家庭教師の副業とは?時給相場や案件例、注意点まとめ
未来ある子どもたちに勉強を教える家庭教師。
子どもの頃、自らがお世話になったことがある人もいるかもしれません。その家庭教師の仕事を本業の傍らチャレンジすることは十分に可能です。
この記事では、副業家庭教師の現在の形やそのメリット、実際の案件例や時給相場のほか、デメリット・注意点について詳しく解説します。
副業で家庭教師の仕事はできる?
自宅に招かれて各家庭で勉強を教えるのが家庭教師です。小学生から高校生を中心に生徒を抱え、自宅での学習をサポートします。家庭教師といえば、学生時代のアルバイトのイメージがあるかもしれませんが、プロの家庭教師として高い指導力を持つ講師も存在します。
教育系の本業に携わる人にとって、特に家庭教師の副業は相性が良く、活躍の場をさらに広げられる可能性があるでしょう。その際は、本業の勤め先で定められている就業規則を確認し、副業が認められているか慎重に確認しなければなりません。
家庭教師の副業の形
ここ数年間は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、家庭教師業界も対面授業だけでなくオンラインでの教育サービスが一気に普及しました。コロナ禍は徐々に終わりを迎えつつありますが、この2つの選択肢は今も残っており、今後はともに両立する形で進んでいくと考えられます。
ここからは、オフライン・オンライン家庭教師それぞれの特徴や良し悪しを解説します。
オフラインの家庭教師
オフラインの家庭教師は、文字通り家庭に招かれて生徒に指導する従来の方法です。オフラインの家庭教師で最大のメリットは、対面で直接生徒に指導できるため、臨機応変な対応ができ、信頼関係が築きやすいことです。
オンライン授業において、画面の向こうにいる生徒の状況全てを読み取ることは至難の業です。「手が止まっている」「理解できていない顔色」「質問がありそう」など直接会って話すことで受け取れる情報はたくさんあります。コミュニケーションが難しかったりやる気が感じられなかったりする生徒の場合は、特にオフラインの方が指導しやすいでしょう。
なおWi-Fiやビデオ通話の環境を教師側で整える必要がないのも良い点といえるかもしれません。デジタルへの知識不足が心配な人も、オフラインであれば紙や教科書ベースでの指導が叶うため、授業を進めるうえでの心配は最小限で済むでしょう。
オンラインの家庭教師
オンライン家庭教師は、各家庭に出向くことなく自宅や自分の事務所にいながら授業をします。パソコンなどのデジタルデバイスを活用してビデオ通話し、時には画面共有機能を通じて教科書を反映したり、手書きツールを使ったりしながら生徒を指導します。
場合によっては自分のいるエリアから遠く離れた場所の生徒を指導するケースもあり、家庭教師として実績が積み上がってくると場所を問わずオファーが来ることもあるでしょう。
ただし、直接の指導とは異なり生徒との関係構築が難しく、一層丁寧なコミュニケーションが求められます。対面の場合よりも融通がききづらいため、Wi-Fi環境は当たり前のように整え、画面共有機能や板書ツールを常に使いこなせる状態にしておくなど、授業の仕方にも工夫が必要です。
オンライン家庭教師のメリット
平日の日中を本業で忙しくしている会社員にとって、オンライン家庭教師は時間と場所に制限が少ないため、副業として隙間時間に始めやすいといえるでしょう。
ここからは、オンライン家庭教師のメリットを2つに分けて解説します。
時間の融通が効きやすい
オンライン家庭教師最大の利点は、場所と時間に制約が少ないことが挙げられます。秘密保持の観点から基本的には自宅から授業をすることが多く、各家庭へ訪問するための通勤・退勤時間が不要です。
さらに、授業時間の融通がきくのもポイントでしょう。学生も平日の日中は学校や部活で忙しく過ごしています。そのため平日の夕方から夜及び週末に依頼が多く、会社員にとっても副業にチャレンジしやすい時間帯にニーズがあるといえます。家庭教師の場合は、生徒と都合が合えば働けるため、子育て中の人にとっても、自分のペース、自分の好きなタイミングでフレキシブルにできる副業です。
学歴や知識を活かせる
