履歴書・職務経歴書における副業の書き方とは
副業を新たに始めてさらに収入を増やしたいと考える人もいるのではないでしょうか。
応募のために履歴書や職務経歴書を作成する際、過去の副業経験や志望理由の書き方など悩むこともあるでしょう。
この記事では、副業したことがある場合の履歴書・職務経歴書の記載方法や内容、新たに副業に応募する場合の志望動機の書き方などを詳しく解説します。
履歴書・職務経歴書に副業の経歴は記載すべき?
副業に限らず、就職・転職活動ではしばしば履歴書や職務経歴書の提出が求められます。
まずは、その役割の違いからおさらいしましょう。
履歴書は、応募者のプロフィールを確認するための書類。一方、職務経歴書は応募時点までの職歴や業務に対するスキルを見るものです。フォーマット化されている履歴書とは違い、職務経歴書には定型が存在しないことが多く、書き方に悩む人もいるかもしれません。
すでに副業経験がある人は、履歴書や職務経歴書にその旨を書くべきなのでしょうか。結論からいうと、副業経験も基本的には記載しておくべきです。特に、これから応募する新しい仕事にこれまでの副業が関連している場合は、“即戦力”として働けることをアピールできます。併せて、働く意欲が強く、スケジュール管理能力が高いことなどを暗に伝える機会にもなるでしょう。
場合によっては、副業で関わった企業名を書きたくないケースがあるかもしれません。それでも、全く触れないのは経歴詐称にあたる恐れもあります。そのため、社名を書かずとも「●●業界で○○の業務を担当」などと記載しておくのが望ましいといえます。
なお、副業経験の記載には例外もあります。例えば、アルバイトや家業手伝いで副収入を得ていた場合、応募時点ですでに辞めているのであれば、必ずしも記載しなくても構いません。一方、社会保険に加入していた場合は、新たな勤務先で年金手帳などの提出を求められる場合に備え、勤務先の記載は必須です。
正社員・契約社員・派遣社員のほか、個人事業主やフリーランスとして活動していた場合は、応募時点で辞めている場合でも年末調整や確定申告に備え、必ず履歴書や職務経歴書にその旨を書いておくようにしましょう。
副業に関して履歴書・職務経歴書に書くべき内容
就職・転職試験等の際、履歴書や職務経歴書で副業に関してどのような内容を記載すべきか、代表的なものを3点紹介します。
副業先の会社名・業種
まず、勤めている会社に加え、副業先の社名を時系列で記入します。その際、本業で携わっている企業が副業を認めていることが大前提です。また新たに応募する企業でも副業を続けたい意思がある場合には、事前に必ず副業可能かを確認しておきましょう。
見せ方の問題ですが、この際「本業」「副業」という言葉は使わずに書く方が、2社の業務ともに同じ熱量で頑張っていることがアピールできます。「副業」とわざわざ表現してしまうことで、そのつもりがなくとも手を抜いている印象を持たれかねないため、注意しましょう。
業務内容
ここで事前に確認しておきたいのが「業務内容」と「職務内容」の違いです。業務内容とは、自身が属する部署全体で取り組む仕事内容を指します。一方、職務内容とは、部門に与えられた仕事の中で自分自身が担当する具体的な業務のことです。
- 業務内容例:企業のブランドイメージ向上
- 職務内容例:社外向け販促物のデザイン監修
そのため、履歴書や職務経歴書では副業で携わった部門全体のミッションや役割だけでなく、そのなかで自分自身が何を担当したかまで踏み込んで、具体的に記載します。持っているスキルが、より先方に伝わりやすくなるでしょう。
成果
業務内容と関連しますが、副業での具体的な仕事とともに、その結果どのような成果を生み出せたかが表現できるとより良い履歴書・職務経歴書になります。営業部門など数字で成績が書けるとわかりやすいですが、抽象的で定性的な仕事であってもプロセスとともにできるだけ具体的に記載しましょう。
△ 大手企業の社外広報を担当し、プレスリリースを執筆
○ 大手企業のプレスリリースを月に●件公開し、メディアからの問合せ件数が●件増加
副業に応募する場合は履歴書・職務経歴書が必要?
