ストックフォトのPIXTAで副業する方法とは?
将来的にフォトグラファーを目指す人や写真を趣味にする人のなかには、自分の写真を販売して少しでもお小遣い稼ぎをしたい、あるいはフォトグラファーとしての実績につなげたいと考える人もいるかもしれません。
この記事では、ストックフォトサービスの「PIXTA(ピクスタ)」での副業の始め方、売れる写真のポイントや副業する際の注意点を詳しく解説します。
ストックフォトとは
そもそも「ストックフォト」とは、写真を必要とする人がさまざまな用途でいつでも使用できるように、大量に溜めておくことを指します。そのうえで、ストックフォトサービスは、プロ・アマチュア問わずさまざまな人が撮影した写真をストックし、商用利用したい個人・法人に販売するプラットフォームであり、サービスです。
ストックフォトサービスに掲載されている素材はさまざまです。動物の写真やビジネスシーンを切り取ったもの、あるいは特徴的な景色や日常を表現するシーンを撮影したものもあります。利用者はそれぞれ異なる目的を持って素材を探すため、単に美しい写真だけが売れるわけではありません。
また、ストックフォトサービスによっては画像や写真だけでなく、イラストや動画、音素材を扱っていることもあります。
PIXTAとは
「PIXTA(ピクスタ)」は、国内最大級のストックフォトサービスです。写真素材をはじめ、イラストや動画、音素材も扱い、ストックされている素材点数は8,800万点を超えます(※1)。クリエイター登録をすれば、プロ・アマチュア問わず誰もが素材を販売でき、2023年10月時点で登録クリエイター数は40万人にのぼっています。
PIXTAでは、素材を単発で550円程度から購入することもできますが、毎月大量に購入したい法人や個人のために定額プランも用意されています。全素材がロイヤリティフリーのため、一部の利用用途を除き、一度の購入で商用利用含め、チラシ・広告、企業のホームページ、Webメディアやプレゼン資料の素材などさまざまな案件で使用できます。
なお、PIXTA最大の強みは日本人をモデルとした写真素材が豊富な点だといわれています。日本人の素材を必要とする企業にとっては、日本のニッチな職業や日本を連想させるシーンをテーマとした素材が探しやすいという特徴があります。
※1出典:PIXTA『PIXTAが選ばれる理由』
PIXTAで副業を始める方法
PIXTAは、誰もが素材を販売できるプラットフォームです。ここからは、PIXTAで副業を始めるための具体的な方法を紹介します。
クリエイター登録
PIXTAでは、素材を販売したい人を「クリエイター」と呼びます。PIXTAで素材を販売するため、最初に必要となるのがクリエイター登録です。PIXTAトップページの「クリエイター会員登録」ボタンより、生年月日や住所など個人情報を入力します。なお事前に利用規約を確認し、内容に同意のうえ登録へと進むようにしましょう。登録後に運転免許証やパスポートなど、身分証明書の提出が求められるので心づもりをしておいてくださいね(※1)。
※1出典:PIXTA『素材販売完全ガイド‼︎』
入門テスト
会員登録が完了したら、マイページより入門講座を受講しましょう。素材販売のために事前に知っておくべき著作権・肖像権などの権利についてや、PIXTAで販売する際に素材に求められる要件などについて学べます。講座を最後まで受講したら理解度を確認するための入門テストを受験し、合格すればいよいよ手持ち素材がアップロードできるようになります。
なお、映像クリエイターとして登録する場合は、「映像クリエイター審査」を通過する必要があります(※1)。PIXTAの映像素材ガイドラインに準拠した、自身で制作した映像素材5作品以上とともに、使用カメラや編集ソフト、作業環境などの必要事項を入力して提出します。3~7営業日以内にメールで合否が届き、無事に通過した人のみクリエイターとして認定されます。
※1出典:PIXTAガイド『映像(動画)クリエイターになるには』
写真のアップロード
無事にクリエイターになったら、マイページから素材をアップロードできます。ただ、どのような素材でも自由にアップロードできるわけではありません。全ての画像がPIXTAにて審査され、ストック素材としての品質が担保できていないと判断される作品は、販売できない可能性もあります。まずはPIXTAで販売可能な素材の条件や仕様を『販売素材ガイドライン』で確認しましょう(※1)。
また、写真をアップロードする際にタグを設定できます。タグとは、PIXTA上で購入者が素材を探す際に検索するワードを指します。せっかく自信作をアップロードしても、見つけてもらえなければ買い手は現れません。適切なタグを付けて利益へと結びつけましょう。
