2020.3.31

「採用するよりもスピードがあがる」――約半年で2つの新規事業を創出!エキサイトの副業人材活用術とは?


企業と個人が成⻑できる副業サイクルの実現を目指し、副業人材マッチングサービスを展開しているlotsful(ロッツフル)ではWebメディア「lotsful magazine」をスタート。lotsfulを活用した具体的な事例などを掲載していきます。(lotsfulの活用をご検討されている法人様はコチラ

第一回目は、2019年からlotsfulを活用しているエキサイト株式会社の事例を紹介。どのような経緯で副業人材の受け入れをスタートさせたのか?受け入れたことによって社内にどんな変化があらわれたのか?――副業制度を検討している企業が、「今最も知りたい」と思う情報をお伝えします。

今回はlotsfulの代表である田中が、エキサイトの人事部門責任者を務める齋藤匠氏にインタビュー。同社の新規事業立ち上げに寄与している副業人材のAさん(20代男性/某業界リーディングカンパニー所属)が活躍しているポイントについて詳しくお聞きしました。

エキサイト株式会社:メディア事業・ブロードバンド事業・課金事業に加え、時代変化に合わせた新規事業を生み出している、インターネット総合企業。
設立年:1997年

社員数:201名
副業活用ポジション:新規事業

【写真左】 エキサイト株式会社 執行役員    齋藤匠氏
大手SI企業において、チケットシステム構築などに携わる。2012年、株式会社サイバーエージェント入社。基盤系システム統括後、技術人事としてエンジニア人材育成に従事。2016年、株式会社シーエー・モバイル(現・株式会社CAM)に入社。同社Technology Initiative Center 執行役員を経て取締役に就任。2019年6月、エキサイト株式会社に入社。執行役員に就任し、人事部門を管掌。

【写真右】 lotsful 代表    田中みどり
新卒でインテリジェンス株式会社(現・パーソルキャリア株式会社)に入社。正社員の転職支援領域における法人営業に従事。 IT・インターネット業界を主に担当し、ベンチャー企業を中心に約1000名の転職をサポート。大企業とベンチャー企業の事業開発支援を行う事業立ち上げを経て、lotsfulを設立。

副業人材は、「正社員採用」よりもスピーディーにインパクトが残せる。

田中: まずは、エキサイトさんが副業人材の活用を始めたキッカケについてお聞かせください。

齋藤氏: トップ人材を招くための、採用活動の一環として始めたのがキッカケです。ビジネスの成功事例を持った方を正社員としてお招きしたいのが本音ですが…、事業の成長スピードに合わせて人材を早く欲しいというニーズもありました。通常のフローですと、採用には3ヶ月程度の時間を要します。早急にビジネスインパクトを作りたいということで、正社員採用と同時並行で副業人材を探していました。

田中: 副業人材の募集はいつ頃からスタートさせましたか?

齋藤氏: 私がエキサイトにジョインしたのと同じタイミングなので、2019年6月からですね。

田中: 具体的にどのような分野において副業人材が活躍しているのでしょうか。

齋藤氏: BtoC部門や広告事業部門、IT部門といった各部門で活躍している方がいます。実は、副業として当社で働いてみたいというニーズはかなり多くあります。例えば、転職を考えている人でも、まずは企業のカルチャーを見たい――そのためにまずは副業で入って、社内の雰囲気を掴みたいと考えているようです。

田中: 2019年6月から副業人材の受け入れをスタートさせて、手応えはいかがでしょう?

齋藤氏: ベンチャーやスタートアップはスピードが命なので、すぐさまビジネスに効果を出すには有効な手段だと思います。採用のステップとしても、副業を挟んで正社員へという使い方もあると実感していますね。

 

副業人材を招くことで、「脳」が一つ増えた。

田中: 今回、lotsful経由でAさんが副業人材としてエキサイト様にジョインされています。どのような業務を担当されていますか。

齋藤氏: Aさんは2019年10月にジョインしていただきました。最初に既存事業をどうグロースしていくかという事業戦略のご相談をし、その流れで新規事業立ち上げも牽引してもらっています。

田中: Aさんを受け入れようと思った決め手は何だったのでしょう?

齋藤氏: 所属されているのが業界でもトップクラスの成長企業であり、私たちの求める経験・ノウハウを有していたからです。そして、最大の理由は人柄に惹かれたことです。コミュニケーションが取りやすく、意思決定もはやい。実際当社で働いていても、その印象は全く変わりません。

田中: 会社のカルチャーにもマッチしていたと。

齋藤氏: そうですね。現在は、週に1回、定例ミーティングなどにも参加してもらっています。他のメンバーとも違和感なく業務を行っていますし、メンバーの相談にも乗ってもらっています。

田中: 具体的にはどのようにして、業務を進めていったのでしょうか。

齋藤氏: 最初に担当いただいたのが事業戦略の部分だったので、事業部の数字を一部オープンにしながら、課題がどこにあるのかを一緒に検討していきました。さらに事業をスケールさせるには「新しい事業も必要だよね」という話になり、そこから新規事業の立ち上げにも力をお借りしています。新規事業の中心メンバーとして、リサーチや資料づくりから入ってもらいました。また、週に1回の定例ミーティングに加え、テレビ会議やSlackで随時やり取りもしています。レスポンスがもの凄く早い方なので、非常に助かっています。

 

田中: 社外の方に数字を知られるリスクに関しては考えられたりしたのでしょうか?