オンライン・オフライン問わずですが、自身の得意科目を指導できる点も魅力的なポイントといえるでしょう。得意科目を指導し、徐々に生徒の成績が上がったり、理解が進んでいったりする過程を間近で見られるのは家庭教師の醍醐味です。
家庭教師の場合、まだまだ最終学歴や実績に箔(はく)が付くことが少なくありません。そのため学歴やこれまでの指導実績、経験によって初回から3,000円以上の高時給で働くこともできます。難関大学や医学部を目指す学生を指導する場合はさらに報酬がアップするなど、学歴や指導内容の難易度、指導可能科目の数やその科目の先生の希少性などにより短時間で効率よく稼げる点もメリットです。
家庭教師の副業案件の例
家庭教師には、各家庭から直接手渡しや振り込みで報酬を受け取る個人契約の場合と、派遣元会社と業務委託契約を締結して働くケースの2パターンがあります。
業務委託の場合は集客を契約先の企業が行ってくれるため、契約後は自動的に案件が紹介してもらえます。これから副業を始める多くの人は、まず業務委託案件からチェックするのが近道でしょう。
具体的な家庭教師の副業案件例は以下の通りです。
業務内容 | オンライン指導で子どもたちに授業を提供 ・パソコンで1対1の個別指導を行う ・小学生から高校生までの生徒に指導 ・受験勉強、学校の宿題、テスト前の直前対策など生徒の目的に応じた授業を展開 |
---|---|
稼働時間 | 1回の勤務時間:19:00~20:00 1ヶ月に8回勤務(8時間/月) |
単価 | 1授業60分 2,100円〜6,900円 ※授業可能な案件ごとに給与が異なる |
条件 | ・週1日、1日1時間からOK ・副業・Wワーク歓迎 ・指導経験1年以上の人歓迎 ・小学生から高校生まで、指導科目は1教科から選択可能 |
家庭教師の副業案件の時給相場
本業の傍ら副業で家庭教師として働くプロ家庭教師は、オンライン・オフライン問わず時給相場で2,000円から6,000円前後の案件が多くみられます。
なお、難関大学や医学部を目指す生徒を専門に指導する案件や、業務委託契約の際に試験を通過した人材のみを紹介する派遣会社では、時給4,000円から1万円前後の案件もあります。
一見短い時間で効率的に稼げるように見えますが、多くの場合、授業以外の時間で授業に向けた準備をしたり授業後の日報作成作業をしたりする際の時間給は発生しません。
授業に向けた諸々の作業込みで設定された高い時給という点を理解したうえで、納得できる案件を受けると安心でしょう。
家庭教師の副業のデメリットや注意点
ここまで、副業で家庭教師として働く方法や具体的な案件例を紹介してきました。ここからは、家庭教師の副業を始める際のデメリットや注意点について解説します。
本業の規定を確認する
家庭教師という職種に関わらず、会社員が副業を始める前に必ず確認しておかなければならないのが就業規則です。
就業規則で禁止されていなければ副業を始めることは可能です。しかし、副業を始めるには事前に会社から許可を得る届出が必要なケースも少なくありません。その場合は、副業先や報酬を得る事業主名及び事業内容などを指定の書面に記載し、正しいステップを踏んで申請しましょう。
確定申告が必要になる場合がある
副業で家庭教師をする場合は、派遣元会社と業務委託契約を締結して働くことが多いでしょう。その際、家庭教師として得る所得は事業所得、あるいは雑所得にあたります。
事業所得(※1)は、副業で得た総収入額から必要経費(※2)を差し引いた額を指し、これに所得税がかかります。そのため、本業先の企業から許可を得て副業している場合でも、年に20万円以上の事業所得が出た場合は本業とは別に確定申告が必要です(※3)。
確定申告についてさらに知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:副業で確定申告は必要?基本からわかりやすく解説
※1出典:国税庁『No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)』
※2出典:国税庁『No.2210 やさしい必要経費の知識』
※3出典:国税庁『確定申告が必要な方』
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