※1出典:PIXTAガイド『アップロードと審査申請の手順(写真・イラスト)』
PIXTAで売れる写真のポイント
ここからは、素材点数が8,800万点を超えるPIXTAのなかでも、売れる写真のポイントを3つ紹介します。
テーマが明確
好きな風景や日常の一コマをなんとなく美しく切り取った作品よりも、テーマやコンセプトが伝わりやすい写真が売れやすいといえます。
なお、PIXTAのクリエイターマイページ内には「PIXTA analytics」と呼ばれるツールがあります。これは、購入者が求める素材のニーズを客観的に分析できるツールで、月ごとの検索ワードのトレンドを可視化することができます。
例えば2023年9月の1ヶ月間、写真部門の検索キーワードランキング上位10位は以下の通りです(※1)。
1位 女性
2位 ビジネス
3位 家族
4位 オフィス
5位 男性
6位 秋
7位 スマホ
8位 クリスマス
9位 パソコン
10位 看護師
このようなツールをうまく活用しながら、ニーズのあるテーマで撮影すると、より需要のある写真が出品できるでしょう。
※1出典:PIXTAガイド『【2023年9月】コンテンツ・クリエイター販売ランキング 検索キーワードランキング』
ビジネスシーンで使える
数あるテーマのなかでも、ビジネスシーンを切り取った作品は季節を問わず需要が大きいといえます。なかでも、販売回数が多いのは、職種を限定しない汎用性の高い写真素材です。具体的なテーマとしては、プレゼンテーションをする男性、コールセンターで対応する女性、複数人での会議シーンなど、いずれの企業でもありそうなシーンをテーマにした作品は需要が大きいものです。
一方で需要が大きい分、競合が多いのも事実です。そのため、あえてニッチな職業やサービス内容をテーマにした写真を準備するのも良い戦略の一つでしょう。希少性が高く、うまくニーズが合致すれば成約率が上がる可能性が高いといえます。
レタッチがしっかりできている
前提として何よりも大切なのは、写真のクオリティが高いことです。特に、レタッチの品質や癖で写真の印象が大きく左右されます。不要な写り込みやゴミを削除したり、色・明るさを適切に調整したりすることで作品に磨きをかけましょう。
特に、PIXTAでは、明るさや色味が審査基準の一つとなっています。ホワイトバランスの調整や濃度・明度で明るさを調整し、正確な色味を表現しましょう。ただし、レタッチの「やりすぎ」には注意です。コントラストを触りすぎたりシャープさを求めすぎたり、人の肌を修正しすぎると、不自然な作品になってしまいます。誰もが違和感なく活用できそうな作品づくりを心がけると良いでしょう。
PIXTAの副業の注意点
最後に、PIXTAで副業を始める際の注意点を2つ紹介します。
アップロード数を増やす
PIXTAでの写真販売は気軽に始めやすい副業ですが、収益化に至るまでは地道な努力が必要です。写真をアップロードしても思うように売れないこともあるでしょう。そのため、数枚アップロードして売れないからといってやめてしまうのではなく、アップロード数を確保することから始めましょう。
PIXTAが発表している『【2023年8月】コンテンツ・クリエイター販売ランキング 検索キーワードランキング』によると、上位10位以内のトップクリエイターは概ね3万枚以上、多い人で20万枚以上を販売しています。汎用性の高い写真をたくさんアップロードできる人がストックフォトサービスで高い収益を上げられるといえそうです。
※出典:PIXTAガイド『【2023年8月】コンテンツ・クリエイター販売ランキング 検索キーワードランキング』
継続的に活動する
アップロード数にも関連しますが、売れないからと言ってすぐにやめてしまうのではなく、収益に繋がらなくても継続的に写真をあげ続けることが最も大切です。モデルを起用した写真撮影は特に、経費も安くはありません。最初のうちはただ働きのような形になるかもしれませんが、いつか実る日が来ると信じて諦めずに根気よく活動を続けましょう。
その意味で、単にお小遣い稼ぎのような気持ちではモチベーションの維持が難しいかもしれません。半分趣味のような感覚で、楽しみながら続けられる人に向いている副業といえるでしょう。
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この記事では、ストックフォトサービスのPIXTAで副業を始める方法、売れる写真のポイントや副業する際の注意点を詳しく解説してきました。
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