への申告が必要なため注意しましょう。
副業をしていることを勤務先に知られたくない場合、住民税は自分で納付する「普通徴収」(※5)を選択しておけば、勤務先に住民税の通知が行かないため、バレる可能性は低くなります。
副業での確定申告に関するより詳細な情報を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※出典1:国税庁HP 確定申告が必要な方
※出典2:総務省HP やさしい必要経費の知識
※出典3:国税庁HP 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度
※出典4:国税庁HP 青色申告制度
※出典5:総務省HP 個人住民税
まとめ
今回は、郵便局員の方におすすめできる副業や、始める際の注意点について役立つさまざまな情報をお届けしました。
立場上制約や対応すべきことはあるものの、きちんと申請して就業規則を守った副業をすれば、得た収入で豊かな毎日を送ることが可能です。
金融や経済の知識が活かせる投資をはじめ、ポイントサイトやフリマアプリなど、日々の暮らしの中で楽しみながら気軽にできるものまで、あなたのスキルや状況に合った副業選びをしていきましょう。