弁護士の副業とは?時給相場や案件例、注意点まとめ
高収入な職業の代名詞ともいえる弁護士。弁護士数の増加に比べて訴訟事件が比例していかない昨今、その平均年収は下がりつつあります。
このため現在弁護士として活躍中の方であっても副業を検討することがあるのではないでしょうか。
今回は、弁護士の資格や経験を活かして収入UPが目指せる副業について、始める際の注意点から代表的な仕事の種類まで解説していきます。
案件例を時給換算にした場合の具体例も紹介していくので、参考にしてください。
弁護士は副業しても良い?
弁護士が副業をすること自体に法的な問題はありません。ただし副業をする際には弁護士法第30条第1項(営利業務の届出等)(※1)により、所属する弁護士会に届け出ることが義務付けられています。
弁護士会への届出義務の対象は、目指すところが利益の分配である「営利を目的とする業務」(※2)になります。
一方、営利を目的としないNPO法人での活動や個人での資産運用などは、この対象に該当しません。
検討する副業が届出義務にあたるかどうか不明瞭な場合は、あらかじめ弁護士会に確認しておくとよいでしょう。
※1出典:e-Gov法令検索HP 弁護士法(第30条第1項)
※2出典:日本弁護士連合会HP 営利業務の届出等に関する規定(pdf)
弁護士がスキルを活かせる副業
弁護士の資格やスキルを活かせる副業は、以下に記載する4つの仕事が代表的といえるでしょう。
法律ライター
さまざまなトラブルに対するQ&Aや、法律の知識などを分かりやすく伝える記事で法律ライターとして活躍できるのは、法の専門家である弁護士ならではの副業です。
問題解決の糸口として多面的な法知識による解決法が求められるため、社会的なニーズもあり、文字単価も平均3~5円程度と通常のライターより高めの設定になっています。
何より記事の執筆は時間と場所を選ばないことから、弁護士のスキルをフルに活かしながら収入UPも叶えられる理想的な副業といえるでしょう。
また記名記事であれば、書籍の出版よりも手っ取り早く知名度を上げられる点も魅力です。TVの法律番組での監修やコメンテーターとして、メディアへの出演依頼につながるかもしれません。
講師
法科大学院や法学部のゼミで法律を教えるだけでなく、司法試験受験指導校での試験対策講座など、講師として活躍できる副業の場はたくさんあります。
講師の仕事は授業も1コマから可能なケースも多く、夜間など本業の合間を縫いながら対応できるため、弁護士の副業としてはまさにうってつけといえるでしょう。
法務顧問
企業におけるコンプライアンスの強化などにより、中小企業などの法務顧問として活躍するポジションも、弁護士の副業として高いニーズがあります。
法務顧問といっても、企業法務に関わるポジションには以下の2つがあります。副業にするなら、外部アドバイザーとして比較的時間の融通が利きやすい顧問弁護士がおすすめです。
顧問弁護士 | ・担当企業を外部からサポートし、法務手続きや法務相談などを行う ・複数の企業と顧問契約を結ぶことが可能 |
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企業内弁護士 (インハウスローヤー) |
・特定の企業に所属して、経営方針に従いながら法務や法的トラブルの対応を行う |
コンサルタント
会社経営には法的な問題が発生する場面も多く、問題解決やトラブルを未然に防ぐには、法の専門家である弁護士のアドバイスが企業にとって非常に有益なものになります。
会計士や税理士だけでなく弁護士の資格や経験がある方なら、副業においてもコンサルタントのニーズはあるといえるでしょう。経営上で起こる民事・商事・労働事件などのさまざまな法的トラブルは、高い専門性とスキルのある法律のプロフェッショナルでしか解決できません。
副業としてコンサルタントを始めれば、法的側面から企業経営に有効なアドバイスをすることで高額なコンサルタント料を得ることが可能です。
弁護士の副業案件の例
弁護士のスキルが活かせる副業案件について、「稼働時間」「単価」「条件」の具体例を踏まえながら、以下に2例紹介していきます。
法律不動産専門ライター
稼働時間 | 1ヶ月に1記事5,000文字の記事を5本執筆(25時間程度/月) |
