2020.11.25

その道のプロが「壁打ち相手」に!新サービス立ち上げ期の副業人材の活かし方


副業人材の活用事例などを発信している「lotsful magazine」が今回取り上げるのは、事業開発・マーケティングポジションで副業人材を活用している株式会社エルテスです。

デジタルリスク対策に関するサービスを提供している同社では、今年5月にネット中傷や風評被害を最小化するサブスク型新サービス「モニタリアン」の試験提供を開始。同サービスの立ち上げにあたり、副業人材をlotsful経由でアサインしています。
なぜ、新規事業の立ち上げ期という重要なフェーズで、副業人材を活用しようと意志決定したのか?さらに、副業人材のモチベーションやパフォーマンスを最大化させる秘訣などについて、マーケティング担当部長の江島周平氏に詳しくお話を伺いました。

株式会社エルテス:リスク検知に特化したビッグデータ解析によるソリューションの提供
設立年:2004年
社員数:111名(2020年8月末現在)
副業活用ポジション:事業開発・マーケティング

■株式会社エルテス マーケティング部長 江島周平氏
広告代理店やデジタルエージェンシーにおいて、クライアントのマーケティング支援に長年従事。2020年1月に株式会社エルテスにジョインし、マーケティング部長に就任。「モニタリアン」など新規事業の企画・開発なども手がけている。

新サービス立ち上げ期に、「壁打ち相手」になってくれる

――今回、正式に副業人材を受け入れたのは、エルテスさん社内でも初めての試みと伺っています。まずは、新サービス「モニタリアン」の開発のために副業人材の活用を決めた背景についてお聞かせください。

江島氏 : これまでは業務委託などでOBに仕事を依頼してはいたのですが、
全く繋がりのない方を面談し、副業人材として受け入れたのは今回が初めてとなります。
当社のビジネスはデジタルリスクの対策(ネット上の誹謗中傷、炎上対策)がメインサービスとなり、それ以外にも企業機密の持ち出し、メンタル・ハラスメントリスクのプロファイリングなど、リスクに関するサービス開発を行っています。規模の大きな会社ではないので、R&Dに特化した部門があるわけではありません。新規事業にチャレンジする場合には多様な人材が必要となる反面、そのリソースを社内から調達することは難しく、さらに言えば新しいサービスが軌道に乗るかは未知数。新規事業を立ち上げるごとに正社員を採用するのはコスト的に厳しく、不確実性の高い面もあり、副業人材を試験的に活用していこうと考えました。

――今回、lotsful経由で副業人材・Aさんがジョインしています。Aさんに決めたポイントは?

江島氏 : 事業開発経験、特に新規サービスの立ち上げ経験があったことですね。さらに、着眼点がビジネス寄りだった部分も魅力的でした。今回求めていたのはビジネスゴールを目指し、一緒に伴走できる方だったので、それに見合う知見を有したAさんにお願いしました。
Aさんに担当いただいている業務は、「モニタリアン」の企画・開発領域におけるコンセプトメイクや、クライアントへのヒアリング資料のたたき台の作成です。また簡易的な調査などもお任せしつつ、週に1回のディスカッションを行っています。アウトプットを意識した議論が一緒にできるので、私一人で考えるのではなく、相談しながら壁打ちができるのは非常に助かっていますね。

▲2020年5月29日よりネット上のリスクを監視するサービス「モニタリアン」の試験提供を開始。

「何に対して評価を得たいのか」を副業人材とすり合わせる

――副業人材を受け入れて実感するメリットはありますか?

江島氏 : Aさんのように、様々な場面で活躍している人材を正社員として登用するのはハードルが高いです。しかし、副業人材としてなら、彼のように優秀な方と仕事をすることができます。逆に、期待していたような活躍ができなければ、きれいにお別れすることもできますので、正社員採用と比べて気軽に業務をお任せすることが可能です。もちろん、Aさんは高いパフォーマンスを発揮していますので、引き続き本プロジェクトをお任せしたいと考えています。

――逆に副業人材を受け入れる難しさはありますか。

江島氏 : 自社の社員ではないですし、時間も限られているので、お互いに業務マネジメントが下手だと地獄を見ることになると思います(笑)。
Aさんの場合、業務を自分で設計し、準備・リサーチをしてくれています。
「◯◯もできるし、XXもやりますよ」とAさん自らご提案してくれるので、建設的なキャッチボールができていますね。やはり、私たちとの”目線合わせ”ができているから、ここまで対応できるのでしょう。

――その目線合わせに関して、具体的に行ったことはあるのでしょうか。

江島氏 : 正社員採用と似ているかもしれませんが、「Aさんがどんな働き方をしたくて、何に対して評価してほしいのか」についてすり合わせを行いました。当社の場合は裁量をもって働いてくれる人を評価しますので、その視点はブレないようにお話をしました。
lotsfulから4名ほどご紹介いただきましたが、その人が得意なこと、やりたいことと、当社が求めていることを鑑み、総合的に判断してAさんに決めた部分もあります。他にも魅力的な方はいらっしゃいましが、双方の求めていることが合致しないと、お互いが幸せにならないですからね。

――副業人材の意向をしっかりと検討した上で判断したということですね。

江島氏 : そうですね。自分がlotsfulに登録した側になって考えてみると、ジョインした企業から頭ごなしに指示されたら「本業でもないのに…」とモチベーションが上がらないと思います。lotsfulのような副業サービスに登録したのなら、その人も腕に自信があるはずですから。

副業人材は、一緒に悩みながら伴走できるパートナー

――企業から見て活躍できる副業人材とは、どのような方でしょうか。

江島氏 : 「所属している企業に最適化していない人材」だと思います。というのも、「ある特定の環境においてしか業務ができない人」だと副業人材として活躍するのは難しいですから。また、基本的なことにはなりますが、「好奇心がある方」ですね。Aさんに関していえば、好奇心があり質問も的確。「分からないこと」が明確なので、Aさんの質問に対してこちらが回答すると、きちんとリサーチして次のステップに進んでくれるんです。

――エルテスさんのように新しいサービスの立ち上げに伴って副業人材の活用を検討する方もいらっしゃると思います。そうした方に何かアドバイスはありますでしょうか?

江島氏 : 「一緒に悩みながら伴走できるパートナー」を探すイメージで、副業人材を見つけた方がよいと思います。期日通りに成果物を納品してほしいのなら、それを得意とする企業に依頼すればいいわけですからね。

――それでは最後にlotsfulを活用した感想をお聞かせください。

江島氏 : 普通だと出会えないような優秀な人材と関わることができるので、非常に面白いと感じましたね。労働力がシュリンクしていく中で、人はひとつの企業で働くものだという既成概念に捉われていては、日本がどんどん停滞してしまいます。副業という働き方は、時代に合った選択だと思います。

今後は副業人材を活用してどこまでサービスをスケールさせていくか、検討していく必要があります。「副業人材を20名増やして組織化する」というのは、弊社では現実的ではないと考えています。ピンポイントで「プロジェクトのこの部分」といった具合に、副業人材をアサインしていく形が適切だと今は感じています。

(編集・取材・文:眞田幸剛)