【対談】いちごスイーツ専門店『いちびこ』はどう進化したか? 商品開発の“上流”で活躍する副業人材とは
今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、 いちごスイーツ専門店『いちびこ』を展開する、株式会社いいねの副業人材活用事例です。
2021年12月、同社はlotsful経由でデザインやアートディレクション、ブランディングの経験が豊富なパラレルワーカー・白田啓秀氏を採用。コミュニケーションツールなどの制作だけでなく、新商品のコンセプト設計やマーケティングなどの上流フェーズから携わり、その力を発揮しています。
なぜ、デザイン業務などを切り出して任せるのではなく、商品開発の上流部分に至るまでを副業人材に任せることにしたのか。そして、得られた成果とは?マーケティングから商品企画までの業務を一括で担当している株式会社いいねの田中友子氏と副業人材の白田啓秀氏から、お話を伺いました。
会社情報
株式会社いいね (GRAグループ) |
いちご専門店の運営・通販・卸事業 |
---|---|
設立年 | 2017年4月17日 |
社員数 | 18名 |
副業活用ポジション | 商品開発 |
株式会社いいね
田中友子氏
食品メーカーの勤務経験は20年以上。現在は株式会社いいねにて、いちごスイーツ専門店『いちびこ』のマーケティングや商品企画など幅広く手がけている。
副業人材
白田啓秀氏
ブランド設計、コンセプトメイキング、CI・VI開発をはじめとした、様々なクリエイティブ案件をアートディレクター・デザイナーとして手がけている。
経験・スキルが素晴らしく、”深い話”ができる
田中氏
当社は、いちごスイーツ専門店『いちびこ』の経営やいちごスイーツの小売事業などを展開しており、お客様に対して商品をどのように伝えていくかが、とても重要だと考えています。
以前から外部のデザイナーにロゴやパッケージ制作を依頼していましたが、販促物の制作などにおいては、手が足りていない状態でした。そうした際には社内で制作することもあったのですが、「お客様に伝わるコミュニケーション」が構築できているか自信が持てなかったのです。そこで、経験豊かな方にお手伝いいただこうと考えました。
田中氏
当社は東日本大震災の復興を契機に設立された 、宮城県の農業生産法人 GRAのグループ会社です。もともとプロボノなど多様な人材が集まる風土があったので、副業を含め外部人材の活用に抵抗はありませんでした。
田中氏
私自身、マーケティングから商品企画まで幅広く担当しているので、それらを一括でできる方か、一部分を対応できるスペシャリストをlotsfulさんにお願いしました。そこで白田さんをご紹介され、経験・スキル共に素晴らしかったので、すぐに業務をお願いすることにしたのです。
業務の進め方としては、日々の課題感をシェアして、どのようなデザインやコミュニケーションにするかを相談しています。すでに、新商品の「4 Flavors いちごジャム&クリームバウム」 を担当していただきました。商品を試食してもらい、特徴などを考えながらどのような伝え方をするかまで、白田さんと一緒に議論しました。デザインだけをしてもらうのではなく、商品が生まれた背景から説明しながら、クリエイティブを作り上げています。ここまで深く会話をしながら業務を進められる方に出会えて、非常に満足しています。
田中氏
「新しい、今まで誰も見たことがない商品がここにあるのですが、これをどうやって伝えていきましょうか?」と、ざっくりした依頼ですね(笑)。……実はこれには理由がありまして。ちょうどクリスマスケーキに対応しなければならない去年末の超繁忙期だったんですね。
丸投げのような形で依頼をしてしまったのですが、白田さんはデザインの枠を越えて、コミュニケーションのコンセプトから提案してくれました。それからは、週に一回のWebミーティングで、リーフレット制作や商品写真の撮り方までアドバイスしてもらっています。ざっくりとした依頼であっても、コンセプト設計からコミュニケーションツール作成の支援まで、幅広く対応してもらい大変助かっています。
”単発で終わり”ではなく、”課題解決”から携われる
白田氏
これまでに飲食系の案件を多々手がけていますし、元々食べることも好きで。こうした経験を他でも活かしてみたいと考えていました。たまたまSNSでlotsfulが表示され、飲食系の案件があったので、登録してみたのがきっかけです。その後、いいねさんを紹介いただき、一粒1000円くらいする”ミガキイチゴ”を扱っているのを知り、「すごいな、何かできることがあればいいな」と思い、応募しました。
また、募集ポジションが「商品開発」という点も魅力に感じましたね。単発でデザインを担当して終わりといった案件よりも、担当者と一緒に相談しながら進める業務を希望していたんです。紹介されたいいねさんの業務が、まさにそうしたイメージにマッチしていると感じていました。そして、面談で上流フェーズから入って商品の課題解決に関われることがわかり、「やっぱり楽しそうだ」と思い参画しました。
白田氏
「4 Flavors いちごジャム&クリームバウム」 の場合は、まず試食してみて「面白いな」と。さらに、機能的な部分も訴求していくためネーミングも提案。言葉づくりから、それらを具体化する写真はどんなものが必要かといったことまで検討していきました。『いちびこ』というブランドの世界観を壊さないように、トーン&マナーを合わせながら、クリエイティブでどう遊んでいくかを考えましたね。
お二人に伺います。仕事を進める中で、気をつけた点などはありましたか。
白田氏
大切にしたのは、「嘘をつかないこと」ですね。思ったことだけを言おうと。競合を意識しすぎると、自分たちの色が出せなくなります。そうならないように、良いところをすくい上げ「うちはうち、よそはよそ」と割り切りながら、表現を詰めていきました。
田中氏
私たちが商品に対して持つ想いを、白田さんに伝える努力を惜しまないことです。それができたからこそ、お互い齟齬がなく進んでいくことができたと思っています。白田さん以外の方でしたら、ここまでうまくはいかなかったかもしれませんね。私自身、20年以上食品メーカーで働いていますが、ここまで突っ込んだ話ができる外部パートナーは珍しく、貴重な存在だと思っています。
副業人材と、長期的な視点で協業していく
田中氏
「こんな伝え方があったのか」と、想像もしなかったコミュニケーションプランを提案をしてくれるので、私たちの考える幅が広がりました。お客様に当社の多様な価値を伝える、強い味方だと思っています。
また、今まではバレンタインやホワイトデーのギフトカードを社内で制作していたのですが、クオリティに自信が持てないものもありました。そうしたコミュニケーションツールの制作も白田さんに対応いただき、胸を張ってお客様に渡すことができるようになりましたね。店舗スタッフも喜んでいます。
白田氏
ブランディングは、時間をかけないと成果がわかりにくいので、現状ではまだ何とも言えない部分があります。先ほど田中さんがお話ししたようなギフトカードの制作などの取り組みを続けていくべきか、もっと注力する部分が他にあるのかなどは、時間をかけて見極めていきたいですね。これからも仲間の一員として一緒に悩みながら楽しく関われたらと思っています。
田中氏
今回、長い時間をかけて成果を出そうと考えてくださる白田さんとご縁をもらえて、感謝しています。幅広く仕事ができる方なので、業務面でも非常に助かっています。
白田氏
これからは、副業への取り組み方も変わってくると思います。メインの仕事の合間に副業をするスタイルではなく、自分をしっかり売り込める方でないと、活躍が難しくなるのではないでしょうか。
そのように考えると、lotsfulさんが副業人材を「タレント」と表現するのは、しっくりくるなと思っています。副業という世界が、もっと自分の持ち味をいかせる場所になってほしいですね。何よりこれだけ相性の良い企業をマッチングいただき、lotsfulさんにはとても感謝しています。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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