2020.11.5

”知財のプロ”がジョイン。医療系スタートアップが実践する「専門性の高い副業人材活用法」


副業人材の活用事例などを発信している「lotsful magazine」が今回取り上げるのは、「知財」のポジションで副業人材を活用している医療系スタートアップ・クォンタムオペレーションです。

2017年に創業し、ヘルスケア・医療分野における革新的なIoTデバイス「バインスタ」を研究・開発している同社。「自社の発明や製品を権利化・保護する」という事業戦略において重要な役割を担う知財を、なぜ副業人材に任せるという意思決定を行ったのか?さらに仕事の切り出し方から、副業人材による自社メンバーの育成など、同社代表の加藤和磨氏に詳しくお話を伺いました。

株式会社クォンタムオペレーション:医療・介護業界向けIoTセンサーの開発、製造、販売
設立年:2017年
社員数:22名(役員・契約社員含む)
副業活用ポジション:知財戦略
 


【写真中央】 株式会社クォンタムオペレーション 代表取締役 加藤和磨氏
北海道夕張市出身。東京経済大学卒業後、株式会社インテックへ入社。
その後、人材育成塾での共同代表、情報サービス業でのCIO、地元・夕張市での起業などを経て、2017年に株式会社クォンタムオペレーションを創業。

採用手法の多様化やコスト面を考え、副業人材を活用

――今年7月に知財の副業人材がlotsful経由でジョインされました。クォンタムオペレーションさんでは、「副業人材の受け入れは初」と伺っています。まずは、副業人材を受け入れた経緯をお聞かせください。

加藤氏 : 時代の流れとして正社員登用だけが採用の方法でないですし、「働き方も多様であるべき」という思いがありました。また、副業のノウハウを自社に蓄積させていくためにも、副業人材の活用が必要と考え、受け入れることにしました。
また、スタートアップである当社にとって、知財というポジションは正社員として週40時間働いていただくことを必要とする業務ではありません。スポット的に働いていただいた方が当社のコストを削減できるという点も受け入れの理由のひとつです。

――副業人材の活用前は、社内に知財担当はいなかったのですか?

加藤氏 : 知財のメイン担当がいなかったため、私が直接担当しながら弁理士事務所とやり取りしていました。基本的には弁理士は私たちからの依頼があって初めて動いてくれるので、知財戦略を社内の立場で常に考えてくれる人がいなかったのです。

会社独自のノウハウは、特にプロダクトを作る弊社のようなスタートアップにとって非常に大切になりますので、私たちの技術を守るためにも知財担当は必要となります。また、資金調達を含めた対外的なアピールに知財は有効ですので、その強化ができればと考えていました。

――副業人材を活用するために様々なサービスがある中で、lotsfulを選んだ理由を教えてください。

加藤氏 : エンジニアに強い副業サービスは多いのですが、今回受け入れたいポジションは知財でした。そのような専門性の高いポジションまでカバーしているサービスがlotsfulだったので、お任せすることにしたんです。

――知財という重要なポジションを副業人材に任せることに不安はなかったのでしょうか?

加藤氏 : 人材の流動性が高い時代なので完全に守ることは難しくなっていますし、逆に副業人材の方が、社内アクセスを適切にコントロールすれば、割り切りながら対応できると思っています。正社員ですと、社内アクセスもかなり自由になってしまいますからね。そういった意味では、リスクはそう変わらないと考えています。また、lotsful経由での副業人材との契約になりますので、「BtoBでの契約」という安心感もありましたね。


▲クォンタムオペレーションが開発を行っている「バインスタ」

特許取得の準備から、発明に関わる社内整備までを副業人材が担う

――今回の副業人材・Aさんを知財担当として選んだ理由をお聞かせください。

加藤氏 : 面談をして紳士的で寄り添ってくださる方という印象を受けました。そして、知財戦略の立案から特許申請、取得までのマイルストーンの設計ができる方で、まさに当社が探していた経験をお持ちの人材だったので受け入れを決めました。

今年7月からジョインいただいたのですが、最初は業務の全体像や当社のプロダクト、事業戦略を説明。そこから知財に関わるストーリーを描いていただき、今まで付き合いのある弁理士と相談しながらマイルストーンを設定し、特許を取得していけるように話し合いを行っていきました。

――社内情報はどのように共有していますか?

加藤氏 : 開示する部分とそうでない部分を分けながら、徐々に社内情報を共有しています。事業戦略についても説明を行い、その中から質問があった場合に、渡す情報を精査しながら対応しました。現在は週に1回ほど定例会を開催しながら、業務を進めていただいています。

――副業人材・Aさんに知財業務をお任せしてからの成果は?

加藤氏 : 熱中症の予兆に関する特許を、弁理士と準備いただいている最中です。さらに、その次の特許取得についても動いてもらっています。また、社員が発明をした時の契約をどうするのかといった社内整備、契約方法も考えていただいています。
知財業務をアウトソースすると依頼した時しか相談できませんが、副業人材の場合は疑問があれば随時聞けるので非常に助かっていますね。

一線級のプロに社員育成まで任せられる

――シード/アーリー期のスタートアップにおける、副業人材の有効性をお聞かせください。

加藤氏 : やはり、その分野のプロに入ってもらえるのは、人材の少ないスタートアップにとって非常に助かると思います。lotsfulの登録者のような現役社員の副業人材は、他の会社でも活躍している一線級のプロフェッショナルの方が多い。そんな方を正社員で迎えるのはコスト的に難しくても、副業だと折り合いがつきやすいのもメリットだと感じています。

――今後も副業人材・Aさんに知財業務に任せていくと伺っています。継続しようと決めた理由は?

加藤氏 : 成果も出ていますし、人柄も申し分ありません。当社の若手社員を知財担当としてつけて、Aさんにその社員の育成もお任せしている最中です。育成していただいている若手社員は、エンジニア兼データアナリストとして働いていたのですが、大学で知財を勉強していたこともあり担当に抜擢しました。

Aさんと3カ月ほど一緒に仕事をしていく中で、知財に対して積極的に動くようになり成長を感じています。副業人材に社員育成まで任せることができ、会社のいい刺激にもなっています。このような事例を活かしながら、社内の副業制度も作っていきたいと考えています。

――最後にlotsfulを使用した感想をお聞かせください。

加藤氏 : 当社のニーズをくみ取りながら優秀な人材とスピーディーにマッチングいただき、調整業務などもお任せできるのでとても便利ですね。色々な分野の人材が集まっているので、これからも副業サービスはlotsfulを利用していく予定です。

(編集・取材・文:眞田幸剛)

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