齋藤氏: これからの事業戦略を一緒に練っていきたいと考えていたので、もともと情報をオープンにするつもりでお招きしていました。もちろん、情報管理に関わる契約書などはしっかり交わしています。最初にお会いした時から「信頼できる人だな」と思っていたので、開示することのリスクもそれほど感じていません。 パフォーマンスを出していただくためにも、一定の情報開示は必要だと思っています。

田中: なるほど。エキサイト様では、外部の力を積極的に取り入れているとのことですが、その理由を教えてください。

齋藤氏: 社員だけですと情報収集にも限りがあり、深い部分まで考えが至らない場合があります。しかし、社外にいる「その道のプロ」ならずっとそのビジネスに向き合っているので、どのように情報をインプットし、成果を出すかその成功パターンを知っています。また、外部の方と一緒に仕事をすることで、それらを社員が学ぶことも可能です。

外部の方を招くことは、 純粋に脳が一つ増えたようなイメージですね。社内で新しいことを作ろうとしても、考えが硬直してしまいます。その風向きや空気を変えてくれるのが外部の人材です。

田中: もう一つ脳が増えるということは、思考法やアプローチ方法が増えるということですね。

齋藤氏: まさにその通りで、高い効果が期待できます。事業部内で新規事業を立ち上げようとした時に、その道のプロ招いてOJTで社員を鍛えてもらうこともできます。そういった取り組みが、事業の成功確度を上げる近道にもなります。

田中: 実際にAさんがジョインされてから、どのような成果が出ていますか。

齋藤氏: Aさんのおかげで2つの新規事業が立ち上がりました。ひとつは昨年末に新規事業に関する稟議を通し、今年初めにスタートしました。もうひとつは今が準備段階で、来季にスケールさせていく計画です。Aさんがきてから、新規事業を立ち上げるスピード感も上がってきていると実感しています。

田中: 他のメンバーの方にも刺激になりますね。

齋藤氏: はい。Aさんには他のメンバーのOJTを含めてお任せしているのですが、社員がこれまでとは違う角度で仕事に向き合うことができ、業務の進め方にも変化が表れています。

 

外部人材活用の秘訣は、ミッションを明確にすること。

田中: ここまでは副業人材を受け入れた際のメリットについてお伺いしました。反対に「難しい」と感じるポイントはありますか?

齋藤氏:  副業人材を受け入れる場合は、何をお任せしたいのか、どのようなミッションを担ってもらうのか、アウトプットイメージを明確にしておく必要があると感じています。そのようにしていかないと話が前に進まず、ただの壁打ち状態となり、お互いにとって不幸な結果となってしまいます。

田中: 副業人材のミッションを明確化するために、どんなことに取り組まれましたか。

齋藤氏: どういったピースが足りないのかを配属部門の現場とすり合わせ、必要なスキルを持つ人材をアサインできるようにしました。この部分は、通常の採用と変わりません。副業人材にジョインしていただいたら、キックオフミーティングを行って軸を合わせつつ、お互い何をするべきかミッションを設定していきます。

田中: Aさんとのミーティングはどのように行いましたか。

齋藤氏: 2時間ほどお話しして、当社の既存事業の現状を詳しくお伝えしました。その後、メンバー全員が参加するミーティングに参加いただき、みんなに紹介しました。

田中: Aさんがジョインしたことで、組織や人が変化した部分はありますか。

齋藤氏: 事業を作り上げるための考え方や仕組み作りを学ぶことができました。そこから、社員の動き方が一気に加速したと感じています。

田中: 企業として、副業人材にどのようなことを求めていますか。

齋藤氏: 何かの領域でプロフェッショナルであることです。例え1時間でも一緒に業務に取り組めば、レバレッジを効かせられる方が必要です。事業のスピード感を上げるには、「巨人の肩に乗ってスピードを上げていくこと」が重要ですから、その道に精通している「巨人」といえる方を求めています。

田中: では逆に、副業人材を受け入れるために、企業にはどのようなことが必要だと感じられていますか。

齋藤氏: 先ほどもお伝えしましたが、副業人材に何をしてもらうか、ジョインしてもらうことで何を変えてほしいのか、ミッションを明確にすることが必要だと感じます。凄い経歴だからという理由で入ってもらっても、大体は失敗するでしょう。ミッションの明確化は、受け入れる企業側が必ず行わなければなりません。

田中: ありがとうございました。それでは最後に、lotsfulを利用した感想をお聞かせください!

齋藤氏: 顧問や副業領域もいろいろなサービスがありますが、lotsfulの登録者には、会社に所属し実績を上げている方が多いので、実務レベルで業界の“今”を分かっていて成功体験をインストールしてもらえるのが、他ではない体験だと思います。

Aさんクラスの方は、なかなか採用市場にも出てきません。副業はジョインするハードルが下がるので、そこで仲間になっていただき、すぐに事業や組織に変化を創れることが非常に価値のあることだと思っています。そんな仕組みを作っているlotsfulに今後も期待しています!

 

(編集・取材・文:眞田幸剛、撮影:古林洋平)