実際のところ副業に応募する際に、履歴書や職務経歴書が求められるケースは多くありません。一方、各企業の方針によっては提出しなければならない場合もあります。
その理由の一つとして考えられるのは、応募先企業や個人との業務委託契約書の締結です。業務委託契約書とは、企業や個人が一部の業務を外部に委託する際に受注する側と結ぶ契約書です。一般的には、委託する業務内容や報酬の条件、問題が生じた際の責任の所在などが書かれており、双方が内容を確認し同意したという証拠を残す目的で作成されます。その作成にあたり、氏名や住所など一部の個人情報を提供する必要があることから、念のため履歴書や職務経歴書を準備しておくと採用後の手続きがスムーズになるかもしれません。
業務委託契約に記載される主な内容は以下の通りです。
- 氏名
- 住所
- 委託業務の内容
- 報酬
- 支払条件・支払期間
- 契約期間
- 再委託
- 成果物の権利
- 秘密保持
- 禁止事項
- 反社会的勢力の排除
- 損害賠償
加えて副業応募時に求められる書類としてよくあるのは、過去の実績一覧やポートフォリオです。とりわけ、ライターやデザイナーなどクリエイティブな専門職では、過去の記事や制作物が自身のプロフィールとともに求められることがあります。その際すぐに対応できるように、日頃から自身が関わった仕事や実績をまとめておくようにしましょう。
最近では、「Canva」などで履歴書テンプレートも提供されています。応募書類の見た目にもこだわりたい方は、こういったツールを活用するのも良いかもしれませんね。
副業に応募する場合、履歴書の志望動機は何を書く?
副業に応募する際、就職先や転職先向けの履歴書や職務経歴書とは違って、志望動機の書き方に難しさを感じる人もいるでしょう。志望理由で副業の目的をきちんと説明できれば、説得力のある書類になります。ここでは、ダブルワークだからこそ先方に好印象を残せるような、具体的な志望動機例を3つ紹介します。
収入を増やしたい
実際のところ副収入を得るために副業を始める人が多いなか、その気持ちを率直に書類に反映するのははばかられるかもしれません。しかし「もっと稼ぎたい」も、書き方や稼いだ後の目的によっては共感が得られやすいものです。
例えば「大学で借りている奨学金を早期に返納したい」「子どもの養育費に充てたい」のような現実的理由のほか、自身のスキルアップやキャリアアップにつながるような「ワーキングホリデイや社会人留学の資金にしたい」といった志望動機は好印象でしょう。
知見を広げたい
副業の醍醐味は、今勤めている会社以外の業界にチャレンジしたり、これまでの知識や経験をどう他企業で活かせたりするかを試せることではないでしょうか。これまで身につけたスキルや成果をアピールし、さらなるキャリア開発をしたい、とつなげて書くと良いでしょう。
ここで注意しなければならないのは、自分の希望ばかりを書きすぎないことです。企業としては、一個人の目標や希望を叶えてあげるために採用するわけではなく、あくまで活躍してくれることで業績アップや企業成長につながるのを期待しています。そのため、希望を書きつつも、それがどのように応募先のメリットになるかという点を併せて記載できると、より説得力が高まるでしょう。
人脈を広げたい
なかには、「人脈を広げたい」という理由で副業にチャレンジする人もいるかもしれません。この場合、人脈ができたらすぐに辞めてしまうのではないかと捉えられないよう、書き方には工夫が必要です。
人脈を広げるには、まず自分が周囲の人に信頼してもらわなければなりません。例えば、これまでにチームや組織のなかで自身がどのように人と関わり、プロジェクトや事業を成功に導き、信頼関係を築いてきたか書類上で表現できると納得感を与えられるでしょう。応募する企業やプロジェクト内でも人間関係を円滑にし、チーム力を一段階アップさせてくれるだろうと期待できるのであれば、「人脈を広げたい」応募者の希望とマッチするかもしれません。
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この記事では、副業経歴がある場合の履歴書・職務経歴書への書き方や記載すべき内容、またこれから副業に応募する場合の志望動機の書き方などを解説してきました。
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