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単価 | 時給7,000~9,000円程度 |
条件 | ・不動産・金融の法律問題を得意としていること ・法律専門コンテンツの記事の監修経験があれば尚可 |
司法試験予備校講師
稼働時間 | 毎週日曜のみ1コマ90分の講義を2コマ(15時間程度/月) |
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単価 | 時給7,000~3万円程度 |
条件 | オリジナルの教材・資料を作成できること |
弁護士の副業案件の時給相場
多くの人々が専門的な知識を求めていることにより、非常にニーズがある弁護士の副業。
副業をした場合、時給や単価に換算すると、その相場は以下のようにほかの仕事と比べてかなり高めの設定になっています。
- 法律専門コンテンツの記事監修/1記事1万円程度
- スポットコンサル/1回1時間あたり1万5,000~3万円程度
弁護士が副業する際の注意点
弁護士の立場として副業をする場合、以下の4つに関しては特に注意するようにしましょう。
所属事務所への確認
弁護士の副業は、所属する弁護士会に届け出て受理されれば法的な問題はありません。
しかし、自身が所属する法律事務所や企業が副業を認めているとは限らないため、必ず就業規則を確認しておきましょう。
弁護士法や所定の規則・基準で禁止されていなくても、所属する組織が就業規則でNGとしていれば、副業は問題行為とみなされ、懲戒処分の対象にもなる可能性もあります。
法に携わる立場の弁護士が規則を犯すことがないよう、就業規則だけでなく組織の上長への確認と事前報告は、まずしておかなければなりません。
機密保持
弁護士には「弁護士法第23条」(※1)により守秘義務が課せられています。
クライアントが弁護士へする依頼は、公的・プライベートいずれにしろ事情の込み入ったデリケートな問題がほとんどです。
このため弁護士が職務上知り得た秘密は、弁護士で活動している間はもちろんのこと、弁護士を辞めた後でも他者に漏らすことは許されません。
この機密保持に関しては、日本弁護士連合会における「弁護士職務基本規定第23条」(※2)によっても定められています。
※1出典:e-Gov法令検索HP 弁護士法(第23条)
※2出典:日本弁護士連合会HP 弁護士職務基本規定(第23条)
本業との利益相反の回避
弁護士が副業を検討する場合、まずその副業が適切かどうかを判断しなければなりません。
営利業務や公務に従事する弁護士に対しての、弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準(※1)では、下記が指導・監督の対象とされています。
- 情報の不当利用
- 利益相反行為
- 係争権利を譲り受ける行為
- 勧誘等
- 地位の不当利用
- その他品位を損なう行為
弁護士は依頼者のために、誠実で公正な職務を遂行する義務があります。利益相反は複数の人の利害が対立している状況を指し、新規の相談と既に依頼を受けた依頼者の間で利益相反が起こる可能性はゼロではないでしょう。
副業における依頼者の利益を図るために、本業での依頼者の利益を害する事態は回避しなければなりません。この場合、副業での依頼を断ることが必要です。
※1出典:日本弁護士連合会HP 営利業務及び公務に従事する弁護士に対する弁護士会及び日本弁護士連合会の指導・監督に関する基準(pdf)
時間と健康の管理
弁護士は1つの業務量が非常に多い仕事です。同時に複数の依頼を受け持つケースも多いため、副業を始めれば時間を別に確保しなければなりません。
仕事の優先順位や割り振りを改めて組み直し、効率よく業務をこなしていかなければ、本業でも副業でも仕事は溜まる一方でしょう。また、肉体的・精神的な疲れから、本業がおろそかになっては弁護士としての信用も失う結果につながります。
副業をするなら、まず時間と健康の管理を徹底して、本業に支障のない範囲でできる仕事を選ぶことがうまく続けていけるコツといえるでしょう。
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