NECの新規事業で副業人材を活用!農業支援サービスの価値を高めるデータ分析人材の活躍とは?
今回、「lotsful magazine」が取り上げるのは、NECの新規事業部門・AgriTech事業開発グループにおける、データ分析ポジションでの副業人材活用事例です。
AgriTech事業開発グループでは、デジタル農業を加速させていくため、様々な農業支援ソリューションを提供しています。特に農業ICTサービスである「CropScope」は、衛星画像やセンサーなどを使って農作物の成長や土壌の状況を可視化し、AIが営農意思決定をサポートしてくれるレコメンド機能などを備えています。
今回は、「CropScope」が蓄積したデータを分析する副業人材をlotsful経由で採用。今までリソース不足で着手できていなかった業務を副業人材に任せることで、新規サービスの開発を加速させています。
大手企業の新規事業部門において、どのような経緯で副業人材を採用することになったのか。また、採用から半年以上が経過しても、同じ副業人材を活用し続けている理由とは。現場において実際に副業人材と共に業務を推進している、AgriTech事業開発グループ主任の菊池氏からお話を伺いました。
会社情報
日本電気株式会社 | 社会公共、社会基盤、エンタープライズ、ネットワークサービス、グローバル |
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設立年 | 1899年(明治32年)7月17日 |
社員数 | 単独 20,589名(2021年3月末現在) |
副業活用ポジション | データ分析 |
日本電気株式会社 AgriTech事業開発グループ 主任 菊池 裕介 氏
NECの新規事業部門であるAgriTech事業開発グループに在籍。主に、農業ICTサービス「CropScope」におけるデータ分析や提案業務などを担当している。
副業を活用したきっかけは、社内の口コミ
菊池氏
AgriTech事業開発グループでは、野外の畑から収集したデータを使ったデジタル農業を推進させています。例えば、人工衛星で撮影した画像から作物の生育状況を把握したり、畑に設置したセンサーから土の水分量や気象データを取得したりしています。こういった畑のデータを1カ所に集約し、農家や営農指導員、食品会社など、農業に関連する人々にそれらをシェア。さらに作物の育ち方を予測して最適な水や肥料の量をリコメンドすることで、営農意思決定の検討材料に使ってもらいます。栽培が終わると、それまでに収集した農作物に関するデータを分析して、次年度の業務改善につながるようなインサイトも提供しています。
私自身は、AgriTech事業開発グループで提供している農業ICTサービス「CropScope」で蓄積されたデータの分析や意思決定支援のための生育予測モデルの開発を担当しています。
菊池氏
一番の理由は、社内での人員確保が難しかったからです。そのような課題がある中で、lotsfulで副業人材を活用しようと思ったのは、社内の口コミによるところが大きいですね。他の部門がlotsful経由で副業人材を採用したのですが、その人がかなり優秀で、生産性高く業務に取り組んでいると耳にしました。そこで、当グループでも利用することにしたのです。
菊池氏
ポジティブなイメージを持っていましたね。本業で週5日勤務することに加えて、副業でも働いている。そのような方は仕事に対するモチベーションが高く、自己研鑽に努めている人であると思っていましたから。
菊池氏
データ分析に関して十分なスキルがあった上で、面談の時に「農業に対して興味がある」と言ってくれたのが決め手になりました。農業に対するモチベーションがある方でしたら、業務を任せる際にも安心感があります。「この仕事のためなら、他の副業案件も調整しますよ」と非常に前のめりだったのも印象的でしたね。
副業人材の活躍によって、サービスの付加価値が高まる
菊池氏
「CropScope」に蓄積された様々なデータから現場で必要とされる示唆を発見する業務をお任せしています。これまでのサービス運用を通じて、我々のプラットフォームにもたくさんのデータがたまってきていて、「こんな分析ができないか?」とお客様からリクエストを頂く機会も増えてきました。ただ我々のリソースの限界もあり、すべてを拾い切れていなかったのが実情でした。Sさんには、そういった部分を補完するためのデータ分析業務をお願いしています。
菊池氏
具体的なアウトプットとして、トマトの生育に想定外の遅れがないかどうかを衛星画像から判別するモデルを構築していただきました。この判別モデルを使うことで、トマトが順調に育っているか、予定通りの収穫量が実現できそうかを判断することが可能になります。経験が少ない農家さんにとっては、トマトの育成状況を客観的に判断できる指標は非常に価値があるとお客様からも好評です。
菊池氏
いつもはSlackで連絡を取りながら、週に1回30分程度の定例を行なっています。そのタイミングでSさんに分析してもらいたいデータを準備し、共有しています。
菊池氏
lotsful経由でSさんとデータ取り扱いや秘密保持に関する契約は結んでいますので、まず問題はないと思っています。もちろん形式上だけではなく、NEC側でのデータの匿名化や不必要なデータの削除、Sさん側での作業環境のヒアリングなど、リスクを排除するためにできることは可能な限り実施しています。
菊池氏
Sさんの自走力の高さに驚いています。週に1回30分の定例ミーティングとSlackでのやり取りという、最小限のコミュニケーションで、質の高いアウトプットをしてくれていますから。
菊池氏
大企業ですとプロジェクトメンバーが固定されてしまいますので、日々その人員でやりくりしなければなりません。そんな状況で、外部からスキルがある人が入ってくれると非常に助かりますね。私が所属するAgriTech事業開発グループは新規事業部門ですので、やることもどんどん変わっていきます。その中でアジャストした人材を選べるのも、副業人材を活用するメリットだと思います。
副業人材が自走できるように、情報を提供
菊池氏
メンバーもSさんの作業の早さにビックリしており、「これもお願いしたい」とどんどん要望がでてきています(笑)。また、Sさん自身が農業という業界に強い興味を持ってくださっていて、相性の良さも感じていますので、あえて他の副業人材を採用したいとは思っていません。そして何より、Sさんの業務の質とスピードに満足しているので、長期間継続してお願いしています。
菊池氏
まったく不満はありません。業務をしっかりと切り出して、任せる部分を明確にしていますし、そこから次のタスクを決めるのには定例ミーティングの30分間で過不足ありませんね。密に連絡を取らなくても作業に支障が出ないように、データ準備と分析のゴール定義は私の方できちんするようにしています。そこからの工夫はSさんがすると、お互いの役割も理解できていますから。
菊池氏
Sさんが自走できるように、コミュニケーションしている点でしょうか。私たちの事業が何を目指し、そこから逆算してSさんに何を任せたいのか。そのアウトプットが事業にどう貢献していくのかを、丁寧に説明するようにしていますね。
菊池氏
業務に取り組む時間も限られていますので、その中で結果を出すための自走力を持った方ですね。その能力があると、共有された情報から様々なことを推測し、質の高いアウトプットが出せます。また、限られたコミュニケーション、我々でいうと30分のミーティングの中で、いかに疑問点を潰せるかも重要です。Sさんの質問はけっこう厳しくて(笑)。「これどうなっているんですか?」と鋭い質問をされます。そうしたことが、自走力に繋がっているのかもしれませんね。
菊池氏
事業を加速させたいと思った時に、求めているスキルを持った方が採用できて非常に助かっています。最初は、そう簡単には見つからないだろうと思っていましたから。これからも積極的に活用していきたいと考えていますし、他の部門から人が足りないと相談されたら、私もlotsfulを紹介したいですね。
(編集・取材・文:眞田幸剛)
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